中古車購入
更新日:2024.12.03 / 掲載日:2021.01.08
フィアット 500の狙い目グレードや特徴と価格相場を紹介
イタリア国内はもちろん、世界中で愛されているコンパクトカーのひとつであるフィアット 500に関して、今回はグレード別に紹介していきます。
「それぞれどのような特徴があるの?」「中古で購入する場合に目安となる予算はどれくらい?」といった実際に購入を検討されている方に必要な情報を掲載していますので確認してみてください。
フィアット 500の歴史
1936年に初代の500が登場します。その当時は2人乗りの小型車として製造され、その小柄なボディと小さなエンジンにもかかわらず機敏に走り回ること、丸みのあるボンネットの脇に配置されたヘッドライトなどの外観から、ハツカネズミを意味する「トポリーノ」という愛称で呼ばれていました。当時のイタリア市場の自動車としては大幅に廉価だったこともあり、国民車として人気を得ます。戦時中に生産が中断されることもありましたが、1948年にマイナーチェンジするまでおよそ12万台が生産されるほどの人気でした。
しかし、戦後にルノーやシトロエンから4ドア4人乗りのフランス車が発売されると、2人乗りの不便さから販売は低迷。1955年に一度、製造を終了します。
1957年に「NUOVA 500」と名称を変更して2代目が登場します。この世代はイタリア語で500を意味する「チェンクチェント」と呼ばれていました。
日本では、モンキー・パンチの漫画に登場する主人公・ルパン三世の愛車として、認知されています。本作のTV第一シリーズ後半で頻繁に登場するようになり、特に有名なのは映画「ルパン三世 カリオストロの城」に出てくるクリームイエローの500です。
1977年に生産終了となりますが、それまで通算およそ400万台が製造されています。
2007年には、NUOVA 500の発売50周年を記念して2代目の雰囲気を持った3代目が登場します。日本国内では2008年に発売が開始されました。
この世代のエクステリアは NUOVA 500 をイメージさせるような丸みのあるボディで、小さくつぶらなヘッドランプや軽くせり出したフロント周りなど、先代を強くオマージュしています。インテリアのデザインもNUOVA 500の雰囲気そのままにしたもので、メーターレイアウトなどが印象的です。
もともと500に採用されたパワートレインは、発表当初は1.4Lと1.2Lの2種類の直列4気筒エンジンでしたが、2011年になるとそこに「ツインエア」とよばれる新しいエンジンが追加されます。875ccの直列2気筒ターボという他に例を見ない特殊な方式のエンジンは小型化や軽量化・高効率化が徹底的に追求され、500を皮切りに、パンダなど他のフィアット車にも採用されるようになりました。
3代目登場以来、10年以上モデルチェンジされていませんが、いまだフィアットブランドの乗用車の代表として日本市場を牽引し続けています。
2020年、本国のイタリアで電気自動車モデルの「フィアット 500e」が先行販売され、2022年6月には日本でも取り扱いを開始。しかし、Stellantisグループの電動化戦略を受けて、フィアット 500および500Cの日本向け生産は2024年5月に終了しました。これにより、フィアット 500は在庫がなくなり次第、国内での販売も終了となります。
廃止が決まっているフィアット 500ですが、2021年にグレードの見直しが行われました。既存グレードの「ポップ」は「カルト」へ、「ラウンジ」は「ドルチェヴィータ」へ名称を変更。ラインナップは「1.2 カルト」「ツインエア カルト」「ツインエア ドルチェヴィータ」となります。1.2カルトはエントリーグレードながら1.2L 直列4気筒を搭載し、最大出力は69psにも及ぶことから注目を集めました。
500 ピンク!
日本で50台しか販売されていない限定車「500 ピンク!」
500 1.2 8Vラウンジをベースに開発され、ローザ ローザという専用のピンクをボディカラーに設定します。
世界で600台を販売し、日本国内には50台限定で輸入されました。ダッシュボードもピンクに彩られており、イタリア車らしい明るい雰囲気をドライブ中も味わうことができます。
また、1.2LのNA(自然吸気)エンジンの軽快さも相まって、500らしい軽快な走りが楽しむことが可能です。
中古で購入する際の目安となる予算
もともと登場してからすでに10年以上経過していることに加えて50台しか日本で販売されなかった特別限定車のため、流通していないと考えられます。そのため、500 ピンク!の中古車を購入することができる可能性は、極めて低いといえるでしょう。
先代モデルとの比較
2009年に発売された500 ピンク!は、エクステリアとインテリアにピンクをあしらったモデルです。
その他にも専用の装備が施され、電動サンルーフやオリジナルのフロアマット・キーグリップカバーなどが500 ピンク!の個性をさらに引き立たせています。そして、かわいらしい空間に包まれながらドライブを楽しむことができます。
500自体が登場以来フルモデルチェンジされていないため、メカニカルな部分については他のグレードと大きな違いはありません。決してパワフルなエンジンではありませんが、日常的に使う車としては大きな不満は感じないでしょう。
500 ピンク!が日本に輸入されたのは、わずか50台です。しかも、販売時期は2009年と10年以上前のため、中古車を探し出すのは極めて困難です。このグレードが欲しい人は常にアンテナを高く張り、常に情報収集を行う必要があります。
とはいえ、中古車を見つけたとしても、あわてて飛びつくことなく、中古車としてしっかりした車両チェックは忘れないようにしましょう。
エンジンは1.2L直列4気筒ターボ最高出力69ps。ボディサイズは全長3545mm×全幅1625mm×全高1515mmです。
人気のあるカラー
・ローザ ローザ
もともと1色しか設定されていないため、人気のカラーは明るいピンク色の「ローザ ローザ」となります。
500 ツインエア ポップ
2気筒ターボエンジンを搭載した「500 ツインエア ポップ」
最大の特徴は、875cc直列2気筒のターボエンジンを搭載していることにあります。小排気量車のほとんどが3気筒エンジンを採用する中で、2気筒という異端な存在として2011年の発表時には世界中に大きな衝撃を与えました。
スポーティーさを追求したというより、いわゆるダウンサイジングターボとして燃焼効率を高める方向で開発されました。また、高効率化によりCO2排出量の削減・燃費向上を実現させています。
中古で購入する際の目安となる予算
<年式:予算目安>
2011年式:39.8万円~79.8万円
2012年式:39.8万円~104.8万円
2013年式:37.8万円~114.8万円
2014年式:24万円~92.8万円
2015年式:55.1万円~95.4万円
2016年式:69.7万円~166.9万円
2017年式:77.7万円~198万円
2018年式:121.1万円~186万円
2019年式:153.8万円~167.7万円
2020年式:176万円~195万円
500 ツインエア ポップは、500の数多いグレードの中でも定番モデルのひとつです。そのため、中古車の台数も他のグレードより多いので、自分に合った一台を選ぶことができます。
ただし、走行距離の差は車により大きいため、より念入りにコンディションをチェックしておきましょう。
先代モデルとの比較
500 ツインエア ポップはツインという名が示すように、自動車用エンジンでは他に例を見ない2気筒ターボエンジンが搭載されています。そのエンジンは、同程度の出力を発生させる4気筒エンジンよりも軽量コンパクトにつくられており「マルチエア」とよばれるフィアットの動弁機構とあわせ、出力やトルク・環境性能を向上させました。
絶対的なパワーがあるわけではありませんが、低い回転数で発生させるエンジンは日常の使い勝手に優れています。また、エンジンの前後長が短いという特徴は1.2Lモデルと同等の最小回転半径4.7mを確保しており、コンパクトなボディサイズも手伝って、非常に取り回しがしやすいというメリットにもつながっているのが特徴です。
さらにこのグレードのエンジンは燃費をより高め、最高出力をおさえることも可能で、ダッシュボードのECOスイッチで簡単に切り替えることができます。
500 ツインエア ポップの中古車は、現時点で130台以上が流通しているため、他のグレードよりも多い選択肢から最適な1台を選べるでしょう。
エンジンは0.8L直列2気筒ターボ最高出力85ps。ボディサイズは全長3570mm×全幅1625mm×全高1515mmです。
人気のあるカラー
・ボサノバ ホワイト
・ミント グリーン
・パソドブレ レッド
・アイス ホワイト
この中では、純白の「ボサノバ ホワイト」と、パール塗装が施された白色の「アイス ホワイト」などといった白系のボディカラーが人気です。
500 スーパーポップ フィオーレ
160台限定の特別限定車「500 スーパーポップ フィオーレ」
イタリアの街でよく目にする、ゼラニウム、ジャスミン、グリーンカーネーションなどの花をモチーフとし、それぞれの花をイメージした3色のボディカラーが用意され、台数限定で販売されました。
中古で購入する際の目安となる予算
<年式:予算目安>
2020年式:119.8万円前後
このグレードは現時点の中古車市場では1台しか流通していませんでした。
もともと2020年の8月に登場したばかりなので、当分は中古車市場に流通する可能性はないでしょう。さらに台数限定ということもあり、今後も中古車を見つけ出すのは至難の業といえます。
先代モデルとの比較
500 スーパーポップ フィオーレは花をモチーフにした3色のボディカラーがラインアップされており、フロントフェンダーには専用ステッカーがあしらわれているグレードです。
Apple CarPlay やAndroid Auto に対応できるオーディオプレイヤーが標準装備されています。
また、インテリアのインストゥルメンタルパネルにもステッカーが貼られ、ボディと同色のダッシュボードパネル・丸みを帯びたインテリアデザインなどが、花のイメージをより引き立たせているのが特徴です。
500 スーパーポップ フィオーレは2020年8月に登場したばかりのグレードなので、現時点で4ヵ月しか経っておらず、この短期間でオーナーが手放すことは非常に考えにくいです。また、3色あわせてもわずか75台という限定で発売されたモデルのため、販売店に在庫として残っている可能性もかなり低いでしょう。
そのため、500 スーパーポップ フィオーレの中古車購入を検討する場合は、相当根気強くかつ気長に流通することを待ち構える必要があります。
エンジンは0.8L直列2気筒ターボ最高出力85ps。ボディサイズは全長3570mm×全幅1625mm×全高1515mmです。
人気のあるカラー
・ボサノバ ホワイト
・ミント グリーン
・パソドブレ レッド
この中では、純白の「ボサノバ ホワイト」が人気です。
500 コレッツィオーネ
2019年の特別限定車「500 コレッツィオーネ」
グレード名であるコレッツィオーネはイタリア語で「コレクション」を意味しており、ファッション業界では季節ごとに発表される新作の総称として用いられている言葉でもあります。
グレード名のとおりコレクションに加えたい一台として、エクステリア・インテリアともに気品漂う仕上がりとなっているのが特徴です。
バイキセノンヘッドライトやガラスルーフ、フルオートエアコンなどといった快適装備も充実しています。
中古で購入する際の目安となる予算
先代モデルとの比較
500 コレッツィオーネのエクステリアは、オペラボルドーというワインレッドに彩られたボディにブロンズカラーのビューティーラインが組み合わされて、かわいらしさに上品さが加わっているデザインなのが特徴です。加えて、ブロンズカラーの16インチアルミホイールは専用のものが用意されており、質の高さをいっそう際立たせています。
500 コレッツィオーネのインテリアはブラックを基調としており、エクステリアと同色のインストルメントパネルにブロンズカラーのアクセントラインがあしらわれました。そのため、外観と同様にエレガントな車内空間を演出しています。
また、専用デザインのシートやCollezioneのロゴが入った前席フロアマットなども、雰囲気づくりに一役買っているのが特徴です。
ガラスルーフやフルオートエアコンなどの装備も充実しており、心地よい空間に包まれながらドライブを楽しめるモデルでしょう。
500 コレッツィオーネは限定モデルとして160台しか販売されていません。そのため、中古車として出回ることは稀で、現時点で確認できたのは2台だけでした。このグレードが欲しい人は、見つけたらすぐ購入するという前提で探す必要があります。
エンジンは1.2L直列4気筒ターボ最高出力69ps。ボディサイズは全長3570mm×全幅1625mm×全高1515mmです。
人気のあるカラー
・オペラ ボルドー
もともと1色しか設定されていないグレードのため、人気のカラーはブラウン色の強い赤色の「オペラ ボルドー」となります。
※本記事は、2024年10月時点の情報になります。現在の相場価格と異なる可能性がございます。