カーライフ
更新日:2021.03.10 / 掲載日:2021.03.10
【グー連載コラム】永福ランプのマニアック車パトロール隊(2021年3月)
【今回のマニアック車】 トヨタ ランドクルーザー70
発見したのは、2014年にランクル70系誕生30周年を記念して復刻されたモデル。元祖70とは微妙に内外装が異なるのは、マイチェンを受けた輸出仕様がベースになっているからだ。
ファミレスで復刻版を見つけたから!
エンジンをディーゼルからガソリンにチェンジし、ABSを装備するなど、最小限の現代化を図りつつ、14年に限定で復刻されたランクル70。当時、この復刻版のおかげで初めて70に乗った私は、全然まっすぐ走らないことに感動した。昔のリジットサスのクロカン4WDは、直進性がこんなにも悪かったのかと、そのとき初めて思い知ったのでした。
それも、すべては悪路走破性や耐久性のため。まっすぐ走らないことは、レトロな本格クロカンの勲章なのである。ランボルギーニ・カウンタックは、後ろが見えないことが勲章であるように。
その復刻版ランクル70だが、現在でも大人気で、中古車相場は300万円から450万円もする。さすが名車だが、さすがにおいそれと手を出せる値段でもない。
しかし、元祖のほうのランクル70なら、お安いタマがある。グーネットで検索したところ、一番お安いものは、ギリギリ100万円を切っていた! 95年式で走行40万km近いツワモノであった。
100万円切りはその1台だけだったが、100万円台なら30台近くが流通していた。そのほぼすべてが、走行20万kmオーバーとは、さすがランクル70の耐久性はすさまじい。
考えてみれば、ランクル70にとって走行距離が多いことは、パーフェクトに勲章ではないだろうか? つまり、安い個体ほどたくさんの勲章をぶらさげている英雄なのだ。
カウンタックのオーナー(筆者)が、後ろが見えないことを自慢するように、ランクルオーナーは、走行距離の多さを自慢しているはず。そんな自慢の英雄ほど安く買えるのは幸いだ。思い切って最安クラスのランクル70にチャレンジしてみれば、そこにはステキな世界が広がっているかもしれない!
経歴
1984年 40系の後継として登場
それまで販売されていた40系ランクルに代わる新型モデルとして誕生。幌のオープントップ仕様やウインチ装着車などもラインアップされていた。
1990年 派生車種「プラド」誕生
ライト版として85年から設定されていたワゴンモデルが、「プラド」のサブネームを与えられて独立。都会的な雰囲気のクロカンSUVとして人気に。
1999年 サスペンション変更
前後ともリーフスプリングのサスペンションだったが、フロントのみコイルスプリング方式へと変更されて、乗り心地の改善が図られた。
2004年 国内販売を終了
乗用ワゴン系は80から100と続くなか、ヘビーデューティ系の70は生産を終了。ただ、悪路走破性や信頼性が求められる海外市場では生産が続けられた。
2014年 発売30周年記念で再販
70には根強いファンが存在することもあり、誕生30周年の記念に期間限定で販売された。内外装と安全装備は現代的にリファインされている。
マニアック指数 70点
グーネット掲載車価格帯 100万から849万円
2014年から1年間限定だった復刻版70系は大人気となり、なんと7100台超の受注があったという。ただ元祖70系も含めれば、レア度はそれほど高くはない。今後も長く愛され、廃車になるクルマはほとんどないだろうから、絶滅する心配もない。
ピピーッ! 取り締まります
ピピーッ! 取り締まります
自動車評論家 永福ランプ
かつて(今も)清水草一、以前はMJブロンディ、そして現在は永福ランプと名乗る。カーマニアを自称し、街中を走るマニアック車を見つけ出すことに老後の楽しみを見つけた。
(掲載されている内容はグー本誌2021年4月号の内容です)※中古車価格はグーネット 2021年2月調べ。記事中の価格は参考であり、中古車価格を保証するものではありません。