カーライフ
更新日:2020.09.25 / 掲載日:2020.09.25
雨の日は車のブレーキが効かない?雨と晴れでの制動距離の違いについて

グーネット編集チーム
車を運転していて、雨の日はブレーキが効きにくくなると感じたことはないでしょうか。
今回は制動距離の観点から、雨の日が晴れの日と比べてブレーキが効きにくい理由を解説していきます。
ブレーキの制動距離とは何?
車が停止するまでの距離には、「空走距離」と「制動距離」と呼ばれるものがあります。
空走距離は、ドライバーが危険を察知してブレーキを踏むまでの間に車が進む距離を指し、制動距離は、ブレーキが踏まれてから実際に車が停止するまでに車が進む距離を指します。そして、これら2つの距離を合わせたものを「停止距離」と呼びます。
車はすぐに止まることができない
走行中の車はすぐに止まることができません。スピードが上がるにつれて空走距離、制動距離がともに長くなっていきます。
30km/hと60km/hの場合を例に挙げると、スピードは2倍であるのに対して停止距離は倍以上、制動距離はおよそ3倍にもなります。
雨の日は車の制動距離が晴天時の約1.5倍伸びる

グーネット編集チーム
雨の日は、晴天時に比べて事故の発生件数が増えます。これは、晴れている日に比べてブレーキが効きづらくなるためです。
一般的に、雨の日や路面が濡れているときの制動距離は、晴れている日の約1.5倍といわれています。
雨の日の運転で起こる現象
雨の日は路面が濡れていることによって、さまざまな現象が起こります。
・制動距離の伸び
・視界不良
・スリップ
・ハイドロプレーニング現象
先述のとおり、雨の日は制動距離が伸びるため、事故を起こしやすくなります。さらに、雨の日は視界が悪く視認性が落ちるため、危険の察知が遅れて空走距離が伸びることも考えられるでしょう。
また雨の日には、タイヤのスリップや、路面とタイヤの間に水が入り込んでタイヤが浮き、ハンドルやブレーキが制御不能になる「ハイドロプレーニング現象」が起こる可能性もあります。
「視界不良」を除き、いずれもスピードの出し過ぎや急ブレーキが原因で起こる現象です。
雨の日の急ブレーキには注意が必要
雨の日で路面が濡れているとタイヤとの摩擦が減り、晴天時よりも急ブレーキによるスリップが起こりやすくなります。ドライバー自身、滑りやすくなっていることは走行中には気づきにくく、ブレーキを踏んで初めて滑りやすいことに気づくケースもあります。
事故を起こしてからでは遅いので、雨の日はいつも以上に車間距離を保ち、急ブレーキを踏まずに済むよう、スピードを落として運転することが重要です。
雨の日の車の運転!安全運転をするにはどうしたらいい?

グーネット編集チーム
雨の日に安全運転するためには、どのような点に気を付ければよいのでしょうか。
ここでは、お出かけ前のチェックポイントや注意点を紹介します。
タイヤが劣化していないか、溝が摩耗してないかを確認する
タイヤの空気圧が高すぎたり、タイヤの溝が摩耗していたりすると、制動距離がさらに伸びてハイドロプレーニング現象を起こすリスクが高まります。
タイヤの他にも、視界を確保するためのワイパーやガラスの曇りを除去するエアコンなど、視界を確保する装備に問題がないかもしっかりとチェックしましょう。フロントガラスには撥水剤をかけておくと、より安心です。
スピードの出し過ぎに注意する
スピードが上がるにつれて制動距離が長くなるうえに、スリップやハイドロプレーニング現象が起こる危険性も高まります。
雨の日の運転ではスピードを出しすぎないよう、晴天時以上に注意しましょう。
まとめ
雨の日の運転は晴天時よりもブレーキが効きづらく、停止するまでの距離が長くなります。このことを理解してスピードの出しすぎに注意していれば、不慮の事故を防ぐことにつながるでしょう。
雨の日は視界確保も重要です。エアコンやワイパーを確認し、フロントガラスに撥水剤を塗布するなどして視界不良にならないよう対策しましょう。