カー用品・パーツ
更新日:2020.06.09 / 掲載日:2020.06.09
キャンピングカーの暖房設備や防寒対策、FFヒーターの取り付け方法

グーネット編集チーム
キャンピングカーでは、一般的にどのような防寒対策をされているのかご存知でしょうか?キャンピングカーに限らず車では、エンジンを止めた状態では車内暖房を動かせないことがほとんどです。
また、駐車場などにおいては、エンジンをかけっぱなしにできない場合も多く、そのため常に車内暖房によって暖を取ることが難しいという問題もあります。
そこで今回は、キャンピングカーの暖房について「FFヒーター」という器具をご紹介します。寒い日にも、キャンピングカーの車内で快適に過ごすための参考にしてください。
キャンピングカーの暖房設備などの防寒対策
まずは、キャンピングカーでどのような防寒対策があるのかをご紹介します。これまで試したことのない防寒対策があれば、ぜひお試しください。
断熱材や断熱塗料での防寒対策
キャンピングカーの防寒対策の1つ目は、断熱材や断熱塗料を用いた防寒対策です。キャンピングカーの外壁や床、窓に断熱材を貼ったり、外壁部分に断熱塗料を塗布したりすることで防寒ができます。
この方法だと外からの冷気を防ぐことはできますが、内部の気温を上昇させることはできません。そのため、暖房設備として機能させることができない、というデメリットがあります。
セラミックヒーターでの防寒対策
キャンピングカーの防寒対策の2つ目は、キャンピングカーのなかには、発電機を備えている車両もあります。この場合、電気式のセラミックヒーターを暖房として使うことができます。電気があれば燃料は必要ありませんし、適切に使用すれば火事になる心配も比較的少ないのが魅力です。
また、ホットカーペットのように電熱線がシートに張り巡らされているシートヒーターもあります。シートヒーターも電気によって暖めるタイプの商品が主流です。
寝袋や毛布、使い捨てカイロでの対策
キャンピングカーの防寒対策の3つ目は、寝袋や毛布、使い捨てカイロを用いた防寒対策も可能です。ただし、常に寝袋や毛布にくるまっている必要があるので、運転中や車内での活動時には向きません。また、使い捨てカイロは、あまりにも寒さがひどい場合には十分な効果を発揮できないでしょう。
FFヒーターでの対策
キャンピングカーの防寒対策の4つ目は、最後にFFヒーターでの防寒対策です。詳細については次項で説明しますが、FFヒーターで車内を暖めることで防寒ができます。
FFヒーターは電気ではなく、ガソリンや軽油などの燃料によって稼働するため、車内の電装に影響を与えません。必要な燃料はガソリンスタンドで給油することができるため、燃料を切らすことはまずないでしょう。
キャンピングカーの暖房器具「FFヒーター」とは

グーネット編集チーム
FFヒーターのFFとは、「Forced draught balanced Flue systems(強制給排気式)」を略したものであり、換気をおこなうヒーターを意味します。ヒーター自体が換気をおこなうため車内の換気を気にする必要がなく、燃費の良いヒーターとして人気です。
FFヒーターはどのような仕組みで動いているのか、燃費はどのくらいなのかなど、気になる点を詳しくご紹介します。
FFヒーターの仕組み
まずは、FFヒーターの仕組みを確認しておきましょう。
FFヒーターは、ガソリンや軽油などの燃料で稼働するヒーターですが、基本原理は住宅についているガス給湯器などと同じです。燃料と車外の空気を混合させたものを燃焼させ、その際に発生する熱を熱交換器に送ります。そして、空気吸入口から取り込んだ車内の空気を熱交換器で暖めます。その温まった空気を車内に送ることで車内を暖める仕組みです。
ちなみに、燃料を燃やした際の排気は車外へ放出するため、換気をおこなわなくても一酸化炭素中毒にはなりません。
FFヒーターの燃費
FFヒーターは、キャンピングカーで使われる暖房器具のなかでも抜群の燃費性能を持っています。
例えば、有名なベバストFFヒーターの暖房能力は0.9?2.0kWです。この場合、8時間FFヒーターを使用しても、燃料の消費量はわずか1リットル程度で済む計算となります。そのため、連続で使用することが可能です。
また、燃料もプロパンガスなどではなくガソリンや軽油のため、全国どこでも給油することができます。
FFヒーターの使い方
使い方はいたって簡単で、スイッチをONにしてダイヤルかリモコンで温度を設定するだけです。あとは自動的に燃焼が始まり、温風を送り出してくれます。
FFヒーターの安全性
先ほども解説したように、FFヒーターは換気を自動的におこなっているため、一酸化炭素中毒になる心配はありません。ただし、排気口が雪などで詰まると車内にガスが逆流する可能性もあるため、定期的に点検するなど注意が必要です。
FFヒーター本体の参考価格
最後に気になる費用ですが、FFヒーターで最も有名なドイツベバスト社製の「Air Top 2000STC」というFFヒーターで、本体価格がおよそ17万円~18万円です。
※リモコンやその他アクセサリー類の有無で値段は前後します。
また、FFヒーターの取り付けにおいては専門的な知識や車体への改造も必要となるため、専門のショップに依頼する場合には取り付け工賃も発生します。
キャンピングカーの暖房器具「FFヒーター」の取り付け方法
実際にFFヒーターをキャンピングカーに取り付けるには、どうしたら良いでしょうか。キャンピングカーに後付けでFFヒーターを装備する際の方法をご紹介します。
専門業者に依頼する
最も手間がかからず安全な方法として挙げられるのが、専門業者に依頼する方法です。キャンピングカーのカスタムショップは全国に多数あり、多くのショップにおいてメニューにFFヒーターの取り付けが用意されています。
取り付け費用は、キャンピングカーがディーゼル車かガソリン車かによって変わります。ディーゼル車の場合は、キャンピングカーの燃料タンクなどを下ろさずとも作業が可能なため費用は安くなりますが、ガソリン車の場合は燃料ポンプに加工をする必要があるため、工賃が高くなる傾向にあります。
自分で取り付ける場合
基本的に、FFヒーターのメーカーではショップ以外での取り付けを推奨していません。車体本体への穴あけ加工や燃料ラインへの加工が必要となり、危険をともなうためです。
また、FFヒーターの吸排気をしっかりと加工しないと排気が車内に充満し、一酸化炭素中毒になってしまう危険性もあります。
こうした理由からDIYでの取り付けは推奨しませんが、それでもDIYにチャレンジしたい方は、以下の点に注意して作業してください。
・仕組みをよく理解してから取り付け作業を始める
・燃料の配管と電気の配線は特に確実に作業する必要があるので、わからないことがあれば専門家の指示を仰ぐ
・FFヒーターの取り付け場所は水平な場所を選ぶ
まとめ
今回は、キャンピングカーの暖房器具におすすめのFFヒーターについてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか?これまでキャンピングカーの防寒対策にお悩みだった方や、FFヒーターが具体的にどのような製品かわからなかった方の参考になれば幸いです。
キャンピングカーでの旅行がより楽しくなるように、FFヒーターを取り付けて防寒対策を万全にしましょう!