カーライフ
更新日:2025.03.10 / 掲載日:2025.03.10

日本のスポーツカー“魂”

現代においてスポーツ走行を楽しむ意義を問う!

最近、街で見かけるクルマはSUVやミニバンばかりで、スポーツカーに乗る人は減っている。けれど、多数派が必ずしも正しいとは限らない。速くて、カッコよくて、運転を楽しめるのがスポーツカー。これほどクルマ本来の魅力を堪能できるものはない! ということで、今回は独自の伝統や文化を持ち、高い走行性能を備えた、“魂”のこもった国産スポーツカーの話題を総まとめ。魅力を再確認して、スポーツカーライフを始めよう!

構成・文/フォッケウルフ 撮影/茂呂幸正
(掲載されている内容はグー本誌 2025年3月発売号掲載の内容です)

HONDA CIVIC TYPE R

受注再開したものの次期型は未定です!

TOYOTA SUPRA

ファイナルエディション登場でいよいよサヨナラ?

NISSAN GT-R

2025年モデルで最後です(こ、今度こそ!)

スポーツカーは終わらない、乗って楽しいのが一番だ!
 走りが楽しいと聞けば、運転してみたくなるのが、クルマ好きの常というもの。特に走りに特化しているスポーツカーの人気は今も高く、新型のスクープ情報が出れば、多くのクルマ好きから注目を集める。
 一方で、車種数が減って選べるモデルが少なくなったという側面もある。国産スポーツカーの代表格であるスープラも、いよいよファイナルモデルが今年登場する予定だ。GT–Rだって、次こそ最後のモデルと言われ続けて早数年。シビックタイプRなんて、一度販売が終わったら、次期型が出るかどうか、いつもドキドキさせられている。
 そんななか、プレリュードの復活がアナウンスされたり、スバルがS210を発表したり、ロードスターに2・0ℓエンジンが追加されたり、今年も新たなスポーツカーの足音が聞こえてきた。最新スポーツカーは、運転もイージーになり、安全性能も高くなった。一方で、古いスポーツカーはいつまで経っても魅力的だ。走りの楽しいクルマを探そう!

「Q&Aで考察」 カッコいい大人は“スポーツカー”を知っている。

昔からずっと存在していて、知っているようでよく知らないこともあるのがスポーツカー。なぜ乗って楽しいのか、どうしてカッコいいのか、スポーツカーのことを学んで、大人らしくカッコよく乗りこなそう。

Q1. どうしてスポーツカーは生まれたのか?

 スポーツカーの定義を「スポーティである」こととするなら、クルマの原点はスポーツカーだともいえる。それは世界最初期の自動車が、ほとんどオープンカーだったから。同じく自動車黎明期から開催されていたモータースポーツの存在も、スポーツカーの起源のひとつ。モータースポーツは速さを競うものであり、競技で活躍するため、時代ごとに最高の技術を搭載したレースカーが生まれた。最新メカニズムを搭載した市販車がスポーツカーであり、メーカー(技術者)の象徴でもあった。
 クルマの頂点=スポーツカーであった時代は終わり、現代のクルマは、快適性や多用途性、安全性などを追求し、多くのジャンルに広がった。それでもスポーツカーがなくならないのは、人類が「速さへの欲望」を持ち続けているからにほかならない。

Q2. 今、スポーツカーが直面する問題とは?

 現代のスポーツカーにとって最大の問題といえば、車種数が減少していることだ。スポーツカーの象徴的存在でもあるポルシェは、20年以上前にSUVのカイエンを発売しているし、今やフェラーリだってSUVをラインアップする時代となった。国内を見渡せば、スポーツクーペはメーカーごとに1〜2車種のみで、シビックタイプRやWRX、スイフトスポーツといった4ドアスポーツも存在感を高めているが、これらも以前と比べると車種数が減っている。
 ほかにも、価格が高くて若者が買えないことだって問題だ。ただ、この問題は、最も安価な軽自動車でさえ値上がりしているので、仕方のないこと。さまざまな車種から選べて、手頃な価格で手に入れられる中古車を選ぶというのも賢い選択のひとつだろう。

Q3. じつはスポーツカーが疲れにくいって本当?

 結論から言うなら、疲れる部分は疲れるし、疲れない部分もある。そもそもスポーツカーの存在意義は、走りや運転を楽しむことにある。運転操作を楽しんで走ると、通常の運転より神経を使うし、ステアリングやペダルの操作も多くなり体力も消費しがち。つまり、楽しさの対価として疲労してしまうのである。
 一方、スポーツカーのなかにはスポーツシートを搭載しているモデルが少なくない。こういったシートは、通常のシートと比べて、身体をしっかりホールドしたり、振動を緩和するよう設計されている。これらは運転に集中するための構造だが、これが身体のブレを減らし、疲労を軽減したり、長時間運転しても腰まわりが痛くならないといったメリットを持っている。

意外に思われるが、バケットタイプのシートは着座姿勢が安定するため、身体が無駄に動かず、疲れが少ない。

Q4. MTのスポーツカーってやっぱり楽しいの?

 AT限定免許を取得する人が多くなったため、この春から教習所の制度改変でMT免許の取得が難しくなるという。さらに、プロドライバーがMTを操作するより、コンピュー
ター制御でギアを変えたほうが早くなったことから、F1をはじめとしたレースの世界でも、3ペダルのMTは淘汰され、(クラッチレスの)セミATが主流となっている。それでも、三菱以外の国産7メーカーはMTの新車をラインアップして、MTファンの声に応えてくれている。
 運転操作を楽しむことは、スポーツカーの魅力のひとつ。クラッチ操作とギア操作を駆使してドライバーの意のままに加減速することは、クルマとの一体感を味わえる唯一無二の体験である。好みに応じてMTを選べることは贅沢なのだ。

Q5. 最近、クーペ化するクルマが増えている?

 「クーペといえば、スポーツカー」と思われがちだが、近年、クーペのような、ルーフからリアセクションへ向けてなだらかに降りてくるラインを持つクルマが増えている。特にその傾向が見られるのはSUVとセダンだ。車種を挙げると、国産SUVではトヨタC-HR、レクサスRX、セダンならシビックなど。輸入車では、メルセデスCLSの大ヒットを機に4ドアクーペが増え、BMW、アウディなども追随。SUVでもクーペモデルを設定するメーカーが多くなった。
 従来のスペース効率を求める動きとは正反対だが、これも多様性なのだろう。カッコよさと実用性を両立するクーペ風モデルは、それほど荷室の広さを重視しないユーザーにとって最適な1台となっている。

Q6. 昔よく聞かれたワード、「ドライビングプレジャー」って?

 昔の自動車雑誌などでよく見られた言葉だが、直訳すれば、「運転の楽しみ(喜び)」。まさにスポーツカーの存在意義にもつながる言葉だが、現在では広い意味で捉えられている。まず、走るときや場所を選ばないということ。サーキットやワインディングの山道を攻めて走ることで得られる楽しみも、高速道路や直線路をかっ飛ばして得られる楽しみも、渋滞路であってもただそのクルマを走らせているだけで得られる喜びも、すべてがドライビングプレジャーに類する。
 そして、走るクルマも選ばない。スポーツカーに限らず、ミニバンでもSUVでも、乗っている人が楽しみや喜びを感じられさえすれば、それがドライビングプレジャーなのだ。

Q7. 本場でもある海外の状況は?

 海外におけるスポーツカーの状況は、やはり日本と同様、以前と比べて車種数が減っている。先述のとおり、フェラーリやアストンマーティンといったスーパーカーブランドまでSUVを販売するようになったが、それはやはり販売台数を稼ぐためだ。ユーザーが環境性能や安全性能を重視する時代になり、より販売が見込めるSUVにラインアップの主軸が向いていくのは言うまでもない。
 欧米メーカーのEVへのシフトも、スポーツカーにとっては逆風となっている。スポーツカーの楽しみのひとつに排気音がある。アクセルの踏み込み具合に応じて、大排気量、あるいは過給機を付けたエンジンが吹き上がるときの音は、ユーザーの耳を楽しませてくれるが、モーターではそれが得られないからだ。

2014年に発売されたスーパースポーツ、ウラカン。ランボルギーニはSUVのウルスもラインアップしている。

01 SUPRA [トヨタ・GRスープラ]

新車価格 499万5000~731万3000円

アメリカナイズされたマッチョスタイルに直6エンジンを積んだフラッグシップ
 セリカXXの後を継ぐ形で、80年代に誕生したスープラ。以来、トヨタを象徴するスポーツカーとして、現行5代目までモデルを重ねてきた。その風体は欧州風というより北米風で、筋肉質で引き締まったボディラインを特徴とし、歴代直列6気筒エンジンを搭載してきた。お家事情もあって現行型はBMWとの共同開発による輸入車だが、バッジには「GR」の文字が付けられ、より特別感のあるフラッグシップスポーツへと進化している。

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1.今回取材したのは2022年モデル。ダークシルバーに塗られた鍛造19インチアルミホイールが魅力的だ。2.6速MTの搭載は同型の最大のトピック。室内サウンドチューニングも施されている。3.上記2点の改良は3.0ℓエンジンのRZグレードのみ。

中古車FILE

中古車中心相場 430万~840万円 グーネット掲載台数 85台

 約6年前のデビュー、新車が高価格ということを鑑みれば、85台という流通台数は豊富といえよう。物件を見渡してみても、前オーナーの手があまり入っていないノーマル車両が多く、コンディションもそれなりによさそうだ。実際に物件を見る際は、下まわりを擦っていないか、タイヤの溝は残っているか、定期メンテナンスは行き届いていたかどうかなどをチェックしたい。

先代型はどうか?

トヨタ スープラ(先代型)

現在、市場に流通しているのはわずか25台のみ。チューニングされた車両も多く、ノーマルに近い物件や走行距離の少ない物件はASKになっている。

中古車中心相場 570万~1200万円 グーネット掲載台数 25台
進化のあゆみ

2019年5月

発売当初はweb限定受け付けの抽選販売だった。スープラらしさを存分に味わえる外板色「マットストームグレーメタリック」は現在では選べなくなっている。
中古車中心相場 430万~630万円
グーネット掲載台数 10台

2020年4月

エキゾーストマニホールドやピストンの改良により、3.0ℓモデルのエンジン出力を向上。ボディ剛性の強化やサスペンションのリチューニングも図られた。
中古車中心相場 470万~820万円
グーネット掲載台数 37台

2022年4月

直列6気筒エンジン搭載車に、自動ブリッピング機構付きの6速MTと新デザインのホイールを設定。ステアリングや足まわりも改良され、乗り心地を向上させている。
中古車中心相場 550万~810万円
グーネット掲載台数 24台

2024年11月

3.0ℓモデルのブレーキ、ハンドリングなどを強化、改良。同時に、現行型の集大成として特別仕様車「A90ファイナルエディション」を発表。発売時期は未定。
中古車中心相場 660万~740万円
グーネット掲載台数 14台

02 GT-R [日産・GT-R]

新車価格 1444万3000~3061万3000円

名門ブランドの新世代モデルは何年経とうとも世界の最前線に立ち続ける
 名実ともに日産の中心モデルであった「スカイラインGT-R」。2007年当時、新生日産がその技術力を世界に見せつけるべく発表したのが、その名を継いだ「日産 GT-R」だった。まったく新しいデザインにV6エンジンを搭載し、「毎日乗れるスーパーカー」として世界で高い評価を獲得。それからほぼ毎年のように年次モデルを更新する、欧州車のような改良を重ね続けて早17年。今もその実力は世界トップレベルにある。

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1.2025年モデルの「NISMO」。オリジナルエアロパーツが装着され、エンジンレスポンスの精度が高められている。2.2007年から基本的に変更点はないインテリアは、戦闘的で大人の仕事場という雰囲気。3.NISMO専用シートを搭載。

中古車FILE

中古車中心相場 800万~3000万円 グーネット掲載台数 255台

 新車販売されてきた年月を考えると、流通台数約250台というのは少なく感じるかもしれないが、やはり日産にとって特別なモデルであるだけに、これだけの物件から選べるのは幸運と思っていいだろう。高額車だけにあまりいじられている物件は少なく、替えられているのはホイールのみというパターンがほとんど。走行距離は年式相応なので、よく吟味したい。

先代型はどうか?

日産 スカイラインGT-R(R34型)

数年前に相場が上がって以来、高額をキープしている。R34型GT-Rは世代最終モデルということもあって特に高い。7000万円オーバーの物件も!

中古車中心相場 1810万~4000万円 グーネット掲載台数 76台
進化のあゆみ

2007年10月

2001年に開催された東京モーターショーで観客を驚かせた「GT-Rコンセプト」から6年、日産独自の4WDプレミアムミッドシップモデルが誕生した。

中古車中心相場 650万~1900万円
グーネット掲載台数 96台

2016年7月

日産のブランドデザインシグネチャーである「Vモーション」グリルが採用された。より多くのエアを取り入れることでラジエーター冷却性を高めている。

中古車中心相場 1200万~3300万円
グーネット掲載台数 132台

2024年3月

フロントバンパーの形状変更で大きくイメージを変えたのと同時に、リアウイングのデザインも初めて変更。ダウンフォース性能を向上させている。

中古車中心相場 2000万~2900万円
グーネット掲載台数 27台

03 CIVIC TYPE R [ホンダ・シビックタイプR]

新車価格 499万7300円

洗練に次ぐ洗練を繰り返した世界最高峰のエンジンチューニング
 1997年、「無限ホンダ」としてF1にエンジンサプライヤー参戦していた頃、基幹モデルであるシビックに、「タイプR」が追加された。NSX、インテグラに続く第3弾で、ホンダの高回転化技術を生かしたハイパワーエンジンを搭載し、強烈な加速感を味わえるトータルチューニングモデルである。ベースであるシビックのボディタイプ変更に振り回されながらも、命であるエンジンを尊重しながらモデルチェンジを繰り返してきた。

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1.5ドアハッチバックがベースで、クーペ風のルーフは美しいリアスタイルを演出している。2.出力とトルクを向上したVTECターボは、フロントグリルからの空気流入力も高めている。3.パフォーマンスデータをディスプレイに表示できるようになった。

中古車FILE

中古車中心相場 560万~660万円 グーネット掲載台数 136台

 中古車の市場流通台数は約130台、相場は新車価格より少し高くなっている。これは、新車販売を開始した2022年頃にちょうど半導体不足が続いており、新車の納車が順調に進まなかった影響がある。先代型と同じく、5ドアハッチバックモデルがベースということで、実用性が高いがゆえに日常使用されて各部の疲労や劣化などが懸念される点にもなっている。

先代型はどうか?

ホンダ シビックタイプR(先代型)

2017年から2021年まで約4年間販売された先代型。2025年でも十分通じる高い走行性能と実用性を備えており、相場はまだまだ高値をキープしている。

中古車中心相場 350万~490万円 グーネット掲載台数 115台

進化のあゆみ

1997年8月

エンジンを中心としたファインチューニングが施され、まるでレーシングカーのような鋭い走りを味わうことができた、シビックでは初めてとなるタイプR。

中古車中心相場 230万~330万円
グーネット掲載台数 39台

2001年10月

ベースとなったのは車高の高い3ドアハッチバックモデル。イギリス工場で生産された逆輸入車で、エンジンは2.0ℓに、インパネシフトの6速MTもめずらしかった。

中古車中心相場 120万~220万円
グーネット掲載台数 26台

2007年3月

4ドアセダンベースとなった3代目タイプR。エンジンは先代型同様2.0ℓながら、最高出力が高められ、よりコントローラブルな方向に進化している。

中古車中心相場 190万~340万円
グーネット掲載台数 113台

2015年10月

2009年に台数限定で販売された欧州版シビックベースの4代目を挟み、この5代目モデルも750台の台数限定で販売。エンジンはターボ化された。

中古車中心相場 250万~490万円
グーネット掲載台数 14台

※中古車価格はグーネット 2025年2月調べ。記事中の価格は参考であり、中古車価格を保証するものではありません。

未来に向けて変化する、現代のスポーツカーたち

自分だけが知らない間に新しいスポーツカーは発売されているし、スポーツカーの置かれている環境も変わってきている。これからのスポーツカーはどう楽しみ、どう選ぶべきか、クルマのプロが考えた。

ワシラはこう考える!

自動車評論家 清水草一
1962年生まれ。東京都出身。中古車でフェラーリの魅力を伝道しながらマルチな自動車評論家としても活躍してきた大ベテラン。交通ジャーナリストとしても活動中。

モータージャーナリスト 岡本幸一郎
1968年生まれ。富山県出身。自動車動画メディアに携わった後、フリーのジャーナリストとして活動開始。市井のクルマ世話バナシからチューニングまで守備範囲は多岐にわたる。

現在、新車で買えるスポーツモデル

トヨタ GRスープラ・GR86・GRカローラ・GRヤリス
日産 GT-R・フェアレディZ
ホンダ シビックタイプR
マツダ ロードスター
スバル WRX S4・BRZ
スズキ スイフトスポーツ
ダイハツ コペン

Dialogue 01

現代における理想的なスポーツカー像とは?
フェラーリやポルシェは頂点ではないのか?

清水「昔は、スポーツカーと言えばポルシェが頂点で、フェラーリやランボルギーニがそのさらに上、雲の上にいるっていう感じだったよね」
岡本「そういうピラミッド構造だったと思います」
清水「でも今、ピラミッドは完全に崩れた。たしかに性能を見れば、ポルシェやフェラーリは相変わらず頂点あたりにいるけど、スポーツカーは性能だけじゃない時代になったからさ」
岡本「性能が良くなりすぎて、使い切れなくなりました(笑)」
清水「700馬力なんて速すぎて、公道じゃ完全に無意味だよね。若い頃からフェラーリを崇拝してきた俺も、今のフェラーリにはまったく興味なくなったよ! ポルシェも速すぎる!」
岡本「じゃ、現代における理想的なスポーツカーって何ですか?」
清水「俺はズバリ、マツダのロードスターだと確信してる。今やスポーツカーは、遅いほど尊い!」
岡本「遅いほうが、性能を使い切れるし、楽しめますからね」
清水「しかも、遅いスポーツカーはものすごく貴重になってる。速いスポーツカーは腐るほどあるけど、新しくて遅いのは世界中にロードス
ターだけ!(笑)」
岡本「ロードスターは1.5ℓの136馬力ですからね。今年、2.0ℓモデルが出る予定ですけど」
清水「2.0ℓエンジンなんかいらないでしょ。中途半端だよ」
岡本「僕は、今のフェアレディZもいい線行ってると思うんですけど。405馬力なので、ロードスターよりはだいぶ速いですが(笑)」
清水「Zはいいよね。なぜって、速さを追い求めるわけじゃないから」
岡本「速いことは速いけど、ピュアスポーツじゃないでしょう」
清水「速いけど、速く走らなくても雰囲気だけで楽しめる」
岡本「デザイン含め、よくできてると思います」
清水「とにかく今、スポーツカーはピラミッド構造じゃなく、たくさん頂上がある山脈構造になった。ロードスターやZやシビックタイプRも、それぞれひとつの頂点。決してポルシェやフェラーリの下じゃない」
岡本「うらやましいと思う必要は、全然なくなったと思います!」

4代にわたって愛され続けたロードスターは、誕生35周年。時代が変わってもライトウェイトオープンの楽しさを伝え続ける。
リアからの構図も絵になる現行フェアレディZ。フルモデルチェンジかマイチェンかで騒動になるクルマなんてそんなにない!? 

Dialogue 02

今やフルハイブリッドも当たり前?
スポーツカーと相性のいいパワーユニットは?

岡本「じゃ今、スポーツカーと相性のいいパワーユニットは何だと思いますか?」
清水「ちょっと前の価値観で言えば、レクサスRC Fの5.0ℓV8あたりだろうね」
岡本「大排気量NAエンジンは音もパワーも最高ですね!」
清水「でも、間もなく生産終了。消えゆく恐竜だ。一種のノスタルジーともいえる」
岡本「今の時代、ハイブリッドのスポーツカーもアリでしょう」
清水「アリなんだけど、やっぱり俺はロードスターが理想だな(笑)」
岡本「1.5ℓのガソリンエンジンですね」
清水「ただし個人的な理想を言えば、スイフトスポーツの1.4ℓターボだな。あれがロードスターに積まれたら最高!」
岡本「あのエンジン、レスポンスがよくて気持ちいいですよね」
清水「ロードスターの1.5は、少し回転を上げないと元気が出ないけど、スイフトスポーツは低い回転からトルクがググッと出るから、普通に走っても楽しいんだよね」
岡本「僕は、シビックのe:HEVもいいと思います」
清水「今度、進化版がプレリュードに積まれるよね」
岡本「日産のeパワーもいいですよ。ノートニスモでサーキットを攻めてる人も多いです」
清水「レスポンスがよければすべてアリだね!」

80年代に日産シルビアと人気を二分したスペシャルティカー、プレリュードがフルハイブリッドカーになって今年の秋に復活予定!

Dialogue 03

中古車で選ぶベストスポーツカーは?
中古スポーツカーを選ぶ際の注意点は?

岡本「では最後に、中古でスポーツカーを買うなら、ベストは何ですか?」
清水「それもやっぱりロードスターだよ!(笑)」
岡本「ロードスター尽くしですね。現行型ですか?」
清水「デザインのよさや軽さ、タマ数を考えたら、現行型がベストだな。現行型ロードスターってもう10年になるから、初期型なら値段もそれなりにこなれてる」
岡本「こなれてると言っても、人気あるんで、総額200万円くらいになっちゃいますよ」
清水「それでもさ、これだけカッコよくて最高に楽しめるスポーツカーが200万円で買えるなら、超お買い得だよ!」
岡本「じつはロードスター、初代モデルの人気がすごく上がって、ヘタすると現行型より高くなってるんですよね」
清水「それを考えても現行型ロードスターでしょ! その他のスポーツカーはだいたいもっと全然高いし」
岡本「実用性で言えば、先代86の後期型あたりもいいと思います。これも100万円台で買えますし、一応リアシートもありますから」
清水「だね。それにしても日本には、ロードスターや86みたいな、小さくて安い後輪駆動のスポーツカーがまだあるんだよなぁ」
岡本「そんなの、日本だけですね」
清水「こんな恵まれた環境、生かさないのはもったいないね!」

手頃なサイズでFR。先代型86は、スポーツカー不遇の時代に登場した救世主だった。2021年にはGR86へと進化を果たした。

特集総括

 スポーツカーが現在でもこれほどまでに自動車業界に存在感を示し続けていることを知って、驚いた人も多いことだろう。世界的なシェアが少しずつ減ってきていることは否めないが、かつてスポーツカーに乗っていた人も含め、世界中にはまだまだ多くのファンが存在している。そして、注目度や人気が高い永遠不滅のカテゴリーなのだ。
 クルマに乗ることや運転することを、楽しく感じられるというのは、ある意味、贅沢な経験である。だからこそ、クルマを自在に操作できる今のうちに、スポーツカーを購入して、味わえる可能性を探ってみてはどうだろうか。

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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