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更新日:2019.10.25 / 掲載日:2019.10.25

【日産】アクセルペダルでイージードライビングを実現する「e-Pedal」の仕組みとは

【日産】アクセルペダルでイージードライビングを実現する「e-Pedal」の仕組みとは

グーネット編集チーム

e-Pedalとは、日産が電気自動車用に新開発をし、新型リーフに採用をした、新開発のアクセルペダルシステムです。

ここでは、e-Pedalの仕組みや効果について触れていきます。

「e-Pedal」とは

先行して販売されているノートシリーズの「ノートe-POWER」に搭載された、アクセルペダルの踏み加減を調整するだけで、発進・加減速・停止を自由にコントロールすることが可能な「e-POWER Drive」に、実際の作動手順やメカニズムにおいて、e-Pedalは酷似しています。

そのため、それほど大幅な改良ではないかと思いきや、新型リーフにはノートe-POWERにはない、同一車線自動運転技術「プロパイロット」という、ドライバーが設定した車速(約30~100km/h)を上限に、先行車両との車間距離を一定に保つよう制御するシステムが搭載されています。

このことにより、アクセルのオン・オフ時に、プロパイロットの応用で前方車両の車間を認識することが可能となります。

例えば、車間が詰まっているなら緩やかな加速と、スピーディーで安全な減速、車間が広く開いているなら加速度を高め、減速は緩やかに抑えるなどといった状況に応じた加減速が可能なため、E-POWER Driveを大幅に上回る、ドライブサポート能力を有しています。

特に、減速時の操作性アップが顕著で、アクセルをオフにした時の減速感は最大で0.2Gともいわれ、これはブレーキペダルを強く踏み込んだ時と、同等のレベルの減速感です。

「e-Pedal」の仕組みとは?

e-Pedalとは、発進、加減速、停止という一連の動作を、ブレーキペダルを使わずにアクセルペダルの操作だけで可能にした新しい技術です。ブレーキシステムに電動ブレーキが採用された構造が大きなポイントになっています。

アクセルペダルを戻した動作を電気的に感知し、モーターによる回生発電とキャリパーによる摩擦ブレーキの2種類のブレーキを状況に合わせて最適に配分して減速させ、車両停止後はブレーキペダルを踏まなくても、摩擦ブレーキによる電動パーキングブレーキの作動で車の停止が維持される仕組みになっています。

「e-Pedal」の使い方

1.e-PedalはON・OFF可能

e-Pedalスイッチを引くことによって、e-Pedal のONとOFFを切り替えることが可能です。e-PedalをOFFにすると、クリープ現象が働き、減速の度合いも変化するので、切り替えた後の運転には注意が必要になります。

2.ペダルを踏むと加速する

e-Pedalでも、普通の車の操作と同じように、ペダルを踏むと加速していきます。ガソリンエンジンと異なり、EVの特性上、ゼロ発進から一気に最大トルクが発生するので、力強い加速感が味わえます。

3.ペダルを戻すと減速する

アクセルペダルを戻すと、まるでブレーキを踏んだかのように、通常のブレーキと同程度の減速が行われます。日産ノートe-POWERの回生ブレーキが0.15Gであるのと比べ、リーフでは最大0.2Gにまで回生ブレーキが強められており、下り坂などでも確実に減速できるキャパシティを備えています。

4.ペダルを完全に戻すと停止・停止状態を保持する

ペダルを完全に戻せば減速して最終的に車は停止します。停止した後は、回生ブレーキではなく摩擦ブレーキに自動的に切り替わり、停止状態が保たれます。なお、上り坂・下り坂ともに約30%という急勾配まで停止保持が可能となっています。

5.緊急の場合にブレーキを使用する

e-Pedal採用車にも通常の車と同じようにブレーキペダルが備わっています。突然の飛び出しなどで急ブレーキが必要な時は、フットブレーキによる減速をすることになります。日産のテストデータではブレーキ操作回数は90%減少したとされているので、車間距離を開けるなどの安全運転を心がければ、実際にフットブレーキを使うようなシーンは非常に限られてくると考えられます。

「e-Pedal」がもたらす効果

「e-Pedal」がもたらす効果

グーネット編集チーム

e-Pedalにしろe-POWER Driveにしろ、道路をすべるかのような電気自動車特有のドライビング感覚を味わえるのは同じです。

しかし、e-Pedalの場合はその減速性能のアップから、もはやブレーキペダルが補助的な装置に感じるほど、アクセルを緩めるだけのイージードライブで、安全な停車が可能となっています。

これにより、発進と停車を繰り返さねばならない渋滞時や、込み合う街中での走行でもアクセルとブレーキを踏み替える回数が格段に減るため、長距離走行でも疲れを感じることなく、快適に運転することができます。

さらに、カーブの多い道路ではメリハリの利いた加減速で、エコカーとは思えないスポーティーなドライビングを満喫できます。

e-Pedalの持ち味を引き出している「プロパイロット」をONにすれば本来の役割である、「車間距離キープ機能(前方を走行する車両をモニターし、アクセル・ブレーキを自動でコントロール)」と、「車線中央キープ機能(白線をモニターしステアリングを自動でコントロール、カーブにおいて走行車線の中央を走行する手助けをする)」の2つが発揮されるため、常に安心安全な運転をサポートしてくれます。

e-Pedalの注意点

さまざまなメリットがあるe-Pedalですが、アクセルペダル1本での操作で、まだまだ採用されている車種が限られていることもあり、注意しておきたいポイントがいくつかあります。

「e-Pedal」の操作に慣れが必要

e-Pedalの注意点1つ目は、操作にある程度の慣れが必要となることです。アクセルペダルの戻し方によって、ゆっくりと減速したり、いきなり急減速になったりするので、車を停車させる場合に、自分がイメージしたところに止めるには練習が必要です。また、カーブの手前で減速して、カーブの中は加減速なし、カーブの出口で再加速するというような基本的な動作についても、ブレーキペダルとの踏み替えがない分、e-Pedalでの操作には慣れが必要です。

フットブレーキを使うタイミングが分からず混乱する

e-Pedalでは基本的にアクセルペダルだけで運転できるようになっているため、いつフットブレーキを使ったらいいかが分かりづらくなっています。どこまでの減速ならe-Pedalで対応でき、どこからフットブレーキが必要になるかについては、ある程度の習熟が必要になるので、特に初めのころはフットブレーキも積極的に使う運転を心がけて安全運転を心がける方がおすすめです。

クリープ機能がないことによる駐停車時の誤操作

e-Pedalではクリープ機能がないので、駐車場に車を停める時には、アクセルペダルを踏んだり離したりしながらの操作が必要になります。ごくわずかな距離の前後移動をe-Pedalを使って操作するため、これまでクリープ機能とブレーキペダルでスピードをコントロールしていたドライバーにとっては、誤操作に気を付ける必要があります。

まとめ

今回は、日産が実用化したe-Pedalの仕組みや使い方、効果や注意点についてまとめてきました。ブレーキペダルが補助的な装置と思えてしまうほど、アクセルペダル1本でコントロールするe-Pedalの完成度は高く、自動車の未来を感じさせる仕上がりになっています。ただし、e-Pedalの操作には慣れが必要になります。フットブレーキとの使い分けも含めて、上手にe-Pedalを利用していきましょう。

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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