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更新日:2020.01.30 / 掲載日:2020.01.30
バスの運転に必要な免許は?バス運転手の種類も紹介

グーネット編集チーム
近年「大型バスの運転手不足」が問題になっています。
大型バスの運転手不足には、単純な労働者不足に加え、海外からの観光客が増加し貸切バスのニーズが高まっていることも理由に挙げられます。
さらに2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。
大型バスを所有している会社もバスの確保に努めていますが、「運転手が集まらない」「大型バスの運転に必要な免許を持っている運転手がいない」など、深刻な状況が続いています。
今回は、そういった問題を理解する知識として、まず、バスの運転に必要な免許やバス運転手の種類についてまとめてご紹介します。
バスを運転するために必要な免許とは

グーネット編集チーム
バスを運転するには「大型二種免許」が必要です。
大型二種免許は、正式には「大型自動車第二種免許」と呼んでいます。総重量11t・最大積載量6.5t・乗車定員30人を超えた大型車を運転するために必須となる免許です。
大きな車を安全かつ正確に運転する技術が求められるので、運転免許の中でも難易度の高い免許でもあります。以前まで大型二種免許は、自動車運転免許試験場で受験するしか免許を取得する方法はありませんでした。
しかし、路線バスや観光バスなどの需要が増え、運転手不足が深刻になってきたことも影響し、2002年(平成14年)に決められた自動車教習所でも免許の取得できるように、道路交通法が改正されました。
ちなみに、保育園などの送迎で使われるマイクロバスは、「8t限定なしの中型免許」でも運転することができます。
中型免許は2007年から新設された免許で、2007年を過ぎて普通自動車免許を取得した方は、車両総重量5t以上の車を運転できなくなりました。
大型二種免許はどうやって取得する?
それでは、大型二種免許はどのように取得するのでしょうか?大型二種免許の試験は、以下の項目で行なわれます。
適性試験
・視力検査(両目0.8以上・片目0.5以上※眼鏡やコンタクトレンズ使用可能)
・深視力検査(奥行き知覚検査器を使い、2.5m離して3回検査し平均誤差が2cm以下)
・聴力検査(10m離れて90dbの警音器の音が正常に聞こえる)
※90db=騒々しい工場の中やブルドーザーの音など
※補聴器をつけていても聞こえたら適正があると判断される
・運動能力など(自動車の運転に問題ない・法律で決められた疾患を持っていない)
学科試験
運転区分に関係した問題だけではなく、旅客など専門知識が必要な問題も出題。
また、応用問題も多く出題されるので、難易度が高いことも特徴です。
※別の第二種免許を取得していると学科試験は免除になります。
技能試験
乗車定員30人以上・車長11mの車を使った技能試験も行なわれます。
乗客を乗せた状態で安全かつ正確な運転技術を持っているか試されます。
大型二種免許試験が受けられる条件
1.21歳以上
2.普通自動車免許取得から3年経過※免許停止処分期間は除外
3.視力や聴力、運動能力が一定水準を超えている
大型二種免許を取得に必要な費用は、現在取得している免許によって変わります。予め中型二種免許を持っている場合は約24万円になりますが、普通自動車免許だけ取得した状態では約50万円掛かります。自動車教習所で取得するのか・合宿で取得するかでも費用が変わってくるので、事前に確認しておくと安心でしょう。ちなみに、これらとは別に「受験料1,750円・免許証交付料2,050円・仮免許交付2,800円」も必要になります。
バスの運転手にはどんな種類がある?
一言にバスの運転手といっても、さまざまな種類のバスの運転手が存在します。
ここでは、バスの運転手の種類についてご紹介します。
路線バス
一般道路を主として設定された路線を運行するのが「路線バス」です。決められた時間やルートを循環して走る路線バスは、短距離の移動手段として多く使われる乗合式の大型車両になります。
観光バス
観光で使用することを主な目的としたバスを「観光バス」と総称しています。修学旅行やサークルなど、団体で貸切運行することが多いバスです。走る時間やルートは目的地によって変わってきますが、中距離から長距離移動で多く使われています。乗合式の中型車両や大型車両が観光バスの基本です。
高速バス
高速道路を使って都市間を長距離運行するのが「高速バス」です。出発する時間によって呼び名が変わるのも特徴で、朝から昼の時間帯に運行するバスは「高速バス」と呼ばれています。その一方で、夜間に出発し翌朝到着するバスは、「夜間高速バス」や「夜行バス」と呼ばれています。車両は基本的に乗合式の大型車両です。
送迎バス
学校や幼稚園、レジャー施設やショッピングモールなど、一定の範囲内におけるお客様を対象としているのが「送迎バス」になります。基本的に時間やルートは決められていて、車両はマイクロバスやワンボックスカーで、他のバスと比較してサイズは小さい車両が多いです。
まとめ
今回は、バスの運転に必要な免許やバス運転手の種類についてまとめてご紹介しました。大型バスを運転するには「大型二種免許」を取得することは大前提ですが、その上で観光バスや路線バスなど自分に合ったバスを選びましょう。
近年ではバスの運転手が少なく、需要が増していることもありますので、今回の記事を参考にして、大型バスの免許を取得してみてはいかがでしょうか?