カーライフ
更新日:2024.03.03 / 掲載日:2024.03.03
車上荒らし被害者の6割がその後の防犯対策はしていない。愛車を守るための防犯対策も徹底解説
車上荒らし・車の盗難は自動車がかかわる重大な犯罪です。年間4万件もの被害が発生しており、車を保有する方にとって日頃から対策が必要と言えるでしょう。
実際に車上荒らし・車の盗難の被害に遭った方は、いったいどういった状況だったのでしょうか。被害に遭われた方の状況などを確認しながら、車両荒らし・車の盗難対策を解説していきます。
※本記事、もしくは本記事の画像を引用いただく際には、引用元のurlを必ず掲載してください。
1. 車上荒らし・車の盗難の実態
認知件数(件) | |
車上荒らし | 36,590 |
自動車盗難 | 5,734 |
警察庁が公表しているデータによると、2022年1~12月の間での、車両の部品や車内の物を盗む車上荒らしの認知件数(警察が発生を認知した件数)は36,590件。同期間の自動車盗難の認知件数は5,734件でした。
なお、前年(2021年)の統計と比較してみると、車上荒らし・車の盗難ともに認知件数は増加傾向にあります。
車上荒らし・車の盗難に遭いやすい時間帯とは?
日中(9~17時) | 夜間(17~22時) | 深夜~朝(22~9時) | 不明 | |
車上狙い | 31.7% | 10.7% | 51.5% | 6.7% |
自動車盗難 | 28.4% | 7.8% | 57.1% | 6.7% |
一般社団法人日本損害保険協会の「自動車盗難事故実態調査」の第24回調査(2022年)によると、車上荒らし・車の盗難ともに被害の5割以上は22~9時と、深夜~朝の時間帯に発生しています。
しかし、車上荒らし・車の盗難ともに約3割は日中(9~17時)に発生しており、日中でも被害に遭う可能性があることを示しています。
2. アンケートから見る|実際に車上荒らし・車の盗難被害に遭った人の声
【データ概要】
調査方法:Uvoice調べ
調査対象:車保有者
調査期間:2024年1月12日~2024年1月24日
回収サンプル数:12,825
サンプル属性:
男女比:男性(49.9%)、女性(50.1%)
年代別:10代(0.5%)、20代(16%)、30代(19%)、40代(24.4%)、50代(21.6%)、60代以上(18.5%)
居住地域:北海道(5.2%)、東北(7.6%)、関東(30.1%)、中部(21.8%)、近畿(15.3%)、中国(6.4%)、四国(3.2%)、九州(10.3%)
2024年1月に、全国の12,825人に車上荒らし・車の盗難被害に関するアンケート調査を実施しました。

調査の結果、車上荒らし・車の盗難のいずれかの被害に遭った経験のある人は15.7%。そのうち、車上荒らしの被害に遭った人は13.5%、車両盗難の被害に遭った人は4.6%でした。また、車上荒らし・車の盗難の両方の被害を受けたという人も2.5%に上りました。
2-1. 車上荒らし・車の盗難被害に遭った場所について

続いて、実際に車上荒らし・車の盗難の被害に遭った際の、被害場所について調査。車上荒らしの被害場所で最も割合が高かったのは「外出先の駐車場(コンビニ、ショッピングモールなど)」で24.9%でした。次に被害場所として多かったのが「自宅敷地外の契約駐車場」で24.1%、その次が「自宅敷地内の駐車場」で22.0%となっています。
一方で、車の盗難被害の場所として最も多かったのは「自宅敷地外の契約駐車場」で26.4%、次点で「路上」での被害で22.3%、その次が「自宅敷地内の駐車場」であり、20.3%と続きました。
「自宅敷地内の駐車場」に駐めていた場合でも、約20%が車上荒らし・車の盗難の被害にそれぞれ遭っており、自宅に駐めている時でも車上荒らし・盗難対策の意識が必要と考えられます。
2-2. 車上荒らし・車の盗難被害に合った車両・被害状況について

実際に車上荒らし・車の盗難の被害に遭った際の、被害車両の状況について調査。車上荒らし・車の盗難の被害に遭った際の車両状況として、最も多かったのは「スマートキー以外の車で施錠していた」状態でした。
金品(財布・カード・ETCカード) | スマートフォン | カーナビなどのアクセサリー | タイヤホイール | ドアミラー | バンパー | その他 | 答えたくない | |
盗難被害の割合 | 38.1% | 9.1% | 20.1% | 9.2% | 7.6% | 5.7% | 21.2% | 8.1% |
また、車上荒らしの被害に遭った方で実際に盗まれたものとしては「金品(財布・カード・ETCカード)」が38.1%、「カーナビなどのアクセサリー」が
20.1%と大きな割合を占めていました。そのほか「タイヤホイール」が盗まれたことがある方が9.2%いるなど、車両パーツの盗難も発生しています。
2-3. 車上荒らし・車の盗難被害に遭った直後の対応について

次に、車上荒らし・車の盗難の被害に遭った直後の対応について尋ねたところ、「警察への連絡」が最多。
車の盗難被害後の対応では、「チラシなどの配布」(19%)、「SNSでの告知」(17.4%)と、個人での対応を講じた人もいました。
2-4. 車上荒らし・車の盗難被害に遭った後の対策について

車上荒らし・車の盗難の被害に遭った後の防犯対策について聞いたところ、車上荒らしを受けた人の60.2%が「何もしていない」と回答。車の盗難の被害を受けた人も、43.1%が同様の回答をしています。
車上荒らしに遭った人の対策として最も多かったのは「セキュリティアラーム(搭載機能)」。車の盗難被害を受けた人の対策では、「タイヤロック」「セキュリティアラーム(搭載機能)」を行っているという回答がそれぞれ約20%でした。
3. 車上荒らし・車の盗難を防ぐ対策
車上荒らし・車の盗難を完璧に防ぐのは至難の業。しかし、すぐできる対策で一定の効果が見込めるものもあります。
ここでは、今日から取り入れたい車上荒らし・車の盗難を防ぐ対策についてそれぞれ確認してまいります。
短時間でも車の施錠を行う
車上荒らし・車の盗難の被害に遭った人のうちで、車の施錠をしていなかった人は車上荒らしで22.8%、車の盗難では37.6%にも及んでいます。
車から離れる際にはわずかな時間であっても必ず施錠を行うことで、車上荒らし・車の盗難のリスクを減らせる可能性があります。
防犯カメラやセンサーライトを設置する
自宅敷地内に駐車場がある場合、人を感知して一定の秒数を照らす「センサーライト」や「防犯カメラ」の設置は有効な防犯対策のひとつ。
設置をすることで、車上荒らしに狙われる可能性を下げることが期待できます。
ハンドルロック・タイヤロックを取り付ける
タイヤロックやハンドルロックは車の盗難対策のひとつとして有効です。
ハンドルロック・タイヤロックともに解除に時間がかかるため、解除の手間を嫌う窃盗犯に対して効果があります。
また、どちらも専用機器を使ってロックしている状態が一目で分かるため、窃盗犯の警戒心を抱かせることができ、盗難の抑止にも効果が期待できます。
イモビライザー搭載の車を選ぶ
イモビライザーとは物理的なキーだけでなく、電子的なキー(ID)の照合を行うことで、車両盗難や自動車の乗り逃げを防ぐ防犯装置です。
イモビライザーが搭載されていれば、スマートキー搭載車に対するリレーアタックと呼ばれる手口を防ぐ効果が期待できます。
近年では軽自動車など大衆車にも標準装備されていることが多いので、購入の際に聞いてみるのもよいでしょう。