カー用品・パーツ
更新日:2019.03.26 / 掲載日:2018.08.03
レザーが劣化するとどうなる?本革シートの手入れ・メンテナンス方法を学ぼう

本革シートは、正しく手入れをすれば非常に長持ちしますが、逆に全く手入れをしなかったり、間違ったメンテナンスをしたりすると、あっという間に劣化してしまいます。使えば使うほど味わいを増す本革素材は、できる限り長く使い続けたいというのが持ち主としての当然の想いではないでしょうか。
今回は、本革の魅力をじっくりと味わいたい人に向けて、本革シートの正しいメンテナンスの仕方を説明します。もし今まで知らなかったという人は、今日から早速参考にしてみてください。
【レザーはメンテが大事】本革シートは劣化するとこうなる!
本革シートの劣化でよく見られるタイプは、表面のこすれ・ひび割れです。表面のこすれが何故起こるのか、それは乗降の際に体重がシートにしっかり乗った状態が続くから。特に乗降時に体とこすれ合うことが多いサイド部分は、劣化が最も目立ちます。
ホワイトレザーシートの場合は、黄ばみや黒ずみが目立つことがあります。黄ばみ等が酷い場合は修理に出すことをおすすめしますが、日頃のメンテナンスと車の保管状態でこれらの汚れを防ぐことは充分可能です。
その他にも、しわ・ささくれ・へたり・硬化・縮みなど、劣化には様々なパターンがあります。経年劣化に見られる深みのある劣化は魅力的ですが、メンテナンス不足の劣化はせっかくの本革が台無しですので、これらの劣化が見られる前に、日々の手入れをしっかり行い、本格的な劣化を防ぐことが大切です。
実は落とし穴!家にある本革ソファと同じだと思っていたら…
定期的にメンテナンスを行っている人の中にも「本革シートの手入れって、家にある本革のソファと同じでしょ?」と思っている人もいるかもしれません。しかし、家庭用のソファと車用のシートでは同じ本革でも表面の加工が異なるので、家庭用のソファと同じ方法で車用のシートを手入れするのは良くないとされており、かえって劣化を早めてしまう恐れもあります。
家庭用のソファのメンテナンスには、本革用のクリーナーや保護クリームを使用するのが一般的ですが、車の本革シートではこれらの道具は基本的には使用しません。理由は、車の本革シートはウレタン樹脂によるコーティングが施され、耐久力を上げているからです。そのため、家具用のクリーナーや保護クリームを使用しても効果があまりないどころか、逆にカビや傷みの原因にもなり得ます。
手入れを続けて長持ちに!車の本革シートのメンテナンスを学ぼう
それでは、自動車の本革シートのメンテナンスは、一体どのようにすれば良いのでしょうか。ここでは、基本となる正しいお手入れの方法を順番に説明していきます。
用意するべきものは次の通りです。
掃除機・ホウキとチリトリ・いらないタオルまたは雑巾(白が望ましい)・水を入れたバケツなど
メンテの手順その1:掃除機をかける
まずはシート全体に掃除機をかけましょう。ハンディタイプの掃除機が、小回りが利いて使い勝手が良いのでおすすめです。タオルで水拭きや乾拭きをいきなり始めるのは良くありません。先にゴミを取り除かないとシートのコーティングが剥がれる原因になり、そこから汚れや傷、その他の劣化を起こしてしまうためです。できるだけシートの隙間や縫い目部分の汚れも吸い取るようにしますが、掃除機を強く押し付けすぎないように注意してください。
メンテの手順その2:細かいゴミや埃を取る
掃除機を全体にかけたら、ホウキとチリトリを使って掃除機で取り切れなかった細かいゴミや埃を取り除いていきましょう。ホウキとチリトリはハンディタイプのものをひとつ常備して車に積んでおくと、思いついた時や汚れが目立ち始めたときにパッと掃除ができるので非常に便利です。
シートの隙間や縫い目の間をホウキで掃くと掃除機で取れなかった小さな砂やゴミが取れますが、ホウキの先を強く押し付けすぎると、これも傷がつく元になるので、優しく扱うように気を付けましょう。
メンテの手順その3:固く絞ったタオルで拭く
ゴミがきれいに取れたら、次はいよいよ拭き掃除です。しっかり絞ったタオルまたは雑巾で、水拭きをします。本革は水との接触が良くないと思われていますが、先に説明をしたとおり、車の本革シートは樹脂でコーティングされているため、多少の水拭きには十分耐えられます。ただし、固く絞って拭くようにしてください。色移りを防ぐ目的とシートの汚れを確認する目的から、タオルや雑巾は白がおすすめです。もし拭いた後で雑巾にシートの汚れがつくようなら、2~3%程度に薄めた中性洗剤で汚れを拭き取ってから、再度水拭きをして仕上げます。汚れが強い場合でも、ゴシゴシと力を入れず、丁寧に拭くように気を付けてください。
メンテの手順その4:シートクリーナーを使うならこのタイミングで
基本的に、車の本革シートの場合はここまででメンテナンス終了です。中性洗剤を使っても汚れが残っていて気になる場合は、プロのリペア業者に依頼をした方が良いでしょう。
プロの手を借りずに自分できれいにしたい場合は、車の本革シート専用のクリーナーを使うのもひとつの手です。中にはリペア業者も使用している車に傷をつけないクリーナーもあるので、業者に頼むより格安できれいに磨き上げることも可能です。ただし、専用クリーナーでも傷がつくリスクはあるので、やはりどうしても落ちない、気になる汚れはクリーニングの専門業者に任せることをおすすめします。
車の本革シートのメンテナンは難しそうというイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、道具を揃えて、且つ正しい手順さえ守れば、プロの手を借りず一人でメンテナンスすることも可能です。
本革シートを長持ちさせるコツは、日々のメンテナンスです。車の保管状態も劣化を促進させる重要な要素となりえます。特に日光による紫外線は、本革にとって天敵です。今回紹介した手入れ方法と合わせて日光対策も行うようにすると、革の劣化を更に防ぐことができます。