カーライフ
更新日:2020.01.08 / 掲載日:2019.10.29
EV車バッテリーの寿命の目安はどのくらい?
グーネット編集チーム
EV車を長く使うと気になってくるのがバッテリーの寿命です。EV車は電気で走る車ですから、バッテリーはパーツの中でも非常に重要なものになります。
ここでは、EV車のバッテリーについてお話しします。
EV車とガソリン車におけるバッテリーの違い
従来のガソリン車の場合、バッテリーはエンジン始動と車内機器の電源としての役割でした。バッテリーの寿命もおよそ2~5年といったところのようです。
それに対し、EV車は走行などすべての動力の大本になります。
つまりガソリン車にとってバッテリーが一部品であるのに対し、EV車にとってはエンジンと同義のものと言えます。
EV車のバッテリーの寿命と容量
では、実際にEV車のバッテリーはどのくらいもつのでしょうか。
電気自動車やEV車のバッテリー容量は、日本の一般的な家庭の一か月の消費電力(300kWh)で考えると、一日当たり10kWh(モバイルバッテリー135個分)で、リーフのバッテリーがあれば、2.4日分の家庭の電力を賄うことができます。
バッテリーの寿命ですが、メーカーによって多少異なるようですが、大体容量が70%を切る時が交換時期と考えられているようです。
バッテリーの容量はメーター画面に表示されています。例えばメモリがMAX12の場合、8以下になると交換時期ということになります。
そのバッテリーが寿命を迎えるまでに、どのくらいの期間や走行距離がかかるのか、気になるところではありますが、これも使用状態によりけりで一概には言えません。
一般的な想定としては、5年間の使用で走行距離10万km、というのが一つの節目となっているようです。
ただし使用状態に左右されるので、年数や走行距離に過信せず、バッテリー容量に留意しましょう。
EV車のバッテリーは仮に走行距離が少なくても、少しずつ劣化していくことに注意が必要です。バッテリー劣化の最大の原因としては、ガソリン車のバッテリーと同様に、熱や高温が挙げられます。
また、満充電の状態で長時間放置することにより劣化が進むと言われています。
EV車のバッテリーを少しでも長持ちさせるためには、満充電を避けることや、なるべく大電流を流さない、青空駐車などの場合にはバッテリーの充電容量を少なめにしておく、といった対策をとることが望まれます。
EV車のバッテリー
EV車のバッテリーはガソリン車のそれと違って高価なものになります。通常、EV車のバッテリー交換は何十万円の世界です。そのため、購入時には保証についてよく確認しておくことが重要です。
例えば日産のリーフの場合、5年または走行距離が10万kmのどちらかに達した時に、バッテリー容量が8セグメント以下の場合、保証の対象となっています。
EV車のバッテリーの種類
グーネット編集チーム
それでは、バッテリーの種類について解説していきます。EV車はすべて、リチウムイオン電池というバッテリーを搭載しています。ちなみに、バッテリーには使いきりの一次電池と、充電ができて繰り返し使える二次電池の2パターンが存在します。もちろんEVには二次電池が採用されています。
開栓型バッテリー
開栓型バッテリーとは、電極に鉛を用いたいわゆる鉛バッテリーの1種です。使っていくうちに、内部に充填されているバッテリー液(希硫酸)が減っていくので、定期的にバッテリー液(蒸留水または精製水)を充填する必要があります。
開発されてから長い歴史もあり、安価に製造できるため、国産の市販車に幅広く使用されているほか、ホームセンターなどでも、交換用として売られています。
メンテナンスフリーバッテリー
メンテナンスフリーバッテリーは、プラスチック容器の密封性が高く、バッテリー液(希硫酸)が減りにくいのが特徴です。セミシールドバッテリーとも呼ばれていることから分かるように、完全な密閉状態ではなく、よく見ると、ガスを外へ排出する排気口が設けられています。
充電時に発生するガスは、バッテリー内部で電解液に戻るので、電解液を補充する必要は基本的にありません。このように、メンテナンスにほとんど気を使わなくていいため、メンテナンスフリーバッテリーと呼ばれているのです。
ドライバッテリー
完全密閉型のシールドバッテリーをドライバッテリーと呼びます。電極板に電解液が染み込ませてあり、電解液もゲル化されているので、仮にバッテリーを横に倒しても、中から液が漏れだすことはありません。
通常のバッテリーと比べると、高価ではあるものの軽量に設計できるので、レーシングカーなどに用いられます。また、電解液の補充など、メンテナンスの必要もないため、小型電源などにも使用されています。
アイドリングストップ車用バッテリ
最近では、赤信号などでの停車中にエンジンを停止させて、燃料の消費を抑えるアイドリングストップ機構を搭載した車が増えてきました。こうしたアイドリングストップ車では、通常の車と比べてエンジンの再始動の回数が非常に多くなり、その度に多くの電力が必要です。
また、アイドリングストップ中もエアコンやオーディオ類など、車内のアクセサリーは動かし続ける必要が出てきます。このような使用条件を満たすため、通常のバッテリーよりも容量が大きく高性能で、充電性能も高い専用品が必要となるのです。同じようなサイズの開栓型バッテリーと比べると高価ですが、アイドリングストップ機構を搭載した車には、必ず専用のバッテリーを使用するようにしましょう。
ハイブリッド車用、補機バッテリー
ハイブリッド車には、高圧で大型な駆動用バッテリーと、いわゆる補機バッテリーと呼ばれる通常のバッテリーの2種類が搭載されています。ハイブリッド車だからと言って、駆動用バッテリーのみで走行することはできず、ハイブリッドシステムやECU(コンピュータ)、カーナビなどへの電源供給はこの補機バッテリーから行われます。
ハイブリッド車用の補機バッテリーは、車室内に搭載されることが多いため、バッテリーから発生するガスの処理が問題となります。そのため密閉型の専用バッテリーが用いられることが多く、通常のバッテリーでは代用させることができません。
まとめ
今回は、EV車とガソリン車用のバッテリーの違いやEV車のバッテリーの寿命と容量、バッテリーの種類について解説してきました。EV車には、非常に高性能で大型のバッテリーが採用されていますが、使い方によってその寿命には大きな差が出てきます。
自動車用バッテリーは、アイドリングストップ車専用など、自動車の特性に合わせて様々な専用品が販売されています。バッテリー交換の際は、必ず自分の車のバッテリーと適合品かよく確認してから購入するようにしましょう。