カーライフ
更新日:2019.04.08 / 掲載日:2019.04.08
はだしで運転すると違反になるのか

グーネット編集チーム
みなさんはクルマを運転する際にどんな靴を履いていますか。ほとんどの人が意識していない可能性がありますが、実は安全運転を遂行する上でも靴は重要な要素となります。
女性ドライバーであれば、底に厚みのあるブールやヒールは、操作性の面からおすすめできません。同様に踵が安定しないサンダルも同様です。できれば運転用の底の薄いスニーカーなどをクルマに常備しておくと良いでしょう。
ここでは、運転に適した靴についての話ではなく、靴を履いていない状態、はだしで運転すると、何らかの違反に問われるのか、またそのメリットとデメリットについて説明します。
はだし運転は違反なのか?
運転のしやすさは個人差があるとしても、そもそも「はだし」でクルマを運転すると、何らかの違反に問われるのでしょうか。考えてみましょう。
はだしで運転する理由は人それぞれだと思いますが、サンダルやヒールの高い靴で運転を始めたが、運転しにくいから脱いだとか、ケガにより靴や靴下が履けないという場合も想定されます。中には濡れた靴や底の汚れた靴で運転したくないと思う方もいるかも知れません。では、はだしの運転が発覚した問答無用で、警察官に検挙され、違反に問われる可能性はあるのでしょうか。
結論としては、はだしや靴下で運転することに対して、何ら道路交通法による罰則規定の定めはなく、違反に問われることはありません。また、東京都や神奈川県の細則を見てみても、ゲタやスリッパ、木製のサンダル等など運転の妨げとなる履き物を履いて運転しないこと。との明記はあるものの、はだしに関しての定めはありません。ただ、こちらは都道府県ごとに決める道路交通法施行細則によってルールが異なりますので、確認が必要です。
はだし運転が危険な理由
はだしで運転することが危険に繋がる可能性について理由を考えてみましょう。
運転する時に履くことを目的とした「ドライビングシューズ」と言うのはご存知でしょうか。ドライビングシューズとは、滑りにくいグリップの良いラバー素材のソール(靴底)を使用し、アクセルとブレーキペダルの踏み間違えに考慮した、細身の靴を一般的に言います。
また、ソール部分を薄くして、フィット感を持たせるとともに、操作感を妨げずに、疲れを感じにくい仕様が求められます。外観上は踵を視点にペダルを踏むことを考慮して、踵部分までソールで覆われているのが特徴です。ソールに厚みがあるため、最適な運転姿勢が取りやすい点も挙げられます。
つまり、ドライビングシューズに求められる機能が、はだし運転の危険な理由として考えられる要因と言えるでしょう。加えて、はだしは覆うものがないので、ペダルの角にぶつけた、ペダル操作により踵が痛くなったなど、ケガの恐れもある点も危険な理由として考えられます。
・ペダルもしくは足底が濡れていると滑りやすい
・安定したブレーキングが難しい
・足を覆うものがないため、ケガをする可能性がある
はだし運転で考えられる危険な理由とは、広義として保護するものがないと言うことになるでしょう。
はだし運転のメリット
ではもう少し掘り下げて、はだし運転のメリットとデメリットに触れてみましょう。
リラックスできる
何も履かないことで開放感があり、リラックスして運転できます。
足裏でペダルの踏み加減がコントロールしやすい
ペダルの踏み込み具合が足裏で感じられるため、デリケートなペダルコントロールが可能となります。
眠気が覚める
ペダルを踏むたびに足裏が刺激されて、眠気が覚める場合があります。
足元が汚れない
ペダルやフロアマットが汚れない、濡れない。それらよって滑ることがないことが想定されます。
踏み間違えがない
ペダルを踏んでいる感覚がダイレクトに感じられるので、踏み間違えがありません。
足が蒸れない
暖房を入れている場合は、靴や靴下の蒸れを感じる場合があります。
はだし運転のメリットとして考えられえるのは、以上の点が挙げられるでしょう。
はだし運転のデメリット
逆にはだし運転のデメリットを挙げてみましょう。上記のメリットと相反する点はありますが、個々の主観による部分が大きいのでご理解ください。
落ち着かない
外へ出歩く際は靴を履いていることが普通なため、クルマの中という室内空間であっても、靴を履いていないことによる違和感で落ち着かなくなります。
足が汚れる
ペダルやフロアマットからの汚れやペダルのゴムのニオイが移る場合があります。また目に見えない菌などがあり、不潔であるとの意見もあります。
ブレーキを思い切り踏み込めない
咄嗟の操作が必要になった場面で、はだしでは力いっぱいブレーキペダルを踏み込めない可能性があります。
確実なペダル操作ができない
ソールのしっかりしている靴を履いていれば、足裏全体でペダルを踏むことができますが、はだしの場合はペダルに接している部分のみ踏むことになります。
事故の際に重症化する危険がある
万一の衝突事故の際に、足がむき出しのため、ペダルと足が干渉してケガが大きくなる可能性があります。
足裏や踵が擦れる
守るものがないため足裏や踵がペダルやフロアマットと干渉して擦れるため、その箇所が痛く感じる場合が想定されます。
疲れる
靴のソールはペダルを踏んだ際の衝撃を吸収してくれる働きがあります。はだしでは、ペダルとの間に緩衝材が無いため、どうしても疲れやすくなる傾向があります。
極力はだし運転は控えよう

グーネット編集チーム
日常の運転では、急ブレーキを踏むことはないと思いますが、万一の際にはだし運転では力いっぱいブレーキペダルを踏みつけることは困難と言えるでしょう。特に脚力が弱い場合、しっかり靴底があった方が、踏力(とうりょく)が稼げて顕著に力を入れやすいからです。
また、足を保護する観点からも、靴で足を覆っている状態の方が、安心感が高いと思われます。誰でもプロのドライバーのようにペダル操作ができる訳でもなく、安定した安全な運転を行うためにははだし運転は控えるべきでしょう。
はだし運転をしていて事故を起こしたケースを考えるとさらに事態は深刻化する場合があります。例えば、はだし運転が原因で、きちんとブレーキが踏めなかった(本来クルマが備えている制動力が十分引き出せなかった)ため、結果として事故を引き起こしたと言うことであれば、責任が加重される可能性はあります。
デメリットを考えると、はだし運転は極力控える方が良いのかも知れません。リラックスできる、眠気が覚めると言うことから、はだし運転をしているなら、別の方法で解消する方法を試してみることをおすすめします。