カーライフ
更新日:2020.01.08 / 掲載日:2019.10.18
車のデッドニングをする効果とその必要性とは?

グーネット編集チーム
車のオーディオやスピーカーにこだわりのある人なら、一度はデッドニングを考えたことがあると思います。車で大好きな音楽をいい音質で聴けるともっと運転も楽しくなりますね。
車のデッドニングをする効果についてまとめてみました。車のデッドニングは、狙う効果やその目的によって、施工の仕方や範囲が大きく異なります。まずはここで、デッドニングの効果を得るための基本的な考え方を理解し、自分の車に合った施工を工夫して行ってはどうでしょうか。
車のデッドニングとは
車にはスピーカーが内蔵されていますが、そのスピーカー周辺の環境に手を加え、サウンドの質を向上させるのがデッドニングです。
車という環境によって生じる余分な振動を取り除いて、スピーカーのポテンシャルを高めます。
オーディオの基礎工事とも言える作業がデッドニングになります。
デッドニングの効果とは?
制振効果
制振効果とは、振動を抑制することを指し、具体的にはロードノイズやスピーカーの振動が軽減されることを指します。
ロードノイズとは、タイヤが走行中に路面との間で引き起こす振動が、ボディの鉄板部分に共振されて発生するノイズのことです。
この効果を得るには、制振ブチルゴムや制振用アルミシート、吸音スポンジなどの素材が組み合わされた制振材が用いられます。
吸音効果
吸音効果とは、エンジン音や、ロードノイズ、風切り音などの様々な音を、デッドニング材によって吸収することを指します。吸音材を上手に配置することによって、これまで気になっていたエンジン音や、ロードノイズ、風切り音の室内への侵入を抑えることが可能になります。
また、こうして無駄な音を上手に吸収することで車内を静かにし、サウンドシステムが本来持っている音質を引き出すことも可能になります。
遮音効果
遮音効果は、エンジン音や、ロードノイズ、風切り音などの様々な音をシャットアウトすることを指します。
これまで説明してきた制振効果や吸音効果と関連する作用ですが、振動を抑えることや、音を吸収するのと同時に、音を遮断するといった機能をデッドニングに持たせることも必要になります。
遮熱、断熱効果
最後は、遮熱と断熱効果ですが、この2つは似ているようで効果が全く異なるものです。まず、遮熱材というのは、熱を反射させて伝わらないようにすることです。その一方の断熱材というのは、熱伝導を遅くすることで、車外の熱が車内に伝わる時間を遅くし、逆に車内の熱を外に逃げないようにするものです。
遮熱効果が高いデッドニングを行えば、暑い時期に車外の熱を反射させて、車内の温度上昇を抑制する効果が期待できます。また、断熱効果が高いデッドニングを行えば、冬場にある程度熱が逃げにくい環境が保たれるようになります。
デッドニングの効果を得るための方法とは?
1.ボディの振動を抑えてデッドニングする方法
車のボディ内には構造上空洞部分があります。エンジンをかけるとボディ部分も振動し、振動音がノイズとなります。防振材を使ってボディの振動を抑えることでノイズを減らし、オーディオ環境を整える効果があります。
まずは、ドアの内張りを取り外した後、内張りなどに貼り付いたシートや汚れをきれいに取り除きます。その次に、ドアのボディ側となるアウターパネルへ防振材を貼り付けることが非常に有効です。ドアのアウターパネルというのは、スピーカーの背面に位置するので、スピーカーと共振しないようにスピーカーとアンプの組み合わせをみながら、貼る位置を調整しています。最後に、ドアの内張りにも防振材を配置すれば、さらに共振を抑える効果が期待できるのです。
2.吸音剤で振動を吸収させてデッドニングする方法
ボディの振動を抑えても振動がゼロになることはありません。そこで吸音材を用います。生じてしまう振動に対して、その振動を吸収し、スピーカーに影響を与えないようにします。
防振材を取り付けたドアのボディ側となるアウターパネルにも吸音材も配置するのが有効です。基本的な考え方は防振材と同じで、スピーカーの背面を中心に効果的に吸音できるサイズや配置を考えます。ドアの内張りを戻す前に、内張りの余分な空洞も吸音材で埋めておくと、反射音が吸収されます。
3.音の密閉性を高めてデッドニングする方法
スピーカー周囲の密閉性が低い場合、スピーカーから生じた音が流れてしまいます。密閉性を高めてスピーカー本来の能力を引き出します。
スピーカー周囲の密閉性を高めるには、ドアの鉄板のサービスホール(穴)を塞ぐことが最も有効です。車のドアの内側にあるパネルには、メンテナンス作業のやめに大小いくつかの穴が開いています。逆に言えばこの穴がスピーカー周囲の密閉性を低くしているため、サービスホールをデッドニングシートで塞いでしまい、擬似的にスピーカーボックス化することがポイントです。
貼り方としては、大きなサービスホールの形に添って施工する場合と、ドアの内側全体を覆うように施工する場合が考えられます。
この作業を行うことで低音がより響くようになり、重厚感のある音質が得られます。
デッドニングを行う必要はあるの?
車のデッドニングを行うと、理論上は余分な振動を防ぎ、スピーカー本来の音質を再現できるはずです。ただし、どんな音が高品質かは個人の好みで異なります。デッドニングは車に合った方法を行えばとても効果がありますが、車に合う方法を見つけるのに時間がかかることもあり、その間、デッドニングの効果を感じられない場合もあります。
デッドニングは音質改善の基礎工事にあたります。音質改善を必要としないドライバーが行う必要はありませんが、音質を変えたいと思っている人や、オーディオの性能を生かしたいと思っている人は、試してみると良いでしょう。
まとめ

グーネット編集チーム
今回は、車のデッドニングについて、デッドニングの効果やデッドニングの効果を得るための方法について詳しく解説してきました。
エンジン音や、ロードノイズ、風切り音など抑えるとともに、スピーカーの音質を引き出すことができるなど、デッドニングの効果は小さくありません。
プロのアドバイスを参考にしながら、試行錯誤を繰り返すことでベストな結果でるようにチャレンジをしてみましょう。