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更新日:2020.01.07 / 掲載日:2018.06.25
【マツダ】12気筒並みのなめらかさを実現「3ローター20Bエンジン」とは

グーネット編集チーム
マツダといえばロータリーエンジンと言われるほど、マツダのロータリーエンジンは有名です。現在は、2012年6月で生産終了したRX-8を最後に、市販車からロータリーエンジンは消滅しています。
長きに渡り、2ドアスポーツカーのRX-7にロータリーエンジンを搭載してきたマツダですが、RX-7に搭載していたのは2ローター13Bエンジンです。唯一市販車で3ローター20Bエンジンを搭載したのが1990年から1996年まで生産された「ユーノスコスモ」の上級グレードです。
今回は、まるで12気筒エンジンのような、滑らかかつハイパワーの3ローター20Bエンジンについて解説します。
1991年のル・マン24時間レースで日本車初の栄冠はロータリーエンジン
マツダは、ユーノスコスモの生産時期と重なる1991年のル・マン24時間耐久レースにて、ロータリーエンジンを搭載した「マツダ787B」が、日本の自動車メーカーとして初めて、そして唯一の優勝を成し遂げました。
1991年からル・マン24時間レースは「3.5Lのレシプロエンジン」しか使用できないレギュレーションが決められた中、多くのチームの開発が追いつかなかった背景があり、1991年は新旧のレギュレーションが認められました。
そこでマツダは、ル・マン最後の挑戦に賭けました。
当初、優勝候補はポルシェ、ジャガー、メルセデスベンツで、マツダは注目されない中でしたが、見事に優勝します。
そこで、レシプロエンジンと異なり、ロータリーエンジンの少ない部品数と耐久性が大きくアピールされました。
3ローター20Bエンジンとは
市販車として世界で初めて、3ローターエンジンがユーノスコスモに搭載されました。
3ロータリー+シーケンシャルツインターボチャージャーを搭載し、低回転域向けと高回転域向けの2つのターボチャージャーを組み合わせて過給するため、スムーズな加速が低速域から高速域まで味わうことができました。
エンジンのパワーは、当時の国内自主規制上限の最高出力280馬力、41.0kg-mの最大トルクは国産エンジン最強とも言われました。
気になる燃費は6.1km/L。渋滞の多い市街地では3km/L以下になるとも言われ、燃費を気にすると乗れない車でした。
ロータリーエンジンの排気量は13Bが654cc×2、20Bが654cc×3、つまり、1ローターは654ccです。
ただし、自動車税区分はロータリーエンジンには1.5倍の係数がかけられていました。
3ローターなら1962ccですが、1.5倍の2943cc相当、つまり3000ccまでのレシプロエンジンと同じ自動車税率となっています。
高級パーソナルクーペ「ユーノスコスモ」とは
3ローターエンジンを搭載したユーノスコスモは、1989年4月から1996年4月までマツダの販売チャネルであったユーノス店と共に歩んできた車です。
そのユーノス店のフラッグシップとして登場したのが、高級パーソナルクーペ「ユーノスコスモ」です。
全長4.8mを超える大きなボディに2ローターの13Bと3ローターの20Bのエンジンを揃え、特に3ローターエンジンは、非常にスムーズな吹け上がりと力強い加速感で注目されました。また、インテリアについては仔牛10数頭分の本革を使い、ダッシュボードにはイタリア産のウッドパネルを使用するなど、贅を尽くした車でした。