中古車購入
更新日:2025.03.28 / 掲載日:2021.03.04
ホンダ インスパイアの狙い目グレードや特徴と価格相場を紹介

1989年に高級セダンとして登場したホンダ インスパイアに関して、今回はグレード別に紹介していきます。
「それぞれどのような特徴があるの?」「中古で購入する場合に目安となる予算はどれくらい?」といった実際に購入を検討されている方に必要な情報を掲載していますので確認してみてください。
ホンダ インスパイアの歴史
インスパイアは、ホンダが生産発売していた高級セダンです。レジェンドとアコードの中間に位置する車種として開発され、日本では5代目まで発売されていました。インスパイアは英語の「inspire」から命名されており、インスピレーションやひらめきを与える、感動させる、奮い立たせるなどの意味が込められています。
1989年に初代が発売されました。上流階級向け車種のことを意味するハイソカークラスにあたるモデルです。エンジンは専用設計であり、高回転高出力を目的に開発されています。エンジンを横置きにしてディファレンシャルギアを置いた構造となっており、その後に販売された高級車でも同じ構造を採用しました。当時、同じくハイソカーとして位置づけられていた日産・ローレルを上回るほどの販売台数を記録しています。
1995年に2代目が発売されました。車体サイズは先代とほぼ同じながらも、室内を広くして車高を高くしています。アメリカでは、アキュラという車名で販売されていました。
1996年に一部変更を行い、エアバッグやABSなどの安全装備を全車に標準装備させ、カーナビは立体地図タイプに変更します。
1998年に3代目が発売され、2代目からは3年半という早い期間でのフルモデルチェンジとなりました。この世代から、オハイオ州で生産されるようになります。先代まで採用されていた横置きエンジンの構造は廃止されました。歴代インスパイアのなかでは、この世代のみ足踏み式のパーキングブレーキが使用されています。
2003年に4代目が発売され、姉妹車のセイバーと統合されました。先代同様セダンボディを踏襲するものの、ボディは北米仕様のアコードのものをベースに開発されています。また、この世代からドライバー支援装置のHiDSを採用しました。このHiDSとは、前方車両との衝突回避、車間距離維持システム、車線維持アシストなどを統合したシステムのことです。
2007年に5代目が発売されます。車体サイズは一回り大きくなり、エンジン排気量も増え、全体的に大型化しました。
2010年にマイナーチェンジを行い、ホイールデザインを一新。インテリアに木目調パネルを採用しました。
2012年に在庫分の販売が終了し、日本でのインスパイアの歴史に幕を閉じます。
インスパイア 35TL

5代目のベーシックグレード「インスパイア 35TL」
エンジンには可変シリンダーシステムを搭載し、当時の国産3.5Lクラスセダンで唯一のレギュラーガソリン仕様となりました。フルオートエアコンや17インチのアルミホイールを搭載しています。その他、パワーウィンドウや集中ドアロック、クルーズコントロールなどが標準装備されているのが特徴です。
中古で購入する際の目安となる予算
<年式:予算目安>
2007年式:59万円
2008年式:89万円
2009年式:流通量希少により算出不可
2010年式:流通量希少により算出不可
インスパイア 35TLはインスパイアの終盤に販売されていたグレードですが、それでも発売から18年近く経過しているので、中古車価格は全体的に安くなっています。そのため、入念なチェックをした上で購入を決めるのがおすすめです。
先代モデルとの比較
インスパイア 35TL は、5代目が誕生した当初から3年ほど設定されていたグレードです。
この世代のインスパイアのベーシックグレードとして発売され、3.5Lセダンクラスのなかでは唯一のガソリン車でした。先代に続き可変シリンダーシステムを採用し、走行状況に応じて、6気筒、4気筒、3気筒に切り替わります。ホイールは、17インチアルミホイールを標準装備します。
ボディサイズが先代よりも大きくなったことにより、全長が大幅に拡大され、車内のスペースが広くなっているのが特徴です。このボディサイズ拡大により、トランクサイズは510Lにアップしており、先代よりも1割ほど容量が増しました。
安全装備としては、エアバッグやABS、VSA、ブレーキアシストなどが搭載されています。
2009年に行われた一部改良では、ドアなどに遮音材を追加。これにより静音性が上昇しました。
このグレードの中古車は現時点でわずか2台のみが流通しています。年式が古いので、購入時は車両の状態をしっかりと確認するようにしましょう。
エンジンは3.5L V型6気筒ターボ最高出力280ps。ボディサイズは全長4940mm×全幅1845mm×全高1475mmです。
人気のあるカラー
・プレミアムブラキッシュ・パール
・ポリッシュドメタル・メタリック
・アラバスターシルバー・メタリック
・バスクレッド・パール
・プレミアムホワイト・パール
このなかでは、光の当たり具合で紫色にも見える黒色の「プレミアムブラキッシュ・パール」が人気です。
インスパイア アバンツァーレ

5代目で一番豪華な装備が施された最上位グレード「インスパイア アバンツァーレ」
この世代のインスパイアのなかでは、最上位グレードとして位置づけられていたため、装備面は一番豪華な装備が施されていました。そのため、車内にはスマートカードキーや8Wayパワーシート、デュアルエアコン、8スピーカー、後部電動サンシェードなどといった充実した機能が搭載されています。
安全面では、高速道路運転支援システムや車線維持支援機能、クルーズコントロールなどが搭載されているのが特徴です。
中古で購入する際の目安となる予算
<年式:予算目安>
2003年式:流通量希少により算出不可
2004年式:流通量希少により算出不可
2005年式:流通量希少により算出不可
2006年式:50万円
2007年式:流通量希少により算出不可
インスパイア アバンツァーレは4代目の最上位グレードですが、最も古い年式のものでは20年以上の時間が経過していることから、中古車価格は50万円程度と安くなっています。
先代モデルとの比較
インスパイア アバンツァーレは、4代目へのフルモデルチェンジが行われた際に設定されたグレードです。
インスパイアの最上位グレードとして位置づけられており、他のグレードと同じく、可変シリンダーシステムを搭載しています。
運転支援システムには、追突軽減ブレーキや車線維持支援機能、車間制御機能、E-プリテンショナーなどが搭載されました。これにより、自動運転に近い走行を体感することができます。
パワーウィンドウや集中ドアロック、本革巻きステアリングなどを標準装備しているのが特徴です。また、サンルーフや音声認識のDVDナビ、木目調パネルはオプションで搭載することができます。
さらに広々としたトランクは、トランクスルー機構もあり、リアシートを倒せば長い荷物も積み込むことが可能です。
このグレードの中古車は非常に少なく、現時点ではたった1台しか流通していません。どれも年式が古く、良い状態とは言えないので、良質な車両を探し出すことは難しいかもしれません。
エンジンは3.0L V型6気筒ターボ最高出力250ps。ボディサイズは全長4805mm×全幅1820mm×全高1455mmです。
人気のあるカラー
・プレミアムホワイト・パール
・ナイトホークブラック・パール
・アラバスターシルバー・メタリック
・ロイヤルブルー・パール
・ロイヤルビーレッド・パール
・カーボンブロンズ・パール
このなかでは、漆黒の「ナイトホークブラック・パール」が人気です。
インスパイア 30TE

4代目のベーシックグレード「インスパイア 30TE」
ダブルウィッシュボーンのサスペンションによって、乗り心地が柔らかくなっています。装備面では、フルオートエアコンや16インチ標準のアルミホイールを搭載しました。その他、パワーウィンドウやクルーズコントロール、本革巻きステアリングなどが標準装備されています。
中古で購入する際の目安となる予算
インスパイア 30TEも4代目に設定されていたグレードで、発売から20年以上の時間が経過しています。そのため、今後中古車価格に出回ったとしても、車両の状態を十分に確認してから購入を検討したほうが良いでしょう。
先代モデルとの比較
インスパイア 30TEは、4代目へのフルモデルチェンジが行われた際に設定されたグレードです。この世代のベーシックグレードとして、誕生しました。
このグレード含め、4代目は北米仕様のアコードを元に開発されています。そのため、ダブルウィッシュボーンのサスペンションによって乗り心地が柔らかくなっているのが特徴です。エンジンには、新機構の可変シリンダーシステムを採用しました。
また、フロントのレーダーで車間距離を維持するIHCC、前方車との衝突を回避するCMBS、車線維持アシストのLKASを統合したドライバー支援装置も搭載されています。安全面では、運転席エアバッグや助手席エアバッグ、サイドエアバッグ、クルーズコントロールなどを装備しました。
4代目でベーシックグレードとして設定されていたインスパイア 30TEの中古車は、現時点で1台も流通していなません。条件に合った車両を探し出すのは難しいでしょう。
エンジンは3.0L V型6気筒ターボ最高出力250ps。ボディサイズは全長4805mm×全幅1820mm×全高1455mmです。
人気のあるカラー
・サテンシルバー・メタリック
・アラバスターシルバー・メタリック
・ナイトホークブラック・パール
・カーボンブロンズ・パール
・ロイヤルブルー・パール
このなかでは、漆黒の「ナイトホークブラック・パール」が人気です。
インスパイア 35iL

5代目の上位グレード「インスパイア 35iL」
装備面では、木目調のステアリングホイールやフルオートエアコン、HDDナビなどを備えているのが特徴です。
安全装備も充実しており、ミリ波レーダーの衝突被害軽減ブレーキ、アクティブクルーズコントロール、エアバッグ、EBD、ABS、VSA、E-プリテンショナーなどを搭載しています。
中古で購入する際の目安となる予算
<年式:予算目安>
2007年式:流通量希少により算出不可
2008年式:78万円~128万円
2009年式:流通量希少により算出不可
2010年式:64万円〜65万円
インスパイア35iLの中古車は、現時点で2007年式と2010年式しか流通していません。いずれも年式が古いため、このグレードを選ぶ場合は購入時によく確認することが大切です。
先代モデルとの比較
インスパイア 35iLは、5代目に設定されていたグレードです。
この世代のなかでは、上位グレードとして位置づけられていますが、基本仕様はベーシックグレードのインスパイア 35TLと同じで、可変シリンダーシステムを搭載しています。
しかし、上位グレードらしく装備が充実しており、HDDナビとワンセグが搭載されました。基本はワンセグですが、フルセグはオプションで設定することができます。その他には、フルオートエアコン、木目調ステアリング、17インチアルミホイールなどが標準装備されているのが特徴です。センターパネルにはウッドパネルが採用されており、木目調のステアリングと相まって、高級感を演出してくれます。
安全装備はインスパイア 35TLに搭載された装備に加え、衝突被害軽減ブレーキ、E-プリテンショナー、アクティブクルーズコントロールの3つが追加で装備されました。
3年ほど設定されていたグレードですが、現時点の中古車市場では6台しか流通していません。あまり選択肢はないので、じっくりと比較した上で購入することをおすすめします。
エンジンは3.5L V型6気筒ターボ最高出力280ps。ボディサイズは全長4940mm×全幅1845mm×全高1475mmです。
人気のあるカラー
・プレミアムブラキッシュ・パール
・ポリッシュドメタル・メタリック
・アラバスターシルバー・メタリック
・バスクレッド・パール
・プレミアムホワイト・パール
このなかでは、パール塗装が施された白色の「プレミアムホワイト・パール」が人気です。
※本記事は、2025年3月時点の情報になります。現在の相場価格と異なる可能性がございます。