トヨタラクティスの中古車購入の際の選び方の参考ポイント

ラクティスは、ユニークなスタイリングが特徴の多目的乗用車「ファンカーゴ」の後継モデルとして2005年10月に誕生しました。
リリース以来、5ナンバーサイズながら、ゆったりした全高や徹底したパッケージデザインにより、使い勝手の良い広々としたユーティリティ＆ラゲッジスペースを実現したコンパクトトールワゴンです。

「高速大容量スタイリング」をデザインテーマに掲げ、張りのあるサイドの面構成やV字のキャラクターラインの入った、スラントしたショートノーズからルーフエンドで緩やかに続く、ワンモーションフォルムなど安定感のある居住性の高さを窺わせるスポーティな外観デザインを採り入れています。

日常の市街地走行からロングドライブまで、大人4人が快適にくつろげる車内となっており、クラスにおけるトップレベルの室内空間を実現しています（2005年10月時点）。質感の高いモダンなインテリアや揺れの感じにくいフラットな乗り心地、取り回しの良い操作性などから、年齢・性別を問わない広い層の方々から高い支持を集める人気モデルです。

2010年11月にリリースされた2代目モデルは初代モデルのコンセプトを継承しながら、多彩なシートアレンジができ、コンパクトクラスで初めてとなる遠隔可倒レバー付6：4分割チルトダウン機構リヤシートやアジャスタブルデッキボードの採用など、日常の利便性・実用性の向上が図られました。

搭載するエンジンは先代モデルと同じ排気量ながら、1.3Lエンジンは新たにDual VVT-i（Dual Variable Value Timing-intelligent：吸・排気連続可変バルブタイミング機構）を備えるドライバビリティが強化された新ユニットに置き換わりました。

質感の向上に伴い、欧州や香港、イスラエルをはじめ、ワールドワイドで販売される世界戦略車に成長しますが、2016年9月をもって販売を終了しました。グループ会社であるダイハツからOEM供給を受ける「タンク」「ルーミー」へと移行します。

ここではラクティスの中古車購入の際の選び方の参考ポイントとして、主なグレードの特徴、維持費と燃費、中古車の価格相場や価格帯を取り上げてご紹介します。　

・X
1.3Lエンジンもしくは1.5Lエンジンを搭載するベースグレードです。
駆動方式は1.3Lモデルでは2WD/FF、1.5Lモデルではフルタイム4WDも設定されています。

ベースグレードながら、メッキフロントグリルやカラードアウトサイドドアハンドル、リヤルーフスポイラーに加え、サイドターンランプ付電動格納式リモコンカラードドアミラーなどのスタイリッシュな外観デザインを採り入れています。

ワイヤレスドアロックリモートコントロールやUVカットグリーンフロントドアガラス+UVカットグリーンプライバシーガラス（リヤドア/リヤクォーター/バックドア）、運転席上下アジャスターなどの快適装備に加え、1.5Lモデルではクルーズコントロールが装備されます。

また、ウレタン巻ステアリングホイール＆シフトレバーノブ、マニュアルエアコン、4スピーカーが装備され、インサイドドアハンドルやレジスターなどがブラック仕上げとなります。

加えてリヤシートの2WDモデルは、チルトダウン機構付、そして、4WDモデルはダブルフォールディング機構付となります。
足回りは16インチタイヤ＆樹脂フルキャップスチールホイールが装着されます。

・G
「X」グレードに対して、スマートエントリー＆スタートシステム、盗難防止システム、コンライトや運転席アームレストが追加され、2WDモデルには便利なアジャスタブルデッキボードが装備される上位グレードです。

フロントドアガラスがスーパーUVカットタイプ、ステアリングホイール＆シフトレバーノブが本革巻、エアコンがプッシュ式ヒーターコントロールパネル付のオートタイプ、インストルメントパネル等がソフトパッド表皮、スピーカー数が6個と変更されます。

また、メッキインサイドドアハンドル、レジスターやシフトレバーベゼルが高輝度シルバー塗装、イルミネーテッドエントリーシステムがエンジンスイッチにも拡大されるなどグレードアップが図られます。

・レピス
「X」グレードに対して、意匠の異なる専用フロントバンパーやメッキグリル、専用本革巻3本ステアリングホイール＆シフトレバーノブ、専用ヒーターコントロールパネル、専用ファブリックドアトリムに加え、運転席上下アジャスターが装着される、女性ユーザーを意識した上品な仕様が施されたグレードです。

リヤコンビネーションランプがクリアタイプとなり、インストルメントパネルが質感の高いソフトパッドタイプ、足回りは16インチタイヤ＆専用樹脂フルキャップスチールホイールが装着されます。

・S
1.5Lエンジン、2WD/FF駆動のみの設定となるスポーティグレードです。
「G」グレードに対して、減衰力を高めたユーロサスペンションやリヤディスクブレーキをはじめ、カラードサイドマッドガード、マフラーカッターに加え、フロントフォグランプやパドルシフトが装着されます。

また、メッキフロントグリルとハロゲンヘッドランプが精悍なスモークタイプ、メーターやステアリングホイール＆シフトレバーノブが専用タイプへ変更されます。
足回りは16インチタイヤ＆アルミホイールが装着されます。　

ここでは、ラクティスの型式ごとの燃費の違いと、燃費に基づく年間の燃料代と自動車税からなる年間維持費用をまとめます。
同じ型式でも車両重量などにより若干の差異が生じることがあります。

なお、年間の走行距離は年間1万km、ガソリン単価は無鉛レギュラーガソリン135円/L、無鉛プレミアムガソリン145円/Lと仮定しています。また、自動車税は2018年9月時点で参照したものとなります。

・NSP120：1.3L/CVT/FFモデル
使用燃料：無鉛レギュラーガソリン
JC08モード燃費：20.0km/L
年間ガソリン代：約67,500円（500.0L×135円） ※1
自動車税：年間34,500円 ※2
年間維持費：約102,000円 ※3

・NCP120：1.5L/CVT/FFモデル
使用燃料：無鉛レギュラーガソリン
JC08モード燃費：19.0km/L
年間ガソリン代：約71,052円（526.3L×135円） ※1
自動車税：年間34,500円 ※2
年間維持費：約105,552円 ※3

・NCP125：1.5L/CVT/フルタイム4WDモデル
使用燃料：無鉛レギュラーガソリン
JC08モード燃費：16.6km/L
年間ガソリン代：約81,325円（602.4L x 135円） ※1
自動車税：年間34,500円 ※2
年間維持費：約115,825円 ※3

※1．ガソリン単価は無鉛レギュラーガソリン135円/L、無鉛プレミアムガソリン145円/Lと仮定しております。
※2．自動車税は2018年9月時点で参照したものとなります。
※3．年間の走行距離は年間1万kmと仮定して1年間のガソリン代を算出し、自動車税を合算して、年間維持費として計算をしております。

ラクティスは、取り回しの良い全長4mに満たないコンパクトな5ナンバーサイズのボディながら、クラストップレベルの室内空間を実現するとともに、上質なインテリアを備えるトールワゴンであり、比較的価格が安定した中古車価格を維持しています。また、流通台数が多いことも特徴であり、用途や予算、好みなどに応じて、豊富な登録台数の中から、最適な1台を選べることも大きな魅力と言えるでしょう。

2代目 トヨタ ラクティス 120系：24.8～151.2万円
NSP120：24.8～129万円
NCP120：39～139.8万円
NCP125：39～158万円

X Vパッケージ：46.7～82.3万円
レピス：39～129.6万円
S：39～115万円

2010年11月にフルモデルチェンジを受けた2代目モデルでは、2016年9月まで販売された後、後継モデルの「タンク」「ルーミー」へ引き継がれます。

実質初年度モデルにあたる2011年式の登録台数が最も多く、40万円台から80万円台が中心に相場が形成されています。以降のモデルに関しては2016年式まで緩やかな傾きの販売価格が維持されています。

走行距離は1万km未満の低走行車も数多くみられるものの、ほとんど車両が1万km から7万km未満の幅広いレンジの中に集中しており、ほぼ年式相応のマイレージと言えるでしょう（上記中古価格帯については、2018年9月26日時点での数値となっています）。

年式やグレード、オプション装備をはじめ、走行距離や程度、ボディカラーなどで個々の中古車販売価格が異なりますので、中古車を価格で選ぶ際には、最新の価格をチェックするようにしましょう。