中古車購入
更新日:2018.11.11 / 掲載日:2018.02.19
Safety 最新技術から業界を取り巻く状況まで 安全装備、まるごと。
ドライバーのミスをサポートして、大切な命や財産を守ってくれるのが最新の安全装備。今回の特集ではクルマの安全装備について、最新技術から話題の「サポカー」などの施策、そして運転テクニックまで、まるごと紹介します!
構成●ユニット・コンパス
安全装備の内容でクルマを選ぶ時代がやってきた!
これまで自動車業界では長く、安全装備はクルマのウリにならないと言われてきた。しかし現在では、従来の常識は完全に覆され、安全なクルマが人気を集めている。
そんな安全車人気の立役者となったのが、事故を未然に防いでくれる自動ブレーキ。2008年にスバルがレガシィに「アイサイト」を採用し、「ぶつかる前にクルマを停止させる」ことを市販車で初めて実現させた。スバルが20年に渡って開発してきたこの安全技術は、当時約20万円という価格も手伝って、ユーザーから爆発的な支持を集めた。
また、時代が安全技術を進化させた例としては、アクセルとブレーキの踏み間違いによる事故を防ぐための、ペダル踏み間違い時加速抑制装置があるだろう。高齢者による事故が増加傾向にあり、こちらも早期の普及が求められている。
レクサスの象徴であるLSはもっとも進んだ安全装備を誇る
新型レクサス LSには、レクサスが今後展開していく安全技術の最新かつ最高の内容が盛り込まれている。その象徴とも言えるのが、「プリクラッシュセーフティ」に備わる、歩行者注意喚起とアクティブ操舵回避支援だ。従来の自動ブレーキに加え、ヘッドアップディスプレイに歩行者が存在する方向を指し示す機能(世界初)を追加。より直感的にドライバーに危険を知らせる。さらに、アクティブ操舵回避支援は、クルマが自車線内の歩行者やガードレールのような構造物と衝突する可能性が高く、ブレーキ制御だけでは回避できないとシステムが判断した場合、より安全な方向にステアリングを自動で制御して衝突を回避、または被害を軽減する。まさに先進の安全装備だ。
LEXUS LS
レクサス LS
2017年に11年ぶりにフルモデルチェンジされたレクサスのフラッグシップ。現時点での最高の性能と快適性、そして安全性を兼ね備える最高級セダン。
パーキングサポートブレーキ
駐車場でのアクシデントを未然に防ぐ!
リヤカメラで歩行者を検知、衝突の危険がある場合には警報を発し、ブレーキ制御をかけることで被害を軽減する。また、後方から接近する車両との衝突も未然に防ぐ。
ドライバー異常時停車支援システム
システム作動中にドライバーの無操作状態が継続した場合、音と表示、そして緩やかな減速によってドライバーに警告。さらに、自車線内に減速・停車する。
アクティブ操舵回避支援
クルマが自動でブレーキしつつ歩行者を避ける!
LEXUS Safety System +A 新型レクサス LSに搭載される安全装備
新型LSの安全装備は、従来「Lexus SafetySystem+」として採用されていた自動ブレーキ、車線キープ支援、レーダークルーズコントロールといった技術を磨き上げるとともに、高度運転支援技術「Lexus CoDrive」を組み合わせたもので構成される。つまり、安全技術と自動運転技術を組み合わせることで、さらなる高みを目指しているというわけ。各種操作の自動化を進めることで、ドライバーの負担を減らすという考え方。
プリクラッシュセーフティ
Lexus CoDrive
レーンディパーチャーアラート走路逸脱対応
ドライバー異常時停車支援システム
上下2段式アダプティブハイビームシステム
フロントクロストラフィックアラート
ロードサインアシスト
クルマの知覚が進化しより安全に!
自動運転技術の発展が安全性を高めることに繋がる
これは、トヨタの子会社で人工知能などの研究開発を行う「TRI」が2018年1月に発表した自動運転実験車。外周360度の認識が可能で、これまで検知が難しかった暗い色にも対応している。このような自動運転技術の進化がクルマの安全性を高め、ドライバーがより少ない疲労で運転できる環境を提供してくれる。
Safety 装備のパッケージ化で搭載モデルが拡大中
コストのかかる高度な安全装備は、高級セダンといった高額車両などに標準化されるものの、量販車種についてはメーカーオプションとされるケースが多かった。しかし、自動ブレーキの爆発的な人気と急速な普及に伴って、安全装備に関するメーカーとユーザーの意識が変化。つまり、安全装備の充実による価格アップは、ある程度までは受け入れられるという状況が生まれた。需要が見込めれば量産効果によるコストダウンも計算できるため、自動車メーカー各社は、安全技術をパッケージ化して、自社ラインアップに幅広く導入する方向に舵を切った。
ここで紹介しているホンダもそのひとつで、安全運転支援システム「HONDA SENSING(ホンダセンシング)」として、ほぼすべての乗用車に高度な安全装備を採用して販売している。
その内容については、後に紹介しているが、技術の核となるのが、「ミリ波レーダー」と「単眼カメラ」。レーダーによって物体との距離を測り、カメラの映像を画像認識することで状況を認知・判断。必要に応じてドライバーに警告を発したり、事故を起こすと思われるような状況になると車両操作に介入して危機を回避する。メカ部分を極力シンプルかつ小型化することで低コスト化と搭載性アップを実現し、軽自動車にも搭載できるようになった。
現在ではほとんどの自動車メーカーが同様の安全装備をパッケージ化しているが、その内容については差異があるため、購入時には性能をよく比較検討したい。
HONDA FREED
ホンダ フリード
2016年に2代目に進化したコンパクトミニバン。使いやすい小型ボディに3列シートをパッケージング。「ホンダ センシング」を標準装備したことも話題に。
自動ブレーキ機能に加え、ステアリング制御が加わったことで、さまざまなリスクから乗員を守ってくれるのが「ホンダ センシング」の優れたところ。
Honda SENSING
ミリ波レーダーと単眼カメラで構成される
ミリ波レーダーと単眼カメラで構成される
衝突被害軽減ブレーキ
前走車に加えて、歩行者や対向車との衝突を回避、または被害を軽減してくれる機能。音とメーター内の表示で警告、衝突の恐れが強い場合ブレーキをかける。
歩行者事故低減ステアリング
カメラが歩行者と車線を認識し、衝突が起きそうな場合、音とメーター表示で警告。さらに、ステアリング操作を制御することで、回避操作を支援する。
路外逸脱抑制機能
車線を逸脱しそうな場合、メーター内の表示とステアリングの振動でドライバーに警告。それでも道路から逸れそうなときは車両を制御し、車線内へ戻るよう支援。
標識認識機能
カメラが道路標識を認識して、メーター内に表示することでドライバーへの注意をうながす。例えば車両進入禁止の場合には、進入前に警告を発してくれる。
車線維持支援システム
高速道路を走る際にステアリング操作をサポートする機能。単眼カメラが車線を検知し、ステアリングの振動およびステアリングを制御してサポートする。
先行車発進お知らせ機能
信号待ちなどの停止時にミリ波レーダーで前走車の発進を感知。ドライバーがアクセルを踏まなかったときには、音とメーター内の表示で知らせてくれる。
アダプティブ・クルーズコントロール
設定した車速内でクルマが自動的に加減速しながら、前走車との適切な車間距離を維持。追従走行することで、ドライバーの負担を軽減する。
アイサイト搭載車は非搭載車より約6割も事故が少ない!
自動ブレーキがどれだけ事故回避に効果があるのかをスバルが調査したところによると、2010年度から2014年度において、アイサイト搭載車は非搭載車に比べてクルマ同士の追突事故では約8割軽減、対歩行者では約5割軽減、調査全体では約6割が軽減されたというデータが出たという。自動ブレーキは事故防止に大きな効果があることが証明された。
2018年登場の技術で夜間の歩行者も感知
トヨタは、2018年から「Toyota SafetySense(トヨタ セーフティセンス)」の第2世代版を投入することを発表。新型では、高感度カメラを採用することで、自転車の運転者や夜間の歩行者も感知可能に。さらに、レーダークルーズコントロール使用時にハンドル操作も支援するようになるという。
後付けでペダル踏み間違いを防ぐアイテムが登場
操作ミスによる急発進を抑制してくれる機能を後付けで実現するアイテムが登場。T.M.WORKSの「誤発進抑制装置」は、クルマが停止時にアクセルを一定開度以上に踏み込むと、ブザー音で知らせると同時にアクセルを抑制。約3万円程度のコストで導入可能だ。
問い合わせ●T.M.WORKS TEL:0555-72-0546
※ナンバープレートは、はめ込み合成です。
Safety 軽自動車初となる安全装備を体験!
いまや軽自動車でも充実した安全装備が当たり前の時代。2017年12月に登場したスズキのスペーシアは、高い利便性と同時に、軽初となる先進の安全技術を複数搭載したのが話題となった。
そのひとつがフロントガラスに速度や道路標識などを表示するヘッドアップディスプレイ。試乗してその効果を体験してみたが、まず感心したのが表示の自然な見え方。見とおしのよい前方視界のなか、ドライバーにとって目線を少し落としたところに、大きな数字と読み取りやすい書体で速度が表示されているのだ。
ここにはナビの方向指示や自動ブレーキ作動時の警告も表示されるのだが、これなら運転に不慣れなドライバーでも見落としが少ないだろう。安全に寄与するのは間違いない。
SUZUKI SPACIA CUSTOM
スズキ スペーシア カスタム
大型グリルやメッキを多用したフロントマスクで堂々とした存在感をアピール。マイルドハイブリッドも採用している。
SUZUKI SPACIA
スズキ スペーシア
メカニズムや性能はカスタムとほぼ同様。旅行カバンをモチーフにした内外装のデザインで、親しみやすさと機能性を両立。
後退時ブレーキサポートを標準装備
リヤバンパーに備わる4つの超音波センサーで障害物を感知。約10km/h以下の後退走行中に作動し、衝突の危険が高まると自動でブレーキをかける。また、踏み間違いによる衝突についても被害軽減または回避を図る。
後退時ブレーキサポートは駐車場などでバック走行している際の事故を防ぐ機能で、軽自動車初となる。
使いやすく効果が期待できる軽自動車初のヘッドアップディスプレイ
ヘッドアップディスプレイの表示例。カラー表示ならではの見やすさで、各種情報や警告表示を知らせてくれる。
衝突安全性能のレベルアップと今後注目される予防安全性能
自動車の安全性は、事故が発生した際に発揮される受動的安全と、事故を未然に防ぐ積極的安全と大きく2種類の安全性によって評価できる。それを公正な視点でテストするのが自動車アセスメントだ。
SUBARU XV
スバル XV
SUBARU XV
エアバッグにより、乗員の受けるダメージは大幅に軽減されることが実験で証明された。
スバルXVには歩行者を保護するためのエアバッグを採用。こちらも大きな成果を挙げた。
自動車メーカーから独立した第三者機関が実験データを公開することで、安全なクルマ選びをサポートし、安全技術を高めることに貢献しているのが自動車アセスメント。日本ではNASVA(独立行政法人 自動車事故対策機構)が主催し、「JNCAP」という呼称で行われている。
1995年から開始されているこの取り組みは、2011年度から「新安全総合評価」というプログラムに進化。乗員保護と歩行者保護の性能に加えて、シートベルト装着を促すリマインダーも評価の対象になっている。最高評価は★★★★★(5★、ファイブスター)。
実験結果については、NASVAのサイトにて無料で確認することができるので参考にしてもらいたい。
JNCAPにおける新・安全総合評価の公表方法
5★を取得するためには、それぞれの衝突試験および歩行者頭部保護試験においてレベル4以上並びに、歩行者脚部保護試験においてレベル3以上が必要。また、後面衝突試験は、2012年度からはレベル4以上が必要。
110.0点未満 | ★ |
110.0点以上130.0点未満 | ★★ |
130.0点以上150.0点未満 | ★★★ |
150.0点以上170.0点未満 | ★★★★ |
170.0点以上 | ★★★★★ |
乗員保護性能評価(100点満点)
歩行者保護性能評価(100点満点)
シートベルトリマインダー評価(8点満点)
最高評価を得るには乗員保護性能と歩行者保護性能の双方を高レベルで実現することが求められる。それだけ安全なクルマという証になる。
※独立行政法人自動車事故対策機構が公表している情報から抜粋。
クルマ選びの新指標「予防安全性能」
自動ブレーキの性能差を公正な視点で確かめるテスト
NASVAが2014年度から新たに取り組んでいるのが、自動ブレーキなど事故を未然に防ぐための先進安全技術を評価する「予防安全性能アセスメント」。模擬車両や横断中の歩行者を模したターゲットに試験車を接近させることでその効果を試験。試験結果についてもサイトで公開されている。
自動ブレーキやペダル踏み間違い時加速抑制装置などを搭載したクルマを示す「サポカー/サポカーS」
高齢運転者の交通事故防止対策の一環として政府が実施している取り組みで、安全運転をサポートする装備を搭載したクルマに与えられる印。「サポカーS」に認定されているのは、サポカーのなかでもとくに安全装備が充実したクルマとして、とくに高齢者に対して推奨されている。
※ナンバープレートは、はめ込み合成です。
History of Safety 自動車の普及とともに進化を続けてきた安全技術
モータリゼーションの発展とともに、深刻な社会問題となった交通事故。しかし、技術の進化によって将来的には「交通事故ゼロ」が実現するかもしれない。
警察庁の発表によれば、2016年の24時間以内交通事故死者数は3904人。かつて、事故による死傷者の数が日清戦争の戦死者数を上まわる1万人を超えたことで「交通戦争」と呼ばれた1960年代半ばと比べると単純に半分以下、自動車保有台数の割合が当時の10倍となったことを勘案すると、重大事故の割合は大幅に減ったことになる。
自動車の数が爆発的に増えたのにも関わらず、死傷者数が減少傾向にある背景には、安全装備の充実が間違いなく理由として存在する。
そして現在、自動車メーカー各社は自動車による死傷者の数をゼロに近づけるべく技術を開発している。
かつての安全技術は、事故が起きてしまってから乗員ができるだけ傷つかないようにするものが多かった。シートベルトやエアバッグの高性能化、ボディ骨格の強化が代表例だ。しかしそれでは事故の数はゼロにはならない。そこで登場したのが、カメラやレーダーといった検知技術を活用した安全装備だ。事故を未然に防げば、事故による死傷者をゼロに近づけるのも夢ではない。自動運転は、安全への取り組みの一環でもあるのだ。
さらに将来的には、道路とクルマが通信を行うことで、カメラやレーダーでは検知できない見通し外の車両との接触を防ぐ研究も行われている。その進化と実現に期待したい。
自動車の安全性を高める上で欠かせないのが、人間が事故の際にどのような衝撃を受けるかという研究。トヨタでは1997年から「サスム」と呼ばれる衝突実験用のバーチャル人体モデルを活用。
また、近年では道路側の設備とクルマで情報を通信し、事故を防ぐ取り組みも行われている。
2000年代になると、車両を制御することで重大事故を防ぐ予防安全技術が進化していく。
Safety Drive 安全運転は楽しさと心地よさ そして速さにもつながる
冬ならではの運転テクニックで安全ドライブ!
冬ならではの運転テクニックで安全ドライブ!
まだまだ寒い日が続くが、春を目前にしたこの季節は降雪も多い要注意シーズン。家族や友人とのドライブを、安全かつ快適にするためのドライブテクニックを紹介する。
雪道では歩道と車道の境界があいまい。いつもよりも慎重に余裕を持った運転が求められる。
巻き上げた雪がテールランプを覆い隠してしまうと、追突される危険が高まる。休憩時に確認するなど配慮したい。
雪道でのドライブは、クルマの安全について多くを教えてくれる。例えば、舞い散る雪が視界を覆う状況では、スピードも出せずドライバーには不安がつきまとう。いかに、普段自然に周囲を見て判断しているかがわかるだろう。もちろん、雪道は晴天とは比べものにならないくらい滑りやすい。では、どうすれば安全かつ不安のないウインタードライブができるようになるのか。
すぐにでも取り入れられるのが、運転を見直すこと。といっても、動作をていねいに、ゆっくり行うこと。それだけだ。例えば発進時は、アクセルをほんのわずかに踏み、クルマがじわっと動き出したのを確認しながら徐々にアクセルを深く踏んでいく。同じ速度まで加速するにしても、より時間をかけるイメージだ。ブレーキをかけるときもそう。それだけで、スリップのリスクは大幅に減り、ほかの乗員も頭が前後に揺らされなくなるので快適になる。
ゆっくり走るのではなく、ゆっくりと加速、減速し、ハンドルはなめらかに操作する。これは冬道だけでなく、1年中使える基本技術だ。
NISMO DRIVING ACADEMY
ドライビングレッスンで運転技術を根本からレベルアップ!
NISMOロードカーおよび日産のスポーツカー購入者が受講できる「NISMO DRIVING ACADEMY」では、現役トップドライバーが基礎から丁寧にスポーツドライブを指導してくれる。その指導は優しくも的確で、確実にレベルアップできるもの。ひとりでも多くの方に体験してもらいたい。
タイヤの力を上手に引き出すことが、安全かつ速く走る最大のポイント。コツは、ていねいでスムーズな操作。無理なツッコミはかえって遅くなるのだ。
※ナンバープレートは、はめ込み合成です。