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更新日:2021.11.19 / 掲載日:2021.11.16

メルセデス・ベンツ SLクラスの狙い目グレードや特徴と価格相場を紹介

1954年に初代の発売を開始し、2021年秋に7代目の登場が発表されたメルセデス・ベンツ SLクラスに関して、今回はグレード別に紹介していきます。

「それぞれどのような特徴があるの?」「中古で購入する場合に目安となる予算はどれくらい?」といった実際に購入を検討されている方に必要な情報を掲載していますので確認してみてください。

メルセデス・ベンツ SLクラスの歴史

1954年、SLクラスの初代が登場しました。

この車種は、メルセデス・ベンツにラインナップされるロードスターの最高峰モデルとして位置づけられており、ボディタイプにはクーペ、カブリオレ、クーペカブリオレが設定されています。

2021年現在まで販売されているベンツ車の中でも最も歴史が長い車でもあり、その車名のSLはドイツ語で軽量スポーツカーを意味する「Sport Leicht」の頭文字を取って命名されました。
誕生当初はクーペのみが設定されていましたが、のちにロードスターに一本化されています。

1963年、ジュネーヴモーターショーで2代目が登場。この世代は、レーシング要素よりもツーリング要素が強いモデルが多く、4速ATやパワーステアリングを搭載したモデルも用意されました。2代目はパゴタルーフという両端が少し反り上がり、中央が少しくぼんだルーフデザインが特徴です。

1971年、3代目が登場。シャシーは1968年から1972年にかけて生産されていたW114から転用し、エンジンはSクラス用のユニットを使用しました。ハードトップまたはソフトトップの2シーターモデル、4シーターのクーペが設定されています。

1898年、8年ぶりにフルモデルチェンジを行い4代目が登場。この世代では電動ソフトトップを採用し、搭乗者を保護する可動式のロールバーが装備されました。当初、国内販売モデルは左ハンドルのみでしたが、のちに右ハンドルモデルが導入されます。

2001年、5代目が登場。この世代より、電動式ハードトップのバリオルーフが搭載されるようになりました。これにより、手動のハードトップとソフトトップは廃止となります。

2012年、6代目が登場。先代より全長と全幅が長くなり、ボディの骨格部分にはアルミニウムのフレームが採用されました。

2021年秋、7代目の登場が発表されます。5~6代目で採用していたバリオルーフは廃止になり、再びソフトトップが復活しました。現時点で、新型となる7代目SLクラスの日本への導入時期は明らかになっていません。

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SLクラス SL400

6代目以降のエントリーグレード「SLクラス SL400」
SLクラス SL400は、6代目の2016年6月に設定されたグレードです。

先代から設定されていた「SLクラス SL350」に変わって設定されたグレードで、3.0L V型6気筒直噴ツインターボエンジンに9速ATの9G-TRONICを組み合わせています。

ボディにはメルセデス・ベンツの量産車としては初めて、オールアルミ・モノコックボディを採用しました。

エントリーグレードながらも、シートにはナッパレザーシートを採用するなど、上質な装備が特徴です。


中古で購入する際の目安となる予算
SLクラス SL400を中古で購入する際の目安となる予算をご紹介します。

<年式:予算目安>
2016年式:558万円~858万円
2017年式:800万円~885万円
2018年式:888万円~948万円
2019年式:938万円
2020年式:流通量希少のため算出不可
2021年式:流通量希少のため算出不可

SLクラス SL400は6代目に登場した比較的新しいグレードのため、全年式を通して中古車価格は高めです。

先代モデルとの比較
6代目(現行モデル):2016年~
SLクラス SL400は、6代目の中盤である2016年に行われたマイナーチェンジで設定されました。

アクティブボディーコントロールを装備しており、サスペンションを電子制御し、快適な乗り心地を実現します。また、電動式ハードトップルーフのバリオルーフを備え、時速40km以下であれば走行中に開閉させることも可能です。

シート後ろにある走行風の巻き込みを防ぐ防風板のドラフトストップと、シートから温風の出るエアスカーフが搭載されているため、寒い時期でもオープンカーにして快適に運転することができます。

安全装備には、運転中の死角をカバーする6基のミリ波レーダーと超音波センサーを搭載していました。

SLクラスの中でもベースグレードに位置づけられるSLクラス SL400の中古車は、10数台が流通しています。登場からまだ5年ほどしか経過していないため、中古車価格は全体的に高めですが、良質な車両は多いので条件に合ったものは探しやすいでしょう。

エンジンは3.0L V型6気筒ターボ最高出力367ps。ボディサイズは全長4640mm×全幅1875mm×全高1305mmです。

人気のあるカラー
SLクラス SL400のボディカラーは、下記の8色が設定されています。

・オブシディアンブラック(M)
・ポーラーホワイト(S)
・ダイヤモンドホワイト(M)
・セレナイトグレー(M)
・グラファイトグレー(M)
・イリジウムシルバー(M)
・ヒヤシンスレッド(M)
・ブリリアントブルー(M)

この中では、ラメ塗装の入った白色の「ダイヤモンドホワイト(M)」が人気です。

※(S)とはソリッドペイントを意味し、(M)とはメタリックペイントを意味します。

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SLクラス SL400 グランドエディション

SLクラス SL400をベースにした特別仕様車「SLクラス SL400 グランドエディション」
SLクラス SL400 グランドエディションは、6代目の2019年10月に設定されたグレードです。グレード名が示すとおり、SLクラスのエントリーグレードであるSLクラス SL400をベースにした特別仕様車となっています。

ホイールには、専用のAMGデザインが施された19インチホイールを採用しました。

また、SLクラス SL400では装備できないマジックスカイコントロールやドライビングダイナミックシート、7サラウンドシステムなどが特別に装備されています。

中古で購入する際の目安となる予算
SLクラス SL400 グランドエディションを中古で購入する際の目安となる予算をご紹介します。

<年式:予算目安>
2019年式:流通量希少のため算出不可
2020年式:1130万円
2021年式:流通量希少のため算出不可

SLクラス SL400グランドエディションの中古車は、2020年式の1台しか流通していませんでした。

特別仕様車であることに加え、まだ登場から2年ほどしか経過していないので、流通数の少なさは仕方のないことでしょう。価格も1130万円と高額なので、今はまだ購入しないほうがよいかもしれません。

先代モデルとの比較
6代目(現行モデル):2019年~
SLクラス SL400グランドエディションは、6代目の終盤に設定されました。

特別仕様車として設定されているため、とにかくインテリアが豪華で、ダイヤモンドステッチのブラウンとブラックのナッパレザーシートやインテリアトリムが採用されています。

さらに、SLクラスのトップパフォーマンスグレードである「SLクラス SL65 AMG」のインテリアを装備したため、上質感がプラスされました。

また、ベースの「SLクラス SL400」には装備されていないバリオルーフやシートに特別機能を装備しているのが特徴です。

バリオルーフには、マジックスカイコントロールの機能を加えており、ルーフトップの透明度を自由に変えることが可能。シートのマルチコントロールシートバックには、エアクッションやランバーサポートを細かく調節できる機能を搭載しました。

SLクラス SL400グランドエディションは、2年ほど前に設定されたばかりの特別仕様車であることから、現時点の中古車市場には1台しか流通していないようです。価格も非常に高額なので、中古車として購入するのはまだおすすめできません。

エンジンは3.0L V型6気筒ターボ最高出力367ps。ボディサイズは全長4640mm×全幅1875mm×全高1305mmです。

人気のあるカラー
SLクラス SL400 グランドエディションのボディカラーは、下記の4色が設定されています。

・オブシディアンブラック(M)
・ダイヤモンドホワイト(M)
・セレナイトグレー(M)
・グラファイトグレー(M)

この中では、漆黒の「オブシディアンブラック(M)」と、ラメ塗装の入った白色の「ダイヤモンドホワイト(M)」が人気です。

SLクラス SL500

わずか0.3秒で立ち上がるロールバーを装備した「SLクラス SL500」
SLクラス SL500は、4代目の1994年11月に設定されたグレードです。

搭載されているエンジンは5.0L V型8気筒エンジン。トランスミッションは誕生当初は5速ATでしたが、のちに7速ATに変更になります。

2001年登場の5代目でも引き続き設定され、5代目以降のモデルではバリオルーフと呼ばれる電動開閉式のハードトップを採用しました。また、アルミニウムやマグネシウムをボディの各所に使用し、軽量化を図っています。

中古で購入する際の目安となる予算
SLクラス SL500を中古で購入する際の目安となる予算をご紹介します。

<年式:予算目安>
1994年式:169万円
1995年式:流通量希少のため算出不可
1996年式:流通量希少のため算出不可
1997年式:流通量希少のため算出不可
1998年式:198万円~395万円
1999年式:239万円~458万円
2000年式:流通量希少のため算出不可
2001年式:流通量希少のため算出不可
2002年式:136万円~198万円
2003年式:150万円~357万円
2004年式:128万円~259万円
2005年式:180万円~198万円

SLクラスの4代目から5代目にかけて設定されていたSLクラス SL500は、登場からある程度の時間が経過しているため、中古車価格は手頃なものが多くなってきています。

先代モデルとの比較
4代目:1994年~2001年
SLクラス SL500は、4代目の中盤で行われたマイナーチェンジで設定されました。

1998年以降のモデルには、急激な傾斜角や衝撃を感知した際にわずか0.3秒で立ち上がるロールバーを装備し、横転時などの安全を確保しています。

登場から25年以上の年数が経過しているSLクラス SL500の流通量は少なく、8台ほどしか流通していませんでした。年式的に走行距離が長いものが多いので、その点を含めて検討することをおすすめします。

エンジンは5.0L V型8気筒ターボ最高出力325ps。ボディサイズは全長4470mm×全幅1810mm×全高1295mmです。

5代目:2001年~2005年
SLクラス SL500は、5代目でも引き続き設定されます。

この世代のSLクラス SL500には、SLKクラスに先行装備された電動ルーフのバリオルーフが装備されました。さらに、オープンカーにしたときのシートへの風を防ぐ機能として、ドラフトストップが装備されています。

この世代は10数台の中古車が流通しており、価格も落ち着いているので、比較的安く手に入れられるでしょう。

エンジンは5.0L V型8気筒ターボ最高出力306ps。ボディサイズは全長4535mm×全幅1830mm×全高1300mmです。

人気のあるカラー
SLクラス SL500のボディカラーは、下記の11色が設定されています。

・オブシディアンブラック(M)
・エメラルドブラック(M)
・アラバスターホワイト(S)
・タンザナイトブルー(M)
・トパーズブルー(M)
・ブリリアントシルバー(M)
・キューバナイトシルバー(M)
・テルリウムシルバー(M)
・ファイアオパール(S)
・インディーレッド(M)
・ジャスパーブルー(M)

この中では、白色の「アラバスターホワイト(S)」が人気です。

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SLクラス SL63 AMG

SLクラスのハイパフォーマンスモデル「SLクラス SL63 AMG」
SLクラス SL63 AMGは、5代目の2008年5月に設定されたグレードです。

SLクラスの中ではハイパフォーマンスグレードとして設定されており、新開発の6.3L V型8気筒エンジンを搭載しているため、わずか4.3秒で時速100kmまで加速させることが可能です。トランスミッションには、7速ATを採用しています。

AMGデザインのフルレザーシートなど、随所にAMGデザインが取り入れられているのが特徴です。

中古で購入する際の目安となる予算
SLクラス SL63 AMGを中古で購入する際の目安となる予算をご紹介します。

<年式:予算目安>
2008年式:528万円~530万円
2009年式:649万円~729万円
2010年式:流通量希少のため算出不可
2011年式:流通量希少のため算出不可
2012年式:698~858万円
2013年式:718万円
2014年式:658万円
2015年式:流通量希少のため算出不可

SLクラスのトップパフォーマンスモデルに位置づけられているSLクラス SL63 AMGは、もともと2000万円近い価格がつけられていた車です。当時の価格を考えると、ほとんどが500~700万円台に下がってきていますが、それでも高額なのでよく考えてから購入することをおすすめします。

先代モデルとの比較
5代目:2008年~2011年
SLクラス SL63 AMGは、5代目の後期に行われたマイナーチェンジで設定されました。

最高出力525馬力を発揮するハイパフォーマンスのエンジンを搭載しているため、ブレーキやサスペンションも従来のグレードよりも強化させています。また、アイドリングストップ機能も搭載されています。

登場から10年以上経過していますが、SLクラスのハイパフォーマンスモデルにあたるため、中古車価格も高めとなっています。

エンジンは6.3L V型8気筒ターボ最高出力525ps。ボディサイズは全長4600mm×全幅1820mm×全高1300mmです。

6代目:2011年~2015年
SLクラス SL63 AMGは、6代目でも引き続き設定されました。

フルモデルチェンジに伴い、エンジンが5.5L V型8気筒エンジンに変更となります。安全装備も充実しており、レーダーセーフティパッケージやインテリジェントライトシステムなどの運転支援システムが標準装備されるようになりました。

この世代の中古車も、先代とほとんど変わらない価格がつけられています。ただ、先代と比べて車両状態のよいものは多そうです。

エンジンは5.5L V型8気筒ターボ最高出力537ps。ボディサイズは全長4645mm×全幅1875mm×全高1300mmです。

人気のあるカラー
SLクラス SL63 AMGのボディカラーは、下記の12色が設定されています。

・オブシディアンブラック(M)
・クロマイトブラック(M)
・アラバスターホワイト(S)
・ダイヤモンドホワイト(M)
・チューライトレッド(M)
・タンザナイトブルー(M)
・テノライトグレー(M)
・アラバンダイトグレー(M)
・イリジウムシルバー(M)
・キューバナイトシルバー(M)
・パラジウムシルバー(M)
・ファイアオパール(S)

この中では、ラメ塗装の入った白色の「ダイヤモンドホワイト(M)」が人気です。

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※本記事は、2021年11月時点の情報になります。現在の相場価格と異なる可能性がございます。
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グーネットマガジン編集部

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