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更新日:2020.11.14 / 掲載日:2020.11.14

フォード マスタングの狙い目グレードや特徴と価格相場を紹介

フォード マスタング

1964年に登場し、スペシャリティカーというジャンルの先駆けとして高い人気を誇るフォード マスタングに関して、今回はグレード別に紹介していきます。

「それぞれどのような特徴があるの?」「中古で購入する場合に目安となる予算はどれくらい?」といった実際に購入を検討されている方に必要な情報を掲載していますので確認してみてください。

フォード マスタングの歴史

フォード マスタングは、アメリカ3大自動車メーカーのひとつであるフォードが製造する世界でも有数のスペシャリティカーです。かつて日本国内では「ムスタング」とも呼ばれていました。

1946年に、マスタングの初代モデルが誕生します。購入しやすい価格設定やスポーティな外観を特徴とし、当時の時代背景も手伝って幅広いユーザー層からの支持を集め、フォード製の自動車ではモデルT以来のヒット作になりました。

1969年には2代目が登場し、先代では特定のグレードを持っていなかったマスタングに、ハードトップやグランデなどのグレード名がつけられるようになります。

1971年のマッハ1というスポーティーグレードが映画「007 ダイヤモンドは永遠に」に登場し、主人公であるジェームズ・ボンドが運転するボンドカーに採用されました。

1974年に3代目が登場。この世代のデザインはフォード傘下のデザインスタジオであるイタリアのカロッツェリア・ギアが担当しています。オイルショックの影響もあってか、低燃費、小型化志向を受けてボディサイズは大幅に縮小されるようになりました。

1979年に4代目が登場し、この世代でも低燃費、小型化志向のまま継続されています。また、この世代で2代目より設定されていたマッハ1が消滅しました。

1993年に5代目が登場。翌年には、日本でもフォード・ジャパンによって輸入が開始されるようになりました。この世代では、当初V8及びV6のOHVエンジンが搭載されていましたが、のちにDOHCエンジンを搭載するグレードも登場しています。OHVは構造が単純な点や重心を低くできる点などが特徴で、アメリカ車などのエンジンでいまだに多用されている型式です。

2005年には、6代目が登場します。フォードの「リビングレジェンド戦略」に基づき、初代を意識したデザインを採用したことが非常に大きな話題となりました。

2015年には7代目が登場するものの、その翌年に収益悪化を理由にフォードは日本市場から撤退してしまいます。そのため、マスタングは、2020年時点では正規輸入されておらず、一部業者により若干数が並行輸入されているだけになっています。

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マスタング コブラ

非常にレアなグレード「マスタング コブラ」

マスタング コブラは、5代目の1996年に台数限定で追加されたグレードです。

それまでのマスタングのセールスポイントが主にスタイリングだったのに対し、コブラではエンジン出力のアップなどの高性能化が図られています。また、アメリカ車の代表的な特徴であるV8エンジンのサウンドもあいまって、スペシャリティカーに「走り」という側面を加えたモデルとしても有名です。

日本では1999年までのわずかな期間でしか販売されなかったこともあり、コブラは非常にレアなグレードとなっています。

中古で購入する際の目安となる予算

マスタング コブラを中古で購入する際の目安となる予算をご紹介します。

<年式:予算目安>
1996年式:108万円

年式の古さやコブラというグレードからも、残存する中古車はほとんどありません。現時点において、中古車情報サイトで確認できたのは、11万kmを走行した1台のみでした。

今後、中古車として流通するのは個人売買によるものが主になると考えられるため、一般に販売される可能性は低いかもしれません。

先代モデルとの比較

第5世代:1996年~1999年
マスタング コブラに搭載されたエンジンは、SVT(Special Vehicle Team)が製作した4.6LのV8エンジンです。当時輸入されていたマスタングの他グレードが全て4速ATだったのに対し、コブラにはボルグワーナー製の5速MTが組み合わされていました。

また、V8エンジンならではのサウンドがドライバーに熱い走りを想像させています。駆動方式は、アメリカ車では一般的なFRが採用されていました。

コブラが発売されていた当時は国産車が280psの自主規制をしいていましたが、コブラは300ps超のハイパワー、しかも400万円以下という価格設定もあり、国産車からコブラに乗り換えたオーナーも多かったようです。

また、エアバッグやABSといった装備に加え、1999年モデルではトラクションコントロールも装備されていました。

もともと限定販売だったことに加え、販売終了から20年以上経過しているため、中古車として流通している個体はほぼ皆無です。そのため、中古車として見かける機会はないかもしれません。

エンジンは4.6L V型8気筒ターボ最高出力309ps。ボディサイズは全長4650mm×全幅1860mm×全高1390mmです。

人気のあるカラー

マスタング コブラのボディカラーは、下記の3色が設定されています。

・ブラッククリアコート
・クリスタルホワイトクリアコート
・レーザーレッドクリアコート

この中では、純白の「クリスタルホワイトクリアコート」が人気です。

マスタング GT

5代目の上級グレード「マスタング GT」

マスタング GTは、5代目の1998年モデルにのみ設定されたグレードです。他の年式では「GTクーペ」というグレード名になりますが、マスタングのラインアップの中では上級グレードに相当します。

マスタング GTは、V8エンジン・FR・4速ATと、マスタングの特徴を示す要素がそろったモデルです。

なお、1999年にはマスタングの生誕35周年を記念したグレードとして「マスタング GT 35thアニバーサリーリミテッドエディション」が限定で発売されていました。

中古で購入する際の目安となる予算

マスタング GTを中古で購入する際の目安となる予算をご紹介したいところですが、日本国内で販売されていたのは1998年の1年間だけということもあり、現時点で確認できた中古車はありませんでした。

年式もモデルも相当古いため、今後もマスタング GTの中古車が出回る機会は相当限られてくるでしょう。

先代モデルとの比較

第5世代:1998年
1998年式のみ存在したマスタングのGTは、他の年式におけるGTクーペと同様、アメリカ車らしくV8エンジンが搭載されています。334万円という新車価格から、アメリカ車ならではのビッグトルクを手軽に味わうことができました。

エクステリアの装備としては、リヤスポイラーが標準ながらフロントはオプション設定で、17インチのアルミホイールを装着しています。また、運転席&助手席エアバッグやABSといった装備に加え、クルーズコントロールも標準装備されていました。

インテリアの装備では、革巻きステアリングや革製のシートなどが採用されていたのが特徴です。フロントサスペンションはマクファーソン・ストラット式、リヤサスペンションには4リンク式が採用されています。

搭載されるトランスミッションは4速AT、駆動方式はスタンダードなFRを採用。ハンドル位置は、左ハンドル仕様のみです。

現時点のマスタング GTの中古車台数はゼロです。新車が販売されていたのは20年以上前となるため、どうしてもこのグレードが欲しければ、相当根気強く探し続けるか、個人売買などをあたってみるしかないでしょう。

エンジンは4.6L V型8気筒ターボ最高出力228ps。ボディサイズは全長4615mm×全幅1860mm×全高1390mmです。

人気のあるカラー

マスタング GTのボディカラーは、下記の5色が設定されています。

・ブラッククリアコート
・クリスタルホワイトクリアコート
・シルバークリアコート
・レーザーレッドクリアコート
・ダークサテングリーンクリアコート

この中では、純白の「クリスタルホワイトクリアコート」と、漆黒の「ブラッククリアコート」が人気です。

マスタング Gクーペ

V6エンジンを搭載していた「マスタング Gクーペ」

マスタング Gクーペは、5代目に設定されたマスタングの標準グレードとして位置付けされているモデルです。

マスタングの他のグレードがV8エンジンを採用していましたが、マスタング Gクーペは若干排気量の少ないV6エンジンを搭載していました。そうすることでより手頃な価格で購入でき、手軽にマスタングのビッグトルクを味わえるという特徴があります。

また、モデルライフ後半には、このマスタングGクーペをベースに「マスタング Gリミテッド」や「マスタング G-スペシャル」といった派生グレードも限定発売されました。

中古で購入する際の目安となる予算

マスタング Gクーペを中古で購入する際の目安となる予算をご紹介します。

<年式:予算目安>
1998年式:120万円
1999年式:41万円

現時点の中古車市場では、マスタング Gクーペの中古車はたった2台だけしか確認できませんでした。価格と走行距離については、1台目が120万円で走行距離3000kmの非常に状態の良い新車同様のもの、2台目が41万円で9万km以上走行したものでした。

先代モデルとの比較

第5世代:1994年~2004年
マスタングGクーペは、マスタング GTクーペの下位グレードに相当します。搭載エンジンの排気量が大きな違いですが、アルミホイールのサイズが15インチになるなど、若干異なるのが特徴です。

このグレードが登場した当時はパワーウィンドウすら装備されていませんでしたが、のちに標準装備されるようになりました。エアバッグやABSなどの安全装備は標準で、1999年モデル以降はさらにトラクションコントロールも装備されるようになります。

マスタング Gクーペが搭載するエンジンの排気量は3.8Lにおさえられているため、最大パワーもV8モデルよりも控え目ですが、それでもアメリカ車ならではのビッグトルクを手軽に味わうことが可能です。

今回ご紹介する各グレードの中古車がほぼ皆無なのに対し、マスタング Gクーペの中古車はかろうじて2台確認できました。しかし、入手困難なのは他のグレードと同様で、情報のアンテナを高く張って探す必要があります。

エンジンは3.8L V型6気筒ターボ最高出力145PS。ボディサイズは全長4615mm×全幅1860mm×全高1390mmです。

人気のあるカラー

マスタング Gクーペのボディカラーは、下記の5色が設定されています。

・ブラッククリアコート
・クリスタルホワイトクリアコート
・パシフィックグリーンクリアコート
・リオレッドクリアコート
・ムーンライトブルークリアコート

この中では、純白の「クリスタルホワイトクリアコート」が人気です。

マスタング GTクーペ

V8エンジンを搭載した上級グレード「マスタング GTクーペ」

マスタング GTクーペは上級グレードとしてV8エンジンを搭載しており、V6エンジン搭載のマスタング Gクーペとは差別化が図られています。

ただ、V8エンジンにこだわるアメリカ車マニアの間では、「マスタングのラインアップ中、事実上のベーシックグレード」と考えられているようです。

なお、2006年に6代目へとフルモデルチェンジされた際に、グレード名が「マスタング V8 GTクーペ プレミアム」に変更されたため、「マスタング GTクーペ」としての名前は消滅しています。

中古で購入する際の目安となる予算

マスタング GTクーペを中古で購入する際の目安となる予算をご紹介したいところですが、現時点の中古車市場でマスタング GTクーペの中古車は確認できませんでした。

そのため、価格相場や予算の目安はわかりませんでしたが、このグレードをベースとした「マスタング センテニアルエディション」が129万円という値段で流通していたため、流通するとすればこのあたりの値段がつくでしょう。

先代モデルとの比較

第5世代:1994年~2005年
マスタング GTクーペは、V8マスタングの標準グレードとして位置付けられていたグレードです。

エアバッグやABSなど、発売当時には一般化していた安全装備に加えて、運転席パワーシートなども標準で装備されています。1996年以降のモデルでは、革巻きステアリングや革シートも標準装備されるようになりました。また、2000年式以降のモデルには、トラクションコントロールも追加で装備されています。

トランスミッション及び駆動方式は、当時アメリカ車としては一般的だった4速AT・FRです。そのため、マスタングの魅力を存分に味わうことができます。

マスタング GTクーペの中古車は、現時点では1台も確認することができませんでした。この世代のマスタングは、生産完了からすでに20年近く経過しているということもあり、今後も中古車市場に出回ってくることは考えにくく、購入後に整備することを前提に「見つけたら買い」の姿勢をとるべきかもしれません。

エンジンは5.0L V型8気筒ターボ最高出力215ps。ボディサイズは全長4615mm×全幅1860mm×全高1390mmです。

人気のあるカラー

マスタング GTクーペのボディカラーは、下記の6色が設定されています。

・ブラッククリアコート
・クリスタルホワイトクリアコート
・ディープフォレストグリーンクリアコート
・ディープバイオレットクリアコート
・リオレッドクリアコート
・ムーンライトブルークリアコート

この中では、純白の「クリスタルホワイトクリアコート」が人気です。

※本記事は、2020年11月時点の情報になります。現在の相場価格と異なる可能性がございます。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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