カーライフ
更新日:2019.08.20 / 掲載日:2019.08.20
初心者マークは車内に貼ってもいいのか?

グーネット編集チーム
みなさんは運転免許を取得したばかりのドライバーが車両に貼付する、初心者マークはご存知だと思います。自動車運転免許を取得して通算1年に達していないドライバーが運転するクルマへ貼付が義務付けられている標識であり、正式名称を初心運転標識と言います。
しかしこの初心者マークですが、周りのクルマに認識してもらえるようにクルマのボディに設置するイメージがありますが、車内に貼り付けてもいいものなのでしょうか。
ここでは、初心者マークを車内に貼って良いのかどうかをはじめ、貼付場所や貼り忘れた場合の罰則規定などを解説します。初心者の方やこれから運転免許を取得する方は、ぜひ参考にしてください。
リアなら車内に貼っても問題はない
初心者マークは通常、運転するドライバーからは見えない標識であり、周囲の車両や歩行者に、運転免許を取得したばかりであることを知らしめるためのマークです。初心者マークを貼付に関しては、道路交通法の施行規則にて定められています。しかしながら、リアに関して場所の規定は設けられていません。
ハッチバックタイプや軽ワゴンなどの場合は、リアガラスの内側から吸盤で貼り付けるのが一般的です。ただし、ドライバーからの後方視界の安全確認に支障がないように、リアガラスの左右どちらかの下側に貼付すると良いでしょう。
フロントガラスに貼るのは避けた方がいい
フロントガラスへの貼り付けに関しては、道路運送車両の保安基準の細目を定める告示195条4項に抵触するので検挙される可能性があります。視界が妨げられるのがその理由であり、原則として検査標章と法定点検ステッカー以外は認められていません。ルームミラーやドライブレコーダー、ラジオ受信用プリントアンテナ、ETC等の指定されたものは認められており、ガラス面の指定されたエリア内であれば貼付しても問題ありません。
しかしながら、初心者マークには明記されていないため、フロントガラスへの貼付は避ける方が無難でしょう。また、アクセサリーやお守りなどをフロントガラスに貼り付けると違反の対象となるので注意してください。
同様にサイドウインドウへの貼付も視界を妨げるため、禁止されています。
初心者マークを貼るべき位置を解説

グーネット編集チーム
初心者マークを添付する位置は、道路交通法施行規則第9条の6(初心者運転標識等の表示)にて定められています。高さに関しても定義がありますが、前方または後方から見やすい位置となると、クルマのボディタイプにもよりますが、次のような箇所が考えられます。
・ミニバンや軽ワゴンの場合
フロント:ボンネットフード先端部分
リア:ハッチゲートもしくはリアガラス内
・セダンタイプの場合
フロント:ボンネットフード先端部分
リア:リアガラス内もしくはトランクリッド下側
・SUVの場合
フロント:ボンネットフード先端部分
リア:ハッチゲートもしくはリアガラス内
・ボンネット高が高く、傾斜がない場合
フロントバンパーの正面から見える部分
あくまでも先行車および後続車から見える位置と理解してください。フロントの初心者マークは、走行中の風圧で飛ばないような面にしっかり添付しましょう。
貼る高さにも制限がある
同じように道路交通法施行規則第9条の6で、高さに関して「高さ0.4m以上1.2m以下の位置」に表示するよう、明記されています。
貼付する位置は、おおむね前述の通りですが、全高やボンネットフードの高い車種は、高さの基準を守り、できれば貼り付けるだけの面のある場所を選んでください。また、アルミ製のボンネットフードはマグネットタイプの初心者マークは付かないので、シールタイプやフィルムタイプのものにするか、もしくは別の見える位置に貼付してください。
リアに関しては、高さ的にも見やすさの面でも、リアガラス内側が両方の条件を満たしているため、おすすめします。
初心者マークは何枚貼ってもいいのか?
初心者マークは周囲の車両に「免許を取ったばかりで、まだ運転は不慣れです」と知らせるためにも重要な標識ですが、それをアピールするために、前後2枚以上の枚数を添付しても良いのでしょうか。
前後に最低1枚ずつ2枚貼付すれば、明確に貼付する制限枚数の規定はありません。ただし、ステッカーのように何枚も貼り付けると、警察官から注意を受ける可能性はあります。いくら規定がないと言っても、ほどほどの枚数にする方が無難でしょう。
初心者マークの装着義務違反の罰則について
前述の通り、免許を取得して通算1年間は初心者マークの装着義務があります。この通算と言うのは、途中免許停止があった場合は、その期間は除外されることを意味します。
該当するドライバーが初心者マークを装着せずに運転した場合、道路交通法の「初心運転者標識表示義務違反」に該当します。
以下の通り、行政処分と反則金の罰則規定が設けられています。
違反点数:1点の加点
反則金:4,000円
初心者マークの装着義務は自分が所有する自家用車に限定されません。友人のクルマやレンタカーを運転する際は必ず装着する義務があります。レンタカーを借りる場合は、予約の際に初心者マークは借りることができるか、あらかじめ確認することおすすめします。もし、レンタカーの店舗で借りられない場合は、自分で用意する必要があります。
また、冒頭書いた通り、初心者マークを貼付している車両に対して、「側方に幅寄せ」や「割り込み」をした場合は、行政処分と反則金の罰則規定が設けられています。
誰でも初心者ドライバーだった期間があるはずです、初心者マークを装着したクルマには、優しさをもって見守る気持ちが大切です。危険回避などの場合を除いて、「初心運転者等保護義務違反」として、次の行政処分と罰則規定が設けられています。
違反点数:1点の加点
反則金:6,000円(普通車および二輪車)、7,000円(大型車および中型車)
初心者マークは免許を取得してから基本的に1年未満のドライバーが装着するものですが、脱着の定義はないため、免許取得後1年以上経過していても、久しぶりの運転となるペーパードライバーが装着しても、違反に問われる心配はないようです。運転に不安な場合などは安心して初心者マークを貼付してください。しかしながら、それ以外の目的で免許取得後1年以上しても貼付するのは、マナーとしてやめましょう。
おすすめの初心者マークの種類
初心者マークの種類は1種類ではなく、いくつかのバリエーションがあります。運転免許センターの売店をはじめ、ホームセンターやカーショップ、100円ショップ等で購入することが可能です。次のような種類の初心者マークがあります。
大きく分けてマグネット式と吸盤式、フィルム式があります。
かつてはシールタイプが主流でしたが、現在はいずれかのタイプが一般的です。
マグネット式
脱着が簡単にできるのが特徴です。
フロントのボンネットもしくはリアハッチゲートに使用します。
ただし、マグネットの性質からスチール製のボンネットには付きますが、アルミ製のボンネットは付きません。
スポーツタイプのクルマなど一部の車種では、アルミ製ボンネットが装着されているため注意してください。
吸盤式
リアガラスの内側に装着するタイプです。
通常は1枚単位もしくは、フロント用のマグネット式、リア用の吸盤式がセットとなって販売されています。
フロントガラスには不向きなので、おすすめしません。
フィルム式
糊を使わない何度でも使えるフィルムタイプです。
密着性に優れ、アルミ製のボンネットやガラスの外側にも貼付できる特徴があります。
ボディ形状にあまり依存しないので、レンタカーを含め、何台かクルマを乗り換える場合は便利なタイプです。
現在は上記の3種類が主流となっており、マグネット式と吸盤式はセットで200円から400円程度、フィルムタイプで1,000円から1,500円程度が販売価格の目安です。
誰もが運転免許を取得して1年間はお世話になる初心者マークは、若葉マークとも言われ初々しさを感じる標識です。通算1年間は装着する義務があり、貼付せず運転すると「初心運転者標識表示義務違反」により、行政処分と罰則規定が設けられています。面倒に思って貼付をしないと、累積違反点数が6点になると免許停止の行政処分を受ける可能性があります。必ずクルマの前後の見やすい、決められた範囲内に貼付しましょう。
また、初心者マークを装着したら、クラクションを鳴らしたりせず、自分が運転免許を取得した頃を思い出し、思いやりをもって道を譲るなどしましょう。
間違っても幅寄せや割り込みなどしてはいけません。初心者マークを付けたクルマへの保護義務違反に問われ、行政処分と反則金の罰則規定が設けられています。
交通ルールの遵守して、安全で楽しいカーライフを過ごしてください。