ドライブ
更新日:2020.01.08 / 掲載日:2019.10.25
犬が車酔いする原因とは?症状や対策、乗せ方や注意点についてわかりやすく解説

グーネット編集チーム
車に犬を乗せてのドライブ中に、犬の様子がおかしいと感じるようなことがあれば、それは、犬が車酔いをしているのかもしれません。しかし、本当に犬が車酔いしているのかどうか判断することは難しく、そもそも、なぜ犬が車酔いをするのか、わからない飼い主の方も多いのではないでしょうか?
犬が車酔いをする要因は1つではないうえに、車酔いの症状を見極めて、適切な対応をする必要があります。今回は、犬が車酔いをする要因と具体的な症状、車酔いしないための予防策について解説します。
犬が車酔いをしてしまう要因
犬の車酔いを引き起こす主な3つの要因と、車酔いを引き起こすメカニズムは次の通りです。人間と共通する要因が多くあるので、わかりやすいかもしれません。犬を車に乗せる機会がある方は事前にチェックしましょう。
三半規管や前庭の刺激による車酔い
犬も人間と同様に、車の揺れや振動によって、耳の奥にある三半規管や前庭が刺激を受けて車酔いになることがあります。
鼓膜の奥の内耳にある三半規管と前庭は、体の位置関係を感知して平衡感覚を保つための役割を持っています。体が揺れたり斜めになったりすると、三半規管を刺激して脳に異常信号が送られ、自律神経や平衡感覚が乱れることで車酔いの症状を引き起こす可能性があります。
過去のトラウマによる車酔い
過去に車酔いで嘔吐してしまったなどの、嫌な思い出がトラウマとなって、車の揺れなどがほとんどなかったとしても、精神的なストレスなどによって車酔いをしてしまうケースもあるようです。
また、敏感で不安を感じやすい性格の犬は車酔いしやすい反面、のんびりした性格の犬は酔いにくい傾向にあると言われています。
車内の匂い
犬の嗅覚は人間の100万倍以上あると言われており、匂いにとても敏感です。車内には、ガソリン、車用の芳香剤、食べ物、たばこ、整髪料、制汗剤などのさまざまな匂いが存在します。それらの匂いは人間には気にならない程度の匂いでも、犬にとって刺激臭となって車酔いを引き起こす可能性があります。
犬が車酔いしてしまったときの症状
車に乗っている最中に、犬が急に吠えだす、そわそわする、落ち着きがないといった状態は、車酔いの初期症状の可能性があります。犬が感じる緊張や不安といった感情が行動に現れはじめたら、車酔いのサインと考えていいでしょう。
また、初期症状が続くと、生あくびが増える、体が震える、よだれを垂らすという症状が現れる場合があります。これらは犬がストレスを感じていると考えられる症状であり、車酔いの症状が進行している可能性があります。
そして、更に症状が進んでしまった場合は、頭を下げてぐったりする、嘔吐をするという症状が現れる場合があります。その場合は、すぐに運転を中断するようにしましょう。窓を開けて新鮮な空気を入れる、外に出て休憩をとることが大切です。
もし、犬が嘔吐してしまった場合でも、あまり騒がずに、更にストレスを掛けてしまわないように注意をしましょう。また、犬が車酔いしやすい場合、運転に十分に注意することはもちろん、車にペットシーツやビニールシートなどを用意して、嘔吐などに対応できるようにしておくことをおすすめします。
車酔いの症状に対して、安静にするなどの対応をしても症状が改善しない場合は、医師に相談することをおすすめします。
犬が車酔いになった場合は、このように症状が進行してしまいます。ただし、あまりに症状が進んでしまうと犬もつらく、できる限り、吠えるや落ち着きがないといった初期症状の時点でも、車酔いの症状を緩和するように働きかけることが大切です。
初めて車に乗るときや、酔いやすい犬の場合、様子をこまめにチェックして適切にケアをするようにしましょう。
犬が車酔いしないようにするための対策

グーネット編集チーム
匂いをできるだけ無臭にする
車内の匂いはできるだけ無臭に近づけるように心がけます。
人間も車に乗るときに、キツイ芳香剤の香りやたばこの香りがキツイと、気分が悪くなる方も居ます。同じ様に犬もキツイ香りが苦手な場合があり、人に比べて顕著にその傾向が出ることがあります。
そのため、刺激になる匂いはできるだけ減らすことをおすすめします。犬にとってお気に入りの香りがある場合は、うまく取り入れるとよいでしょう。
揺れを防ぐ
車の運転時に犬の体が動くと車酔いしやすくなります。できれば慣れたキャリングケージに入れましょう。
ケージを足元に置いて固定したり、人用のシートベルトで固定すると車酔いしにくくなります。ケージを嫌がる場合は、犬用のシートベルトを使うのもよいでしょう。
それも難しい場合は、リードを付けてしっかり抱きかかえて車に乗せましょう。なでたり話しかけたりしてあげると安心するので、それも車酔い対策になります。
また、車の運転で急ブレーキや急発進などを繰り返すと、体が動くので車酔いしやすくなります。急発進・急ブレーキを避け、カーブを曲がる際はスピードを落とすなど、快適な運転を心がけ車酔いの原因となる揺れを防ぎましょう。
換気をする
運転中は時々窓を開けて換気をするのもよいでしょう。
時々車の窓から顔を出している犬を見かけますが、オートウインドの誤操作での事故につながることがあるので、顔が出ないくらいの程度で窓を開けて換気をするようにしましょう。
事前の食事に注意する
愛犬が車酔いしやすい場合は、いつもの食事量の3分の1ほどを車に乗る30分くらい前までに済ませ、食べ過ぎには注意しましょう。
また、トイレは車に乗る前に済ませておきましょう。
こまめに休憩をとる
犬が車酔いをしないようにするためにも、こまめに休憩をとることが大切です。
2~3時間を超えるような長時間のドライブの際は、30分ごとに休憩をとるのが理想的です。休憩をする際は、体を動かすことで気分転換にもつながるので、車を停めた際はなるべく外に出してあげることをおすすめします。
休憩中はトイレを済ませ、のどが渇いているようなら水を飲ませてもいいでしょう。安全なエリアを選び、風に当たりながら少し歩かせると犬の体調も整うはずです。また、ドッグランを併設しているサービスエリアも増えているので、これらを上手に活用するといいでしょう。
定期的に休憩をとることはもちろん、車酔いの初期症状が出たら、すぐに休憩をとるようにしましょう。
何度も車酔いをしてしまう場合は獣医師に相談を
対策をしても毎回車酔いして吐いてしまうという場合は、かかりつけの獣医師に相談してみましょう。
薬の処方には症状や個体差もありますので、飼い主では判断せずきちんと相談することが大事です。
犬の車の乗せ方と乗せる際の注意点
犬を車に乗せるときに、座席の指定やシートベルトの義務はありません。
そのため、犬を車に乗せるときは、どこの席でも問題はありませんが、場合によっては、キャリングケージに犬を入れて人用シートベルトで固定したり、犬用シートベルトを使って愛犬を事故の衝撃から守ることも安全対策としては有効です。
また、車から降ろすときはリードをしっかり持って、犬が急に車から飛び出しても対応できるようにしておきましょう。
なお、犬は体温調節が難しいので、駐車後に車内に犬を乗せたままにするのは絶対にしないようにしましょう。数分でも熱射病になる場合があります。
初めて車に乗せる場合は短い距離に留める
慣れないうちは、車に乗るのも犬にとってはストレスになります。初めは短い距離のドライブから始めましょう。
目的地についたらしっかり遊んだり走らせたりして、気分転換をさせ、ドライブは楽しいことを教えていきましょう。
まとめ
犬を車に乗せる際は、車酔いをする可能性があることを飼い主が理解する必要があります。運転の揺れを防ぐケージに入れる、食事の与え方を考えるなど、飼い主側が車酔いをさせないような対策を行うことが大切です。
また、もし車酔いの症状が現れたら、初期症状であっても休憩をとるようにしましょう。
車酔いの防止対策と、車酔いをしたときの適切な対処方法をしっかり把握して、愛犬と一緒にドライブを楽しみましょう。