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更新日:2020.02.06 / 掲載日:2020.02.06
軽油とレギュラーガソリンの違いとは?

グーネット編集チーム
現在、自動車の燃料として、軽油やレギュラーガソリンなどの他に、電気や水素、LPガスなどが利用されています。その中でも自動車の主要な燃料となると、軽油やレギュラーガソリンであるという認識の方が多いのではないでしょうか。
しかし、その一般的に認知されている自動車の燃料である軽油とレギュラーガソリンにはどのような違いがあるのか?という点に関しては、明確に説明できる方は少ないのではないでしょうか。
そこで、今回は軽油とレギュラーガソリンの違いや、軽油とレギュラーガソリンの入れ間違いをしてしまった場合の対処法などを解説いたします。
軽油とレギュラーガソリンとの違いを皆さんはご存知ですか?
「軽油とレギュラーガソリンの違い」について、簡潔に説明できる方は意外と少ないのではないでしょうか。
軽油とレギュラーガソリンでは留出される温度に違いがある
車の燃料でもある軽油とレギュラーガソリンの両者は、元々は同じ「原油」から作られています。この「原油」を350℃まで過熱して蒸発、蒸留抽出していくのですが、蒸発の過程で、30℃から180℃くらいで蒸留抽出されたものをガソリン、240℃から350℃位で蒸留抽出されたものが、軽油になります。
軽油とレギュラーガソリンの燃料特性に違いがある
ガソリンは、30℃から180℃までの低温度から蒸発する燃料で、軽油は240℃から350℃までの高温度で蒸発する燃料です。
この蒸発温度の違いが、燃料特性の違いになります。レギュラーガソリンは常温でもよく燃焼し、軽油は高温で高圧の場合によく燃えるという特性的な違いが生まれます。同じく原油から精製されている燃料あっても、蒸発→蒸留抽出→精製されて、違った特性の燃料になります。
もしガソリン車に軽油、軽油車にガソリンを入れてしまうとどうなる?

グーネット編集チーム
セルフガソリンスタンドで給油をする際などは、不注意でガソリンと軽油を間違えてしまうこともあるかもしれません。ガソリン車に軽油を入れてしまった場合や、軽油車にレギュラーガソリンを入れてしまった場合には、どのようなことが起こってしまうのかについてみていきましょう。
レギュラーガソリン車に軽油を入れてしまうとどうなる?
レギュラーガソリンは、常温でも良く燃える性質です。本来そのレギュラーガソリンを利用するために作られたエンジンに軽油を入れてしまうと、燃えづらい燃料である軽油を完全に燃焼させることができないなどの問題が発生します。
その結果、ノッキングや黒煙発生を起こしてしまい、最悪の場合エンジン停止、エンジン故障につながってしまいます。
軽油車にレギュラーガソリンを入れてしまうとどうなる?
軽油は、高温・高圧縮でよく燃える性質です。ここに万が一レギュラーガソリンを入れてしまうと、軽油(ディーゼル)エンジン構造では、レギュラーガソリンは簡単に燃えすぎてしまうなどの問題が発生します。
その結果、ノッキングや白煙があがり、最悪の場合エンジン停止、エンジン故障になってしまうことがあります。
さらに軽油を利用する車両では、軽油を燃料だけではなく、燃料ポンプ・噴射ポンプなどのパーツに対しても利用されている事があるため、場合によってはこういったエンジン構成パーツも交換しなければならなくなってしまう可能性があります。
走行する前に気づいたら?
走行する前に燃料を間違えてしまったことに気づいた場合は、エンジンをかけないことが大切です。誤給油の場合、車にとってダメージとなることは、エンジンをかけてしまうことです。
すぐにガソリンスタンドのスタッフやディーラーなど、専門家に相談をしましょう。このような場合には、燃料タンク内の燃料の抜きとりや、燃料フィルターの交換などの修理・対応が必要になってきます。
間違った燃料を入れたのに気づかなかったら?
もし、誤給油に気づかず、走行中に不調症状が出てしまった場合や車が止まってしまった場合は、すぐにレッカー等を手配して、専門の工場などで状態を検査してもらう方が良いでしょう。
軽自動車という名称ゆえの間違いも多く発生!
日本でお馴染みの規格である軽自動車には、ほとんどガソリン燃料が指定されています。軽自動車の軽から、軽油を連想した間違い給油が多いのにも注意したいところです。
軽油は、どんな車が適しているの?
燃料製造現場の多くでは、原油からガソリンを蒸留抽出する過程で、軽油は副産物的に蒸留抽出されています。さらに日本では、ガソリンと軽油の税金が違うため、レギュラーガソリンより軽油の方が安く販売されています。
軽油車(ディーゼルエンジン車)のメリットとしては、一般的に、低回転で高いトルクが出るという特徴があるため、パワフルな走行が期待できることが挙げられます。また、軽油車はガソリン車に比べ、燃費が良いとされています。
軽油を使用した具体的な車は?
軽油を燃料として使用した車は、燃料価格や燃料特性を活かした車が多いです。トラックや建設車両等の重量物を運ぶ車や、バスなどの公共性の高い車などの多くに軽油が採用されています。
最近では、小排気量乗用車でも軽油車が普及し始めています
軽油を燃料として利用するディーゼル車は、日本国内では一昔前まで比較的大きな排気量モデルまでもが乗用車として製造・販売されていました。しかし、その後自動車排出ガス規制などによって日本国内のディーゼル車の新車登録が非常に少ない状況が続き、近年に至るまでの間で、あまり見ない車両となっていました。
そんな状況から一転して、昨今では、同じく軽油を燃料として利用するクリーンディーゼルエンジンの新開発等により、ディーゼルエンジの問題点であったエンジン音や環境への配慮も改善されたことで、排気量の大きい乗用車だけでなく、小排気量乗用車にも率先して搭載されるようになっています。
クリーンディーゼル登場の理由としては、高トルク特性や燃料価格の安さ、さらに燃費性能の良さなど、多くのユーザーが軽油車を望んだ結果といえるでしょう。
まとめ
軽油とレギュラーガソリンはともに、原油を加熱・蒸留して作られています。
軽油はガソリンに比べて高温・高圧で良く燃焼するという特性を持ち、レギュラーガソリンは常温でもよく燃焼する特性を持ちます。
同じく原油から精製されていますが、特性が異なり、給油の際に万が一軽油とレギュラーガソリンとを間違って入れてしまうと、エンジンが故障してしまう恐れがあります。誤給油をしてしまった場合は、速やかに専門家に相談するようにしましょう。
軽油は、その燃料特性・燃費性能の良さなどから、トラックやバスなど多くの車に利用されています。また、近年ではクリーンディーゼルエンジンが開発され、乗用車などにも広く採用されています。
軽油、レギュラーガソリンの違いなどを知ることで、それぞれのエンジンを用いた車の特性なども知ることが出来ます。
燃料の入れ間違いによる故障を防ぐためにも、軽油とレギュラーガソリンの違いについて理解しておくようにしましょう。