カーライフ
更新日:2019.04.08 / 掲載日:2019.04.08
産後の運転は控えた方がいいの?いつからしていいの?

グーネット編集チーム
育児中も、クルマは移動に便利なアイテムです。出産後も乗りたいものですが、運転を控えた方が良いときもあります。どのような体調であれば運転を控えた方が良いのか、運転を再開しても良い時期についてなど、出産後ならではの注意すべきポイントを解説します。
産後の体調はどうなるの?
妊娠・出産を経て、ママの体調は激変します。どのように、どの程度変化するのかは人によってかなりの差があります。以下の解説は一般的な産後の流れですので、もし出産の際にトラブルがあった、既往症があるという方は医師から体調の回復について説明を受けることをおすすめします。
一般的には、出産後6~8週間を産褥期(さんじょくき)と呼んでおり、産褥期間内は安静に過ごした方が良いとされています。産褥期の一般的な流れをご紹介します。病院から退院した後の1週間程度は、家事も控えて赤ちゃんのお世話だけに専念して過ごします。その後、軽めの家事から始めて、産後1か月後くらいまでに通常の生活に復帰するという流れです。
産褥期は、母体が妊娠前の体に戻っていくための期間です。大きくなった子宮が元に戻るために、悪露と呼ばれる分泌物が出て、しだいに治まっていきます。乳汁が出るようになる、内分泌系に変化が起こるなど、身体面でかなり不安定な状態です。そのため、体だけでなく心も安定しない期間でもあり、ノイローゼなどの精神病が起こりやすくなります。
産褥期を過ぎ、産後1か月程度経過すると、ほぼ普段通りの生活ができるようになります。さらに産後1年程度経過すれば、ほぼ出産前の体に戻ります。とはいえ、赤ちゃんの世話はその間ノンストップで続きます。赤ちゃんのお世話の大変さや、育児の支援体制がどの程度あるかによっても、産後の疲れ具合・回復スピードは違ってくるでしょう。
産褥期が終わったら体調面は心配しなくても良いというわけではなく、基本的には無理をせず過ごす必要があります。体調の回復度合いは人それぞれですので、焦らず体を休めてください。
産後に運転を控えた方がいい理由とは?

グーネット編集チーム
クルマの運転には、高度な注意力が必要です。産後すぐは体調が安定しないため、注意力を欠いてしまうことがあります。そのため、特に産褥期は運転を控えた方が良いとされています。体調不良の症状は人によって様々です。疲れが取れない、眠気がある、集中できない、腰などに痛みを抱えているなどのトラブルが起こることもあります。
産褥期は体に大きな負担がかかる時期です。妊娠中、10か月間かけて変化してき体が、妊娠前の状態に戻るには時間もかかりますし、パワーが必要です。
体に相当な負担がかかっている産褥期という状態での運転は大変危険です。例えば、ひどい風邪をひいている、熱が出ているという状態では、クルマの運転を控えるという方も多いのではないでしょうか。体調が悪いのに、無理をして運転をすると怖い思いをすることもあるかもしれませんし、事故につながってしまう可能性があります。
出産そのものは病気ではありませんが、産褥期は体調不良が起こりやすい時期なので運転はおすすめできません。体調不良を甘く見ないようにしましょう。自分では大丈夫と思っていても、体に疲れがたまっていることはあり得ます。体調に不安があるときは、運転を控えるようにしましょう。
交通が不便なところに住んでいる場合、産後すぐでも運転したくなるかもしれませんが、運転を控える期間は産後1か月程度のことなので、期間限定です。家族に協力を仰ぐか、バスやタクシーなどを利用してできるだけ運転を控えましょう。宅配のスーパーを利用するなど、外出の機会を減らすこともいいでしょう。自分で出かけなければいけないと思っても、何かで代わりが利かないか考えてみてください。
公共交通で移動する際に気になるのはお金のことでしょう。バスやタクシーを利用するにはどうしてもお金がかかってしまいますが、今だけの必要経費と割り切って利用することをおすすめします。事故を起こしてしまうと、日常生活に戻るのは大変ですし、金銭的にも厳しいものがあります。交通費がかかるよりも、事故を起こしてしまう方がはるかに高くついてしまうのです。
産後いつから運転していいの?目安とは?
産褥期も終わりに近づき、1か月検診で回復が順調と診断されれば、普段通りに過ごせます。体調が良ければ、運転をすることも可能です。
体調の回復度合いには個人差があるので、1か月検診のときに医師にクルマの運転をしても良いか確認してください。医師から「大丈夫ですよ」「問題ありません」と言われれば安心して運転を再開することができます。
産後の運転開始は、だいたい産後1か月後を目安にしましょう。ただし、体調は日々変化するものですから、自分で「今日は体調が良くないのでやめておこう」「大丈夫そうなので運転しよう」と判断できることが大事です。
出産の仕方(普通出産や帝王切開)によって運転再開時期に違いはある?
出産の仕方によって、体にかかる負担の度合いが違います。出産の仕方によって、運転再開時期にも違いがあります。
普通分娩に比べて、帝王切開の方が、手術の傷を治すという負担がかかります。入院期間も、帝王切開のお産の方が数日程度長くなります。
普通分娩の場合は、出産後1か月程度で普段の生活に戻って良いとされていますが、帝王切開の場合は3か月程度、クルマの運転を控えるべきとされています。
普通分娩の場合はお産から1か月、帝王切開の場合は3か月経ってから運転を再開しましょう。
出産の際に何らかのトラブルがあった場合や、既往症を抱えている方の場合は、自己判断で運転を再開する前に、必ず医師に確認を取ってください。体調の回復に不安がある方の場合も、医師に相談されることをおすすめします。
産後、運転を再開する際の見極めポイント
産後、いつ運転を再開できるか決めるのは自分自身です。運転再開のタイミングを見極める方法を解説します。
まずは、体調に不安がないという点を確認してください。出産の体へのダメージの度合い、回復するまでの期間は人それぞれです。また、体は徐々に回復していくものなので、今日元気でも明日は疲れやすいかもしれませんし、急にめまいがしてくる、眠くなるといった症状が出ることもあります。吐き気や頭痛、疲れているとまではいかなくても、なんとなく疲れている気がするということもあります。帝王切開など、手術のあとが痛いという日もあるでしょう。傷が痛いときは、無理に動かないようにしましょう。そのような日は、クルマの運転にも不向きです。他の人に交代してもらいましょう。
次に、実際に運転席に座ってみて、痛みがないか確認しましょう。産後は骨盤がゆるくなっているため、運転席に座ってみたら腰が痛くて仕方ないという場合もあり得ます。実際に座らないと座り心地がわからないですので、出発直前ではなくある程度時間に余裕をもって確認するようにしましょう。
安全にクルマを運転するために、体がつらいときはもちろん、めまいがする、眠くなるなどの症状が少しでもあるときは運転を控えるべきです。自分の体調は、結局のところ自分が一番よく知っているものです。おかしいところ、変だと感じるところがないかどうか、自分で体調を確認し、決して無理をしないことが大事です。「疲れているかもしれない」と少しでも思ったら運転を控える、くらいの気持ちを持ちましょう。軽い気持ちでした運転が、重大事故につながってしまってからでは遅いのです。
産後の運転で赤ちゃんをクルマに乗せる場合は配慮を忘れずに
運転するときは赤ちゃんを連れて歩くことが多いのではないでしょうか。
赤ちゃんが外出して良いのは、生後1か月を経った頃ですが、急に長い時間外に出ると疲れてしまいます。短時間の外出から始めて、徐々にクルマに乗ることに慣らせていきましょう。
帰省など、長時間の移動の場合は必ず休憩を入れてリフレッシュしましょう。休憩の目安は、30分~1時間につき一回です。休憩場所はおむつ替えシートのある場所を選ぶなど、赤ちゃんのお世話をしやすい場所をあらかじめ知っておくと便利です。
赤ちゃんをクルマに乗せるときは、後部座席に(チャイルドシート)を装着してください。ベビーシートの装着は法律で義務付けられています。安全なドライブを楽しむためにも、ベビーシートを必ず着けましょう。
いつもよりも加速・原則を緩やかにし、安全運転を心がけてください。
「赤ちゃんが乗っています」のステッカーを付けて、周囲に安全運転を心がけていることをアピールすることも大切です。
赤ちゃんが泣いてしまったり、ぐずったりしてもお母さんは運転に集中し、必要があれば、クルマを停めてから対応するなどして、わき見運転にならないように気を付けましょう。
産後で運転をする際の注意点とは?
産後の体調は、時間をかけて戻っていくものですので、すぐには元通りになりません。
体力が完全に回復しきっていない状態や、育児の疲労がたまってしまうことも考えられます。
また、長い時間の運転は同じ姿勢で座り続けることで腰や骨盤にも負担がかかるので
運転を再開した場合は、いきなり長い距離を走るのではなく、近場から走り始めましょう。
産後の体の変化や、疲労がたまった状態での運転は注意力がかけてしまうこともあります。妊娠中に運転を控えていた方も多いかと思われますので、久々の運転だからこそ慎重になるべきです。体調に合わせて、焦らずに再開してください。
産後に運転をする際には、
・体調に合わせて運転をすること(場合によっては運転しない勇気を持つこと)
・久々の運転なので、注意深く運転すること(スピードは控えめに、加速・減速を緩やかに)
これらの点に気を付けましょう。
焦り、無理は禁物です。自分だけではなく、赤ちゃんを危険にさらさないためにも、安全第一を心がけてください。体調面で不安がある場合や、運転を再開して良いか迷う場合は、医師に相談しましょう。