カーライフ
更新日:2021.10.08 / 掲載日:2019.09.06
カーリースのメリット・デメリットとは?契約前の注意点も知っておこう

グーネット編集チーム
「クルマを購入するには資金が足りない」、「乗るならやっぱり新車がいい」という方は、カーリースを利用するのがおすすめです。カーリースは、毎月定額の支払いで新車にも乗れ、定額の費用の中に保険料などが込みになっているので難しい費用の計算が不要といったメリットがあります。そして、もちろんカーリースを利用することにはデメリットもあります。
今回は、カーリースの基礎知識とメリット・デメリット、契約する際の注意点について解説します。
カーリースとは?
カーリースとは、リース会社が購入・所有しているクルマを借りることができるシステムです。一時的に借りるレンタカーとは異なり、長期間の契約をすることから、クルマを自分で所有する場合と同じように乗ることができます。また、ナンバープレートがレンタカーに備え付けられる「わナンバー」ではなく、一般的なナンバーや希望ナンバーを付けられるのも特徴です。
今までは法人に広く利用されていたカーリースですが、近年は個人向けのサービスが拡大しつつあります。個人向けのカーリースは新車が基本である上に、自分が乗りたい車種やグレード、ボディーカラー、予算を選ぶことも可能です。利用次第では数年単位で新車に乗り換えられるので、いろいろなクルマを運転したい方に最適でしょう。
ボディータイプや車種のグレード等によっても異なりますが、ミニバンやハイブリットカーの車両などであれば、カーリースの料金は毎月定額3万円程度でクルマに乗ることができます。クルマを購入すると、頭金の用意、毎月のローンや税金、車検、メンテナンスなどを自分で引き受けなければなりませんが、カーリースでは毎月の料金を支払うだけでいいという手軽さが魅力です。
残価設定について
毎月定額制の支払いが基本のカーリースですが、その料金を決めるのは、クルマの「残価設定」が大きく関わります。
残価とは、残存価格という意味であり、将来的なクルマの価値を示す、いわゆる「下取り価格」にあたるものです。残価を決める仕組みは、カーリースの契約満了時の価値を、契約時点の中古車相場から参考にします。では、本来の車両価格に残価を設定することで、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?
残価を設定するメリット
カーリースで安くクルマに乗れるのは、残価が引かれることでクルマ本体の価格が安くなることが大きな要因です。たとえば、車両価格300万円のクルマを5年契約でリースした場合、5年後に100万円で売れると仮定し、残りの200万円分を毎月に支払うことになります。クルマを購入したら全額を支払うことを考えると、カーリースの料金に残価を設定するメリットは大きいでしょう。
残価を設定するデメリット
契約する年数後の中古車相場を予測して残価設定をするため、リース契約満了時の実際の中古車相場が残価より高くなるケースも考えられます。このように、契約時と満了時の残価に差が生じた場合、その差額を支払う必要があるので注意が必要です。
場合によっては残価設定があらかじめ高めに設定されていることも考えられるので、契約をする際は残価設定をしっかり確認しましょう。
カーリースのメリット
グーネット編集チーム
カーリースは、自身でクルマを購入するのとは異なり、以下のようなメリットがあります。
カーリースにするか迷っている方は、どのようなメリットがあるかを把握しておきましょう。
車検代・法定費用込みの毎月定額制
残価の説明の際にも触れたように、カーリースの料金は毎月定額制なので、クルマにかかる費用が分かりやすくなるのがメリットの1つです。
毎月のカーリース利用料は、残価を引いた車両代金に加え、車検代や税金・自賠責保険などの法定費用も含まれています。車検や法定費用の支払い義務は所有者であるリース会社側にあるため、契約者はそれらの手間と費用を負う必要がありません。自身でクルマを所有する場合にある、年に1回の税金と2年ごとの車検という、イレギュラーな出費がなくなるので、毎月の家計が楽になるでしょう。
初期費用が抑えられる
新車、中古車に限らず、クルマを購入する場合は頭金を支払いローンを組むケースが一般的です。グレードの高い車種は頭金も比例して高くなるため、頭金を用意できない場合は低いグレードを選ばざるを得ない状況も珍しくありません。
一方、カーリースは初月から定額の料金を支払うだけなので、頭金が不要になります。ローンで購入した場合のように、ボーナス時に返済額を加算する必要もないので、お金をより計画的に使うことができます。
常に新車に乗れる
カーリースで借りられるクルマは新車が基本であることと、自由にクルマを選べることが大きなメリットでしょう。なぜ新車に乗れるのかというと、リース契約をする際に自分で選んだクルマをリース会社が購入し、自分のためのクルマとして貸し出すためです。また、車種だけでなく、カーナビなどのオプション品や、特別仕様車も選択できるので、自分好みのクルマをリースすることもできます。
また、個人のカーリースを展開するリース会社は、ガソリンスタンド系列、自動車メーカーのディーラー、カー用品店などさまざまあります。ディーラーのカーリースは自社生産の車種に限られますが、それ以外のリース会社はメーカー問わずリース可能です。メーカーにこだわりがない方は前者、特定の好きなメーカーがある方は後者にするといいでしょう。
メンテナンス費用も込み
車検代はリース料に含まれていますが、整備や法定点検などのメンテナンス費用も込みになっているリース会社が多くあります。メンテナンス費用でいうと、エンジンオイル、バッテリー、タイヤなどの交換、日々の点検もリース会社に任せることができるので、常に安全な状態のクルマで運転できるので安心です。
契約年数を選べる
カーリースの契約期間は、1か月~1年という短期間から、3年、5年、7年、9年などの数年単位までで、自由に選ぶことができます。短期間のリースの場合、年単位よりも料金をさらに安くするため、新車ではなく中古車をリースすることが一般的です。新車ではないという点で、レンタカーと変わらない状態にはなりますが、とはいえ急にクルマが必要になった場合、レンタカーよりも安く済むのはメリットといえるでしょう。
割引や優待が受けられる
カーリースの契約に、割引や優待などの特典を設けている場合があります。リース会社の業種で内容が次のように異なるため、特典の内容でリース会社を選ぶことも1つの方法です。
・レンタカー会社…レンタカーの特別割引
・ガソリンスタンド系列…ガソリン代の割引
・カー用品店…契約時に好みのカー用品が装着可能、カー用品の割引
リース契約満了後の選択肢が多い
契約満了したカーリースのクルマは、以下の4つのプランの内、どれかを選択する必要があります。
・クルマを返却
・クルマを購入
・リースを継続する
・別の新車で再度契約する
クルマをそのまま返却して契約終了するだけでなく、再リースや別の新車を再び契約し、カーリースのクルマに乗り続けることも可能です。また、カーリースで使用したクルマを購入できるので、あらゆる状況に合わせた選択肢があることもメリットの1つといえるでしょう。
カーリースのデメリット
カーリースにはさまざまなメリットがある一方、リース契約ならではのデメリットが存在します。デメリットをきちんと把握していない場合、後々でトラブルになる可能性も否定できないため、以下の内容は必ずチェックしておきましょう。
原状回復が基本
カーリースのクルマはリース会社が所有しているため、リース契約満了後に購入する以外の場合、原状回復をして返却することが基本です。そのため、契約時とは異なるカスタムやドレスアップをした場合、規約違反となって違約金が請求される場合があります。
また、運転ミスなどでボディーに傷やへこみを付けた場合、自分で修理をする、もしくは契約満了時に違約金が発生することが一般的です。どんなに小さなかすり傷でもリース会社に連絡を入れ、指示を仰ぐ必要があるので注意しましょう。
走行距離が決められている
カーリースを契約する際に走行距離を設定し、それを超過すると追加料金を支払う必要があります。走行距離は中古車の価値を決める基準の1つであり、残価を下げないためにも走行距離に制限をかけているのです。
とはいえ、契約時に余裕を持った走行距離を設定している契約内容にすれば、追加料金を支払うことなく、安心してクルマに乗ることができるでしょう。また、走行距離を短くするとリース料金が安くなることから、走行距離の設定を少なくし、カーリースの料金を安く見せるケースもあるので注意が必要です。
途中解約は原則不可能
カーリースは長期契約が前提にあるため、途中解約は原則不可能です。しかし、事故による全損や、クルマの必要がなくなるようなやむを得ない事情がある場合、未払い分のリース代と残価、違約金を支払うことで強制的に解約手続きをすることになります。
高額な支払いが要求されるため、カーリースに乗る場合は事故を起こさない、契約満了まで乗り続けることを心がけましょう。
購入よりも総額が高くなる
カーリースは残価を引くことで車両価格を安くできますが、税金やメンテナンス費用など、すべての項目に金利がかかります。購入する場合の金利は車両のみにかかることから、総額のコストは購入するよりも高くなるので注意が必要です。
また、契約時の残価設定はあくまでも予測に過ぎないため、残価の差額を精算することも考慮し、カーリースか購入かを見極めてから契約しましょう。
カーリースを契約する際の注意点
気軽にクルマを持つことができるカーリースですが、契約をする際は次の点に注意が必要です。
審査に通る必要がある
カーリースの契約をするにあたり、毎月の料金の支払い能力があるかを審査することが基本です。カーリースの審査は、職業や雇用形態をチェックすることが基本で、主婦の場合は配偶者に対する審査も行われます。アルバイトや無職の場合も、連帯保証人を立てれば審査を受けられるリース会社もあるようです。
また、ローン返済の状況や、過去の支払いの遅れ、債務整理などがある場合、信用情報機関で調査をすることがあります。審査結果によっては、契約ができない場合もあるので注意しましょう。
車庫証明を取る必要がある
カーリースは普通車が基本になるため、駐車場の確保に加え、自分の名義で車庫証明を取る必要があります。契約が確定した時点で駐車場の契約と、車庫証明の取得を済ませておくと、納車してからクルマに乗るまでがスムーズになるでしょう。
任意保険は自分で加入
カーリースは、強制保険の自賠責保険しか付帯していないため、任意保険はクルマを自身で購入した場合と同様に自身で加入することが重要です。自賠責保険は「相手方の補償」が基本であり、自分のケガやクルマの修理は補償に含まれていません。死亡時の賠償金も3,000万円と最低限であることから、クルマを運転するには任意保険は必須です。
任意保険では、相手側の補償に加え、自分と搭乗者の補償、対物補償など、万が一のことが起きても保険でカバーできます。カーリースのクルマは傷を付けると自分で修理する必要があることを考慮すると、車両保険に加入しておくとさらに安心です。
まとめ
カーリースは毎月数万円で新車に乗れる上に、税金や車検、メンテナンス費用も料金に含まれているので、料金が分かりやすいのがメリットです。クルマは好きな車種やカラー、オプション品も選べるので、購入するのと同じように好みのクルマに乗ることができます。ただし、残価設定を車両価格から引くことでリース料金を安くできる反面、契約満了時の中古車相場によっては差額を請求されることを理解しておく必要があります。原状回復や途中解約などの条件により、違約金が発生するデメリットもあるので、万が一に備えて、任意保険には必ず加入しましょう。