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更新日:2020.01.08 / 掲載日:2019.10.18
車の死角対策としてできることとは

グーネット編集チーム
車を運転していて、特に変わったところのない普通の道路でも、安全確認のやりづらさを感じる場所や、事故の危険性にヒヤリとした経験はないでしょうか。事実、どのような道を運転するにしても、事故の危険は身近なところにあります。
特に危険そうに見えない普通の道路でも事故のリスクが生まれる理由は、様々な理由によって生まれる「死角」にあります。すなわち、運転者にとって「見えそうで見えない領域」が道路のあちこちにあるからです。
車の構造上、普通に運転していても、どうしても死角が生じてしまいます。安全だと過信して運転してしまうと、交通事故にもつながりかねません。車の死角はどこにできるか、また死角対策として何ができるかをご紹介します。
ピラーによる死角と対策
車の前後左右にはピラーと呼ばれる柱があり、ガラスの仕切りになっています。このピラーの部分に歩行者などが隠れてしまうことがあります。
この死角の対策としては目視を行います。なんとなく見るのではなく、頭を動かして角度を変えて目視を行いましょう。特に曲がるときは、歩行者や二輪車が前や後ろのピラーに隠れてしまうことがあるので、しっかり目視確認をする必要があります。
サイドミラーによる死角と対策
サイドミラーの左右斜め後ろは死角になります。またサイドミラーでは、真横は確認しづらい場合があります。そのため、後ろから来る二輪車を見落としがちです。
対策としては、サイドミラーに頼らず目視を行うことがまず挙げられます。その他にできる対策として補助ミラーを付けるのも良いでしょう。また、別途費用はかかりますが、サイドカメラを設置すると、より死角対策ができます。
車の前後の死角と対策
車の構造上、運転席は車道よりも高い位置にあります。そのため、運転席から前と後ろを見たときに車の前後に死角ができます。車の前後の死角は発進時に事故につながることが多いです。駐車している車の周りで遊んでいた子どもに気づかずに発進して事故が起こるのは、車の前後の死角が関係しています。
対策としては、車に乗る前に周りに子どもがいないか確認してから乗りこむこと、発進前にミラーや目視で誰もいないか確認することが挙げられます。後ろの死角については最近の車ではバックモニターが付いている車種も多いので、そちらを上手に利用するといいですね。大型車ではアンダーミラーが付いているので発進時に確認を行いましょう。
他の車や建物によってできる死角と対策

グーネット編集チーム
対向車線に駐車しているトラックがいたり、道路横に大きな看板があったりすると、看板や車の後ろの歩行者が隠れてしまうことがあります。また、交差点で右折待ちの車がいる場合、その車の後ろから来る二輪車を見落とすことなどもあります。
対策としては目視で確認することは必須です。歩行者や二輪車がいることを想定してスピードを落として運転し、死角から歩行者が出てきても対応できるようにしておきましょう。運転するときに視界を広くとるように心がけて、早めに死角になりそうな部分は確認するクセをつけておくと良いですね。
カーブによる死角と対策
カーブは見通しが悪くなりがちで、数メートル先の視界がカーブのせいで遮られてしまうといったことがよく起こります。実際、カーブを曲がり切ったところにいた前方車に気づくのが遅れそのまま追突してしまうというものは少なからずあります。
カーブでは遠心力が働きます。その遠心力はスピードを出していればいるほど、大きな力となるため、スピードを保ったままカーブに入れば、車体が外に投げ出され、対向車と正面衝突する危険性もあります。こうした観点からも、そもそもカーブに入る前にはしっかり減速し、前方の安全性を注意して見ておくべきなのです。
カーブは視界も悪くなりがち、微細なハンドル操作を求められるなど、注意を要する点が多くあります。カーブに入る際にはこうした危険性をよく理解し、慎重な運転に努めるべきでしょう。
カーブミラーの死角と対策
また、見通しの悪い交差点でも安全に運転するために大切なのが、カーブミラーを確認することですが、頼りすぎることも思わぬ事故を引き起こす原因となります。なぜならカーブミラーにも死角ができてしまうことがあるからです。
たとえばこれから交差点に入り、右折もしくは左折をしようとしているドライバーにとって、カーブミラーは遠くの方の視界を確保することに適していることが多いものです。夜道であれば、車やバイク、自転車の光は、カーブミラーがあるからこそ早めに気が付けるということもあります。
しかし一方で、交差点のすぐ脇あたりの位置は、運転者にとってカーブミラーの死角となりがちです。そのため、カーブミラーだけでは見落としを防ぎきるのが難しいことが多いと考えられています。
こうした位置の安全性については、ミラーに頼りすぎるのではなく、目視でも確実に確認するようにしましょう。
見通しの悪い交差点での死角と対策
また、住宅街などの狭く入り組んだ道では、見通しの悪い交差点なども多くなりがちです。たとえばブロック塀などが死角をつくり、安全確認の難しい場所など、日頃運転をし慣れている人であれば、思い当たる場所はあるのではないでしょうか。
このような場所でまず注意したいのは、交差点で左側の死角から突然自転車や歩行者が現れることです。本来はキープレフトの原則があるものの、それを守らずに道路の右側通行をする自転車などが突然運転者の視界に姿を現す場合があります。こうした場合、運転者にとって死角であるがゆえに対応が遅れてしまいがちです。
見通しの悪い交差点での事故を防ぐためには、死角の位置に自転車や原動機付き自転車、歩行者などがいる可能性をあらかじめ認識しておくことが大切です。まず停止線で一時停止し、それから少し自動車の頭を出して再度停止しましょう。こまめに停止を挟みながら徐々に車体を前に出すようにすれば、最終的には死角をつくらず目視で安全確認をすることができます。
車を運転していると死角ができるのは避けられません。対策として一番大切なのは目視、そしてマナーを守って運転することです。
ミラーはとても便利ですが、それだけで全ての死角を補えるわけではありませんし、余所見をしていたら全く意味がありません。必ず目視確認を行い、必要があれば車を降りて確認しましょう。