カーライフ
更新日:2024.06.24 / 掲載日:2022.03.09
ディーゼル車とは?ガソリン車との違い、メリット・デメリットについて

ディーゼル車というのは、ガラガラとうるさく、排気量の観点から地球環境に悪いと言われてきました。
しかし、ヨーロッパでは乗用車にディーゼル車を選ぶのが主流であり、様々なメーカーで開発が進められたことにより、近年では地球環境に優しいクリーンなディーゼル車に生まれ変わっています。
そんなディーゼル車の特徴やメリット、デメリットを紹介します。

ディーゼル車の特徴とガソリン車との違いについて
ディーゼル車の特徴
ディーゼル車は馬力・トルクがあり、燃費がいいと言った特徴を持った車種が多く存在します。ただ、排気ガスが大気汚染を悪化させてしまうということで、大きな課題となっていました。
現在では、クリーンディーゼルエンジンという、地球環境に優しいシステムの開発が進められていることもあり、ディーゼル車が注目され始めています。ディーゼル車のデメリットと言われていた、音や排気ガスなどのウィークポイントが、技術向上によって解決されつつあります。
ディーゼル車とガソリン車のエンジンの仕組みの違い
ガソリン車ではピストンが下がる時に空気とガソリンの混合気を吸入し、上がりながら混合気を圧縮していきます。その時にプラグから火花を出して、混合気に引火するのです。混合気は徐々に燃え広がり、膨張しながら再びピストンを押し下げて動力へと変換させていきます。
ガソリンエンジンは、ひとつの火種から短時間のうちに燃焼させていかなければならないため、排気量を大きくすることはできません。トラックやバスなどの大型車がガソリン車でないのはそのためです。
ディーゼルエンジンの場合、燃焼室内のピストンが下がる時に吸入されるのは空気のみです。吸入された空気は、ピストンの上昇によって高い圧縮比をかけられ、数百度という高温になります。この時に軽油が噴射され、燃焼室の至るところで一気に燃焼するのです。そして、膨張しながら再びピストンを押し下げます。
ディーゼルエンジンは、燃焼室の大きさに関係なく一気に爆発的燃焼をするため、排気量をいくらでも大きくすることができます。このことから、大型車に多く用いられるようになっています。
ディーゼル車のメリット
では、ディーゼル車の魅力はどこにあるのでしょうか。
燃費が良いこと
ディーゼルは軽油で走るためガソリンよりも安いのがいちばんの利点です。中でもマツダ デミオ(燃費26.4km/L)、トヨタ プロボックス/サクシード(燃費19.6km/L)、マツダ CX-3(23.2km/L)などは今も人気です。長い距離を走る方には重宝されています。
ガソリンよりも燃料費が安く済むこと
軽油はレギュラーガソリンと比べて安いので、それだけでコストダウンとなります。
以前に比べて振動や音も静かなこと
以前はカラカラとした音や振動が気になりましたが、クリーンディーゼルにより、それも改善されました。
維持費がガソリン車より安いこと
車両本体価格はガソリン車より割高のものが多いのですが、燃料代と車検代が安いため維持費はディーゼルのほうに軍配が上がります。
ディーゼル車のデメリット
燃費面や軽油を使うことによる経済性の高さなど、ディーゼル車にはメリットがたくさんありますが、デメリットも存在します。
車両価格が高いこと
デメリットは車両価格の高さにあります。いくら燃費が良くても本体価格が高ければ初期費用はかかってしまいます。燃費が良いといっても走行距離が短ければ、あまりメリットを享受できません。走る距離が短い人ほど燃費の良さで差額を解消するまでには長い時間が必要となってしまいます。
発進や加減速の走行性がガソリン車よりも劣ること
都市部では道路も混雑していることが多いので、発進や加減速の走行性がガソリンエンジンよりはどうしても劣っています。
音が気になること
以前よりは振動や音は解消されましたし、車内では気にならないのですが、車種によっては早朝や深夜に住宅密集地でカラカラとした音を出すのは気が引けることがあります。
ガソリン価格の下落
2013年、資源エネルギー庁発表によると1リットル当たり157.7円、ハイオクガソリンは168.5円、軽油は138.4円でしたが、2008年には最高値の185円を記録したもののリーマンショックで一気に下落しました。
2015年~2016年には原油安で100円程度になることもありましたが、その後150円~160円程度で推移しています。
軽油の価格も同様に下がっていますが、ディーゼル車の車両価格が高いことを考えると、ガソリン車の方に目が向くことになります。
ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの燃焼構造の違い

ディーゼル車の方がガソリン車より燃費がいい理由は、エンジンの燃焼構造の違いにあります。
エンジン内の燃料を燃焼させる際、ガソリン車ではプラグの火花により引火させますが、ディーゼル車は燃焼室内を高温にし、自然発火させます。ディーゼルエンジンの燃焼室内を高温にするためには、高い圧縮比が必要です。逆にガソリンエンジンの圧縮比を高めてしまうと、不安定な燃焼を起こしてしまいます。
ガソリンエンジンは、ガソリンと空気の混ざった混合気に、プラグより引火させることで燃焼させます。高い出力を得ることができるため高速走行に効果を発揮しますが、燃料の消費は比較的多くなります。
ディーゼルエンジンは高い圧縮比で高温になった燃焼室内に、燃料を噴射することで自然発火させます。少ない燃料が一気に爆発燃焼するのです。それによって発生するエネルギーはガソリンエンジンの燃焼時より大きくなります。反面、エンジンを回すために必要な燃料は少なくてすみます。これが、ディーゼル車の方が燃費が良いとされる理由です。
しかし、ガソリン車とディーゼル車の燃費の差はそう大きなものではありません。信号や交差点の多い日本の道路事情において、明確な燃費の違いを実感できるかどうかは難しいところです。
ディーゼル車に違うガソリンを入れてしまった時の対処法
セルフのガソリンスタンドが増えてきたことに比例して、給油する油種を間違えるトラブルも多数発生しています。なかでも深刻なのがディーゼル車にガソリンを入れてしまうケースです。間違ったその場で対処できれば良いのですが、始動してしまうとエンジンに大きな負担がかかってしまいます。出力が低下し、やがてエンジンが停止してしまうことさえあるのです。気付いた時点で、すみやかに対処しましょう。
ディーゼル車にガソリンを入れるとどうなる?
ディーゼル車に誤ってガソリンを入れてしまったとしても、エンジンを始動させなければ大事には至りません。しかし、入れ間違いに気付かずに車を走らせていると、エンジン出力が低下していきます。ガソリンには軽油ほどの潤滑性がないため、エンジン内部へ燃料を送る噴射ポンプに大きな負担がかかってしまうからです。
そのうちにアイドリングが不安定になり、マフラーから白煙が出るようになります。やがて噴射ポンプが破損し、噴射ノズルも故障し、エンジン停止という事態を招いてしてしまいます。
ディーゼル車にガソリンを入れてしまった時の対処法
ディーゼル車にガソリンを入れたことに気付いたら、スタッフに相談して、すみやかにガソリンを抜いてもらいましょう。絶対にエンジンを始動させないことです。その場ですぐにエア抜きもやってもらうとトラブルには至りません。
走行中に気付いた場合、気付いたその時点でエンジンを停止させましょう。そして、すぐにロードサービスなどを呼び、レッカー移動してもらうのが賢明です。
ディーゼル車にガソリンを給油した場合のエンジンへの負荷は大きなものがあります。噴射ポンプやノズルの交換だけに留まらず、エンジン交換や廃車という可能性も否定できません。十分な注意と、すみやかな対処が大切です。
注目のディーゼル車5選
最後に、クリーンディーゼルが搭載されている注目の自動車を厳選してご紹介します。クリーンディーゼルを搭載している車は、じわじわと増えてきています。ぜひ、参考にしてみてください。
マツダ デミオ(燃費26.4km/L)
マツダを代表するコンパクトカー、デミオ。1.5L DOHCディーゼルエンジン搭載の「XD」、「XDツーリング」、「XDツーリング Lパッケージ」のラインナップから選べます。
2019年からは車種名が「MAZDA2(マツダ2)」に変更。MAZDA2の中古車もタマ数が増えてきており、注目のモデルです。
トヨタ ランドクルーザープラド(燃費11.2km/L)
ランドクルーザーの派生車種として1990年に登場したSUVモデル。ランドクルーザーより一回り小さなボディサイズで、海外でも人気の高いモデルです。
マツダ CX-3(燃費23.2km/L)
コンパクトクロスオーバーSUVのCX‐3。マツダの新開発クリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV‐D 1.8」を搭載した「XD」「XDツーリング」には、MT車も用意されています。
日産 キャラバン(NV350キャラバン)(燃費11.3km/L)
2012年~2022年は「NV350キャラバン」として販売されていたバンモデル。荷室をベッドに使える車中泊仕様車をはじめ、高い積載性を活かした豊富なバリエーションが魅力です。
三菱 デリカD:5(燃費12.6km/L)
オフロード性能を備えた1BOXミニバン。2.2L コモンレール式DI-D クリーンディーゼルターボエンジン搭載の「P」「Gパワー・パッケージ」「G」「M」のラインナップから選べます。
まとめ
ディーゼル車は排気ガスが出るから環境に悪いというレッテルを貼られた頃もありましたが、現在ではクリーンディーゼルエンジンという音や排気ガスなどのウィークポイントを改善する技術開発が行われ、注目を集めています。
ディーゼル車に乗ってみたい、という方はぜひグーネット編集部おすすめの車両をチェックしてみてはいかがでしょうか。
クリーンディーゼルについて詳しくはこちら
合わせて読みたい
ディーゼル車は何を燃料に走っている?
ディーゼル車の燃料は「軽油」です。給油の際に間違えてガソリンを入れてしまわないように注意しましょう。
ディーゼル車にガソリンを入れてしまったらどうする?
エンジンを始動させず、すぐにガソリンの抜き取り・エア抜きをしましょう。走行してしまったら早急にエンジンを停止させ、レッカー移動するとよいでしょう。
ディーゼル車とガソリン車の違いとは?
ガソリンエンジンは空気とガソリンの混合気に引火して燃焼させます。対してディーゼルエンジンは空気のみを圧縮し高温になったところに一気に燃料を噴射し燃焼させます。ディーゼルエンジンは一気に爆発的燃焼をするため、排気量を大きくすることができ、大型車に多く用いられています。

ライタープロフィール
1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。
また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。
1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。
また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。