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更新日:2020.06.09 / 掲載日:2020.06.09
車の自動運転が拡大?車のIoTの仕組み・メリット・セキュリティ面の課題

グーネット編集チーム
モノをインターネットに接続して管理・操作するIoTは、車の自動運転技術にも活用されています。
しかし、IoTはどのようなものなのか、IoTによって自動運転が実現すると言われているが、なぜIoTによって自動運転が可能になるのか、など詳しくはIoTについてよくわからない方も多いでしょう。車のIoT化は事故を防止する効果が期待できる反面、セキュリティ面の課題があることも事実です。
今回は、IoTの概要と自動運転の仕組み、IoT化によるメリットとセキュリティの課題について解説します。
車のIoT化と自動運転の仕組み
IoTの基礎知識と、IoTによる自動運転の仕組みを紹介します。IoT技術が加速する理由も含め、車を取り巻く状況の変化を把握しましょう。
そもそもIoTとは?
IoTとはモノのインターネット(Internet of Things)という意味で、インターネットを経由してモノと通信する技術のことです。
テレビやエアコンなどの家電、自宅のドアや窓、車といったインターネットの接続がないアナログ機器にセンサーをつけることで、インターネットによる連携や操作が可能になります。例えば、エアコンの電源を遠隔操作する、ドアや扉の開閉を感知する、といった技術はIoTによるものです。
IoT化による自動運転の仕組み
IoT化で実現する自動運転は、車に搭載したセンサーとAI(人工知能)の技術によるものです。
車のセンサーが収集した走行状況や位置情報のデータをAIが分析し、その分析結果を車に送ることでデータに応じた運転ができるという仕組みです。一定条件下で運転操作は車がおこない、緊急時のみ運転手が対応する、「自動運転レベル3」の車の走行が2020年4月から可能になっています。
IoTが加速する背景
家電やスマートスピーカーといったIoTが実生活に浸透しつつある中、自動運転はIoTの世界でもっとも期待されている分野です。また、今後さらに拡大する「5G」が自動運転技術に欠かせない点もIoT化が加速する重要な背景であるといえるでしょう。
自動運転で取得するデータは1日で4TBという試算があるうえに、走行中のデータをリアルタイムで収集しなければなりません。「高速・低遅延・大容量・多接続」という通信が可能になる5Gは、自動運転の実用化を後押しする存在といえます。
車のIoT化による自動運転のメリット
IoTによる自動運転のメリットとして、渋滞の緩和や事故の防止が挙げられます。
車に搭載したセンサーで渋滞や工事中などの道路状況を把握でき、車の流れをスムーズにすることで渋滞の緩和につながります。また、運転操作から解放されることで、操作ミスによる事故やスピード違反の減少も期待されています。
また、IoTが収集した走行中のデータをAIが集約、分析することにより、事故に関する情報やノウハウを共有することも可能です。例えば、事故が起きやすい場所の情報を集約できれば、はじめてそこに訪れるドライバーに注意喚起ができるでしょう。
車のIoT化はセキュリティの強化が課題

グーネット編集チーム
インターネットを活用するIoTは、セキュリティの強化が目下の課題です。サイバー攻撃により突然ブレーキがかかるといった事故のリスク、セキュリティの脆弱性によるリコールなどの懸念があります。また、自動運転中に事故が起きた場合、事故原因がサイバー攻撃によるシステムの誤作動なのか、運転手の操作ミスなのか、判断がつきにくいことも課題の1つです。
これらの課題の取り組みとして、メーカーを超えた脆弱性の情報共有、車載LANのセキュリティ強化、安全性とセキュリティの両立を目的とした回復技術など、さまざまな課題について議論が交わされています。
まとめ
モノのインターネットであるIoTは、自動運転に欠かせない技術です。IoTの核となる車のセンサーが走行中に収集したデータをAIが分析し、最適な運転指示を車に送ることで自動運転を実用化に導きました。渋滞や工事中の道路状況をリアルタイムで把握できることが、渋滞の緩和や事故のない安全走行につながるのです。
IoTによる自動運転に必要な大容量かつ高速のデータ通信が可能となる5Gの存在も、自動運転の拡大に欠かせません。しかし、車のIoT化は事故の原因が判断しにくいうえに、サイバー攻撃などのセキュリティ面の脆弱性が懸念されています。とはいえ、課題解決に向けた取り組みも進んでいるため、自動運転は近い将来、身近なものになるでしょう。