中古車購入
更新日:2024.12.27 / 掲載日:2020.08.18
86の狙い目グレードや特徴と価格相場を紹介

スポーツカーとしての走行性能と乗り心地の良さが人気のトヨタ 86に関して、今回はグレード別に紹介していきます。
「それぞれどのような特徴があるの?」「中古で購入する場合に目安となる予算はどれくらい?」といった実際に購入を検討されている方に必要な情報を掲載していますので確認してみてください。
トヨタ 86の歴史
「トヨタ 86」は、2012年4月に発売されたFRスポーツカーです。2010年の東京オートサロンで展示されたコンセプトモデル「FT-86」をベースに開発されました。その名前から、かつての名車「AE86」カローラレビンやスプリンタートレノを思い起こさせますが、技術的なつながりはなく、新たに設計されたモデルです。しかし、「AE86」の精神はしっかりと引き継がれています。AE86がユーザーによるカスタマイズを通じて愛されたように、86も個人の好みに応じて育てられる車を目指したのです。そこでトヨタは、既存のディーラー内に「AREA86」という86専用カスタマイズショップを設置(後に「GRガレージ」に移行)し、専門スタッフを配置するなど、従来にはなかった販売戦略を展開します。
86はトヨタとスバルの共同開発で生まれ、「直感ハンドリングFR」をコンセプトに、車を操る楽しさを最大限に追求しました。具体的には、フロントミッドシップのFRレイアウトを採用し、前後バランスの最適化や低重心設計を徹底することで、高いハンドリング性能を実現しました。
エンジンには、スバルの2.0L水平対向エンジンとトヨタのD-4S燃料噴射技術を組み合わせ、高回転高出力を可能にしています。トランスミッションはアイシン製の6速MTまたは6速ATを搭載。プラットフォームはスバル・インプレッサをベースにFR専用に改良され、補強やサスペンション設計の調整によって、ハイグリップタイヤに頼らずとも優れたグリップ性能を発揮します。
86は圧倒的なパワーや高度な電子制御を持たないものの、手頃な価格とカスタマイズのしやすさが魅力となり、多くのユーザーに親しまれるFRスポーツカーとして人気を集めました。
2021年に、2代目となるGR86が登場。86の伝統を継承しつつ、「GRらしい走りの味」を追求して開発されたモデルです。スポーツカーを意識し、GR86には軽量コンパクトなFRを採用。水平対向エンジンを搭載し、低重心設計により優れたハンドリング性能を実現します。先代86から進化した2.4Lエンジンによって、トルクと加速性能も向上しました。軽快な走行性能だけでなく、スタイリッシュなデザインや日常使いも考慮された実用性も魅力です。
GR86は、スポーツドライビング初心者から上級者まで楽しめるモデルとして、若い世代にも支持されています。
GR86 RZ
ドライビングプレジャーと日常使いを両立した上級グレード「GR86 RZ」
内装には上質なアルカンターラやレザーが使用され、シートヒーターなどの快適装備も充実。安全面では、トヨタの衝突安全技術「Toyota Safety Sense」を搭載し、高い安全性を確保しました。
中古で購入する際の目安となる予算
<年式:予算目安>
2021年式:255.4万円~698万円
2022年式:270万円~880万円
2023年式:255万円~698万円
2024年式:355.9万円~446.5万円
トヨタ GR86 RZの中古車市場における流通量は、380台ほどと多めです。ただ、まだそれほど年数が経っていない分、価格はさほど下がっていません。また、カスタムされた個体は、中古であってもかなり高値がつけられています。
先代モデルとの比較
トヨタ GR86 RZは、2021年10月に登場したGR86シリーズの上級グレードです。この第2世代は、グレードによってホイールのデザインが大きく異なります。
RZのホイールは、18インチのアルミ製で黒ベースと細めのスポークを採用し、スポーティーなデザインとなっているのが特徴。また、基本的な安全性能に加えて後側方警戒支援システム・ステアリング連動ヘッドランプなどが標準装備されています。さらに本革のシートやシートヒーターも標準装備されており、車内の快適性能も充実。6AT車には、ステレオカメラによる予防安全機能の「アイサイトコアテクノロジー」も搭載しています。
エンジンは、2.4L水平対向4気筒DOHC、最高出力235ps。ボディサイズは全長4265mm×全幅1775mm×全高1310mmです。
人気のあるカラー
・クリスタルブラックシリカ
・リッジグリーン
・マグネタイトグレーメタリック
・アイスシルバーメタリック
・サファイアブルー
・スパークレッド
・クリスタルホワイトパール
この中では、オプションカラーの「クリスタルホワイトパール」の人気が高く、中古車市場で流通しているものの半数近くはこのボディカラーが占めています。その他では「クリスタルブラックシリカ」や「マグネタイトグレーメタリック」なども人気です。
GR86 SZ
スポーツカーを堪能できるベースグレード「GR86 SZ」
2.0L水平対向エンジンを搭載し、軽量な車体と低重心設計によって走行時の安定性を向上。17インチアルミホイールを標準装備し、シンプルながらもスポーツカーらしいデザインに仕上げています。スポーツカーとしての基本性能を堪能したい方や、カスタマイズを前提にした購入を考える方に最適なモデルと言えるでしょう。
中古で購入する際の目安となる予算
<年式:予算目安>
2021年式:255.4万円~471万円
2022年式:262.1万円~510万円
2023年式:299.8万円~489万円
2024年式:320.1万円~368.1万円
トヨタ GR86 SZの古車市場における流通量は100台ほどで、上級グレードのRZと比べると少ない傾向にあります。ただ、こちらもRZと同じくまだそれほど年数が経っていない分、販売価格は総じて高めです。
先代モデルとの比較
トヨタ GR86 SZは、2021年10月に登場したGR86シリーズのベースグレードです。17インチのアルミ製ホイールが装備されており、黒ベースにメッキが使用されていてメリハリのあるデザインとなっています。基本的な構成はRZと共通ですが、RZでは標準装備のフロントスポーツブレーキパッドが非搭載で、RZとは異なるサスペンションを採用しているなどの違いもあります。
装備内容の上級グレードのRZに比べるとシンプルで、シートにファブリックを採用し、シートヒーターは非搭載です。
エンジンは、2.4L水平対向4気筒DOHC、最高出力235ps。ボディサイズは全長4265mm×全幅1775mm×全高1310mmです。
人気のあるカラー
・クリスタルブラックシリカ
・リッジグリーン
・マグネタイトグレーメタリック
・アイスシルバーメタリック
・サファイアブルー
・スパークレッド
・クリスタルホワイトパール
この中で人気のカラーは、オプションカラーの「クリスタルホワイトパール」です。その影響から、中古車市場に流通している個体の大部分はこのボディカラーが占めています。その他では「サファイアブルー」「スパークレッド」なども人気です。
86 GT

度々特別仕様車が設定される「86 GT」
インテリアでは、室内カラーに「レッド&ブラック」のツートーンカラーを選択することもできます。さらに、快適装備として、オートエアコン、8スピーカー、クルーズコントロールなどの装備が加えられました。
中古で購入する際の目安となる予算
<年式:予算目安>
2012年式:80万円~866万円
2013年式:88万円~285万円
2014年式:95万円~460万円
2015年式:109万円~378万円
2016年式:109万円~299万円
2017年式:107万円~352万円
2018年式:165万円~358万円
2019年式:169万円~374万円
2020年式:200万円~348万円
2021年式:368万円~349万円
トヨタ 86 GTは、どの年式も価格は高めとなっています。特にマイナーチェンジが行われた2016年式以降は、平均価格が上がっているようです。また、FRスポーツカーの特性上、サーキットなどで酷使された個体が他の乗用車より多いため、購入する際は車の状態をしっかりと確認することが重要となります。
先代モデルとの比較
トヨタ 86は、初代しかまだ発売されていないため、先代と比較することはできません。そんなGTの特徴としては、ベースグレードのGからワンサイズ大きくなった17インチホールです。ただホイールをインチアップしただけではなく、その内側に収められるブレーキも大型化されており、快適装備で増した重量に対応しています。他にも、マフラーカッターやフォグランプを備え、全体的に精悍なスタイルとなりました。
インテリアでは、レッド&ブラックとブラックの内装カラーが選択でき、カーボン調の化粧パネルが装備される他、シート表皮も上級仕様に。また、エアコンがデュアルオートエアコンとなり、クルーズコントロールや8スピーカー、ステアリングからのオーディオコントロールが可能となりました。全体的に見て便利装備・豪華装備が追加され、グレード名のとおりグランドツーリングカーとしての性能を高めています。
さらに、GTには特別仕様車として「GT イエローリミテッド」や「GT エアロパッケージ」「GT ソーラーオレンジリミテッド」「GT ブリティッシュグリーンリミテッド」など多数のグレードが販売されました。
中古車市場において、GTは市場の大多数を占めているため、状態のよい個体かどうかを注意しながら探すのがおすすめです。
エンジンは、2.0L水平対向4気筒最高出力207ps。ボディサイズは全長4240mm×全幅1775mm×全高1320mmです。
人気のあるカラー
・マグネタイトグレーメタリック
・クリスタルホワイトパール
・アイスシルバーメタリック
・ブライトブルー
・ピュアレッド
・アズライトブルー
・クリスタルブラックシリカ
この中で人気カラーは「クリスタルホワイトパール」です。実際に中古車市場においても、このカラーが市場の4割を占めています。続いて86のイメージカラーでもある「ピュアレッド」、黒がベースの「クリスタルブラックシリカ」も人気です。
86 G

86のベースとなるグレード「86 G」
装備面では、マニュアルエアコン、スピーカーも装備されているので最低限の快適性は保証されているため、街乗りも十分に可能です。走行面では、パワートレインはGT、GTリミテッド共通となるので走行性能は同程度ですが、簡素化された装備の分、車両価格は抑えられました。
中古で購入する際の目安となる予算
もともと数の多くない86の中古車であり、Gではさらに個体数は少なくなります。流通していたときでも中古車全体数の内、1割強の分布でした。86が開発者のねらい通り、かつてのAE86のように長く愛される存在となったため、中古車として流通しないことが理由でしょう。
先代モデルとの比較
トヨタ86 Gもまた初代しか発売されていないため、先代と比較することはできません。この86 Gは、GT、GTリミテッドの下位グレードとして設定されており、最低限の装備で車両価格も抑えられていますが、エンジンを含めた動力性能は上位グレードと共通です。
GTと比較して車両重量は1240kgから1210kgへと30kg軽量化されており、この差はワインディングやサーキットなどの高い速度領域では明らかな差として体感できます。また、他のグレードと比較してホイールが16インチとなるため、ビジュアル面やタイムを削るような走りをしたとき、17インチホイール装着車に劣るのは致し方ありません。しかし、86本来の「操る楽しさ」を背景に考えると、限界性能こそ低いものの走りの軽快感やタイヤから伝わるインフォメーションで、より車が手の内にある感覚を持ってドライブを楽しめます。
Gは86におけるベースグレードという立ち位置上、他のグレードよりも比較的安い価格で取引されているようです。
エンジンは、2.0L水平対向4気筒最高出力207ps。ボディサイズは全長4240mm×全幅1775mm×全高1320mmです。
人気のあるカラー
・マグネタイトグレーメタリック
・クリスタルホワイトパール
・アイスシルバーメタリック
・ブライトブルー
・ピュアレッド
・アズライトブルー
・クリスタルブラックシリカ
この中で人気なのは、どんな車でも人気の高い白の「クリスタルホワイトパール」、シルバーの「アイスシルバーメタリック」、黒の「クリスタルブラックシリカ」などです。
86 GR

「86 GR」はサーキットを意識したコンプリートカー
86GRMNとは、ニュルブルクリンク24時間耐久レースでクラス優勝を果たした86をベースに、サーキットを強く意識したコンプリートカーです。
これをベースとしているGRも走りを重視した仕様となっており、サイズアップされたタイヤとブレーキに始まり、専用チューニングのザックス製のサスペンションが装備されました。パワートレインこそほかのグレードと共通となっていますが、走行性能は大きく向上しています。
中古で購入する際の目安となる予算
<年式:予算目安>
2018年式:278万円~397万円
2019年式:309万円
2020年式:流通量希少のため算出不可
2021年式:流通量希少のため算出不可
86 GRは限定100台しか販売されていないグレードだということも影響しており、中古車の流通数がほとんどありません。希少性が高いため、市場に出た場合は価格が上昇することも考えられるので、購入するなら今でしょう。
先代モデルとの比較
トヨタ86GRは2016年に100台の限定車として発売された、コンプリートカー「86 GRMN」の一般販売仕様として登場。86の製造は通常、富士重工群馬製作所で行われていますが、GRはレクサスLFAが生産された愛知県元町工場で生産されることからも、ただの86ではないことが伺えます。
エクステリアはフロントバンパーに専用スポイラーが追加され、専用サイドステップ、専用リアスポイラーが装着されていますが派手さは無く、上品でスポーティーな佇まいに。ホイールはレイズ製鍛造17インチホイールに変更され、さらにリアタイヤ幅は増しており、F:215/45R17、R:235/45R17となりました。その内側に収められるブレーキはF:6ポット、R:4ポットのブレーキキャリパーに大径ドリルドローターが組み合わされ、高い制動力とコントロール性を実現。
サスペンションも当然ながら変更が加えられ、ザックス製のショックアブソーバーとハイレートのスプリングが組み合わされ、高い操縦性をさらに高めています。パワートレインのエンジンとトランスミッションは特に変更点はないものの、最終減速比のみGTの4.1から4.3に変更され、加速重視のギヤ比になりました。また、マフラーも左右2本出しから、センター1本出しに変更されます。インテリアでは、大幅に高められたコーナリンング性能に対応するため、シートはレカロ社製のGR専用品に変更となりました。
希少性の高いモデルですので、中古車市場では高値で取引されています。
エンジンは2.0L水平対向4気筒最高出力207ps。ボディサイズは全長4290mm×全幅1790mm×全高1320mmです。
人気のあるカラー
86 RC
競技車両ベースの「86 RC」
エクステリアはコストダウンが図られており、フロント・リアバンパー、ドアミラー、ドアノブは塗装が省かれ、ホイールもスチールホイールを採用。インテリアも、エアコンなど競技とは関係のない装備が省かれた結果、大幅な軽量化と、車両価格の値下げを実現しているのが特徴です。
中古で購入する際の目安となる予算
<年式:予算目安>
2012年式:500万円
2013年式:流通量希少のため算出不可
2014年式:195万円
2015年式:流通量希少のため算出不可
「RC」は中古車市場においては極端に個体数が少ないため、2台しか確認することができませんでした。RCは競技ベースということで、エアコンも装着されず、走りに特化したグレードです。そこで、あえて中古車で探す意味はなく、競技ベースにするとしても、他のグレードを購入する方が現実的でしょう。
先代モデルとの比較
トヨタ 86という車種自体が初代しか発売されていないため、先代と比較することはできません。トヨタ 86 RCは86のマイナーチェンジ前に設定されていたグレードで、ワンメイクレース、ジムカーナ、ラリー、ダートトライアルなどに用いられる競技車両のベース車両となるグレードです。 競技で使うことが前提のため、不要な装備は省かれています。
エクステリアでは、フロント・リアバンパー、ドアミラー、ドアノブが無塗装の素材カラーで、ホイールもスチールホイールが採用されました。また、ドアミラーの電動格納用モーターも取り外され、手動での格納となります。
インテリアでは、センターコンソールのカーナビやオーディオは装着されてないため、空っぽに。さらにエアコンも装備されておらず、オプションでも装着不可となっています。他にも、ボディ各所に配置される防音素材も省かれ、重量低減に一役買っているものの、快適とはほど遠い仕様が特徴です。
基本的に競技ベースで作られているので、トヨタ 86の中でも一番安い価格で購入できます。
エンジンは、2.0L水平対向4気筒最高出力200ps。ボディサイズは全長4240mm×全幅1775mm×全高1300mmです。
第2世代(現行モデル): 2021年~
トヨタ GR86 RCは、GR86シリーズの中でも最軽量でシンプルな構成を持つエントリーモデルです。スポーツ走行やカスタマイズを前提とした仕様で、必要最低限の装備に絞り込むことで車両重量を軽減。エアコンやオーディオといった快適装備を省略し、純粋な走行性能にフォーカスしています。
エンジンは2.4L水平対向4気筒を搭載し、後輪駆動の低重心設計と組み合わせてダイナミックな走行を実現。軽量な16インチスチールホイールを装備し、コストパフォーマンスにも優れています。サーキット走行や自分好みにカスタマイズしたいユーザーに最適なモデルで、モータースポーツを始める入門車としても高い人気を誇る一台です。
エンジンは、2.4L水平対向4気筒DOHC最高出力235ps。ボディサイズは全長4265mm×全幅1775mm×全高1310mmです。
人気のあるカラー
・ライトニングレッド
・ダークグレーメタリック
・クリスタルブラックシリカ
・アイスシルバーメタリック
・ギャラクシーブルーシリカ
・オレンジメタリック
・クリスタルホワイトパール
この中で最も高い人気があるのは、白がベースの「クリスタルホワイトパール」です。
※本記事は、2024年12月時点の情報になります。現在の相場価格と異なる可能性がございます。