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更新日:2024.06.24 / 掲載日:2019.10.17
マニュアル車(MT車)でのギアチェンジのコツやタイミングとは

グーネット編集チーム
マニュアル車(MT車)は、自動でギアチェンジを行うオートマ車と違って、ギアチェンジを自分で行うことができる車です。
ところで、このギアチェンジでは、何ができるのでしょうか?また、ギアチェンジのコツはあるのでしょうか?どのようなタイミングで行えば良いのでしょうか?
マニュアル車(MT車)でのギアチェンジで何ができるのか
車というのは、エンジンのシリンダー内で起こした爆発によって、ピストンの上下運動を発生させ、それを回転運動へ変化させています。エンジンの回転数には限界があり、仮にギアを設けずにエンジンとホイールを直結させてしまうと、車が出せる速度域というのはごく限られたものになってしまいます。そこで、マニュアル車は通常5個ないし6個という歯車(ギア)を用意して、速度域に応じてギアを使い分けています。
例えば、1速(最も大きい歯車)では、最もパワーが必要な発進などに使いますが、時速30km以上出すとエンジンの回転数が上がり過ぎて、それ以上スピードが出なくなります。そのため、ギアを2速(2番目に大きい歯車)、3速(3番目に大きい歯車)へと順番にチェンジしていき、加速していくように車は設計されています。これは、エンジンの最もパワーが出る回転域を上手に使うということも意味しており、限られたエンジンのパワーを上手に引き出すためにギアは存在しているのです。
ギアチェンジとは、それぞれの速度や状況などに応じた最適なギアを選択することです。
そのため、マニュアル車でのギアチェンジでは、車にとってちょうど良い力を得たり、車を走りやすい状態にしたりするための、ギアを選ぶことができます。
マニュアル車(MT車)でのギアチェンジのコツ
上手なギアチェンジでは、アクセルを離したらすぐにクラッチを踏み込んで、ギアをチェンジしたら、ゆっくりとクラッチを離していきます。
ポイントとなるのは、クラッチの離し方ですので、スムーズにできるようになるまで、安全なところで何度も練習することが大切です。
慣れてしまえば何の意識をすることなく、自然なギアチェンジが行えるようになります。
加速する際のギアチェンジのコツ
加速する際のギアチェンジの1つ目のコツは、次のギアにチェンジした時にスムーズにつながるようなスピードまで加速しておくことです。
この時に、スピードが足りないと4速にシフトチェンジしてもノッキングを起こしますし、スピードが出過ぎると4速でもエンジンの回転数が高くなり過ぎます。そのため、スピードメーターを見ながらちょうどいい速度に合わせるようにするのがコツです。
2つ目のコツは、クラッチを切るのと同時にアクセルを離すことです。
クラッチが切るのが早すぎると、エンジンがニュートラル状態で空ぶかしになりますし、アクセルを離すのが早いと、いきなりエンジンブレーキがかかって減速してしまいます。タイミングよく、同時に操作するのがコツです。
3つ目のコツは、クラッチの戻し方です。
現代のマニュアルミッションには、シンクロナイザーと呼ばれる、異なる回転数で回転しているものを摩擦の力によりシンクロナイズ(同期)させる機構が組み込まれています。そのため、空ぶかしなどを行わなくても、優しくクラッチをつなぐだけでギアをつないでくれるのです。ちなみに、1速から2速や2速から3速などの低いギアのシフトチェンジの時は、クラッチはゆっくり戻して優しくつないであげる必要がありますが、4速や5速などの高いギアのシフトチェンジ場合は、さっとつないでしまっても、ショックは起きにくいです。
減速する際のギアチェンジのコツ
減速する際のギアチェンジの1つ目のコツは、十分にスピードを落とすことです。
シフトアップと比べ、変速ショックが出やすいので、ギアチェンジの前に確実に速度を落としておきます。スピードの落とし方が甘いと、ギアをつないだ時に回転数が上がり過ぎて、ショックが大きくなります。
2つ目のコツは、変速先のギアの選び方です。
加速時は基本的に1つずつギアを上げていきますが、減速時は、状況によって5速から3速などの1個飛ばしでギアチェンジを行った方がいい場合があります。例えば、急に減速をしたような場合、すでに車速が落ち過ぎていて、4速につなぐとノッキングを起こす場合もあるのです。
3つ目のコツは、加速時と同じく、クラッチの戻し方です。
2速や3速などの低いギアの時は、クラッチはゆっくり戻して優しくつないであげる必要があります。
マニュアル車(MT車)でのギアチェンジのタイミング・流れについて

グーネット編集チーム
ギアチェンジのタイミングについては、一連の流れとして身に着けておくことが重要です。
ここでは、加速する際のギアチェンジの流れとして、3速で走っている状況で、前方の交通状況がクリアになり、4速で巡行する速度域まで加速する手順を説明していきます。
まずは、アクセルを踏んで4速の速度域のスピードにのせていきます。次のステップとして、クラッチを切るのと同時にアクセルを離します。さらに、3速から4速へシフトレバーを操作していきます。車種によってシフトパターンは異なりますが、無理な力を入れたりせず、落ち着いて操作を行います。この時に、手元のシフトレバーを見つめていると、前方の安全確認ができなくなるので、手の感覚だけで操作できるようになるまで練習が必要です。
最後に、クラッチを戻しながらアクセルをゆっくりと踏んでいきます。
次に、減速する際のギアチェンジの流れとして、4速で走っている状況で、前方のコーナーの前に3速に落とす場面を説明していきます。
まずは、4速のままブレーキを踏んで十分に速度を落とします。この時に、3速の守備範囲まで速度が落ちているのを必ず確認しておきます。そして、クラッチを切って、テンポよく4速から3速へシフトレバーを操作していきます。この時も、無理にシフトレバーをいじるような操作をせず、シフトレバーの自然な動きを利用して、シフトがミスなく移動したことを確認します。
最後に、クラッチペダルを優しく戻して、ギアをつないでいきます。
ギアチェンジのタイミングは、回転数で知ることもできますが、エンジン音や車の振動などで感じることもできます。
ギアチェンジせずに加速や減速を行っていくと、回転数が上がったり下がったりするため、
エンジン音や振動数が変わってくるのです。
そこで、そのタイミングでギアチェンジを行うと、比較的うまくいきます。
また、交通や道の状況などに合わせてギアチェンジを行うことも大切です。
まとめ
今回は、マニュアル車(MT車)でのギアチェンジのコツやタイミングについて、ギアチェンジの仕組みをはじめ、ギアチェンジの際に注意したいポイントやコツを含めて説明してきました。今回ご紹介したことは、一般的な内容であり、メーカー文モデルによっては、細かい操作方法や注意点が異なる場合もあります。いずれの場合においても、マニュアル車(MT車)でスムーズなシフトチェンジをするためには、操作方法によってどのように挙動に違いが生じるかを意識して練習することが重要です。