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更新日:2021.12.02 / 掲載日:2021.12.02

メルセデス・ベンツ Sクラスの燃費や税金など気になる維持費を紹介

ベンツの最高峰セダンとして君臨する「Sクラス」

1972年に初代が登場し、現行モデルが7代目にあたるメルセデス・ベンツ Sクラスについて、気になるポイントを紹介していきます。

「燃費やボディサイズは?」「税金や車検代などの維持費はいくらかかる?」といった実際に購入を検討されている方に必要な情報を掲載していますので確認してみてください。

Sクラスについて

メルセデス・ベンツ Sクラスは、同ブランドの乗用車の中でもフラッグシップモデルとして確固たる地位を築いており、そのデビューは1972年までさかのぼります。

もともとはショーファードリブン(お抱えの運転手が運転する車)的な性格だったSクラスですが、新ブランドの「マイバッハ」が登場したことで、近年はオーナー自らが運転することを意識して開発されるようになりました。また、Sクラスは移動手段としてだけなく、上質かつプライベートな空間を提供しています。

そんなSクラスには、数々の最新技術が詰め込まれているのが特徴です。Sクラスに投入される最新技術は、サスペンション方式にも表れており、6代目で採用された車体の姿勢を制御する技術であるマジックボディコントロールや7代目で採用されたしなやかな乗り心地を実現するAIRマティックサスペンションなどは、メルセデス・ベンツのオリジナル技術です。

Sクラスのエンジンとして、従来は大排気量のガソリンエンジンとディーゼルエンジンが主に搭載されていました。しかし、近年では環境対策、燃費対策としてのハイブリッドやダウンサイジングターボを組み合わせることで排気量が小さくなっており、6代目以降は排気量が3.0Lを切るものも登場しています。

Sクラスの駆動方式は高級車のスタンダードであるFRを標準としながら、のちに4マチックと呼ばれる四輪駆動のグレードが加わりました。現行の7代目では、4マチック車のみが輸入されています。

トランスミッションはエンジンからの動力を車軸に伝えるという役割がありますが、Sクラスには従来トルコン式と呼ばれていたステップ式ATを搭載。

日本でいう平成初期のモデルまでは4速が標準でしたが、Sクラスはフルモデルチェンジを重ねるごとに多段化が進み、7代目では9速の「9G‐TRONICオートマチックトランスミッション」に進化しました。

このATは1速から9速までの変速比幅が広いという特徴から、エンジン回転数が大幅に低減されているだけでなく優れたエネルギー効率と快適性も実現させています。

Sクラスのボディサイズ

Sクラスのボディサイズは、一体どれくらいあるのでしょうか。

Sクラスは7世代に渡り設定されていますが、中古車としても購入するのに現実的な世代である5代目以降のボディサイズを比較してみましょう。

<世代:グレード:ボディサイズ>
5代目
S350 ブルーエフィシェンシー
全長5100mm×全幅1870mm×全高1485mm

6代目
S450
全長5125mm×全幅1900mm×全高1495mm

7代目
S500 4マチック
全長5179mm×全幅1954mm×全高1503mm

Sクラスは、いずれの世代も5000mm超えの全長や1900m前後の全幅など、日常的な使途には全く向いていないビッグサイズです。

長さ4800mm~5000mm×幅2400mm~2500mm程度のサイズが一般的な日本のコインパーキングは、Sクラスはどの世代も全長がサイズオーバーしているため、駐車することはできません。

そして、全高1550mmという制限のある立体駐車場の場合、全高は問題なくクリアできるSクラスですが、全幅に1850mm以下という制限を設けているところが多いため、1900mm前後の幅のあるSクラスを駐車することは不可能です。

ただし、Sクラスの場合、自分で運転するよりも専用の運転手が運転する機会が多いと思われるので、駐車場に関してはそこまで気にする必要はあまりないのかもしれません。

また、超高級マンションや高層ビルなどによくある高級車専用の駐車場であれば、Sクラスのような大柄なボディでも問題なく停められるようです。Sクラスを自ら運転して使うという場合には、このような駐車場を探すことをおすすめします。

Sクラスの安全装備

メルセデス・ベンツの車にはどのモデルにも世界最高水準の安全性能が備わっていますが、その最高峰に位置するSクラスではより高い安全機能がプラスされています。

5代目の後半には、レーダーセーフティパッケージが標準装備されるようになりました。これはセンサーが車両や歩行者などを感知して、安全運転をサポートするものです。

例えば、衝突回避支援ブレーキであるPRE-SAFEブレーキや安全な車線変更を支援するアクティブブラインドスポットアシストなどの機能があります。

6代目ではそのレーダーセーフティパッケージが進化し、新たな機能が追加されたことでより運転に集中できるようになりました。

7代目になるとレーダーセーフティパッケージがより洗練されたことに加え、メルセデス・ベンツで初めて、SRSリヤバッグが一部グレードにオプション設定されるようになります。

このようにSクラスには時代ごとにおける最新の安全装備が惜しみなく投入され、ドライバーや乗員の被害を最小限に食い止めています。

いずれの世代にも共通するのは「いついかなるときも、いのちより大切なものはない」というメルセデスの哲学であり、その実現のために最新技術や情熱が込められているのが特徴です。

また、「大切な人たちと過ごす、かけがえのない時間を守りたい」という同ブランドの願いも、Sクラスの安全性能につながっています。

トランクルーム・ラゲッジスペースの広さ

Sクラスの5代目から7代目までの、歴代のトランクルームの広さをご紹介します。

ボディサイズ同様に、こちらも中古車として購入するのに現実的な世代である5代目以降の容量から確認しておきましょう。

<世代:容量>
5代目
524L

6代目
505L

7代目
550L

Sクラスは世代によって容量が異なりますが、どの世代も500L以上の容量はキープしているようです。そのため、Sクラスの場合はどの世代もゴルフバックは3個まで積むことができるでしょう。

また、Sクラスにはトランクルームの利便性を高めるための分割可倒式のリヤシートが採用されていないため、トランクルームのアレンジができません。

しかし、Sクラスにトランクルームの容量や機能性を求めるユーザーはあまりいないと思われるので、トランクルームについてはそこまで気にする必要はないでしょう。

Sクラスの燃費

Sクラスの燃費を見ていきましょう。

ここでは、5代目以降の燃費をご紹介します。

5代目前半は10・15モードですが、5代目後半以降はJC08モードに変更されています。世代によって測定モードが異なるため、世代の違いによる燃費の比較は難しいです。

この測定モードは、時代が下がるごとに実走行に近い走行条件になるもので、同じ条件になることはありません。カタログデータと実燃費には差があるので、あくまでも参考値として見ておきましょう。

<世代:グレード:燃費>
5代目
S350
8.4km/L(10・15モード)

6代目
S450
12.5km/L(JC08モード)

7代目
全グレード
非公表

ここでは詳細まで触れていませんが、実はSクラスは5代目以降では格段に燃費性能が向上しています。例えば、4代目のS350が10・15モードで7.0km/Lだったのに対し、5代目S350では同じ10・15モードでも8.4km/Lにアップしているのです。

これは5代目から直噴エンジンを搭載するようになり、走行性能と燃費経済性、環境適合性を高い次元で実現させたことによるものでしょう。

Sクラスも6代目になると一部グレードでダウンサイジングターボが採用されるようになり、さらにモーターも組み合わせたハイブリッド車もラインアップされるようになりました。これらの機能が、さらなるパワーアップと燃費向上を両立させています。

現行モデルの7代目は、執筆時点ではまだ燃費データが公表されていませんでした。

Sクラスの税金

現在の日本での自動車に関する税金としては、購入時の消費税や自動車税環境性能割に加えて、毎年納める自動車税、車検の都度支払う自動車重量税などがあります。このうち自動車税は排気量ごとに額が決まっていますが、初回登録から13年経過すると約15%割増されます。

<世代:グレード:年額(5代目初期は15%程度割増後)>
5代目
S350
76,400円(3,724cc)※2008年以前

5代目
S350
58,000円(3,497cc)※2008年以降

6代目
S450
51,000円(2,996cc)

7代目
S400d 4マチック
51,000円(2,924cc)

Sクラスは5代目初期に登場したモデルはすべて13年以上経過しているため、2008年以前に設定されたS350は本来の価格である66,500円に15%課税された価格となっています。

続いて重量税ですが、初回登録から13年を超えたときと18年以上経過したときに税額が割増されます。また、日本に輸入されたSクラスは大半が1,501kgから2,000kg、もしくは2,001kgから2,500kgの間に該当するモデルです。

2,000kg以下のモデルは、重量税が13年未満で32,800円、13年超18年までで45,600円、18年以上経過したモデルは50,400円を車検時に2年分として納付します。

2,001kgから2,500kgまでのモデルになると、13年未満で41,000円、13年超18年までで57,000円、18年以上経過で63,000円を車検時に2年分納付しなければなりません。

従来あった自動車取得税は2020年10月に廃止され、新たに自動車税環境割が導入されました。これは燃費基準や環境性能に応じて税額が変わるものですが、この対象に入らないSクラスの場合は取得価額の3%が課税されます。しかし、取得価額は販売額と必ずしも一致せず、取得価額が50万円以下になれば課税されません。

自賠責保険や任意保険料

続いて、Sクラスの自賠責保険や任意保険料の額をご紹介します。

自賠責保険料は、排気量や車種による違いはなく、白ナンバーの登録車の場合24か月分20,010円を、車検時に2年分まとめて納付します。

任意保険料は、契約条件や保険会社、補償内容に加え、ドライバーの年齢や車種、用途などで違いがあるため、正確な相場を出すのは極めて困難です。保険料を算定する基準として型式ごとの事故実績に基づいた「型式別料率クラス」があり、ここでの数字が低いほど保険料は安くなります。

ここでは、損害保険料算出機構のホームページで確認できた6代目の料率クラスを確認しておきましょう。
※いずれも保険始期2021年1月1日~12月31日の場合です。

6代目
S400d
対人賠償責任保険11・対物賠償責任保険11・搭乗者傷害保険7・車両保険15

6代目
S450
対人賠償責任保険11対物賠償責任保険10・搭乗者傷害保険7・車両保険17

7代目に関しては執筆時点で車両型式が公表されておらず、料率クラスはまだわかりません。

※料率クラスは損害保険料算出機構のサイトで算出しました。

Sクラスの車検代

Sクラスの車検時にかかる経費としては、大きく分けて法定費用と整備点検費用がありますが、法定費用は国産車と輸入車による違いはなく、排気量や車重で決まっています。

6代目のS450の場合であれば、以下の費用がかかります。

・重量税・・・2年分で32,800円
・自賠責保険料・・・24か月分で20,010円
・印紙代・・・1,200円

最高級車に位置づけられるSクラスのオーナーは専属のメカニックを雇っているかもしれません。しかし、一般的には車検整備を一括してディーラーに依頼することになるため、ほかに整備点検費用が必要となります。

整備や修理の内容により工賃は大きく異なりますが、最高級車を代表するSクラスの場合、一般的な相場には当てはまらないと考えたほうがいいでしょう。おそらくは、想像を遙かに超える額になると考えられます。

Sクラスの維持費

前述した項目を含め、Sクラスの中古車を購入した場合の維持費についてまとめてみましょう。

使用場所や目的による差もありますが、年額に換算したおおよその目安として、6代目のS450の年間維持費は以下のとおりです。

・自動車税・・・51,000円
・重量税・・・16,400円(2年分÷2)
・自賠責保険・・・10,005円(24か月分÷2)
・任意保険・・・約50,000円
・ガソリン代(年間1万km走行)・・・約195,000円
・駐車場代・・・約96,000円(全国平均)

任意保険については、ドライバーの年齢や車両保険のかけ方で大きく差が出ます。

メルセデス・ベンツの乗用車はパーツさえ交換すれば新車時の走りがよみがえるともいわれています。しかし、Sクラスのオーナーになるためには購入するだけでもかなりの費用がかかるうえ、維持費についても他のベンツ車とは比べ物にならないくらいの予算が必要です。

ディーゼルエンジンの特徴

Sクラスには歴代モデルにディーゼル車がラインアップされていますが、現行モデルである7代目にも「S400d 4マチック」が用意されています。

このグレードは、まだ燃費データが公表されていません。とはいえ、2,925ccの直列6気筒ディーゼルエンジンにターボチャージャーが組み合わされているため、使いやすいエンジン特性を実現させています。また、静寂性にも優れているためディーゼル車特有の振動やノイズも気になりません。

ボディには発砲遮音材、ガラスにはノイズ軽減ガラスを採用するなど、徹底した対策がとられています。

ハイブリッドの特徴

Sクラスでは5代目以降、エンジン駆動をモーターがアシストするハイブリッド車もラインアップされています。現行モデルの7代目では、「S500 4マチック」と「S580 4マチック」がハイブリッドシステムを採用しました。

ただ、7代目のSクラスはガソリンエンジンのみのグレードが輸入されておらず、さらに2021年11月時点では燃費データも公表されていません。そのため、ハイブリッド車がどの程度燃費向上に貢献しているか具体的な数値などは不明です。

ただし、ハイブリッド車のモーターは発進時から最大トルクを発生させるため、運転のしやすさと優れた走行性能、高い燃費性能を実現しています。

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※本記事は、2021年11月時点の情報になります。現在の相場価格と異なる可能性がございます。
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