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更新日:2019.11.13 / 掲載日:2019.11.13
Dセグメントのセダンって何?Cセグメントとどう違うの?

グーネット編集チーム
クルマの新車紹介記事やインプレッションで、「セグメント」という言葉をよく耳にします。欧州の自動車業界では、この「セグメント」という共通認識をもとに、クルマは分類されています。
そのため、そのセグメントに関する明確な基準があるように思われますが、実は、セグメントに関して世界的に統一された数値基準は存在していません。
ここでは、世界基準でなく、国やメーカーなどの違いでセグメントの概要や分け方についてご説明します。とくに数の多いDセグメントセダンに注目して、特徴やCセグメントセダンとの違いについて解説していきます。
セグメントとは?
クルマ業界における「セグメント」とは、大まかに言うと、クルマのカテゴリー分けのことを指します。「セグメント」という英単語の意味は「区切り、区分」のことです。
このセグメントという考え方は、主に欧州の自動車業界で発展した区分けであり、各メーカーや調査会社が独自の基準を設けています。
では、最もオーソドックスなセグメントである、全長で区分けする方法と、販売価格で区分けする方法をご紹介します。
全長で区分けする方法
Aセグメント:全長約3.3m~3.6m
Bセグメント:全長約3.6m~4.4m
Cセグメント:全長約4.4m~4.6m
Dセグメント:全長約4.6m~4.8m
Eセグメント:全長約4.8m~5m
Fセグメント:全長約5m~
販売価格で区分けする方法
Aセグメント:150万円~250万円
Bセグメント:200万円~300万円
Cセグメント:250万円~350万円
Dセグメント:350万円~600万円
Eセグメント:550万円~1,000万円
Fセグメント:1,000万円~
他にも、エンジンの排気量などで区分する方法もありますが、高級車が大排気量エンジンを積んでいるという状況が一昔前までは主流でしたが、現在で高級車でも排気量の小さいターボエンジンを搭載していることがあるなどして、エンジンの排気量からクルマのランクを推測することが難しく、セグメントとしてはあまり機能していない状態になっています。
ボディサイズにしても、年々クルマは大型化する傾向にあり、同じ車種でもモデルチェンジによってセグメントが変わってしまうこともあります。価格についても、グレードやエンジンのタイプによっては、セグメントが下の車種が上の車種より高いケースもあり、どの尺度も万能ではありません。
Dセグメントセダンの特徴

グーネット編集チーム
それでは、数多いセグメントの中でも、クルマの全長で区分けした場合のDセグメントセダンをピックアップして、その特徴をご説明していきます。
このDセグメントセダンは、「アッパーミドルセダン」とも呼ばれています。
下位のCセグメントの代表格がフォルクスワーゲンゴルフやトヨタカローラ、トヨタプリウス、上位のEセグメントの代表格がメルセデス・ベンツEクラスやBMW5シリーズ、アウディA6であることを踏まえる理解しやすいです。まず、排気量については、最近のBMW3シリーズは1.5Lの3気筒ターボエンジンを搭載しているので、1.5Lの過給機付きから、スバルレガシィB4のような2.5Lの自然吸気まで幅広いゾーンになります。ターボ化が進んできた現代では、概ね2L前後の排気量が多く、最近ではハイブリッドモデルも目立ってきています。
駆動方式についても、メルセデス・ベンツCクラスやBMW3シリーズは伝統的にFRを貫いています。一方、ホンダアコードのように古くからFFレイアウトを採用しているモデルもあれば、アウディA4やスバルレガシィB4のような4WDの設定があることを自身のアイデンティティの一部としているような車種もあります。
Dセグメントセダンは、日本国内でも扱いやすいサイズ感でありながらも、スポーツ性能や高級感を兼ね備えたカテゴリーと言えます。Cセグメントが庶民派で日常重視、Eセグメントがラグジュアリー重視である一方で、Dセグメントセダンはその中間に位置するゆえに、スポーツ方向かラグジュアリー方向かの2方向に分けることができます。
まず、スポーツ性能バリバリのイメージが強いのは、アルファ・ロメオジュリアです。同ブランドにおける久々のFRモデルということもあり、アルファ伝統の超クイックなステアリングギアレシオをはじめ、ドライバーをやる気にさせる要素が詰まった1台に仕上がっています。そのほか、BMW3シリーズがスポーツ方向の王道を行くモデルと言えます。引き締められたサスペンションと応答性の高いステアリングフィルはBMWのスポーツモデルの大きな特徴であり、常にフラットライドを実現してくれる完成度の高いモデルです。
一方のラグジュアリー方向なのは、メルセデス・ベンツCクラスです。もちろん、AMGバージョンがあるCクラスですから、グレードによってはスポーティなものも選べます。ただ、全体的評価すると、快適安全装備の充実が図られ、乗り心地重視の味付けになっているのがCクラスの特徴と言えます。
【国産・輸入車】Dセグメントセダンのメーカー・車種とは?
次に、クルマの全長で区分けした場合のDセグメントセダンに属する代表的な車種を挙げていきます。まず、輸入車における代表格と言えば、長年ライバル関係にあるメルセデス・ベンツCクラスとBMW3シリーズと言えます。
・Dセグメントセダン(輸入車)
メルセデス・ベンツCクラス
アウディA4
BMW3シリーズ
アルファ・ロメオジュリア
フォルクスワーゲンパサート
ジャガーXE
国産のDセグメントセダンは、次のような車種が該当します。一昔前のクルマ作りと比べると、ホンダアコードや日産スカイラインなどを含めて、欧州のライバルを意識した質感の高いクルマが増えてきています。
・Dセグメントセダン(国産車)
ホンダアコード
スバルレガシィB4
マツダアテンザ
レクサスIS
日産スカイライン
Cセグメントセダンとの違い
最後に、DセグメントセダンとCセグメントセダンとの違いについてご説明していきます。
Dセグメントセダンとの違いをみるために、Cセグメントセダンに属する代表的な車種を挙げていきます。
このセグメントはフォルクスワーゲンゴルフに代表されるようなハッチバックが主流であるため、セダンの車種は少なめになっています。
輸入車では、メルセデス・ベンツCLA、アウディA3セダンというような車種です。
国産車では、スバルインプレッサG4、マツダアクセラ、日産シルフィ、トヨタカローラアクシオ、トヨタプリウス、ホンダシビックという車種が該当してきます。
こういった代表車種からもわかるように、Cセグメントは日本の5ナンバーサイズの規格とほぼ同じか、少し車幅が大きいクラスということができます。
・5ナンバーサイズ(小型乗用車)の規格
全長4.7メートル以下
全幅1.7メートル以下
全高2.0メートル以下
排気量2,000cc以下
駆動方式については、どうしてもボディサイズの関係でCセグメントはハッチバックタイプのモデルが主流であり、セダンでも基本的にはスペース効率のいいFFレイアウトが中心で、一部の車種で4WDが選択することができるようになっています。
その点では、よりスポーティなクルマを作りやすいFRレイアウトを採用できるDセグメントセダンは、非常に魅力的な選択肢と言えます。
まとめ
ここでは、欧州におけるセグメントの考え方やDセグメントセダンの特徴、その代表車種について解説してきました。
セグメントとは、日本における3ナンバーや5ナンバーといったような厳格な基準はなく、総合的な性能やそれまでの歴史、相対的なクルマの立ち位置によって決定されるものです。
その中でDセグメントセダンは、メルセデス・ベンツCクラスやアウディA4、BMW3シリーズなどの売れ筋モデルが群雄割拠となっています。こうした輸入車の台頭により、国産車の性能や質感も近年大きく進化してきています。
車種選びをしていく中で、セグメントという考え方を軸にしながら、ライバル車種を比較していくのもおすすめです。