中古車購入
更新日:2020.11.06 / 掲載日:2020.11.06
BMW M6の狙い目グレードや特徴と価格相場を紹介
ベースモデルに改良を加えて、走行性能を徹底的に追求した高性能バージョンであるBMW M6に関して、今回はグレード別に紹介していきます。「それぞれどのような特徴があるの?」「中古で購入する場合に目安となる予算はどれくらい?」といった実際に購入を検討されている方に必要な情報を掲載していますので確認してみてください。
BMW M6の歴史
BMW M6は、他のMシリーズと同様、ベースモデルを改良した高性能バージョンとして誕生した経緯を持つ車両のひとつです。
M6は、ラグジュアリーなクーペ及びカブリオレの6シリーズをベースに開発されました。また、走行性能を追求し、さまざまな箇所に手が加えられているため、通常の6シリーズとは「スタイルだけが似ている別の車」ともいえます。
1977年に、M6の初代のE24型が登場しました。発売当初は、「M6 630CS」と「M6 633CSi」という2つのグレードが設定されます。ボディタイプは2ドアクーペのみを採用し、直列6気筒エンジンを搭載するため、車体の先端部分にも容積を与えつつ、ボディ全体では流れるようなシェイプを実現しているのが特徴です。また、操る楽しさを追求する5速MTも設定されました。
1986年には、「M6 ベースグレード」が登場しますが、そのわずか2年後の1989年に一度生産が終了します。
2003年に2代目のE63型が登場。初代の生産終了から14年という時を経て、M6シリーズが復活します。BMWでモータースポーツ部門の開発を手がけるBMW Mというグループ会社がチューニングを施した高性能スポーツモデルとして、「M6 ベースグレード」、「M6 ガブリオレ」を設定しました。また、この世代から、ツーペダルで短時間の変速が可能な7速SMG Drinelogicが搭載されるようになります。
2011年には、3代目のF13型が登場しました。先代より設定されるM6 ベースグレード、M6 ガブリオレに加え、新たに「M6 グランクーペ」が追加されます。基本的にM6は多くのモデルが4人乗りと普段使いにも高い実用性を誇っていましたが、M6 グランクーペでは5人乗車も可能となりました。この世代では、より変速効率の高いツインクラッチのセミATであるM DCT Drivelogicが採用されています。
2016年には、BMWの創立100周年を記念し、わずか13台の限定販売となる「M6 セレブレーションエディション コンペティション」というグレードを発売しました。
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M6 グランクーペ
4ドアクーペスタイルが採用された「M6 グランクーペ」
M6 グランクーペは、3代目から設定されたグレードです。
本来、M6は2ドアクーペのボディタイプなのですが、グランクーペには4ドアクーペのスタイルが採用されました。そのため、機能性と乗車時の快適性が格段に向上しているのが特徴です。
走行面での装備・性能は2ドアクーペやカブリオレとほぼ同様ですが、エクステリアやインテリアに採用されるパーツには、グランクーペならではのこだわりも見られます。特に専用のアロイホイールが、その存在感をより高めているのが特徴です。
中古で購入する際の目安となる予算
M6 グランクーペを中古で購入する際の目安となる予算をご紹介します。
<年式:予算目安>
2013年式:458万円~734万円
2014年式:478万円~688万円
2015年式:578万円~658万円
2016年式:618万円~858万円
2017年式:888万円~938万円
現時点での確認できたM6 グランクーペの中古車は、27台ほどでした。決して十分なタマ数とはいえませんが、各年式にわたって中古車が流通しています。中古車として念入りなコンディションチェックをする必要はありますが、新車価格が約1,700万円だったことを考えれば、中古車でもお買い得といえるでしょう。
先代モデルとの比較
第3世代:2013年~2017年
M6 グランクーペは、2019年まで発売されていたF06型にのみ用意されていた4ドアクーペです。クーペならではの流れるようなフォルムと、4ドアモデルとしての使い勝手を高い次元で両立させました。
エンジンやトランスミッションをはじめ、走行面での装備はベースグレードやカブリオレと同様ですが、エクステリアやインテリアにはこだわりが見られます。フロントエプロンには大型のエアインテークが備えられ、フロントビューを際立たせるLEDヘッドライトやBMWならではキドニーグリルのクロームバーなどが、スポーティーさを強調。インテリアでは、Mビューモードを備えたフルカラーのヘッドアップディスプレイを採用しました。
M6グランクーペの中古車は、そう多くの台数が販売されているわけではありませんが、比較しつつ選択ができる程度は流通しています。ほぼ年式に相応した価格傾向ながら、コンディションが良好なものは低年式でも高値がついているため、予算との兼ね合いで購入する車両を決めるのがおすすめです。
エンジンは4.4L V型8気筒ターボ最高出力560ps。ボディサイズは全長5015mm×全幅1900mm×全高1395mmです。
人気のあるカラー
M6 グランクーペのボディカラーは、下記の9色が設定されています。
・ブラック・サファイア
・アルピン・ホワイトIII
・ジャトバ
・インペリアル・ブルー・ブリリアント・エフェクト
・スペース・グレー
・シンガポール・グレー
・シルバーストーンII
・サキール・オレンジ
・サンマリノ・ブルー
この中では、純白の「アルピン・ホワイトIII」や、光沢感のある黒色の「ブラック・サファイア」が人気です。
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M6 カブリオレ
オープンモデルならではの高い開放感が特徴の「M6 カブリオレ」
M6 カブリオレは、M6のボディバリエーションのひとつとして、2005年に登場しました。
M6ならではの高い走行性能やドライビングプレジャーと、オープンモデルならではの高い開放感を特徴としています。また、オープンカーの多くが2シーターなのに対し、M6はパッケージングを工夫することで4人乗車を可能にしました。
クローズ時のルーフにはソフトトップを採用していますが、防音性能や断熱性能はハードトップにも引けを取りません。
中古で購入する際の目安となる予算
M6 カブリオレを中古で購入する際の目安となる予算をご紹介します。
<年式:予算目安>
2007年式:245万円~265万円
2008年式:308万円~315万円
2012年式:568万円
2013年式:498万円
2014年式:730万円
2017年式:800万円~928万円
現時点で流通しているM6 カブリオレの中古車は、わずか8台でした。新車価格が1,700万円程度であることを考えるとお得な価格といえますが、このグレードが欲しい人は年式などの条件にあまりこだわらず、根気強く探す必要があります。
先代モデルとの比較
第2世代:2005年~2012年
多くのオープンスポーツカーが、ルーフトップ収納のスペースを確保するために乗車定員を2名に限定する中、M6のカブリオレは4シーターを確保しました。断熱性能や防音機能を備えたソフトトップのリヤウィンドウにはガラスを採用しており、わずか25秒で収納することができます。
この世代に限らず、M6カブリオレの中古車台数は極めて少ないです。オープンカーでしか味わえない開放感は魅力的ですが、コンディションのいい車両に巡り会えたら購入する程度の考えでいた方がいいのかもしれません。
エンジンは5.0L V型10気筒最高出力507ps。ボディサイズは全長4871mm×全幅1855mm×全高1377mmです。
第3世代:2012年~2017年
先代と同様、流れるようなフォルムや高い走行性能・BMWならではの細部までのこだわりは、先代や他のボディと共通する特徴です。先代よりも排気量が少ないエンジンながら、ターボにより発生する馬力やトルクは先代を大幅に上回ります。
先代と同様に、この世代のM6も中古車の数は非常に少ないです。どうしてもM6 カブリオレを購入したいというのであれば、相当根気強く探す必要があるでしょう。
エンジンは4.4L V型8気筒ターボ最高出力560ps。ボディサイズは全長4905mm×全幅1900mm×全高1370mmです。
人気のあるカラー
M6 カブリオレのボディカラーは、下記の9色が設定されています。
・ブラック・サファイア
・アルピン・ホワイトIII
・ジャトバ
・インペリアル・ブルー・ブリリアント・エフェクト
・スペース・グレー
・シンガポール・グレー
・シルバーストーンII
・サキール・オレンジ
・サンマリノ・ブルー
この中では、光沢感のある黒色の「ブラック・サファイア」が人気です。
M6 ベースグレード
初代から設定される「M6 ベースグレード」
M6にはさまざまなボディタイプが存在していますが、2ドアクーペのボディタイプをベースグレードと呼ぶことがあります。数字が示すとおり、ラグジュアリークーペである6シリーズのハイパフォーマンスモデルとして登場しました。
M6 ベースグレードの初代の登場は、なんと1989年と30年以上前の話です。その後、時代を経て2世代目・3世代目が高級感とスポーティーさの両方を提供。2017年のモデルチェンジで6シリーズはハッチバックモデルとなり、M6もラインアップから姿を消しました。
中古で購入する際の目安となる予算
M6 ベースグレードを中古で購入する際の目安となる予算をご紹介します。
<年式:予算目安>
1989年式:638万円
2005年式:178万円~250万円
2008年式:350万円~380万円
2012年式:490万円
2013年式:469万円~525万円
2014年式:588万円
2015年式:638万円
2016年式:828万円
2017年式:858万円
M6はベースグレード自体も非常に希少性が高いモデルで、年式が新しいものを含めても流通する中古車の数はわずかです。一方、コレクターが大切にとっていたのか、30年以上前に作られた初期モデルの中古車が奇跡的に販売されています。
先代モデルとの比較
第1世代:1989年
この時代に発売されていた、ベルトーネデザインのE24型の6シリーズをベースとして開発されたのが初代のM6です。シルキーシックスと呼ばれる直列6気筒エンジンは、他の6シリーズに搭載されたエンジンよりも数段高いパワーを発揮しました。
中古車市場に流通することはほとんどなく、もはやコレクターアイテム化しているといえるでしょう。
エンジンは3.5L直列6気筒ターボ最高出力260ps。ボディサイズは全長4815mm×全幅1740mm×全高1355mmです。
第2世代:2005年~2011年
2005年に再登場した第2世代のM6は、BMW伝統の直列6気筒に代わりV型10気筒エンジンを搭載。これに組み合わされる7速SMG Drinelogicトランスミッションは、素早い変速と安全かつ効率的な運転を実現させました。
この世代の中古車は、絶対量こそ多くありませんがまだ流通しています。根気強く探せば、自分だけの1台が見つかるかもしれません。
エンジンは5.0LV型10気筒ターボ最高出力507ps。ボディサイズは全長4870mm×全幅1855mm×全高1370mmです。
第3世代:2012年~2017年
ダウンサイジングターボの波はこの世代のM6ベースグレードにも押し寄せ、低燃費と高出力・高トルクを実現。また、M DCT DrivelogicとよばれるツインクラッチのセミATなどとの組み合わせで、究極のドライビングダイナミクスをドライバーに与えました。
世代としては新しいものの、この世代の中古車もさほど数は出回っていないようです。
エンジンは4.4L V型8気筒ターボ最高出力560ps。ボディサイズは全長4905mm×全幅1900mm×全高1375mmです。
人気のあるカラー
M6 ベースグレードのボディカラーは、下記の9色が設定されています。
・ブラック・サファイア
・アルピン・ホワイトIII
・ジャトバ
・インペリアル・ブルー・ブリリアント・エフェクト
・スペース・グレー
・シンガポール・グレー
・シルバーストーンII
・サキール・オレンジ
・サンマリノ・ブルー
この中では、純白の「アルピン・ホワイトIII」や、光沢感のある黒色の「ブラック・サファイア」が人気です。
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M6 カブリオレ コンペティション・パッケージ装着車
いたるところに専用のプログラムが組まれている「M6 カブリオレ コンペティション・パッケージ装着車」
M6 カブリオレ コンペティション・パッケージ装着車は、文字通り「M6 カブリオレ」をベースとしつつ、ボディキットの変更、タイヤのインチアップなどを施した「コンペティション・パッケージ」を装着したモデルです。
もともと走行性能の高いM6カブリオレに、エンジンのパワーアップはもちろんのこと、専用のサスペンションチューン・アンチロールバーの強化・ディファレンシャルギアやタビリティコントロールなどには専用のプログラムが組まれているのが特徴です。
中古で購入する際の目安となる予算
M6 カブリオレ コンペティション・パッケージ装着車を中古で購入する際の目安となる予算をご紹介したいところですが、現時点の中古車は流通していませんでした。そのため、M6カブリオレ コンペティション・パッケージ装着車を中古車で購入するということは非常に難しいといえます。
先代モデルとの比較
第3世代:2015年~2019年
M6 カブリオレ コンペティション・パッケージ装着車は、カブリオレの登場に遅れること3年の、2015年に発売されました。
エンジンをノーマルのM6よりさらにパワーアップするだけでなく、走行性能を高めるためのこだわりが詰め込まれています。専用のアップグレードが施されたサスペンション・アンチロールバーの強化・リミテッドスリップMTディファレンシャルやスタビリティコントロールの制御プログラム専用化など、随所に改良がなされているのが特徴です。
また、新しくデザインされたアダプティブLEDヘッドライトや衝突回避・被害軽減ブレーキなどの装備も充実しており、アクラポビッチ製のチタン・マフラーがドライバーのやる気を刺激しています。
M6 カブリオレ コンペティション・パッケージ装着車の中古車は、現時点では一台も確認できませんでした。他のボディタイプを含めても、コンペティション・パッケージ装着車はクーペで1台確認できたのみです。今後はますます希少性が高まり、一般のユーザーが気軽に買えるモデルにはならないでしょう。
エンジンは4.4L V型8気筒ターボ最高出力575ps。ボディサイズは全長4905mm×全幅1900mm×全高1370mmです。
人気のあるカラー
M6 カブリオレ コンペティション・パッケージ装着車のボディカラーは、下記の9色が設定されています。
・ブラック・サファイア
・アルピン・ホワイトIII
・ジャトバ
・インペリアル・ブルー・ブリリアント・エフェクト
・スペース・グレー
・シンガポール・グレー
・シルバーストーンII
・サキール・オレンジ
・サンマリノ・ブルー
この中では、純白の「アルピン・ホワイトIII」が人気です。
※本記事は、2020年10月時点の情報になります。現在の相場価格と異なる可能性がございます。