カーライフ
更新日:2020.06.29 / 掲載日:2020.06.29
運転免許を自主返納すると受けられる特典(支援制度)と返納の手続き方法

グーネット編集チーム
高齢者ドライバーの交通事故を防止するため、免許証の自主返納を促す取り組みが進んでいます。その一環として、免許証を自主返納することで、さまざまな特典が受けられる支援制度も行われています。
しかし、身近に自主返納をした方がいない場合、具体的にどのような特典があるのか、自主返納はどうやればいいのか、ご存じない高齢ドライバーも多いはずです。
今回は、免許証の自主返納で受けられる具体的な特典や支援制度の内容、自主返納の手続き方法について解説していきます。
運転免許の自主返納特典(支援制度)とは?
免許証の自主返納で特典を実施する理由を踏まえ、具体的な特典の内容を見ていきましょう。
特典(支援制度)が実施される理由
免許証の自主返納による特典の実施は、公共交通機関の利用促進や、車を運転しなくなったあとの生活をサポートすることが目的です。
免許証の自主返納率は上昇傾向にありますが、病院や買い物の足として免許証を手放したくない高齢者ドライバーも少なくありません。そのような高齢者ドライバーの交通手段を確保し、自主返納を促すことも背景にあります。
また、高齢者ドライバーの相次ぐ交通事故事に対し、本人よりも家族が不安を感じる方が多いようです。日常的に運転していた高齢者ドライバーほど、家族が自主返納を説得しても応じないケースも少なくありません。
警察庁の調査において、「自主返納の特典を知らない」と回答した高齢者ドライバーは6割を超えています。自主返納で特典があることを家族が伝えると、自主返納を検討してくれるかもしれません。
免許自主返納の主な特典(支援制度)
免許証の自主返納で受けられる、主な特典や支援制度は次のものが挙げられます。
・路線バスの乗車運賃割引
・タクシー料金の割引、回数券の交付
・宿泊施設、観光スポット、レジャー施設などの料金割引
・デパートや小売店の購入代金を割引
公共交通機関や商業施設、レジャー施設などの割引が全国的に見受けられます。特典の種類が多い東京都の場合、行政書士の初回相談料無料、人間ドックの割引、墓石や仏壇の割引など、ほかの自治体にはない取り組みを行っています。
運転免許を自主返納する手続き方法

グーネット編集チーム
免許証の自主返納をするにあたり、返納手続きと特典を受ける方法を把握しましょう。
手続きは警察署・運転免許センターの窓口で
免許証の自主返納は、住所を管轄する警察署、または運転免許センターで手続きをします。手続きに必要な持ち物は、返納する免許証と印鑑の2つだけで、手数料もかかりません。
申請の際は運転者本人が窓口に出向き、所定の申請用紙に必要事項を記入します。その書類と免許証を提出するだけで、返納手続きは完了です。
特典を受けるには運転履歴証明書の申請が必要
自主返納の特典を受けるには、「運転履歴証明書」の申請が必要です。運転履歴証明書は、免許証の返納手続きと同時に申請すると取得可能で、免許証に代わり身分証明書にも使うことができます。
運転履歴証明書の申請には、証明写真(縦3cm×横2.4cm・撮影6ヵ月以内)と1,000円程度の交付手数料が必要になります。ただし、証明写真は警察署で申請する場合で、運転免許センターはその場で写真撮影が可能です。返納手続きと別日に運転履歴証明書を申請する場合、住所と生年月日を確認できる住民票の写しや健康保険証などの書類が必要です。
また、運転履歴証明書が交付されない場合もあります。自主返納後、または免許失効から5年以上経過すると、運転履歴証明書の交付は受けられなくなります。交通違反で免許取り消しになった場合、年数を問わず運転履歴証明書は交付されないので注意しましょう。
まとめ
高齢者ドライバーの免許自主返納の取り組みとして、公共交通機関や商業施設などの割引が受けられる特典を実施しています。生活必需品の車を失うことにためらう高齢者ドライバーでも、生活をサポートしてくれるので安心です。
自主返納の手続きは、免許証と印鑑さえあれば手続きが完了します。特典を受けるには運転履歴証明書が必要になるので、同時に申請することをおすすめします。
ただし、自主返納後、免許失効後から5年経過すると、運転履歴証明の交付が不可能になるので、なるべく早めに申請しましょう。