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更新日:2024.06.24 / 掲載日:2019.10.17
AT免許からMT車を運転可能にする限定解除の方法と手続き
AT限定の免許を取得しているが、やはりMT車が運転したくなった、 仕事の都合でMT車を運転しなければならなくなったというときに、 AT車からMT車へ免許証の条件変更ができる、 「AT限定解除」という方法があります。

そもそも免許の限定解除とは?

免許の限定解除とは?
限定解除とは、免許証についている条件を解除し、ほかの車種も運転できるようにする免許変更の審査のことです。限定免許でほかの車種を運転すると条件違反で加点されるため、限定解除の審査を必ず受けることが基本です。
限定解除の対象免許
限定解除が認められる免許は、以下のものが挙げられます。
・自動車・二輪車のAT車限定
・中型自動車免許8t限定
・準中型自動車免許5t限定
・普通自動二輪車免許小型限定
・大型特殊自動車免許カタピラ車限定または農耕車限定
・大型自動車免許自衛隊車両限定
限定解除で多いのは、AT車限定を解除してMT車を運転する、中型免許を限定解除して中型トラックを運転するといったケースです。
AT限定解除の方法
限定解除をするためには、2つの方法があります。
運転免許証センターに行く
1つは、運転免許センターに行き、技能審査を受けて合格したうえで手続きを行う方法です。指定日に運転免許センターで技能審査を受け、合格すれば限定解除されるのが基本的な流れです。ただし、免許センターによっては、免許の種別で技能審査の曜日が決められている場合があるので、事前に確認しましょう。
教習所に行く
もう1つは、自動車運転教習所の限定解除教習(4~6時間程度の所内教習)を受講し、審査に合格した後に運転免許センターで手続きを行う方法です。AT車の運転に慣れた人にとって、運転動作が異なるMT車をいきなり運転するのは至難の業ですから、教習を受講する方が無難でしょう。
もちろん、教習を受けるためには費用がかかります。一般的には、MT車とAT車、それぞれの免許取得にかかる額の差額分を、教習費用としている教習所が多いようです。
運転免許センターでAT限定解除の手続きをする場合
運転免許センターでAT限定の解除をする手順と、免許センターで手続きをするメリット・デメリットを紹介します。
運転免許センターで技能審査を受ける場合
審査を受けることができる免許センターの場所、日時、予約の要否を確認しておきます。審査を受けるには、試験手数料と試験車使用料の費用がかかります。
運転免許証を持参しましょう。場所によっては写真の持参を求められる場合もあります。運転免許センターに備え付けの申請書を提出し、技能審査を受験します。合格すれば、その日のうちに免許証の条件変更を行ってくれます。
免許センターで手続きをするメリットやデメリット
免許センターで手続きをする場合、技能審査の費用だけで済む、講習を受けないので時間がかからないというメリットがあります。費用は受験料1,450円、試験車使用料1,550円と安く、技能審査に合格すれば最短1日で限定解除が可能です。
しかし、MT車の操作に慣れていない状態で、免許センターの技能審査を一発合格するのは至難の業といっても過言ではないでしょう。MT車はAT車と運転操作が大きく異なるので、教習所に通ってから技能審査を受けることをおすすめします。
教習所でAT限定解除の手続きをする場合
自動車教習所で審査合格している場合
運転免許証と、指定校技能審査合格証明書を持参しましょう。運転免許センターに備え付けの申請書を提出すると、即日で免許証の条件変更を行ってくれます。その際手数料がかかりますので確認しておきましょう。
「指定校技能審査合格証明書」には、合格日から3ヶ月の有効期限があります。仕事などで忙しくて、行くタイミングを逃し失効してしまう、ということがないように、審査合格後は、速やかに運転免許センターに条件変更申請をしに行きましょう。
教習所に通うメリットやデメリット
教習所に通うと、MT車のクラッチ操作を身に付けられるのが大きなメリットでしょう。教習では実際に操作する中で教官の指導を受けられるので、より早くMT車の技能を習得できます。
デメリットといえる点は、費用と時間がかかることです。教習所で講習を受けると、費用は50,000円前後、4時限の講習が必要になります。教習所に通う方は、クラッチ操作をまったく知らない、確実に技能審査に合格したい方に適しているでしょう。
教習所でAT限定解除する場合の、講習内容や費用について

教習所で実施しているAT限定解除向けの講習では、教習所内のコース内で運転講習を最低4時間受けることになります。AT免許をすでに持っているので、学科教習や路上教習をすることはありません。
AT限定解除の技能審査では、以下のようにシフトレバーとクラッチ操作、運転走行をメインに学びます。
・クラッチ操作、ギア操作
・坂道発進
・発進、停車
・コース内での走行
・踏切での停車、発進
・S字、クランクでの走行
・方向転換
・縦列駐車
・バック駐車
・みきわめ(卒業検定を受けられる技能が身に付いたかどうかをチェックする)
教習所で講習を受ける際は、MT車の操作に慣れるほかに、教習所での決まり事を守ることが重要です。たとえば、車庫入れや方向転換は窓から顔を出して後方確認をする、踏切では窓を開けて音を確認するなど、普段の運転とは大きく異なる点がいくつもあります。これらの決まり事に従わない場合、審査に不合格となる可能性があるので注意しましょう。
教習所内のコースでこれらの講習を4時限受講した後、技能試験(卒業検定)を受験し、合格すると「技能審査合格証明書」を取得できます。この証明書を持って免許センターで手続きを行うと、技能審査が免除になり、即日で限定解除の免許を受け取れるという仕組みです。
そして、教習所にかかる費用は、50,000円前後が一般的のようです。しかし、技能試験に不合格となった場合、コース練習の補習と再試験を受けなければなりません。その都度、5,000円前後の補習費用、6,000円程度の検定料金が発生するので、1回で合格できないと費用が増えるので注意しましょう。
まとめ
限定解除は免許証の限定条件を解除して、ほかの車を運転できるよう、審査を受けて免許の内容を変更することです。限定解除の方法は、免許センターで技能審査を受ける、教習所で講習を受講して技能試験に合格後に手続きをする、という2つのルートがあります。
AT限定解除したい場合、MT車のシフトレバーやクラッチ操作に慣れないことが一般的でしょう。免許センターでいきなり技能審査を受けても合格は難しいので、教習所でしっかり講習を受け、技術試験を受けることをおすすめします。
AT限定解除のために自動車教習所に通うとどんな流れになる?
おおまかに以下の流れとなります。
①技能教習を最低4時間受講する
②教習所の技能試験に合格し「技能審査合格証明書」を取得する
③運転免許センターで手続きを行い、限定解除の免許を受け取る
AT限定解除、自動車教習所に通うと何日かかる?
教習所の技能教習を受けられるのは、原則1日2時間までとなっています。必要な4時間の講習を2日間で受講し、技能試験に1日とすると、最低で3日間かかることになります。しかし、技能試験に1度で合格しなければ補習と再試験のためさらに日数がかかります。
AT限定解除をしたら、免許証に書いてある「AT車に限る」の表記はどうなる?
AT限定解除した場合、免許証の裏面にその限定が解除された旨を記載(スタンプ等)してもらいます。免許証の再発行はされません。