マニュアル車のかっこよさとは？国産・輸入車別かっこいいマニュアル車3選！

　シフトやギアなどをコントロールし、ドライバー自身が運転する感覚をより鮮明に味わうことができるマニュアル車。オートマ車の普及率が高い日本でも、マニュアル車はいまだに根強い人気を誇ります。そんなマニュアル車のかっこよさとはどこにあるのか、全国の車保有者に対して調査を行いました。

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1. マニュアル車とは

　マニュアル車とは、運転者が手動でギア（変速機）を操作して、エンジンの回転数と車輪の回転数を調整する自動車のこと。切り替えられるギアの数は車種によって異なり、「○速MT」などと表記されます。
　日本の自動車市場では、その利便性や技術の進捗によりほとんどの車がオートマ車で生産・販売されていますが、マニュアル車をかっこいいと好んで運転する人もいます。

【参考記事】
マニュアル車（MT）とオートマ車（AT）の違いとメリット・デメリット ＞＞

1-1. マニュアル車とオートマ車の違い

　オートマ車は、マニュアル車と異なりギアの操作を車が制御してくれるため、その点が大きく異なります。
　マニュアル車ではギアをチェンジする時に、クラッチやブレーキを使用しながら変速するのに対し、オートマ車ではハンドルレバーを操作するだけで自動的にギアが切り替わります。

1-2. マニュアル車の運転に必要な免許

　マニュアル車を運転するためには、普通第一種運転免許が必要です。
　ただし、AT限定免許ではマニュアル車を運転することはできません。AT限定免許保有者は、いずれかの限定解除の審査を受けて合格することで普通第一種運転免許に変更することができます。

【参考記事】
AT免許からMT車を運転可能にする限定解除の方法と手続き ＞＞

2. マニュアル車への興味・関心

　全国の車保有者に対して、保有している車のタイプがマニュアル車、オートマ車のどちらなのかを聴取しました。（回答数=4,247）

　調査対象者にあたる車保有者のほとんど（91.9％）がオートマ車でした。近年では日本国内においてもオートマ車が販売の主流となっており、マニュアル車を用意する車種が少ない状況です。
　今回の調査においても全体の9割以上がオートマ車を保有しており、マニュアル車を保有しているのは全体の1割弱という結果にとどまりました。

　また、全国の車保有者に対して、マニュアル車への興味・関心がどの程度あるのかを伺いました。（回答数=4,738）

　マニュアル車を保有する人の割合は全体の1割弱にとどまった一方で、「とてもマニュアル車に興味・関心がある」「ややマニュアル車に興味・関心がある」と回答した割合は28.9％と全体の約3割弱に上りました。
　居住環境や運転者の保有免許などの様々な要因があり、マニュアル車の保有にまでは至っていないものの、マニュアル車に興味関心がある層がいることが推定されます。

　そこで実際にマニュアル車に興味・関心があるもののオートマ車を保有していると回答したユーザーに絞って、なぜマニュアル車の保有までに至らなかったのかを聴取しました。（回答数=948）

　購入時にマニュアル車を選ばなかった理由として最も挙げられたのが「欲しい車種でマニュアル車がなかった」（26.0％）で、「他の人も運転しやすい車を選んだ」（19.3％）が続く形となりました。
　日本の新車でマニュアルを搭載しているモデルはオートマのものと比較して圧倒的に少なく、欲しいと思った車種でもマニュアル車を選べないことが、保有まで至らなかった最たる原因だということが読み取れます。
　また、家族で車を共有している場合、オートマ限定免許しか保有していない人でも運転できるようにオートマ車を選択していることも考えられます。

3. マニュアル車のかっこよさ・魅力

　マニュアル車の販売台数や保有率はオートマ車と比較すると低いものの、先ほどの結果の通り、一定の根強い人気があるのも事実です。
　マニュアル車に興味・関心があると回答したユーザーに対して、マニュアル車のかっこよさ・魅力を改めて聴取しました。（回答数=1,296）

　マニュアル車はオートマ車と比較すると、ギアを操作してエンジンの回転数と車輪の回転数を調整する必要があり、オートマ車以上に“機械を操作する感覚”を味わえます。
　そういったマニュアル車特有のシフトやギアなどの操作感について、全体の約5割がマニュアル車独自のかっこよさや魅力だと認識しているようです。

3-1. かっこいいと思うマニュアル車の外装の特徴

　マニュアル車においてかっこいいと考える特徴はいくつかあるが、本調査では車の外装において、下記の項目のどのポイントを最も重視するかを調べました。（回答数＝1,197）

　全体の53.3％が「ボディライン」に特徴のあるマニュアル車をかっこいいと思う傾向が見られました。
　マニュアル車を搭載しているモデル・車種は、一般的にスポーティーなボディラインのものが多いことから、特徴的な要素として見られる傾向が強いのかもしれません。

3-2. かっこいいと思うマニュアル車のカラー

　かっこいいと思う外装のポイントでは2番目に多い票を得た「色（カラーリング）」。実際にどのカラーがかっこいいと思うかについても併せて調査しました。（回答数=1,279）

	総計	男性	女性
ブラック系	29.8	30.4	28.6
ホワイト系	14.7	14.5	15.1
レッド・ワインレッド系	12.1	11.9	12.6
ブルー系	9.4	10.3	7.5
シルバー系	8.2	8.1	8.4
グレー系	5.9	5.9	6.0
グリーン系	4.2	3.7	5.1
イエロー・ゴールド系	3.6	4.1	2.7
オレンジ系	2.7	2.6	2.8
ベージュ系	2.6	2.6	2.5
ブラウン系	2.2	2.2	2.3
パープル系	2.2	2.2	2.3
ピンク系	1.9	1.3	3.2
その他	0.5	0.3	0.9

　全体で最もかっこいいと思うマニュアル車のカラーは、ブラック系（29.8％）。次点でホワイト系（14.7％）、レッド・ワインレッド系（12.1％）が続く結果となりました。男性・女性での性差も大きな特徴は見られず、ブラック系のシンプルでモダンなカラーがかっこいいと思うカラーとして多くの支持を集めています。

　また、車市場における人気・定番のカラーについては下記にて調査しています。

【2023年】車の人気色・定番色ランキング！20代女性に人気なカラーは…？ ＞＞

3-3. かっこいいと思うマニュアル車の内装の特徴

　車の外装に加えて、マニュアル車の内装でかっこいいと判断するのは下記のどのポイントとするのかも併せて調査しました。（回答数＝1,238）

　内装では、25.6％が「ダッシュボード系」をかっこいいと思う際のポイントとして見ていることが分かりました。
　また、マニュアル車の特徴である「シフトレバー」についても、24.1％の層がかっこいいと思うポイントに挙げています。

4. 【国産車】かっこいいと思うマニュアル車3選

　本項目では、国産車でかっこいいと思うマニュアル車の車種について調査。その結果、多く名前が挙がったのは日産・スカイライン、トヨタ・86、マツダ・ロードスターの３車種でした。

　日産・スカイラインは日本車の中でも長い歴史を持ち、特にスポーツセダンとしての象徴的な地位を確立しています。スタイリッシュなデザインが特徴で、街乗りでも快適でありながらサーキットユースにも適した非常に高い走行性能を誇る、発売当初から日産を象徴する人気の高い車種です。

　比較的手の届きやすい価格帯でありながら高い走行機能を誇るトヨタ・86も、メーカー公式のオーナーイベントが毎年開催される人気車種の一つ。そしてマツダ・ロードスターは、世界的にも販売台数の多いオープンスポーツカーで、軽量・コンパクトながら運転の楽しさを追求したマニュアル車です。

5. 【輸入車】かっこいいと思うマニュアル車3選

　続けて、輸入車におけるかっこいいと思うマニュアル車についても調査。ここではポルシェ、BMWといったブランドが多く挙げられました。

　911や718ケイマンなど多くの車種を輩出しているポルシェでは、その洗練されたクラシックなデザインやパワフルなエンジン、高いハンドリング性能などマニュアル車に求められるポテンシャルを実現。かっこいいマニュアル車としてメーカー名・車種名をあげられることが多い結果に繋がりました。

　BMWのM2は、BMWがサーキットで鍛え上げた究極のスポーツドライビングを可能とする車種となっており、ダイレクトなレスポンスを味わいながらマシンを操作できる感覚で運転することができるマニュアル車です。

6. おすすめのかっこいいマニュアル車の選び方

　ここでは、実際にマニュアル車を保有している人から、なぜマニュアル車を選んだのかを調査し、マニュアル車を選ぶ際の参考となるような情報を聞きました。（回答数=286）

　マニュアル車を選んだ理由として「マニュアル車の運転が楽しいから」と回答した人が最も多く、36.8％という結果となりました。続いて「馴染みのある運転方法がマニュアルだったから」（13.9％）、「走行性能が良いから」（9.7％）といった回答が並んでいます。
　オートマ車の方が市場の販売数が多い中、マニュアル車を選ぶ人は「運転の楽しさ」や「走行性能の良さ」を求める傾向が読み取れます。

　マニュアル車を選ぶ際には、デザインやカラーなどの観点だけでなく、試乗などを通して、運転を楽しめる機構になっているか、自分の運転の癖に対して相性のいいシフト操作ができるかどうかを見極めるとよいでしょう。

※回答率（割合（％））は、小数点第2位を四捨五入して、小数点第1位までを表記しました。このため、合計が100にならない場合があります。