メルセデス・ベンツ 190クラスの狙い目グレードや特徴と価格相場を紹介

1982年、メルセデス・ベンツ初のDセグメントとして190クラスの初代が登場します。それまでメルセデス・ベンツの乗用車は、中型から大型のモデルしか販売されていませんでしたが、1982年に190クラスが発売されたことで、コンパクトサイズのメルセデスがラインアップに加わりました。

1985年、本国での販売から遅れること3年、ようやく日本への正規輸入が開始となります。これまでにないボディサイズやバブル景気で人気が高かったこともあり、190クラスは「小ベンツ」と揶揄されていたのは有名な話です。

しかし、その出来ばえはメルセデス・ベンツそのもので、その質実剛健な設計は、当時最上位だったSクラスにも引けを取らない品質でした。特に速度無制限のアウトバーン走行にも耐えうる安定性は、同クラスの国産車とは格段の差があり、メルセデス・ベンツブランドの乗用車として最大の特徴である優れた走行性能を確保していました。

さらに、サスペンションの性能は際立っており、フロントが独立懸架のストラット式、リヤには同じく独立懸架のマルチリンク式が採用されました。構造が複雑でコストがかかるという欠点がありますが、それを補って余りある優れた操縦性や乗り心地を誇ります。

外観を上品に装うアルミホイールもまた、190クラスの高性能なイメージを具現化させています。

日本へと導入された当初は、「190クラス 190E」のみが設定されました。このグレードは190クラスが販売終了になるまで設定されている、190クラスを代表するグレードです。

1986年、「190クラス 190D 2.5」が設定されます。このグレードは当時、日本における販売戦略のため、190クラス 190Eよりも低い価格で販売されていました。

1987年、「190クラス 190E 2.6」を設定。これは、190シリーズの中で唯一直列6気筒エンジンを搭載しているグレードです。

1990年、本国では1986年より販売されていた「190クラス 190E 2.3」がようやく設定されました。

1993年、後継モデルのCクラスと入れ替わることが発表され、一度もフルモデルチェンジすることなく190クラスは生産終了となっています。

メルセデス・ベンツ 190クラスの中古車を探す

190クラス 190Eは、190クラスが日本で販売された当初から設定されているグレードです。190クラスを代表する標準グレードとして、販売終了になるまでの全期間で設定されていました。

2.0Lの直列4気筒エンジンを搭載しており、4速ATを介して後輪を駆動させているのが特徴です。

他のメルセデスにはない特徴としてはコンパクトなボディがあり、特に5ナンバー枠に収まる全幅をもつモデルは、現在のメルセデス・ベンツではラインアップされていません。

190クラス 190Eを中古で購入する際の目安となる予算をご紹介します。

＜年式：予算目安＞
1985年式：流通量希少のため算出不可
1986年式：128万円
1987年式：流通量希少のため算出不可
1988年式：145万円
1989年式：79万円～358万円
1990年式：55万円～150万円
1991年式：流通量希少のため算出不可
1992年式：88万円
1993年式：120万円

190クラス 190Eの中古車は、10台弱が流通しています。その中にはレストア（劣化の激しい旧車を新車のように復元する）されたものもあり、チェック自体は欠かせないものの、価格が高いものは良好なコンディションが期待できるでしょう。

初代：1985年～1993年
190クラス 190Eは標準グレードとして、190クラスが日本に導入された当初から設定されています。

マニュアルエアコンやパワーウィンドウ、集中ドアロックなど、当時の高級車に搭載されている機能は標準で装備されているのが特徴です。190クラスの高級感を演出する木目調のインパネも、インテリアにアクセントを加えています。もちろんアルミホイールも標準で、当時としては大径の15インチが採用されていました。

発売当時には装着モデルが少なかったABSも標準装備されていたのは、安全性を追求するメルセデスならではといえるでしょう。

このグレードは、オプション装備も充実していました。そのため、現代ではファミリーユースのモデルにも装着される本革巻きステアリングや高級車の代名詞である本革シート、パワーシートなどが選べます。またサンルーフに加え、いち早くクルーズコントロール機能を追加できたのは、当時としては画期的でした。

現時点の中古車市場で確認できた190クラス 190Eの中古車は、およそ10台です。絶対的な台数こそ多くありませんが、190クラスの中では最も多い台数を誇ります。生産終了からすでに30年近くが経っているため、購入後のメンテナンス費用も含めた上で購入を検討するようにしましょう。

エンジンは2.0L直列4気筒ターボ最高出力115ps。ボディサイズは全長4450mm×全幅1690mm×全高1375mmです。

190クラス 190Eは古い車種のため、ボディカラーの正確な情報を確認することができませんでしたが、確認できた分だけで下記の3色が設定されています。

・ホワイト
・ミッドナイトブルー
・ゴールド

この中では、濃い紺色の「ミッドナイトブルー」が人気です。

メルセデス・ベンツ 190クラス 190Eの中古車を探す

190クラス 190E2.3は、190クラスが日本に導入されて5年後の1990年から設定されているグレードです。

190クラス 190Eのエンジンを、2.3Lに換装したグレードとして誕生しています。エンジン排気量をアップすることで、最高出力や最大トルクも向上しており、走行性能がいっそう高められました。

サスペンションは他の190クラスと同様、フロントがストラット式、リヤがマルチリンク式を採用しています。そのため190クラスならではの操縦安定性にプラスして、より余裕のある加速性能を味わうことが可能です。

190クラス 190E2.3を中古で購入する際の目安となる予算をご紹介します。

＜年式：予算目安＞
1990年式：流通量希少のため算出不可
1991年式：68万円～168万円
1992年式：88万円～118万円
1993年式：流通量希少のため算出不可

190クラス 190E2.3の中古車は、現時点では5台ほどしか流通していません。年式は古いものの、一般的な中古車にしては高めの価格設定がされているようです。

初代：1990年～1993年
190クラス 190E2.3は190クラス 190Eの2.3L版として、190Eと同様の装備が搭載されています。そのため、ABSやAM/FMラジオ付きのカセットプレイヤー、マニュアルエアコン、パワーウィンドウ、集中ドアロックなどひととおりの装備は、標準で用意されました。

また、エクステリアやインテリアを高級に仕立てる装備として、木目調のインパネや15インチのアルミホイールなどを搭載。リヤフォグランプが標準装備されるのは、ヨーロッパ車ならではの特徴です。霧などの悪天候でも後続車に自分の存在を知らせ、安全を確保しています。

このグレードの装備はオプションで装着するものが多く、自分好みの1台に仕上げることも可能でした。

スポーティーな雰囲気を醸し出す本革巻きステアリングや高級車らしさを表現する本革シートに加え、電動でドライビングポジションを設定できるパワーシートなども装備されています。

現時点で流通している190クラス 190E2.3の中古車は、5台ほどです。30年近く前のモデルのため、中古車台数の少なさは仕方ないことでしょう。この時代の中古車を購入する場合は維持費が高額になってしまうので、コンディションチェックはきちんとしておきましょう。

エンジンは2.3L直列4気筒ターボ最高出力135ps。ボディサイズは全長4450mm×全幅1690mm×全高1375mmです。

190クラス 190E2.3は古い車種のため、ボディカラーの正確な情報を確認することができませんでしたが、確認できた分だけで下記の4色が設定されています。

・ホワイトII
・シルバーII
・ブリリアントシルバーII
・ブルーブラックメタリック

この中では、純白の「ホワイトII」と、光沢感のあるシルバー色の「ブリリアントシルバーII」が人気です。

190クラス 190D 2.5は、190クラスが日本に導入された翌年の1986年から設定されているグレードです。

グレード名が示すように、2.5Lのディーゼルエンジンを搭載しています。ディーゼルエンジンはガソリンエンジンと比べ、高い燃費性能や低額な燃料代、低回転域からの豊かなトルクなどの点が優れています。

その一方、ガソリン車より振動やノイズが大きいという最大の欠点もありますが、190クラス 190D 2.5はそのデメリットが極力目立たないように開発されました。

190クラス 190D 2.5を中古で購入する際の目安となる予算をご紹介します。

＜年式：予算目安＞
1986年式：流通量希少のため算出不可
1987年式：流通量希少のため算出不可
1988年式：流通量希少のため算出不可
1989年式：流通量希少のため算出不可
1990年式：流通量希少のため算出不可
1991年式：86万円
1992年式：158万円
1993年式：流通量希少のため算出不可

発売されていたのは8年程度と長めですが、現時点では2台しか流通していません。他のグレード同様、一般的な中古車にしては高めなのでよく確認するようにしましょう。

初代：1986年～1993年
190クラス 190D 2.5は、ディーゼルエンジンを搭載した190クラスということで、装備の内容については他のグレードとあまり大きな差はありません。そのため他のグレードと同じく、マニュアルエアコンやABS、木目調インパネ、15インチアルミホイールなどが標準装備されています。

また、190クラスの他のグレード同様、本革巻きステアリングや本革シート、サンルーフなどはオプションで装備することが可能です。

現時点の中古車市場において確認できた190クラス 190D 2.5の中古車は、わずかに2台しか流通していませんでした。このグレードには姉妹グレードとして、ターボチャージャーを組み合わせた190クラス 190D2.5ターボもありますが、そのグレードを含めたとしても中古車はたった3台しか流通していない状況です。そのため、190クラス＋ディーゼルエンジンという組み合わせのモデルにこだわらないのであれば、他のグレードを購入したほうがいいでしょう。

エンジンは2.5L直列5気筒ディーゼル最高出力90ps。ボディサイズは全長4450mm×全幅1690mm×全高1375mmです。

190クラス 190D2.5は古い車種のため、ボディカラーの正確な情報を確認することができませんでしたが、確認できた分だけで下記の2色が設定されています。

・シルバーメタリック
・ブルーブラックメタリック

この中では、シルバー色の「シルバーメタリック」が人気です。

190クラス 190E 2.6は、190クラスが日本に導入されて2年後の1987年から設定されているグレードです。

190クラスに設定されたグレードの中で、シリーズで唯一直列6気筒エンジンを搭載しました。スムーズな吹き上がりは6気筒エンジンならではの特徴で、排気量のアップとともに190クラスの走行性能向上に貢献しています。

このグレードは190クラスの乗用グレードで最も高性能なグレードとして、上質な走りとメルセデス・ベンツならではの高級感を両立させているのが特徴です。

190クラス 190E 2.6を中古で購入する際の目安となる予算をご紹介します。

＜年式：予算目安＞
1987年式：流通量希少のため算出不可
1988年式：流通量希少のため算出不可
1989年式：流通量希少のため算出不可
1990年式：68万円
1991年式：流通量希少のため算出不可
1992年式：199万円
1993年式：88万円

190クラス 190E 2.6の中古車は、現時点では3台しか流通していないようです。190クラスシリーズで唯一、直列6気筒エンジンを搭載しているので、他のグレードよりは多少高めの中古車価格となっています。

初代：1987年～1993年
190クラス 190E 2.6は190クラスにおける最上級グレードに相当しますが、基本的な装備は他のグレードと共通しています。ABSやマニュアルエアコンなどの標準装備、本革巻きステアリングや本革シートなどのオプションは、他の190クラスと違いはありません。

このグレードは、2.6Lエンジンによる優れた走行性能が特徴です。また190クラス 190E 2.6最大の装備は、他グレードではオプションになるクルーズコントロール機能であり、標準で装着されています。走行速度を一定に保つという機能は特に高速道路で本領を発揮し、走りの上質感とともにドライバーへ高い満足を提供してくれるのが特徴です。

このグレードの中古車は、現時点の中古車市場にはわずか3台しか流通していませんでした。選択肢は非常に少ないですが、だからといってすぐには飛びつかず、車両チェックをしっかりと行いましょう。年式が古いため、購入しても修理代が高額になってしまう可能性があることを覚えておくことが大切です。

エンジンは2.6L直列6気筒ターボ最高出力165ps。ボディサイズは全長4450mm×全幅1690mm×全高1375mmです。

190クラス 190E 2.6は古い車種のため、ボディカラーの正確な情報を確認することができませんでしたが、確認できた分だけで下記の3色が設定されています。

・ホワイト
・ミッドナイトブルー
・ゴールド

この中では、濃い紺色の「ミッドナイトブルー」が人気です。

※本記事は、2021年6月時点の情報になります。現在の相場価格と異なる可能性がございます。