中古車購入
更新日:2020.04.23 / 掲載日:2018.05.22

不満解消、まるごと。

Q&A方式で最適解を知る、間違えのないクルマの選び方。不満解消、まるごと。

中古車には、ユーザーの数だけエピソードがある。購入段階でもユーザーはいろいろな思いを経験するが、購入した後には、また新たなストーリーが始まる。そんなカーライフのなかで、愛車に対してなんらかの不満を抱く人も決して少なくはない。購入後、わずか1年や2年で手放すことを考える人だっている。クルマに乗るうえで生じるさまざまな不満は、実際にクルマを買い、乗ってみるまでは意外と気づかないもの。特に中古車であれば、物件が売れてしまうのではないかと焦って購入を決めてしまい、納車後になって不満点に気づくようなこともあるだろう。今回は、ユーザーが愛車に対して感じたさまざまな不満をピックアップ。購入前の読者に対して、そういった不満を生じさせないようなクルマの選び方を指南していく。さらに、中古車全体に対する不満についても、なにが問題なのか分析し、その不満の解消方法を紹介していこう。

私たちが不満解消します!

  • モータージャーナリスト 岡本幸一郎

    モータージャーナリスト 岡本幸一郎
    アラフィフだが自動車メディア業界では若手に属する、カーマニア系モータージャーナリスト。チューニングや旧車などにも精通している。カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

  • 自動車ライター 清水草一

    自動車ライター 清水草一
    自動車専門誌や一般誌、週刊誌など様々な媒体に連載記事を持つ人気自動車ライター。趣味は「クルマを買うこと」で、軽自動車からフェラーリまで幅広い車種を購入してきた。

中古車のありがち不満を解消!?

いえ、それはクルマのせいじゃないんです
中古車を買った後に生じるさまざまな不満。まずは車種選びとは関係ない部分に対してユーザー(特に中古車慣れしていない人)が抱きがちな不満を取り上げ、問題を整理していこう。

冷房を使ったら効きが良くない!

エアコンを使用しない寒い季節に購入し、夏になって冷房の効きの悪さに気づいても、日数が経過していれば後の祭り。どんな季節でも購入時にエアコンのチェックは必要だ。

実際の燃費がカタログ値と違う!

  • 実際の燃費がカタログ値と違う!

  • クルマの実燃費というものは、カタログ燃費値の6~8割程度の数値となっている。カタログ値を絶対的な数値と思うべきではないし、購入前に知っておくべき知識のひとつだ。

ATなのにエンストしてしまう!

トランスミッションの故障と考えられる。試乗時に気づいたら修復が可能かどうか販売店に確認すること。通常走行ができないということで、納車後でも販売店に伝えるべきだ。

維持費や交換部品が高過ぎる!

排気量が大きく、燃費が悪いクルマなどは維持費がかかり、高級車は交換パーツが高い。だがこれらは事前に予想できること。あらかじめ納車後のこともシミュレーションしておこう。

新車ディーラーでの試乗時と乗り心地が違う!

  • 新車ディーラーでの試乗時と乗り心地が違う!

  • 中古車が新車時より劣化しているのは当然のこと。サスペンションパーツが経年により消耗し、多少乗り心地が悪くなることもあるだろう。試乗時にその度合いを確かめたい。

タイヤの残り溝が少なかった!

  • タイヤの残り溝が少なかった!

  • タイヤは山が減っていたり、スリップサインが出ていることさえあるが、販売店が無償交換してくれることはほぼないので、あらかじめ交換費用を考慮して購入を検討しよう。

ボディに色あせてる箇所がある!

  • ボディに色あせてる箇所がある!

  • 前オーナーの保管状態によっては、塗装が色あせていたり傷んでいることもある。このあたりも購入後に文句を言っても意味がない。実車確認時に必ずチェックしておくこと。

保証が付いていない!

  • 保証が付いていない!

  • 保証の有無は店舗や物件ごとに異なる。保証がない物件には付かないなりの理由もあるのだろうが、一概にマイナスな理由とも言い切れないので、まずはそこを確認しよう。

カーナビが純正品じゃなかった!

  • カーナビが純正品じゃなかった!

  • カーナビやホイールなどが純正品じゃないことは中古車ではありがち。ただ、部品交換などの際に純正じゃないと不都合が生じることも。後のことも考えて、実車確認時にチェックしよう。

ネットと店頭とで価格が違った!

グーネットなどウェブサイトの掲載金額と、店頭での提示金額が異なっていたら、その理由を店員に尋ねてみよう。納得のいく理由が得られなければ、購入はやめたほうがいい。

エピソードI 家族の不満編

愛車は家族の共有財産であり、時には奥さんが運転したり、子どもを乗せてドライブすることも少なからずあることだろう。まずはそんなファミリーユースからの不満を集めた。

不満01 ちょっと長めの距離を走ると疲れてしまうので、乗り心地のいいクルマを教えてください!

  • 45歳/男性 妻・子ども1人

    45歳/男性 妻・子ども1人

    日頃運転していないため長距離がキツいです。自分が楽に運転したいのはもちろん、同乗する家族も快適にドライブを楽しめるクルマといえばどれですか?

  • 45歳/男性 妻・子ども1人

    45歳/男性 妻・子ども1人

岡本「3代目セルシオ後期型ですね!これほど快適に長距離を移動できるクルマはないです」
清水「セルシオは、乗ると疲れが取れるとすら言われてるしね(笑)」
岡本「ですよね!見た目も走りも、後期型がオススメです」
清水「でもさすがにセルシオはデカすぎないか?」
岡本「でも、前を走るクルマがどいてくれるのも助かりますよ」
清水「それに関しては、クラウンはもっと上だ。覆面パトカーに間違えてくれるから」
岡本「それはまぁ・・・」
清水「セルシオよりは取り回しもラクだしさ。狙いは相場のこなれた先代型だね」

対策A 硬くないサスペンション
対策B 柔らかめのシート
対策C 大きめの排気量
乗り心地の最重要パーツといえば、足まわり。かた過ぎず、それでいて柔らか過ぎてもよくない。シートは人にもよるが、ドライバー以外は柔らかめのものを選びたい。さらに大排気量車ならパワーに余裕があるので、走りもゆったりしていて楽だ。

icon トヨタ クラウン(先代型)

  • 乗員に快楽を与えてくれる日本を代表する高級サルーン

    トヨタ クラウン(先代型)

  • 乗員に快楽を与えてくれる日本を代表する高級サルーン

    13代目となるクラウンは、伝統的な品質の高さを受け継ぎながら、先代モデルで好評だったスポーティなイメージも踏襲。ハイブリッドの設定や先進・安全技術の搭載も特徴的だ。

新車販売時期 2008年2月~2012年12月
中古車相場価格 60万~340万円
高額車ながら総じて販売台数の多かった車種なので、中古車流通量も多め。特に初年度の2008年式は圧倒的に多く狙い目。

不満解消ポイント

高級サルーンといえども10年落ちの初期モデルならそれほど高価ではない。「2.5アスリート」の柔らか過ぎない適度に引き締まった足まわりは、安定感と乗り心地を両立している。

不満02 のんびり運転することが多いのですが、家族みんながすこしでも静かな車内を堪能できるクルマは?

  • 37歳/女性 夫・子ども2人

    37歳/女性 夫・子ども2人

    ドライブへ行く時は、夫や子どもたちとの会話を楽しんでいます。だけど今のクルマはなんだか騒音がうるさくて・・・。静かさがウリのクルマあります?

  • 37歳/女性 夫・子ども2人

    37歳/女性 夫・子ども2人

岡本「これも30型セルシオ(先代モデル)が一番ですね!」
清水「またかよ!一般家庭にはデカすぎるって!」
岡本「それじゃ、のんびりという点と、家族を乗せるという点で、プリウスシリーズのプリウスαなんていかがでしょう?」
清水「うーん、もちろん悪くないけど、なら現行型プリウスの中古車を狙うのはどう?」
岡本「静粛性はそっちのほうが上ですね。プリウスαは、アクセルを踏むとエンジンが唸って、普通のプリウスよりもうるさいです」
清水「現行型プリウスの街中での静かさはハンパないし、走りもいい。人気がいまひとつなので、思ったより相場も安いよ」

対策A エンジン音
対策B 遮音性能
対策C タイヤの種類
現代のクルマは、ミドルサイズ以上のモデルであれば遮音性がそれなりに高められている。また、ハイブリッドカーであれば、静粛性がウリなのでエンジン音もそれなりに抑えられていることが多い。タイヤもロードノイズに影響する。

icon トヨタ プリウス(現行型)

  • 静か過ぎてびっくりさせられることもあるベストセラーモデル

    トヨタ プリウス(現行型)

  • 静か過ぎてびっくりさせられることもあるベストセラーモデル

    現行型で4代目となるハイブリッドカーの老舗モデルだが、従来型より高級志向が高められた。1.8Lエンジンとハイブリッドシステムの組み合わせで、燃費は世界トップクラス。

新車販売時期 2015年12月~
中古車相場価格 140万~400万円
新車で大量に売れているため流通物件数は非常に多く、まだ発売後3年目なので相場もさらに下がっていくと予想される。

不満解消ポイント

質感を向上しながら静粛性も高められており、高級サルーン並みの静かさを味わえる。特にエンジンを停止した状態のEVモードなら、聞こえてくるのはロードノイズだけとなる。

不満03 車内が窮屈なので家族から不満がこぼれています。解消できるクルマってありませんか?

  • 42歳/男性 妻・子ども2人

    42歳/男性 妻・子ども2人

    2人目の子どもが生まれてから、妻からも上の子からも「もっと広いクルマがいい」との要望が出ています。やはりミニバンを選ぶべきなんでしょうかね?

  • 42歳/男性 妻・子ども2人

    42歳/男性 妻・子ども2人

岡本「それはもう、箱型ミニバンでしょうね」
清水「そのうえで、どこまで求めるかだろうね」
岡本「それほど高級感を求めないのなら、ヴォクシーノアエスクァイアセレナステップワゴンなどMクラスの箱型ミニバンならどれでもオッケーでしょう!」
清水シエンタフリードもいいよ。値段やサイズのわりにメチャ広い」
岡本「ミニバンではなくて広い室内をお求めであれば、キューブがイチオシです」
清水「それは意外性があるね!」
岡本「フロアが低くてフラットで足元は余裕があるし、頭まわりも広々としてます」

対策A 頭まわりスペース
対策B 足元スペース
対策C 見晴らしの良さ
それなりに全長の高いクルマを選べば、乗員の頭まわりのスペースは広くなる。足元のスペースに関しては、室内長やシートスライド機構が影響してくる。さらにウインドウ面積が広ければ見晴らしも良く、窮屈に感じることもない。

icon 日産 キューブ(現行型)

  • コンパクトカーとは思えない室内スペースの広さが自慢

    日産 キューブ(現行型)

  • コンパクトカーとは思えない室内スペースの広さが自慢

    箱型コンパクトカーの先駆で、初代型がヒットモデルに。現行型は3代目で、横開きバックドアを採用したリアの左右非対称デザインが特徴的。1.5LエンジンにCVTの組み合わせ。

新車販売時期 2008年11月~
中古車相場価格 10万~180万円
登場後10年が経ち、さらにモデル末期ということで、相場は底値になっている。狙い目は5年落ち程度の安価な物件。

不満解消ポイント

ミドルサイズミニバンならたいていのモデルが解消できる不満だが、隣の家とは違うクルマを選びたいなら、キューブはどうか。室内は圧倒的に広く、相場も安めになっている。

不満04 ファミリーで山や海へアウトドアにでかけることが多いのですが、荷物が積みきれません!

  • 34歳/男性 妻・子ども2人

    34歳/男性 妻・子ども2人

    趣味のアウトドアに出かける際、家族全員の荷物を載せることを考えると、ラゲッジスペースがどれだけ広くても足りません。どうすれば解消できますか?

  • 34歳/男性 妻・子ども2人

    34歳/男性 妻・子ども2人

岡本「それならデリカシリーズのデリカD:5が最高の選択肢ですよ!」
清水「タフなミニバンってことに関しちゃ文句なしだね。ただ、走りが重いんだよなぁ」
岡本SUVのような走破性もあるじゃないですか。車内は自在にアレンジできて、いざとなれば相当な大荷物も積めるし、フラットにして仮眠もできます」
清水「俺は現行型エクストレイルをすすめたいな。あれは意外といいクルマだ。3列シートもあるし」
岡本「でも、積みきれないほど荷物を積みたいんですよ?D:5ならシートには汚れプロテクト加工が施されているし、どこへでも行けて、なんでもできるクルマです!」

対策A 荷室のサイズ
対策B 荷室の使い勝手
対策C 悪路走破性能
アウトドアで使用するにあたって舗装路以外の道を走るようなら、それなりの悪路走破性能と多少ぶつけても気にならないような外観が望ましい。荷室はそれなりのサイズがあって、アレンジもしやすく、撥水加工があればベストだ。

icon 三菱 デリカD:5

  • 道を選ばず大荷物も積めるライバル不在のタフなミニバン

    三菱 デリカD:5

  • 道を選ばず大荷物も積めるライバル不在のタフなミニバン

    他に類をみないミニバンとSUVとを融合したようなデザインの7~8人乗りモデル。エンジンは2L&2.4Lを設定。ボディは強固で、三菱伝統の本格的4WDシステムも採用されている。

新車販売時期 2007年1月~
中古車相場価格 30万~600万円
ライバル車不在なため人気がある。初期型は流通量も多く狙い目だが、ラフな乗り方をしてないかチェックが必要。

不満解消ポイント

3列目シートを収納するだけで大量の荷物を積めるが、2人乗車時であれば2列目シートもチップアップ&スライドすることでさらに圧倒的広さの荷室を誕生させることが可能。

※中古車価格はグーネット2018年4月調べ。記事中の価格は参考であり、中古車価格を保証するものではありません。

Q&A方式で最適解を知る、間違えのないクルマの選び方。不満解消、まるごと。

エピソードII カーマニアの不満編

カーマニアにとって、クルマは自分のアイデンティティ。理想や好みをとことん追求したいところだが、なかなかそれに適合するモデルが見つからない。マニアの欲求を満たそう。

不満05 最近のターボ車の加速感が物足りません。ターボらしさが思いっきり味わえるのは?

  • 42歳/男性 独身

    42歳/男性 独身

    ターボ車が好きなんですが、最近のターボって速くても加速感がマイルドでしょ。昔みたいにグッとシートに身体を押し付けられるようなターボ車ってないですか?

  • 42歳/男性 独身

    42歳/男性 独身

岡本「たしかにここ15年ぐらいのクルマには、古典的な強烈なターボってないですね」
清水「みんな低い回転からトルクが出る、実用的なターボになったからね。そんななか、一番昔っぽいターボと言えば、スバルWRX STIじゃないかな」
岡本「まぁ、今でこそかなり強烈なほうですけど、かつてのダイハツのストーリアX4なんかに比べると、生ぬるいんじゃ?」
清水「そんなマイナーで古い車名を挙げてもしょーがないだろ!」
岡本「100系や110系のマークII、チェイサー、三兄弟とか・・・」
清水「それまた現実的じゃないな。やっぱWRX STIしかない!!」

対策A 加速の鋭さ
対策B トルク感の強烈さ
対策C 戦闘的なルックス
「ターボ=速そう」というイメージどおりの戦闘的なルックスはもちろん、最近は少なくなってきた“段つき”の加速感や、アクセルを踏みこんだ時に強烈なトルク感を感じられることが、ターボ好きにとって重要となる。

icon スバル WRX STI

  • 強烈な加速を受け継いできたハイパフォーマンスセダン

    スバル WRX STI

  • 強烈な加速を受け継いできたハイパフォーマンスセダン

    かつてのインプレッサのハイパフォーマンスグレードという存在から、フラッグシップスポーツとして独立。現在、世界トップクラスの運動性能を持つ4ドアセダンである。

新車販売時期 2014年8月~
中古車相場価格 260万~790万円
ニッチなモデルの宿命だが、流通台数が少なく、相場も高値を維持している。大切に乗られている物件が多いのも特徴だ。

不満解消ポイント

専用チューニングが施された2L水平対向4気筒ターボエンジンは、300馬力以上のハイパワーを発揮。そのハイパワーに耐えうるスポーツサスや高いボディ剛性も備えている。

不満06 故障が不安で輸入車は買えません。国産車でも輸入車っぽさが味わえるモデルはありますか?

  • 48歳/男性 妻あり・子どもなし

    48歳/男性 妻あり・子どもなし

    本当は輸入車が欲しいのですが、信頼性の面で不安があります。これだけ種類がありますし、国産車でも輸入車っぽさを味わえるモデルってないですかね?

  • 48歳/男性 妻あり・子どもなし

    48歳/男性 妻あり・子どもなし

清水「これに関しては隠し玉がある。スズキのSX4だ!」
岡本「フィアットとの共同開発車でしたよね」
清水「デザインはジウジアーロ率いるイタルデザイン。ルーフレール付きなら、とてもオシャレさんだ。そして走りはヨーロッパ車そのもの!」
岡本「その点では同じスズキのスプラッシュもアリですね。でも僕は先代型スカイラインをすすめます。日本車離れした雰囲気があるでしょう」
清水「でもスカイラインって名前がなぁ。モロ、昭和から連綿とつづく“ニッポンの名車”だから」
岡本レクサスISは?」
清水BMWだと思って乗れないことはないね」

対策A 洒落たデザイン
対策B 輸入車っぽい乗り味
対策C 海外での製造
海外でも販売されているグローバルモデルや、海外の工場で製造された逆輸入モデルなどは、ヨーロッパや北米などでも通じるデザイン性の高さを持っていることが多い。国産車よりすこしかためのスポーティな乗り味も魅力的。

icon スズキ SX4

  • 欧州基準で開発されたグローバルコンパクト

    スズキ SX4

  • 欧州基準で開発されたグローバルコンパクト

    ショート&ワイドで欧州テイストのクロスオーバー風デザインや引き締まった足まわりを持つ。次期型は大型化され、日本では「SX4 Sクロス」という車名の別モデルとなった。

新車販売時期 2006年7月~2014年11月
中古車相場価格 20万~110万円
流通台数が多くないなか、2WDと4WD、ハッチバックとセダンなど選択肢も多く、狙いどおりの物件を見つけ出すのは難しい。

不満解消ポイント

日本車らしからぬデザインで、街中で見かけても、いい意味で無国籍風に見える。日本の路上でそれほど見かけないことも、カーマニアにとっては嬉しいことかもしれない。

COLUMN 中古車ならではの不満、その原因はここにあった!

不満が生まれるのは中古車にかぎったことではないが、やはりそれなりの年月を経過し、ある程度走行したクルマというのは、不満が見つかりやすい。その原因を探ってみよう。

一番の対策は購入前にネガな要素を減らすこと

中古車は1台ごとにコンディションが異なる。そのため、しっかり整備されてなかった物件は故障しやすく、大切に扱われていなかった物件は程度が悪い。どちらも次のユーザーから不満が生じやすくなる。
そういう意味では、不満の要因となりうる故障や程度の問題というのは中古車ならではのものだ。しかし、これらの不満は購入の際に各ポイントをチェックするだけで対策できる。ここで挙げている箇所は特に注意したいポイントだ。
結局は価格とコンディションとのバランスで購入を決めることになるので、時には妥協することも必要だが、すこしでもネガを減らしておけば、購入後に不満が生じる可能性を減らせるだろう。

走行距離

購入後のカーライフを見据えて物件を探す

現代では“メーター戻し”もほぼ絶滅し、オドメーターさえ見ればすぐに正しい走行距離が確認できる。過走行車でもしっかり整備されていればトラブルは少ないが、やはりクルマは走れば走るほど劣化は進むし、整備費用はかさんでくるものだ。これも購入後にどうこうできる問題ではないため、この先、自分はどれくらい乗るのかまで考慮に入れたうえで物件探しをするのが正しい。

キズ・ヘコミ

DIYが難しいレベルであればプロに頼むべき

中古車であればまったくないほうが珍しいのがキズやヘコミ。ある程度小さなキズであれば研磨剤などを使って自分で消してしまうこともできるが、不満が生じるようなキズとなればそれなりに深いもの。キズ、ヘコミとも、物件確認時に光を当ててボディを見わたすことで発見しやすい。契約前に発見したのであれば、販売店で修理できないか相談し、プロの修復に頼るのもいいだろう。

年式

事前に欲しいモデルの年式ごとの情報を収集

基本的に中古車は新しい物件ほど相場が高くなるが、時にはマイナーチェンジなどによるデザイン変更や装備変更により、前のモデルのほうが高価になっていることもある。デザインはどうしようもないし、装備も後付けできないものがあるので、年式に関してはただ新しいものを選ぶのではなく、自分の望む形状や装備が備わっているかどうか、事前に情報を収集しておくべきである。

臭い

店による車内清掃が済んでいるか否か確認

残念ながら、車内にタバコやペットなどの臭いが残っている物件も存在する。さまざまな臭い消しグッズも販売されているが、はじめから臭わないにこしたことはない。店頭に並んでいる時点ですでに車内クリーニングされている場合と、契約が決まってから納車前にクリーニングする場合があるので、後者であればこれから改善されることもあり得る。そこは販売店に確認しておこう。

修復歴

まずは「修復歴」の意味を知っておくこと

本来「修復歴」とは、フレームなど車体の骨格部分を修復したことを示すため、バンパーなどを交換した程度では「修復歴あり」と表示されない。これを事前に知っておけば、後でフェンダー交換の経歴に気づいて不満に思うようなこともない。つまり「修復歴」がなければ深刻なダメージを受けていないということなので、綺麗に直ってさえいれば、それほど気にしなくてもいいだろう。

車検の残り期間

車検にかかる費用を知っておけば安心

車検の残り期間が短い物件は価格が安めに設定されている。しかし残り期間が長く高額な物件との価格差はどうか。納車後に車検を取るとなれば安くても10万円近い出費となるため、その金額を取り戻せるかどうかを考慮に入れて物件選びをするべきだ。ただ深刻な故障でもないかぎり、車検金額が跳ね上がることはないので、残り期間が短い物件でも、取り返しがつかなくなることはない。

※中古車価格はグーネット2018年4月調べ。記事中の価格は参考であり、中古車価格を保証するものではありません。

Q&A方式で最適解を知る、間違えのないクルマの選び方。不満解消、まるごと。

エピソードIII 最新トレンドの不満編

日進月歩の自動車業界。時代とともに新技術が次々に誕生しているが、それが信頼性を高めて市井のものになるのはいつのことか。クリーンディーゼルや自動ブレーキはどうか。

不満07 昔乗っていたパワフルなディーゼル車に乗りたいけど、現代のディーゼルって非力なんでしょう?

  • 55歳/男性 妻・子ども2人

    55歳/男性 妻・子ども2人

    昔はパワフルで力強いディーゼル車がいろいろあったんだ。今は「クリーンディーゼル」って名前らしいけど、あの頃のように力強い走りを味わえるものかね。

  • 55歳/男性 妻・子ども2人

    55歳/男性 妻・子ども2人

清水「この方は、なによりもまずマツダディーラーに行って、クリーンディーゼルを体験してみる必要があるね」
岡本「昔乗っていたディーゼルがパワフルに感じていたというなら、今のディーゼルはスーパーパワフルですよね!」
清水「昔のディーゼルよりはるかにレスポンスがいいし、パワーもある。それでいてクリーンだ」
岡本「ただ、パワフルさを求めるなら、1.5Lじゃなく2.2Lのほうがいいでしょう」
清水「相場を考えると、先代CX-5がベストかな?もちろんアテンザやアクセラもいいけれど」
岡本「とりあえずCX-5でしょう」

対策A トルクの力強さ
対策B 懐かしい走行フィール
対策C 現代的な排ガス性能
ユーザーがディーゼルに求めているのは、ガソリンエンジン以上のパワルフさや加速の力強さ。ただパワフルなだけでなく、名称に「クリーン」が付く以上、昔とは比べものにならないくらいの排ガス性能を備えていなければならない。

icon マツダ CX-5(先代型)

  • 新世代のマツダを象徴する都会派クロスオーバーSUV

    マツダ CX-5(先代型)

  • 新世代のマツダを象徴する都会派クロスオーバーSUV

    新世代技術「SKYACTIV(スカイアクティブ)」が採用されたミドルサイズのSUV。2.2Lのクリーンディーゼルと2&2.5Lのガソリンエンジンを設定し、駆動方式はFFとフルタイム4WDから選べる。

新車販売時期 2012年2月~2017年2月
中古車相場価格 100万~310万円
昨年フルモデルチェンジしたことで相場は若干下がり気味。SUVブーム過渡期のデビューながら人気で、物件数もそれなりに多め。

不満解消ポイント

力強い走りと優れた燃費性能を両立する新世代クリーンディーゼルエンジンは高価なNOx後処理装置なしでポスト新長期規制に適合。ただパワフルなだけでなく上質感も味わえる。

不満08 「ぶつからないクルマ」って言うけど、まだ信用できない。おすすめの自動ブレーキ搭載車ってある?

  • 40歳/男性 独身

    40歳/男性 独身

    最近はどこのメーカーも「自動ブレーキ搭載」って謳ってるけど、本当に信頼できる技術なのか疑ってしまいます。それにきっとまだ高くて買えないんでしょう?

  • 40歳/男性 独身

    40歳/男性 独身

清水「そりゃまぁ絶対じゃないけど、人間のケアレスミスを大幅に補ってくれることは間違いないよ!」
岡本「その確率をおっしゃっているんでしょう。となると、新しいほどいいってことになります」
清水「中古車で自動ブレーキ付きを選ぶなら、3年落ち以内が目安じゃないかな?」
岡本「一番定評があるのはスバルのアイサイトですけど、バージョン3以降がオススメです」
清水「でも、バージョン2でも追突を8割減らせたんだぜ?」
岡本「8割じゃ満足できないかも」
清水「とりあえず、スバルのアイサイトなら、多少古くても確実に事故は減らせるよ!」

対策A 認知システム
対策B 作動速度
対策C 認知できる対象
レーザーやレーダー、カメラなど認知システムは車種によってさまざまだが、そのメリットは一長一短。複数を組み合わせているものが最良か。もちろん、より速い速度でも作動し、歩行者や自転車、あるいは夜間でも使えるものが理想的。

icon スバル レヴォーグ(スバルのアイサイト搭載車)

  • 自動ブレーキの認知度を高めたスバルの人気ワゴン

    スバル レヴォーグ(スバルのアイサイト搭載車)

  • 自動ブレーキの認知度を高めたスバルの人気ワゴン

    レガシィツーリングワゴンの系譜を受け継ぐスポーツワゴンで、1.6&2Lのターボエンジンを搭載。初期型でも一部グレードを除き、アイサイトバージョン3を標準装備している。

新車販売時期 2014年6月~
中古車相場価格 120万~380万円
登場後3年ほどは新車が売れていたため、狙うならそのあたり。2014年式であれば200万円以下でもそれなりに物件が選べる。

不満解消ポイント

衝突被害軽減ブレーキはもちろん、操舵支援機能やAT誤発進機能を備えるアイサイト。2015年の一部改良では、斜め後方の検知機能や、後退時の車両検知機能なども追加されている。

エピソードIV その他の不満編

不満09 流行の都会的なSUVが苦手なんです。昔気質のゴツいSUVってなにかいいのないですか?

  • 50歳/男性 妻・子ども2人

    50歳/男性 妻・子ども2人

    SUVが流行ってますけど、どのメーカーのどの車種を見ても、曲線的なデザインの都会っぽいモデルばかり。もっとオフローダーっぽいのを探してます。

  • 50歳/男性 妻・子ども2人

    50歳/男性 妻・子ども2人

岡本「一時再販されたランクル70系、ちらほら中古車も出てきましたね。かなり割高ですが・・・」
清水「いくら昔っぽいのを求めていたって、そこまで求めてないんじゃない?ランクル系ならば全部オッケーでしょ!十分ゴツいよ」
岡本「そういうことなら、ランクル80系がオススメです」
清水「いやぁ、先代の100系だろうが現行の200系だろうが、十分ゴツいって。FJクルーザーって選択肢もあるよ。ベースはランクルプラドだから、中身は十分本格派だ」
岡本「でもちょっと都会的じゃないですか?」
清水「先代の100系ランクルを200万円台で狙うのが順当かな?」

対策A クロカン系のデザイン
対策B 4WD性能
対策C 悪路走破性能
どんな悪路でも駆け抜けられそうなクロスカントリー車風のデザインをまとい、必要にして十分なレベルの4WDシステムを備えているモデル。さらに若干のレトロっぽい雰囲気が感じられれば“ゴツいSUV”と言っても差し支えないだろう。

icon トヨタ ランドクルーザー 100(先代型)

  • 砂漠の国でも活躍している世界で大人気の陸の王者

    トヨタ ランドクルーザー 100(先代型)

  • 砂漠の国でも活躍している世界で大人気の陸の王者

    ランドクルーザー80の後継車で、型式は「100」に(現行型は200)。歴代モデルから受け継ぐクロカンとしての能力をさらに高めつつ、フラッグシップSUVとしての高級感も備えた。

新車販売時期 1998年1月~2007年7月
中古車相場価格 80万~770万円
新車価格350万円以上だったのが20年を経て100万円以下に。年式は古くとも、当時の高級モデルは高い質感が感じられる。

不満解消ポイント

4WD性能は世界トップクラスで文句なし。4.5L直6&4.7L V8エンジンを搭載し、伝統のラダーフレームを採用したボディは高級感がありつつも頑強。あらゆる悪路を走破できる。

不満10 軽自動車だと車格的に不満です。けど維持費は安く抑えられるクルマが欲しいんです!

  • 31歳/男性 独身

    31歳/男性 独身

    見栄だとはわかっているのですが、やはり軽自動車だと不満なんです。見た目が安っぽくなくて、でも実際の維持費は安いクルマってないですか?

  • 31歳/男性 独身

    31歳/男性 独身

清水「軽では不満だけど、軽並みの維持費の安さを求めてるんだね」
岡本「普通車だと、軽に比べて税金がガバッと高くなるのはどうにもなりませんが・・・」
清水「ただ中古車の場合、軽より普通車のほうが車両価格が割安なことが多いから、そこで割り切ってもらうしかない。あとは広さかな?」
岡本「なら、2代目フィットがイチオシです。軽快な走りと燃費は太鼓判ですし、室内の広さも軽ハイトワゴンに負けません」
清水「今の軽ってメチャメチャ広いから、フィットくらいじゃないと対抗できないよね。じゃなかったらフリード。先代型なら値段もこなれてる」岡本「どっちかですね」

対策A コンパクトカー
対策B 低燃費性能
対策C 質感の高さ
軽自動車の魅力といえば低燃費で税金や保険など維持費も安いこと。そういったメリットを享受しつつも、黄色ナンバーの軽じゃないモデルを求めるならコンパクトカーが一番。なかでも高い質感を備えているモデルならより良い。

icon ホンダ フィット(先代型)

  • 圧倒的に低燃費で車内も広いベストセラーコンパクト

    ホンダ フィット(先代型)

  • 圧倒的に低燃費で車内も広いベストセラーコンパクト

    ヒットした初代モデルの魅力を多方面で進化。センタータンクレイアウトで広大な室内空間を実現し、さまざまなタイプが設定された。一時期、日本で一番売れたクルマにもなった。

新車販売時期 2007年10月~2013年9月
中古車相場価格 10万~140万円
変遷の激しいコンパクトカー市場だけに、先代モデルであればほぼ底値。最終モデルでもだいたい100万円を切っている。

不満解消ポイント

現代の軽自動車の車内スペースは尋常じゃなく広い。それに匹敵するだけのスペースを持つコンパクトカーといえばフィット(あるいは先代型フリード)。燃費もトップクラスだ。

まとめ

車種選びの段階から将来の不満を考察

クルマは人によっては趣味であり、ファッションでもあるが、快適に暮らすための便利な道具でもある。ユーザーがクルマを不便に感じるのでは意味がないし、なにか不満を持ちながら所有するのもナンセンス。どうせ買ったなら大満足のカーライフを送りたい。そのためにも、不満が生じないクルマを選び出すべきだ。今回のクルマの選び方が参考になれば幸いである。

※中古車価格はグーネット2018年4月調べ。記事中の価格は参考であり、中古車価格を保証するものではありません。

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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