カーライフ
更新日:2021.03.31 / 掲載日:2018.10.30
寒冷地仕様車・普通仕様車の違いとは?寒い地域の方必見の特徴やメリット、車種を紹介

寒冷地仕様車とは、寒さが厳しい環境でも快適に使用できる装備を搭載している車を指します。普通仕様車のグレードアップ商品として用意されているケースが多く、積雪や凍結が心配される地域でも快適に運転できるような性能を兼ね備えています。
例えば、バッテリーの容量が大きく、始動時に必要なエネルギーを蓄えておくことが可能です。また、寒さでエンジンがかかりにくくなる現象を軽減してくれます。他にも、凍結防止や積雪に対する対策などができるため、自分であれこれ備えやメンテナンスをする必要がありません。
今回は、寒冷地仕様車の特徴やメリット、寒冷地仕様車がある車種をまとめてご紹介します。寒冷地仕様車の導入を検討している場合や、寒さが厳しい地域に住んでいる場合にはぜひ参考にしてみてください。
寒冷地仕様車を利用するメリットとデメリット
寒冷地仕様車とは、低温で寒い過酷な環境でも快適に使用できる自動車のことを指します。まずは、寒冷地仕様車を利用する主なメリットとデメリットをご紹介します。
寒冷地でも運転しやすいような設備を搭載
冬の寒冷地は、霜が降りたり雪が降ったりと標準車では運転しづらい環境になります。そのような悪条件の中でも、快適に運転できる設備を搭載している点がメリットです。例えば、ドアミラーにヒーターが内蔵されており、凍結するのを防いでくれます。
また、雪をかき分けやすいようにワイパーが強化されている車種や、外気取入れ口から雪が入りにくいように、網目が細かくなっている車種もあります。運転がしやすくなるのはもちろん、運転前の準備もぐんと楽になります。
凍結対策にも力を入れている
寒冷地で車に乗ろうとしたら、ドアが凍結して開かないという経験をしたことがある人は意外と多いはず。寒冷地仕様車なら、ドアの凍結対策もバッチリです。スポンジを挟むことでドアの凍結防止をしている車種や、凍結しにくいゴムを使用している車種も。
また、サビに強い特殊なコーティングをしている車種もあり、凍結や積雪による劣化が緩和できる点もメリットです。
普通仕様車よりも価格が高くなるのがデメリット
寒冷地仕様車は、普通仕様車のグレードアップとして用意されているケースがほとんど。そのため、普通車と比べるとどうしても価格が高くなってしまう点がデメリットです。
寒冷地仕様にすることで多くのメリットを得られる地域に住んでいる場合は、寒冷地仕様車にすることでメンテナンスが楽になる可能性もあります。そのため、住んでいる地域や車の使い方などを考慮して選んでみると良いでしょう。
普通仕様車と寒冷地仕様車の違い
ここからは、普通仕様車と寒冷地仕様車の機能性の違いについて具体的にご紹介します。主に次の3つの機能が大きく異なるため、寒さの厳しい過酷な環境下でも快適に使用することが可能です。
オルタネーターやバッテリーの容量が大きい
寒冷地仕様車の最も大きな特徴は「バッテリー」や「オルタネーター」の容量が大きい点です。車が冷えている状態でエンジンをかけようとすると、負荷が大きくなり始動時に力が必要になります。そのため、あらかじめ容量の大きいバッテリーを搭載することで、スムーズにエンジンがかけられるように。
バッテリーも上がりにくくなり、冬季に起こりやすいトラブルを未然に防ぐことができます。
ワイパーなどの仕様が変更されている
積雪時に重要になるワイパーの性能。寒冷地仕様車では、重い雪をかき分けることができるようにモーターが強化されていることが多いです。ワイパー自体が太くなっていたりゴムが劣化しにくいようになっている車種も多く、雪の力でワイパーが折れてしまうことを防ぐことができます。
また、中にはワイパーが凍ってしまい使えなくなることを避けるために、ワイパーを解凍する「ワイパーディアイサー」機能が付いている場合も。悪天候の中でも、しっかりと視界を確保できるようになっています。
凍結防止対策がされている
寒冷地仕様車には、さまざまなパーツに凍結防止対策が施されています。例えば、走行中にデファレンシャルギアなどに雪が付着し凍結してしまうのを防ぐ「スノープロテクター」やエンジン周辺の凍結や機能低下を防ぐ「エンジン アンダーカバー」、ドアの凍結防止仕様など、車種によってさまざまな対策がされています。
凍結防止ができることでより快適に車を使用できるのはもちろん、車のメンテナンスもとても楽になります。
寒冷地仕様車がある車種を厳選。おすすめの車3選
最後に、寒冷地仕様車が用意されている車種を厳選してご紹介します。寒冷地仕様車の導入を検討している場合には、ぜひ参考にしてみてください。
暖房設備が充実している「プリウス」

・全長:4540mm・全幅:1760mm
・燃費(JC08):34.0~40.8km/L
・総排気量:1797cc
・乗車定員:5名
・価格:242万円~
トヨタの「プリウス」は、寒冷地仕様車が用意されている車種です。燃費が良く、社用車からファミリーカーまで幅広く利用できます。
寒冷地仕様車ならではの設備としては、霧が出ている時に使用するブレーキランプと同等の明るさがある「リヤフォグランプ」やフロントガラス下部と運転席側にある熱線によってワイパーの凍り付きを防ぐ「ウインドシールドデアイサー」が特徴。また、暖房設備も強化しており「PTCヒーター」や「サブマフラー」も寒冷地仕様車のみ搭載しています。これにより、寒さが厳しい環境でも快適に使用できるようになっています。
即熱性がアップ「アクア」

・全長:4050~4070mm・全幅:1695~1715mm
・燃費(JC08):34.4~38.0km/L
・総排気量:1496cc
・乗車定員:5名
・価格:178万円~
洗練されたデザインで人気のあるハイブリッドカー「アクア」にも、寒冷地仕様車があります。ガラスの間に中間膜を作る「ウィンドシールドガラス」が搭載されており、風をさえぎる効果があることが特徴。また、補助ヒーターや足元の冷えを解消する「ヒーターリヤダクト」など、すぐに車内が温まるように暖房設備が充実しています。冷え込む地域にお住まいの方や、寒さが苦手な方におすすめしたい車種です。
さらに、ドアミラーを温める「アウターミラー」機能もついており、運転中に視界が悪くなることを防いでくれます。
ファミリーカーも寒冷地仕様に「デリカ」

・全長:4790mm・全幅:1795mm
・燃費(JC08):10.6~13.0km/L
・総排気量:1998~2359cc
・乗車定員:7~8名
・価格:240万円~
ファミリーカーとして人気のあるミニバン「デリカ」の寒冷地仕様車は、バッテリー容量がアップしているのはもちろん、ワイパーの動作をスムーズにする「ワイパー ディアイサー」やエンジンルームを寒さから守る「エンジン アンダーカバー」が搭載されている点が特徴。
また、寒冷地向けの「ヘビーデューティー ヒーター」を搭載しているため、車内が温まりやすくなっている点も嬉しいポイントです。冬でも寒冷地仕様車なら、広々とした車内で快適に過ごすことができるようになります。
今回は、寒冷地仕様車の特徴や寒冷地仕様車ならではの設備、そして寒冷地仕様車のある車種をまとめてご紹介しました。寒さが厳しい地域では、冬でも快適に運転できる設備や備えが必要です。そこで、寒冷地仕様車を選択すれば積雪や凍結を気にすることなく、快適に運転をすることができるようになります。
寒冷地仕様車にも複数の種類があるので、ぜひご自身に合った車種を探してみてください。