カーライフ
更新日:2020.06.09 / 掲載日:2020.06.09
自動ブレーキ義務化で補助金が給付される?対象者や交付額について解説!

グーネット編集チーム
近年販売されている新型車などの車両に搭載されてた、「歩行者や先行車両への衝突を抑制する自動ブレーキ」や「ペダルの踏み間違いによる急発進抑制装置」などの安全装備。このような機能を搭載した車(セーフティ・サポートカー)の愛称を、「サポカー」といいます。
その「サポカー」について、2020年3月9日以降に新たに購入したり、中古車に対して「サポカー」に準ずるように必要な装置を取り付けたりすることで補助金を受け取ることができる「サポカー補助金」が始まりました。
今回の記事では、「サポカー補助金」の対象者や交付される金額について解説します。
安全運転サポート車の購入を支援するサポカー補助金
「サポカー補助金」は、安全運転サポート機能を搭載する車の購入などを支援する補助金です。
安全運転サポート車には、自動ブレーキ機能を搭載した「サポカー」と、自動ブレーキ機能に加え、ペダルの踏み間違いによる急発進抑制機能を搭載した、高齢運転者に推奨される「サポカーS」の2種類が制定されています。
また、すでに所有している車に「ペダル踏み間違い急発進抑制装置」を後付けした場合にも、補助金が交付されます。
ペダル踏み間違い事故の実態
少子高齢化が進み、ペダルの踏み間違いなどによる高齢運転者の交通事故が増えています。2005年から、75歳以上の高齢運転者が起こした死亡事故の比率は、死亡事故件数全体に対して年々上昇しており、2016年には13.5%を占めています。
同じく2016年の警視庁の発表によると、75歳以上の高齢運転者が起こした死亡事故459件のうち、アクセルとブレーキの踏み間違いによる死亡事故は5.9%にのぼり、ハンドルの操作不適なども含めると、28%が車の操作不適による死亡事故ということがわかりました。
このような事故を減らすため、国土交通省と経済産業省が指導をおこない、各自動車メーカーは安全運転サポート装置の開発を進め、多くの新型車で搭載されるようになりました。高齢運転者に対して技術的サポートを可能とする車の普及が、事故を減少させるための課題となっているのです。
サポカー補助金の交付額
「サポカー補助金」の交付額は、搭載される安全装置や購入方法などによって異なります。
「対歩行者衝突被害軽減ブレーキ」と「ペダル踏み間違い急発進抑制装置」の両方を搭載し、審査委員会の審査を経ている車種・グレードの場合、下記の補助金が交付されます。
・新車の普通車:10万円
・新車の軽自動車:7万円
・中古車:4万円
そして、「対歩行者衝突被害軽減ブレーキ」のみを搭載し、審査委員会の審査を経ている車種・グレードの場合、下記の補助金が交付されます。
・新車の普通車:6万円
・新車の軽自動車:3万円
・中古車:2万円
また、すでに所有している車両に、審査委員会の審査・認定を受けた「ペダル踏み間違い急発進抑制装置」を後付けする場合は、2万円の補助金を受け取ることができます(障害物検知機能付きは4万円)。
サポカー補助金の対象者
「サポカー補助金」の対象者は、下記となります。
・2020年度中に満65歳以上となる運転者
・2020年度中に満65歳以上となる運転者を雇用する事業者
車検証の使用者が申請をおこない、審査を経て補助金を受け取ることができます。
また、「ペダル踏み間違い急発進抑制装置」を後付けする場合の対象者は、2019年度中に満65歳以上となるドライバーへ後付け装置を販売する、「後付け装置販売事業者」の認定を受けた方となります。
サポカー補助金の対象車種&グレード
「サポカー補助金」を受けられる車は、2019年12月23日以降に新車登録された普通自動車・軽自動車と、2020年3月9日以降に中古車として登録された普通自動車・軽自動車です。
なお、下記2つの安全装置のうち、1と2の両方、もしくは1のみを搭載した車種・グレードが対象となります。
1.対歩行者衝突被害軽減ブレーキ機能
2.ペダル踏み間違い急発進等抑制装置機能
サポカー補助金の申請方法と交付までの流れ
サポカー補助金を受け取るには、申請が必要となります。申請開始日は2020年3月9日で、必要書類は以下のとおりです。
・補助金交付申請書
・車検証の写し
・車を購入したことがわかる書類(領収書の写しなど)
・申請者本人の運転免許証の写し
・補助金の振込先とする金融機関の通帳の写し
また、申請の手順は以下になります。
1.補助対象車両の登録・届出
2.車検証の使用者が補助金交付申請書類を作成
3.次世代自動車振興センターへ申請書類を郵送
4.審査・補助金交付決定
5.指定口座へ補助金を振込
サポカー補助金Q&A

グーネット編集チーム
サポカー補助金を受けるにあたり、よくある質問と回答をまとめました。ぜひ参考にしてください。
Q1.「サポカー」に減税措置はある?
「サポカー」を対象とする減税措置は、2020年5月現在でありません。
Q2.2020年度中に満65歳だが、登録時は64歳だったが対象になる?
2020年4月1日以降に、補助対象車両の登録や後付け装置の設置をされた場合は、登録や設置時に64歳でも対象となります。ただし、2020年3月31日までに登録・設置された場合は対象外です。
Q3.補助金はいつまで実施しているの?
サポカー補助金は、2021年2月頃までの申請受付を想定しています。予算額の約1,127億円を超える場合には、申請期間内であっても募集を終了します。
Q4.CEV 補助金との併用はできる?
CEV補助金(クリーンエネルギー自動車導入事業費補助金)との併用は可能です。
Q5.サポカーとサポカーSの違いって何?
サポカーは、「対歩行者衝突被害軽減ブレーキ機能」を搭載した、すべての運転者に推奨される自動車を指します。サポカーSは「対歩行者衝突被害軽減ブレーキ機能」に加え、「ペダル踏み間違い急発進等抑制装置機能」などを搭載した、特に高齢者に推奨される自動車です。
まとめ
今回は、自動ブレーキ義務化にともなう補助金の交付額や対象者についてご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?
今回の内容をまとめると、以下のようになります。
・サポカー補助金には「サポカー」と「サポカーS」の2種類がある
・サポカー補助金は年々増加する高齢者の事故を減少させるための取り組み
・サポカー補助金の交付額は最小2万円から最大10万円まで
・サポカー補助金の対象者は主に2020年度中に満65歳以上となるドライバー
サポカーは通常の車に比べて安全性が高いので、これを機にサポカーへの乗り換えを検討されてはいかがでしょうか?