カーライフ
更新日:2020.06.09 / 掲載日:2020.06.09
車の「わ」ナンバーの意味は?レンタカーに使われているって本当?

グーネット編集チーム
車への装着が義務付けられているナンバープレート。そのナンバープレートに記載されている文字や数字には、様々な意味があります。
そのうちの一つとして数字の前に「わ」が書かれたナンバープレートを付けている車は、レンタカーであるという話を聞いた方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、「わ」ナンバーが実際にレンタカーに使われているのかの確認も踏まえ、「わ」ナンバーの意味や歴史、「わ」ナンバーを使用する条件や登録方法についても解説していきます。
車の「わ」ナンバーってなに?
車のナンバーには「わ」以外にも多くの平仮名が使用されており、車両の使用目的によって使い分けられています。
車のナンバーに使用される平仮名は、すべての平仮名が使われているわけではなく、「誤認識しやすい」「縁起が良くない」などの理由で使われていない文字もあります。
現在、車のナンバーで使用されていない平仮名は「お、し、へ、ん」です。「お」は「あ」との誤認識を避けるため、「し」は死を連想させるため、「へ」は屁を連想させるため、「ん」は発音しづらいため使用を禁じられているといわれています。
ここでは、どのような場合に「わ」ナンバーが使われるのかについて解説します。
「わ」ナンバーはレンタカーなどの貸渡用の車に使用する
「わ」ナンバーは、貸渡用の車両に使用される平仮名です。貸渡用車両とは、事業用に所有されている車両のうち、他人に貸し出すことを目的としているもののことで、レンタカーもここに含まれます。レンタカーのほかには、カーシェアリング用の車両にも「わ」ナンバーが使用されます。
貸渡用ナンバーには「れ」「ろ」ナンバーもある
貸渡用ナンバーには「わ」ナンバーのほかに、「れ」ナンバーや「ろ」ナンバーも割り当てられています。「れ」ナンバーは4輪車に、「ろ」ナンバーは小型2輪車に用いられます。
レンタカーをはじめとした貸渡用の車においては「わ」ナンバーをよく目にするかと思いますが、近年では、貸渡用として登録される車両が増えたこともあり、「わ」ナンバーが枯渇し、「れ」ナンバーや「ろ」ナンバーが用いられてきています。
サービスでも異なる「わ」ナンバー事情
「わ」ナンバーの使われ方は、車両貸渡サービスの種類によっても異なります。
「わ」ナンバーが使われるのはカーレンタルとカーシェアリングのみです。これは、カーレンタルやカーシェアリングでは車両の貸渡が一時的であるためです。
カーリースも車を貸し出すサービスの一種ではありますが、車両の使用者名義が賃借人になるため、リース車には「わ」ナンバーは付与されず、一般自家用車が用いる平仮名が使用されます。また個人カーシェアで使われる車両は、基本的に事業用のものではないため、普通ナンバーが使用されます。
車で使われる「わ」ナンバーの歴史
続いては、「わ」ナンバーの歴史をご紹介します。特に北海道と沖縄には、「れ」ナンバーに関する特別な事情があります。ここでは、「わ」ナンバーの歴史についてみていきましょう。
当初から貸渡用ナンバーには「わ」と「れ」があった
そもそも道路運送車両法では、貸渡用ナンバーとして「わ」と「れ」の両方の使用が許されています。この決まりが導入された際に、多くの地域が「わ」の使用を選びましたが、北海道は「れ」の使用を選ぶようになりました。また、長崎・鹿児島の離島でも、本島と区別するために「れ」が用いられていました。
しかし、現在では、これらの地域でも次第に全国に合わせて「わ」ナンバーを使うようになっていきたため、北海道や長崎・鹿児島の離島で「れ」ナンバーの車を見かける機会も少なくなってきているといわれています。
沖縄では今でも「れ」ナンバーが存在する
沖縄県では当初「わ」が貸渡用に交付されていました。しかし、観光客が多い沖縄では、レンタカーの台数増加にともなって「わ」ナンバーが枯渇してしまいました。
そのため、2015年から「れ」ナンバーが貸渡用として交付され始めたのです。現在沖縄県では「わ」と「れ」が貸渡用のナンバーとして混在して存在しています。
貸渡用を表す「わ」ナンバーは嫌われていた
車を持っていることがステータスだった時代には、レンタカーとして広く認知されている「わ」ナンバーは、好まれない傾向にありました。
しかし、レンタカーやカーシェアが広く普及した現代では、「わ」ナンバーの車でも気にならないという人々が増えているようです。
車の「わ」ナンバーは自由に登録できる?

グーネット編集チーム
貸渡用ナンバーである「わ」ナンバーは、誰でも登録することができるのでしょうか?
結論からいえば、国によって定められた基準をクリアできている事業者や法人でなければ、「わ」ナンバーで登録することはできません。
ここでは、「わ」ナンバーが使用できる条件や、「わ」ナンバーの登録方法について解説します。
「わ」ナンバーが使える条件
自家用自動車の有償貸渡を業とする、自家用自動車有償貸渡業(レンタカー事業)のみが、車のナンバーに「わ」ナンバーを使用することができます。
レンタカー業の事業者としての許可を取得したうえで、ナンバー登録の届出をおこなうことで、有償貸渡用の車両ナンバーである「わ」ナンバーの使用が可能になります。
「わ」ナンバーの登録方法
「わ」ナンバーの登録において時間を要するのは書類の準備です。国が定めた自家用自動車有償貸渡許可申請書に必要事項を記入し、添付する書類を準備します。そして、事業所が存在する都道府県の運輸支局に足を運び、書類を提出します。
運輸支局内での審査に合格すると、許可証とともに、「レンタカー事業者である証明書」を受け取ることができます。この許可証とともに、登録する車両の車検証などの書類を運輸局の登録窓口に提出することで、「わ」ナンバーが交付されます。
書類審査の期間は約1ヵ月といわれていますが、申請が多い時期にはそれ以上の日数がかかることもあります。「わ」ナンバーを登録したい時期が決まっている場合は、余裕を持って許可申請書の提出をおこないましょう。
まとめ
今回の記事では「わ」ナンバーの意味や歴史、登録方法などについてご紹介しました。
「わ」ナンバーは、事業用に所有されている車両のうち、他人に貸し出すことを目的としているものに付与されるナンバーです。また、「わ」ナンバーの登録は自家用自動車有償貸渡業者のみに限られており、一般の個人が「わ」ナンバーを取得することはできません。
レンタカーといえば「わ」ナンバーが一般的ですが、都道府県によっては「れ」ナンバーも使われています。沖縄に滞在する際には、今ではあまり見ることのできないとされている「れ」ナンバーを探してみてはいかがでしょうか。