中古車購入
更新日:2018.11.26 / 掲載日:2018.05.22
ONE MAKE MARKET RESEARCH ホンダ ヴェゼル

トレンドとなって販売台数が急激に拡大しているコンパクトSUV。今回はそのなかでも人気の高いヴェゼルの優れたポイントを探ろう。
2013年~
2013年式 ホンダ ヴェゼル ハイブリッドZ(CVT)
全長×全幅×全高 4295×1770×1605mm
ホイールベース 2610mm
トレッド前/後 1535/1540mm
車両重量 1300kg
総排気量 1496cc
エンジン 直4DOHC+モーター
エンジン最高出力 132ps/6600rpm
エンジン最大トルク 15.9kgm/4600rpm
モーター最高出力 29.5ps
モーター最大トルク 16.3kgm
サスペンション前/後 ストラット/車軸式
ブレーキ前/後 Vディスク/ディスク
タイヤ前後 215/55R17
中古車参考価格帯:150万円~290万円(13年~17年 ※全グレード)
フィット譲りの優れたパッケージングが自慢
ヴェゼルは、出来のいいコンパクトカーであるフィットをベースに作られたSUV。しかし、土台となるプラットフォームやパワートレインこそ共用しているものの、ボディは専用設計でフィットの面影はなし。完全に別の車種と考えていいだろう。
そんなヴェゼルの特徴はふたつ。「実用性の高さ」と「高級感」である。
たとえば後席は、国産コンパクトSUVのライバルである日産ジュークやマツダCX-3、そしてトヨタC-HRよりも広くて居住性は良好。コンパクトながら少し車体の大きな三菱エクリプスクロスに比べると膝まわり空間がわずかに狭いが、とはいえクラストップ水準であるのは間違いない。
同様にラゲッジスペースも大容量で、コンパクトSUVのなかではもっともファミリーユースに適した1台といえる。
その根本にあるのは、フィット譲りの優れたパッケージングを受け継いでいることだ。全長約4.3mの車体にこの実用性を盛り込んでいるのだから素晴らしい。
そのほか、低すぎず高すぎずの着座位置で乗り降りしやすいことも、乗るたびに感じる魅力である。
EXTERIOR エクステリア
最低地上高を上げてオフロード性能をアップ
フィットとサイズを比べると、単に高さが増しているだけでなく、全長も全幅もひとまわり大きい。このサイズアップにより、流麗なボディデザインながらもハイレベルな後席居住性と広くて実用的なラゲッジスペースを実現しているのだ。最低地上高もフィットに比べて50mm高く、悪路だけでなく雪道などでメリットを感じる。
リヤに向かって絞り込まれるキャビンは空力性能も良好。整えた前後空力バランスが、高速域でクルマが浮き上がろうとするのを防ぐ。
フィットと3サイズを比較!
3サイズを比較すると車体がフィットよりもひとまわり大きなことがよくわかる。全幅が1700mmを超えるので3ナンバーだが、税金などは5ナンバーと同じだ。
ホンダ ヴェゼル(2WD)
ホンダ フィット(2WD)
INTERIOR インテリア
上質な前席周辺 ゆったり広い後席
ダッシュボードやセンターコンソールにレザー風のパッドを張るなど、コンパクトクラスのSUVのなかでもひときわ上質なインテリアが自慢。上級グレードには本革シートも設定している。また、エアコン操作スイッチをタッチスイッチとしたり、パーキングブレーキを電動式とするなど先進性を感じさせる操作系も特徴的。
上級グレードには運転席と助手席のパワーシートも設定。後席はクラス水準を大きく超える、足を組んでも余裕がある膝まわりスペースが自慢だ。
MECHANISM メカニズム
独創的なレイアウトと先進のハイブリッド
SPORT HYBRID i-DCD
センタータンクレイアウトと呼ぶフロントシートの下にガソリンタンクを置く独自の設計が、広い室内スペースの確保に貢献している。ハイブリッドは高出力モーターを内蔵したトランスミッションが肝で、DCT(デュアルクラッチトランスミッション)と呼ぶ先進的な機構が、優れた燃費と爽快な走りを両立している。
UTILITYユーティリティ
深く沈み込む後席はライバルにない特徴
荷室は床面積が広いだけでなく、床が低いから天地高にゆとりがあって実用的。さらに、ヴェゼルの実用性を象徴するのが後席収納だ。一般的には後席座面下付近に配置される燃料タンクを運転席と助手席の下に置いているから、畳んだシートが低い位置に収まるのだ。そして床面とフラットになるのだから使い勝手がいい。
コンパクトSUVながらも広い荷室は、さまざまなレジャーで活躍してくれる。ドリンクホルダーや収納ポケットも多く、実用車としての使い勝手は優秀。
SAFETY セーフティ
モデル途中からホンダセンシングを搭載
Honda SENSING
2016年2月の一部改良で先進安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダセンシング)」を採用。単眼カメラにミリ波レーダーを加え、それまでは作動が低速域に限定されていた自動ブレーキが、以降は全車標準装備で上限速度が約80km/hまで上がった。2018年2月以降のモデルは全車に標準装備(非装着車も選択可能)。
Honda SENSINGは自動ブレーキのほか、高速道路で車速を自動制御する「ACC」や、車線の中央を走るようなハンドル操作など、運転支援も行う。
※すべての価格は参考価格です。
※中古車参考価格はすべてグーネット2018年4月調べ。

MODEL HISTORY モデルヒストリー
1 2013年12月 ヴェゼルを発売
ポジショニング的には「クロスロード」の後継だが、実質的なニューモデルとして登場。パワートレインは1.5Lの自然吸気エンジンと、そこにモーターを加えたハイブリッドを用意する。
2 2015年4月 一部改良
エアコンにプラズマクラスターを組み込むなど、快適装備が充実。またFF車のサスペンションを改良して乗り心地や操縦安定性を向上しつつ、一部仕様はハンドルの革を上質化。
3 2016年2月 一部改良および「RS」を追加
先進安全運転支援システム「Honda SENSING」を全車に採用するなど安全性を向上したほか、サスペンションも進化。スポーティな走りを実現した「RS」グレードを追加設定した。
4 2018年2月 マイナーチェンジ
精悍な外観になった後期型
最新の改良で行われたのは「見た目の進化」と「機能の熟成」。見た目はフロントバンパーやグリルのデザインを変更し、ライトも光り方が変化。走行面はハイブリッドの制御を変更して加速をスムーズにしつつ、ブレーキのフィーリングも向上。燃費や静粛性、「Honda SENSING」の機能も進化した。
フロントシートの形状をリファインし、ステッチを変更することでホールド性と質感を高めるなど室内も熟成。
VEZEL RS
ボディ剛性にもこだわって走りを磨いた
ヴェゼル RS
ボディ剛性にもこだわって走りを磨いた
「RS」の最大のウリは胸のすくような走り。単にサスペンションを締め上げて18インチタイヤを履くにとどまらず、「パフォーマンスダンパー」と呼ばれる車体のねじれや共振を防ぐパーツを車体前後に取り付け、ステアリングギヤ比もクイックにするなど広範囲な変更をしてスポーティな走りを手に入れた。
フロントグリルやガーニッシュなど専用の外装で見た目もスポーティだが、真骨頂は走りのために追加されたアイテムの数々。ガソリン車でもハイブリッドでも選べる。
RIVAL ライバル
ライバルたちとの違いは?
いま、もっとも人気が盛り上がっているコンパクトSUVにはたくさんのライバルがいてお互いに切磋琢磨している。それぞれ個性があるので、改めてヴェゼルのライバルの状況をチェックしてみよう。
マツダ CX-3
ライバルで唯一 ディーゼルを設定
CX-3の最大の特徴はクラスで唯一、ディーゼルエンジンが選べること。ディーゼルエンジンは加速が力強く、高い速度域でも燃費がいいので燃料代が安く済むのが特徴だ。
中古車参考価格帯
150万円~270万円(15年~17年 ※全グレード)
トヨタ C-HR
まるでクーペのよう 個性的スタイリング
ヴェゼルに比べるとスタイリングが個性的で、より軽快な雰囲気を持っている。一方で後席の居住性や荷室の使い勝手などは、ヴェゼルのほうが優れている。ハイブリッドも設定。
中古車参考価格帯
200万円~290万円(16年~17年 ※全グレード)
日産 ジューク
デザインが奇抜 ハイパワー車も用意
このクラスを切り開いた立役者といえる存在のジューク。デザインはとにかく奇抜で好き嫌いは分かれるが、個性は最強だ。高出力のターボや旋回性の高い4WDも選べる。
中古車参考価格帯
60万円~250万円(10年~17年 ※全グレード)
MARKET DATA マーケットデータ
登場から4年が経つが、依然高値安定が続く
デビュー以降、ヴェゼルの中古車は高値を推移し続けてきた。以前ほどではないが、いまもその状況は続いており、4年落ちの「ハイブリッドX」でも平均価格は201万円。くまなく探せば150万円前後の物件もあるが、購入にあたり200万円程度の予算は確保しておきたい。
年 式
デビュー翌年の2014年式が中古車の中心だが、2017年式も非常に豊富。これは登録済未使用車と呼ばれるもので、販売店のデモカーが市場に流れている。走行距離
登録済未使用車が豊富にあるため、走行距離が全体的に低くなっている。しかしこれを除いても、多走行な物件はそれほどないから、安心して選べるはず。
グレード
ハイブリッドの割合が非常に豊富で、8割近くを占めている。非ハイブリッドは、スタンダードな「X」グレードが多い。ハイブリッドは上級の「Z」が目立つ。
グレード×年式別相場
2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | |
---|---|---|---|---|---|
G | – | 172万円 | 178万円 | 179万円 | – |
X | – | 172万円 | 177万円 | 191万円 | 194万円 |
S | – | 191万円 | 192万円 | 214万円 | – |
RS | – | – | – | 209万円 | 218万円 |
ハイブリッドX | 197万円 | 201万円 | 206万円 | 219万円 | 229万円 |
ハイブリッドZ | 212万円 | 211万円 | 215万円 | 234万円 | 245万円 |
走行距離×年式別相場
2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | |
---|---|---|---|---|---|
3万km未満 | 206万円 | 203万円 | 206万円 | 225万円 | 235万円 |
3万km~5万km | 193万円 | 200万円 | 204万円 | 211万円 | – |
5万km以上 | 189万円 | 190万円 | 196万円 | 234万円 | – |
編集部イチオシ!
買いのグレードはどれ?
⇒ハイブリッドZ
物件の多さ、ランニングコスト、リセールバリューなどトータルで考えるとハイブリッド車を積極的にねらいたい。なかでも装備が充実した「Z」グレードがもっともオススメ。
IMPRESSION インプレッション
自動車ジャーナリスト 工藤貴宏のホンダ ヴェゼルのGOODとBAD
GOOD
広い室内に実用的な荷室スペース 使い勝手のよさはライバルをリード
なにより素晴らしいのは実用性の高さ。後席は広くて居心地がいいし、荷室は容量が大きいのに加えて後席を倒したときに床が完全にフラットになるなど、とにかく使い勝手は抜群だ。そして、注目したいのはハイブリッドの爽快感。C-HRもハイブリッドを選べるが、ヴェゼルのほうがアクセル操作に対するクルマの反応がリニアで、運転するのが楽しい。そこは大きな魅力だ。
BAD
強いていえば外観の刺激が足りない
じっくり考えてみてもNGポイントが見当たらないのが、ある意味ヴェゼルの凄さなのかもしれない。強いて挙げるとすれば、ライバルに比べてデザインに個性がなく刺激が足りないことだが、これはひとそれぞれの好みだ。そしてこれはSUV全般に言えることだが、ベースとなった車両(フィット)に比べると価格設定が高いこと。そこは購入の際に踏まえておきたい。
ユーザー口コミレビュー
近くまでの運転、高速道どちらも快適に走れるクルマ。走りが安定していて、ハンドリングも悪くありません。荷室も広くてかなりの荷物が積めます。後部座席はそれほど広くはありません。
総合評価:4.8/5.0
ドライバー歴:16年
グレード:不明
タフで精悍なスタイルと2ドアと思いきや隠れたリヤドアの取っ手が決め手。ガソリン車に乗っていますが、市街地でも平均11km/Lくらい走り、とてもエコなクルマだと思います。
総合評価:4.3/5.0
ドライバー歴:45年
グレード:S
全幅は広めですが、全長がコンパクトで取りまわしがよいので、女性とか初心者の運転に向いています。また車高が高いから運転しやすい。ハイブリッド仕様は燃費がリッター15km程度。
総合評価:4.9/5.0
ドライバー歴:35年
グレード:ハイブリッドZ
※口コミレビューは、グーネットに投稿されたものを一部抜粋・改変して記載しています。総合評価は5点満点。
※すべての価格は参考価格です。
※中古車参考価格はすべてグーネット2018年4月調べ。