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更新日:2021.03.31 / 掲載日:2019.12.02
ハイオクとレギュラーを混ぜるとどうなる?車に与える影響は?

グーネット編集チーム
同じガソリンなのに、違うものとして供給・販売されるハイオクとレギュラー。価格にも差があるため、ハイオク車にもときどき比較的価格の安いレギュラーを入れてみたくなってしまう方もいるのではないでしょうか。
実際のところ、ハイオクとレギュラーを混ぜたり、ハイオク車にレギュラーを給油したりするとどうなるのでしょう?素朴な疑問に対して解説していきますので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
ハイオクとレギュラーの違い
ハイオクとレギュラーガソリンは、オクタン価によって分けられています。国によって基準は異なりますが、日本ではJISによってオクタン価96以上のものをハイオク(1号ガソリン)、オクタン価89以上がレギュラー(2号ガソリン)と規定されています。国内で一般的に流通しているおよそのオクタン価は、ハイオクが100、レギュラーが90です。
オクタン価とは、ガソリンの燃えにくさを示す数値です。耐ノック性を表し、オクタン価が高いほどノッキング現象が起こりにくくなります。つまり、オクタン価の高さは、スムーズな走行の指標でもあるのです。
また、ハイオクには、エンジン内部をきれいにする清浄剤が添加されている場合がほとんどです。
レギュラーとハイオクを混ぜるとどうなる?
かつて、有鉛ハイオクが流通していた頃は、鉛を含んでいる影響からハイオクとレギュラーを混ぜてはいけないとされていました。現在はレギュラー、ハイオク共に無鉛となっています。したがって、レギュラーとハイオクを混ぜても問題はありません。
では、ハイオク車にレギュラーを入れたり、レギュラー仕様車にハイオクを入れたりするとどうなるでしょう?
ハイオク車にレギュラーを入れた場合
ハイオク車にレギュラーガソリンを入れて走ると、ノッキング現象が起こることもありますが、大抵の場合は普通に走行できます。現代のハイオク車はコンピュータによって制御され、あらかじめ誤給油や、ハイオクを給油できない緊急時などを想定して作られています。
したがって、コンピュータが、給油された燃料をレギュラーガソリンと判断すると、自動的に燃料噴射や点火時期を遅らせ、ノッキングの発生を防ぎます。
あくまでも緊急時を想定しての機能ですので、常用は避けるべきでしょう。また、レギュラーガソリンに対応していないハイオク専用車もあるので注意が必要です。
レギュラー車にハイオクを入れた場合
レギュラー仕様車にハイオクガソリンを入れた場合、まったく問題なく走行できます。
そもそもエンジンが、レギュラーガソリン仕様になっているところへ、より耐ノック性の高いハイオクが入るだけのことです。
燃費が少し良くなったとか、洗浄効果があったなどの報告もあります。レギュラー車においては、気分によってガソリンを使い分けることが可能と言えます。
外車はレギュラーを混ぜた方がいいって本当?

グーネット編集チーム
外車のほとんどはハイオク仕様となっています。その理由は各国におけるレギュラーガソリンのオクタン価の違いになります。欧州におけるレギュラーガソリンのオクタン価は95、アメリカでは91です。いずれも日本のレギュラー基準より高いため、国内ではハイオク仕様ということになります。
ここで問題なのは、日本国内で供給されているハイオクのオクタン価が100前後、レギュラーのオクタンが約90という事実です。つまり、外車が基準としているオクタン価95にするために、半分ずつ給油するという選択もできます。
理論上は正しいのですが、ハイオクには添加剤が入っているため一部混ざりにくいという指摘もあり、常用することでよい影響を及ぼすとは言えません。レギュラーガソリンが入ることにより、コンピュータがレギュラーガソリンを検知してしまう可能性もあります。
検知し、一度でもレギュラー仕様として対応してしまうと、復旧にも時間を要することでしょう。繰り返すことで、コンピュータおよびエンジンに悪影響を及ぼすと考えられます。
まとめ
近年の車はコンピュータ制御により、さまざまなアクシデントに対応できるようになっています。誤給油への対応もそのひとつです。ハイオク仕様車にレギュラーが給油されることは、想定の範囲内となってきています。
また、ハイオクガソリンが無鉛化になってから、レギュラーガソリンと混ぜることもできるようになりました。
しかしながら、これはメーカーが推奨する仕様とは異なります。コンピュータの対応が多様になったからと言っても、基本的な仕様を守ることが車を長く守ることに繋がります。