カーライフ・ドライブを楽しむ
更新日:2023.09.11 / 掲載日:2023.09.11

さまざまな用途に対応できる万能車が得をする。道具視点のクルマ選び

あなたの望みすべて叶えてくれる

スポーツツーリズムに対応するクルマとは? という観点でクルマ選びをするなら、“走る・曲がる・止まる”という基本性能のほかに、道具としての能力に注目すべきだ。そんな道具として優秀なクルマを「ツールカー(道具クルマ)」と称してそれぞれの能力や魅力についてクローズアップしていこう。

イラスト/吉田たつちか
(掲載されている内容はグー本誌 2023年9月発売号掲載の内容です)

レクリエーション活動を充実させる便利なクルマ
 クルマ選びにおいては車種やメーカー、購入予算など、さまざまな条件を考慮しながら候補を絞り込んでいくわけだが、そのなかでも「用途」は重要なポイントのひとつだ。
 クルマをどんな目的で使うかはそれぞれだが、便利な機能や装備を有したクルマなら、道具としての能力に秀でているので、どんな用途にもマッチする。絶大な人気を誇るSUVや、ファミリーに根強く支持されているミニバンが市場でウケている理由は、幅広いニーズに柔軟に対応できる「万能性」を持つからにほかならない。そのうえ移動が快適かつ楽に行えるクルマなら、スポーツツーリズムのようなレクリエーション活動はさらに充実するはずだ。

クルマは移動手段であると同時に、趣味を楽しんだり、日々の生活を充実させるための道具という側面を持ち合わせている。道具視点のクルマ選びは、あなたの生活に彩りを与えてくれる。

ツール感覚で使えるクルマの魅力を考察3大ツールカーのオススメの理由

道具として優秀なクルマとはどういった特徴を持っているのか。それを知ることで車種選択はグッと絞り込めるはず。ここでは、その代表格であるSUV、ミニバン、ワゴンに注目し、それぞれのメリットについてチェックしていこう。

多人数乗車ができるファミリーのスタンダード ミニバン

 3列シートを備え、全高が1700㎜を上まわるボディによって多人数が快適に乗れることを特徴とするが、広々としたスペースを生かして実現した利便性の高さも持ち味だ。箱型の外観はどれも似通って見えるがボディサイズ、フロアの高さと乗降性、3列目の足もと空間、さらにシートアレンジなどは車種によって異なる。ファミリーカーとして進化してきたが、キャンプやサイクリングなどレジャーユースでクルマを求める人にも適した能力を持ち、多彩な用途に対応できる。
トヨタ シエンタ│中古車価格帯▶199.8万〜390万円

ミニバンのここがGood

スライドドアの採用と低床設計によって子供やお年寄りでも乗り降りがしやすい。開口部が大きく開くので荷物の積載が容易に行えるのもポイントだ。

悪路も走れてオールマイティに使える万能車 SUV

 もともとはハードな悪路を走るためのクルマとして誕生したが、個性的なクルマを求めるニーズに適した選択として急速に普及した。ボディの下半分は大径タイヤの装着などによってワイルドな印象だが、上半分がワゴンスタイルとなっているから居住性や積載性にも満足できる。車種ラインアップが豊富でニーズに合った車種が選びやすい。利便性を高める機能や装備が充実しており、いざというときには悪路走行がこなせるなど、多目的に使えるというのも売れている理由。
トヨタ カローラクロス│中古車価格帯▶179.8万〜438万円

ミニバンのここがGood

日常的には舗装路を主体としながらも、SUVならではの悪路走破性は、冠水するほどの大雨や予期せぬ降雪、出かけた先で悪路に遭遇したときに心強い。

走りと実用性を高い水準で兼ね備えたツールカー ワゴン

 セダンの派生型として生まれ、ルーフを後方へ伸ばしてトランクスペースの部分まで室内空間としている。それだけに荷室が広く、後席の背もたれを前側に倒すと荷室面積が広がって長い荷物も積みやすい。ミニバンやSUVの台頭で売れ行きが下がり、その影響で選択肢は減っているがツールカーとしての能力は依然として高い。また、ミニバンやSUVに比べると重心が低く走行安定性が高いので、ロングドライブ時の安心感が大きく、運転を存分に楽しめるのもメリットだ。
スバル レヴォーグ│中古車価格帯▶218万〜685万円

ミニバンのここがGood

荷室はデッドスペースが少なく、床がフラットで開口部も広い。積載性に特化した作りがなされているので、4名乗車で人数分の荷物を余裕で積める。

道具視点で選ぶならこれははずせない!「これは使える!」機能・装備集

 クルマに限らず量産される製品の場合、趣味嗜好が異なる人たち全員を満足させるというのは決して容易なことではない。それでも道具としての能力に秀でたクルマは、居住空間や荷室が広いという実用車の基本を押さえたうえで、多くのユーザーに「こんな機能が欲しかった!」とか「これは使える!」と感じさせる、便利で気の利いた装備が充実している。ここに一例として挙げた装備は、ミニバンやSUV、ワゴンといったツールカーに標準(またはオプション)で備わっている。こうした機能や装備は、普段使いはもちろん、アウトドアレジャーやスポーツツーリズムといった、家族や友人と遠出するときには必ず役に立つので、道具的視点でクルマ選びをするならぜひチェックしておこう。

撥水・防水加工(シート/フロア)

濡れてもサッと拭き取れるから汚れ知らず
SUVに採用されることが多く、アウトドアでのアクティビティが趣味のユーザーならぜひ欲しい装備のひとつだ。シートや荷室フロアの表面に水を弾く加工が施されているので、濡れたり汚れた物を気兼ねなく積める。汚れたら水拭きでサッと掃除できる。

ハンズフリーオートスライドドア

両手が荷物でふさがっていてもドアの開け閉めが楽ちん
スマートキーを携帯した状態で、スライドドアの下部に足先を抜き差しするとセンサーが足の動きを感知してドアが自動で開閉する。

後席用サンシェード

暑い日でも直射日光を遮って車内はいつでも快適
リアドアのトリム内に設けられたサンシェードは、直射日光を遮って後席乗員の快適性向上に貢献しつつ、外界の景色も楽しめる。

シートアレンジ

用途に応じてスペースを自在にアレンジできる
前席と後席をリクライニングしたり、スライドすることで車内の空間を自在に変更できる。乗車人数や載せる荷物の種類や大きさに合わせて広げたり、車中泊できるスペースにもできる。

USB電源

スマホやタブレットの充電には欠かせない
車内でスマートフォンやタブレットなどの携帯機器を充電するためのUSBが広く普及。今やタイプAやタイプCの充電ポートを乗車定員の数だけ備えるのがスタンダードとなっている。

AC100V/1500Wコンセント

アウトドアレジャーやテレワークでも重宝する
1500Wまでの家電品が使えるから、アウトドアレジャーがより充実。ワーケーションやブレジャーを満喫するときにも重宝する。

パワーバックドア

大きなテールゲートも楽に開閉できる
ツールカーは荷室の開口部が広い分、バックドアが大きくて重いので開閉操作に難がある。これを電動機構でサポートしてくれる。

ラゲッジアンダーボックス

荷室の収納力をグッと高めてくれる
荷室の床下収納は20〜30㎝程度の深さがあるので、洗車道具などを収納したり、フタをはずせば収納スペースを拡大できる。

安全運転支援機能

ドライバーの操作をサポートしてくれる
ドライバーの判断を補助したり、人為的なミスを警告して、安全かつ快適なドライブをサポートする。ロングドライブの必須機能だ。

アダプティブクルーズコントロール

ロングドライブの身体疲労やストレスを軽減できる
カメラやレーダーを用いて、前走車や周囲の交通状況に応じてアクセルやブレーキ操作を自動で行う機能だ。長距離運転時の疲労やストレス軽減効果が期待できる。

ツールカーの注目ジャンルコンパクトSUVに見る選択のツボ

写真/森山良雄

道具視点で選ぶなら理想的な能力を持つ
 かつてSUVといえば、ハードな悪路走行をこなせるクロカン4WDが主流だった。ところがシティSUVが市場へ導入されるとユーザーがSUVを選択する意義に変化をもたらし、現在ではヴェゼルのようにSUV本来の目的とされる「悪路の走破性」以外の要素が注目され、好調な販売を続けている。
 一番の魅力は、アクティブな外観と実用性を両立したところだ。外観は伸びやかなフォルムやワイドに張り出したフェンダーの造形などによって力強さが表現されているので、スタイルを重視するユーザーも満足できる。同じツールカーでも室内の広さを重視したミニバンは、どれも直線基調で背が高く似通って見えるが、SUVはじつに個性的だ。
 もちろん、居住性や積載性も満足できる。全高が1600㎜未満でスタイルのよさを強調したフォルムだが、室内には十分なスペースが確保されているので、ミニバンから乗り換えるユーザーでも窮屈に感じない。ボディの後部にはリアゲートが備わり、開口部が広いうえにフロア位置が低めに設定されているので荷物の積み込みが容易に行える。こうした使い勝手のよさに加え、乗用車感覚で運転できる扱いやすさや走りのよさも持ち合わせている。まさにコンパクトSUVはツールカーとしては理想的な能力を持った選択なのだ。

ホンダ ヴェゼル
中古車価格帯▶217.8万円〜399.9万円

道具視点で選ぶなら
はずせない条件はズバリ!コレ!!

検証その1

便利装備の充実ぶりも重要なポイント
 今どきのミドルサイズSUVには便利装備が目白押し。そのなかでもロングドライブの快適性を高めるアイテムに注目してほしい。カーナビはスマホと連携できる機能を有しているほうが移動時の利便性が高まるし、携帯機器の充電ができる装備は乗車人数分用意されているのが理想だ。装備の充実度合いは価格上昇につながるが、それに見合う満足感が得られる。

便利装備は運転席まわりだけでなく、人を乗せて移動することを考慮して後席乗員のために設定されたアイテムの充実ぶりも確認しておきたい。

検証その2

ロングドライブするなら走りと燃費は重要
 適度なボディサイズで車重が抑えられているため、扱いやすく走りには軽快感が伴う。パワーユニットは今どきのSUVではハイブリッドが主流で、ヴェゼルの場合はホンダ独自のe:HEVを搭載。1.5ℓエンジンと出力向上が図られたモーターの組み合わせによって高効率な走りを実現しながら20㎞/ℓ台の燃費を達成し、経済面でメリットをもたらしてくれる。

乗用車感覚の気軽さと的確なコントロール性が持ち味で、SUV特有のハンデを感じさせない。快適性の高さと燃費のよさも相まって、ロングドライブが楽しい。

検証その3

同乗者の心地よさはしっかりチェック
 大人2名が余裕で乗車できることや、シートの座り心地のよさは購入時のチェックポイント。ヴェゼルは、ホンダ独自のセンタータンクレイアウトを採用したことで、成人男性でもゆったりと足が組めるほど広い。スタイリッシュなフォルムが影響して頭上は狭く感じるが、後席の着座位置が前席よりやや高めに設定されているので、閉塞感が軽減されている。

足もとの広さやシートの座り心地のほか、後席用エアコン吹き出し口やUSBポートの数など、同乗者向け装備の充実ぶりもドライブの楽しさを左右する。

検証その4

荷物の積載能力はどのくらい?
 とにかく荷物をたくさん積みたいという用途ならミニバン一択だが、多目的に使えるクルマとして開発されたSUVの積載力も侮れない。ヴェゼルの荷室寸法は後席乗車時でも奥行き77㎝、幅101㎝、高さ79㎝(実測値)で、6対4分割可倒式シートを倒せばさらに広がる。床がフラットでデッドスペースがほぼないので、荷室空間を有効活用できるのもメリットだ。

ロードバイクと1泊分の荷物を積んでもスペースにはまだ余裕がある。荷室のフロア位置が低く、バンパーの張り出しもないので荷物の積み込みがスムーズに行える。
後席空間の広さと、シートの座面を左右別々にチップアップできる機構を使えば、さらに用途の幅が広がる。自転車も余裕で積める。

検証その5

いざというときは車中泊できるの?
 一見すると難しそうだが、シートが前方に沈み込むように倒れるダイブダウン機構によって、荷室は奥行きが約175㎝のフラットなスペースになる。大人がふたり就寝するには窮屈だが、ひとりでの車中泊なら余裕を持って休むことができる。フロアが硬いのでマットと枕の用意は必須だが、夜中に目的地に到着し、早朝から活動するといった用途にも対応できる。

積載してきた荷物をどこに逃しておくかという問題があるものの、大人ふたりが横に並んで就寝することも決して不可能ではない。
荷物を固定するネットや濡れた物を気兼ねなく積むためのトレイ。さらに車中泊用のマットを用意しておけば、広い荷室を有効に活用できる。

カーライフが激変する
こんな選択もオススメ

スバル フォレスター
中古車価格帯▶159.8万円〜408.9万円
シティSUVに分類されるがクロカンSUV並みの悪路走破性が持ち味だ。アイサイトの採用や優れた操縦安定性で、ロングドライブの安心感は絶大。

日産 セレナ(先代型)
中古車価格帯▶77万円〜389.9万円
居住性や実用性が高いうえに、乗る人が心地いいと感じさせる作り込みによって快適かつ便利に使える。まさにツールカーとしては理想的な選択だ。

ホンダ フリード
中古車価格帯▶69.9万円〜303.9万円
ホンダ独創のパッケージング技術が功を奏してサイズが小さくても室内は十分に広くて実用的。3列シート仕様のほか、2列仕様のフリード+も選べる。

トヨタ ライズ
中古車価格帯▶135万円〜313万円
ボディサイズはコンパクトだが、車内はミドルサイズSUVと比較しても遜色のない広さが確保され、居住性や実用性は不満のない能力を有している。

まとめ

利便性が優秀なら移動はもっと楽しくなる
 クルマは移動手段であると同時に、道具としての側面を持っている。特に今回クローズアップしたミニバンやSUV、ワゴンといった車種は、道具として優秀な能力を有しており、日常的な用途はもちろん、アウトドアをはじめとしたレジャーユースまで幅広い用途に対応できる。そんなオールマイティな能力を持つクルマなら、移動時だけではなく、出かけた先でも楽しさをもたらしてくれるのだ。

※中古車価格帯はグーネット2023年8月調べ。記事中の価格は参考であり、中古車価格を保証するものではありません。

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グーネットマガジン編集部

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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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