カーライフ
更新日:2019.10.23 / 掲載日:2019.10.23

キャンピングカーのトイレの掃除方法とポイント

キャンピングカーのトイレの掃除方法とポイント

グーネット編集チーム

近年では、大型のキャンピングカーに加え、バンやワゴン、軽自動車を改造したタイプのキャンピングカーが増えてきました。こうした変化に伴い、キャンピングカーに備わる装備の1つとして、トイレのラインアップも充実してきています。そんなキャンピングカー用のトイレですが、浄化槽や下水がないクルマで使うには、いくつかのポイントが存在します。

ここでは、キャンピングカーのトイレの種類と処理方法についてご説明し、気持ちよく使い続けるための利用法や掃除のポイントについて詳しく解説していきます。

キャンピングカーのトイレの種類と処理方法

キャンピングカーのトイレには、大きく分けてポータブル式、カセット式、マリントイレ、燃焼式の4タイプがあります。それでは、各タイプの燃焼式の特徴と処理方法を見ていきましょう。

ポータブル式

ポータブル式は、その名の通り持ち運びできる携帯式のトイレで、プラスチック製の箱型の形状が主流です。このタイプは車内にトイレルームを設置できないバン・ワゴンベースの「バンコン」タイプに用いられることが多く、後部のフリースペースに置かれることもあります。

ポータブルトイレでは、手でポンピングを行い、蓄圧した水で洗浄する水洗式が多くなっています。このタイプは汚物の処理はトイレ内で行わず、汚物をためておくことになります。タンクにためられた汚物の処理は、備え付けられた放出パイプを使ってトイレ等に流すことになります。

カセット式

カセット式のトイレとは、車両に固定する形のものであり、主に「キャブコン」に設置されています。基本的な仕組みはポータブルタイプと同じですが、決められたトイレスペースにあらかじめ固定されていることが一番の違いです。

こちらも、手でポンピングを行い、蓄圧した水の勢いで洗浄するタイプが主流です。汚物をためておくタイプなので、タンクがいっぱいになる前にインジケータなどで知らせてくれます。構造的なポータブル式との違いは、トイレ全体ではなく、汚物の入ったタンクだけをクルマから取り出せることです。

マリントイレ

大型キャンピングカーに多いのがマリントイレと呼ばれるいわゆる「船舶型」トイレです。見た目は少しコンパクトな普通のトイレであり、ポータブル式やカセット式よりもゆったりとしています。

汚物をタンクにためておくという構造に違いはありませんが、こちらは排出用のホースが備わっているため、キャンピングカー用のキャンプ場などに設置されている「ダンプステーション」という専用の施設に直接排出することができます。

燃焼式

燃焼式トイレとは、浄化槽や下水施設が設置できない場所向けに開発されたトイレのことです。他のタイプと違うのは、燃焼式という名前の通り、電気や灯油などの燃料を用いて汚物を蒸発・乾燥・焼却して、ごく少量の灰にしてしまうという点です。

近年では震災時の仮設トイレとしても注目を集めていますが、キャンピングカーに搭載される燃焼式のトイレでは電気燃焼式が一般的です。汚物は土に巻いて捨てることもできる灰になるため、衛生面での心配や汚れるリスクがありません。ただし、費用が非常に高額であり、重量が重いなどのデメリットがあり、キャンピングカーへの導入はハードルが高くなります。

トイレタンクの掃除方法

汚物をタンクでためるポータブル式、カセット式のタンクの洗浄方法、洗浄剤・消臭剤について解説していきます。実はポータブル式、カセット式のタンクにはあらかじめ使う前の準備があるのです。それは、カセットトイレおよびポータブルトイレ用の消臭剤を水に溶かして汚物タンク(廃液タンク)に入れておくことです。これを行うことで、汚物の匂いを抑制することができ、悪臭が車内に広がることを未然に防止できるのです。汚物をそのままタンクにためとくと、汚れも取りづらくなるので、この下準備が非常に重要です。

使うときにもポイントがあり、流す水には洗浄水タンク用添加剤(リンス)を使用します。これは、洗浄用の水に薄めて使う添加剤で、トイレを使うたびに消臭効果と水垢沈着防止効果を発揮してくれます。

最後に、使い終わった段階で、ポータブル式、カセット式のタンクの汚物を捨て、タンクの洗浄を行います。これについても、手作業でゴシゴシこするといった作業は行いません。使うのは専用のカセットタンククリーナーになります。使い方としては、クリーナーの原液を水で希釈し、タンク内に注入します。その後タンクをゆすって内部で撹拌させ、決められた時間放置します。その後そのクリーナーを捨てて作業完成となるのです。

キャンピングカーのトイレを利用する際・掃除をする際のポイント

キャンピングカーのトイレを利用する際・掃除をする際のポイント

グーネット編集チーム

最後に、キャンピングカーのトイレを利用したり、掃除をしたりする際のポイントを解説していきます。

まず、トイレを利用するときのポイントです。キャンピングカーのトイレでは、流れる水の勢いは弱いため、通常のトイレのような水流は期待できません。そこで、使用する直前に軽く水を流して、トイレットペーパーを一枚敷いておくことが、汚物が付着するのを防止するポイントです。

また、タンクがいっぱいになるか、一定日数が経過したら、早めにタンクを掃除することが重要です。汚物を放置すれば、汚れや匂いがタンクに付着して取りにくくなります。汚物の処理は、オートキャンプ場やRVパークにあるダンプステーション、もしくは自宅のトイレに捨てるようにしましょう。ダンプステーションはキャンピングカーの汚水を処理するための専用施設ですので安心して利用することができますが、間違っても公衆トイレなどを使用してはいけません。公衆用トイレは、立ち寄った人向けのトイレであり、キャンピングカーの汚物を処理するためのものではありませんし、タンクを持って大勢の人の中を歩くのもマナー違反です。

タンクの洗浄は専用のクリーナーを使うこともポイントです。専用クリーナーは消臭効果や汚れを落とす効果もあります。なお、家庭用の洗剤を使用する際は、必ず中性を使う必要があります。というのも、塩素系や酸性の洗剤や中和剤は排水バルブなどを痛める危険性があるからです。また、タンクを洗浄した後は、次使うときのために水や洗浄水タンク用添加剤(リンス)を入れておくことも大切なポイントです。

キャンピングカーは、クルマの中で衣食住を完結させることができる旅の理想的な相棒です。ホテルを事前に予約する必要もなく、自分のペースに合わせて移動ができるというメリットもあります。当然トイレも備わっており、使う人にとっては便利なアイテムですが、自宅の水洗トイレとは勝手が異なります。キャンピングカーで気持ちよくトイレを使い続けるためにも、使い方や掃除のポイントを守るようにしましょう。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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