カーライフ
更新日:2015.09.19 / 掲載日:2015.09.17
電気自動車(EV車)の暖房の仕組みとは

goo-net編集チーム
電気自動車とエンジン車を比べた時、
大きな違いは、その動力源であるのは言うまでもありません。
エネルギー源が違うので車の仕組みも大きく異なります。
それは走行に関してだけではなく、暖房などの設備にもいえることなのです。
電気自動車に乗る方に知って頂きたい、暖房の仕組みをお話しします。
エンジン車とEV車の違い
車の冷暖房がどのような仕組みになっているかご存知でしょうか。
従来のエンジン車の場合、実はクーラー機能しか搭載されていません。
暖房はエンジン熱を活用するため熱をつくる仕組みが不要なのです。
そのため、従来のエンジン車の場合燃料をさほど気にせず暖房を使ってOKでした。
しかし、電気自動車の場合、この暖房に使用するエネルギー量が問題なのです。
電気自動車はエンジンの廃熱がある訳ではないので、
電気を使って新たに熱を作り出す必要があります。
冬の暖房エネルギー量が全消費エネルギーの50%以上になるという話もあるほどで、
暖房の使用により走行可能な距離が低下するという問題があります。
そのため電気自動車の開発においては、
空調利用における燃費向上の取り組みがすすめられています。
次に電気自動車の暖房の仕組みを紹介します。
電気自動車の暖房~PTCヒーター~
電気自動車の暖房の仕組みは大きく2つに分けられます。
一つ目が電気ヒーターです。
電気自動車では「PTCヒーター」という、一定温度以上にならないよう、
温度が上がると自己制御するヒーターが導入されています。
仕組みとしては電熱で温める、という単純なものです。
PTCヒーターには空気を暖める空気加熱PTCヒーターと、
水を温める水加熱PTCヒーターがあります。
両者の特徴として、空気加熱は即暖性は高いのですが、安全性に課題があります。
水加熱は即暖性は低いですが安全性が高いです。
ちなみに、少しでも電力を抑えながら暖房性を上げる仕組みとして、
シートヒーターやステアリングヒーターがあります。
シートやハンドルなど直接触れる部分を暖めることによって、
空調の使用を抑えることができます。
電気自動車の暖房~ヒートポンプ~
二つ目の仕組みが「ヒートポンプ」です。
この仕組みは家庭のエアコンと同様で、
空気中の熱をポンプでくみとって別の場所に移すシステムになります。
熱を移動させることによって温度を上げたり下げたりします。
具体的な仕組みとしては、
1.大気の熱を集める
2.高温の熱に圧縮する
3.車内の冷風に熱を当て温度を上げる
4.温風になったそれをエアコン吹き出し口から車内に送る
5.熱は減圧し低温にして車外に放出する
という流れになります。
ポンプの電力消費のみでよいため、
PTCヒーターに比べると、工夫次第でより省エネで効率的な暖房になりえます。
このように電気自動車の暖房は主に2つの仕組みがあります。
電気自動車ユーザーの方はこの仕組みを知って、
無駄にエネルギーを消費せず、効率の良いドライビングを楽しみましょう。