ドライブ
更新日:2019.06.20 / 掲載日:2016.04.21
助手席の人が飲酒をしていても罰金対象になるのか

goo-net編集チーム
「飲んだら乗るな飲むなら乗るな」は昔から言われていますが、
飲酒運転による死亡事故は無くなっていないのが現状です。
そこで一向に減る様子を見せない飲酒運転事故の撲滅を目指して、
平成19年と平成21年に飲酒運転に関する法改正が行われ、
飲酒運転をするドライバーの周辺にも罰則規定が設けられるようになりました。
「飲酒運転」に対しての罰則が厳しくなる中、
例えば、助手席の人が飲酒をした場合も罰則対象になるのでしょうか?
気になる素朴な疑問を、飲酒運転に関する罰則規定などと共に見ていきましょう。
「酒酔い運転」と「酒気帯び運転」に関する罰則
日本では「道路交通法第六十五条第一項」にて、
「何人も酒気を帯びて車両等を運転してはならない」と定められています。
ただし、アルコールの摂取状況は量や時間などによって差がありますので、
罰則規定は「酒酔い運転」と「酒気帯び運転」とに分けられています。
「酒酔い運転」とは、
「アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態」であるかどうかで判断されます。
直線の上をまっすぐ歩けるか、視覚や運動・感覚機能は正常か、
言語や判断力、認知能力は低下していないかなどの検査をして、
「誰が見ても酔っ払い」の状態だと「酒酔い運転」とみなされ、
5年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられます。
「酒気帯び運転」の場合は見た目酔っ払いではないが血中アルコール濃度が高いと、
3年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科せられます。
また血中アルコール濃度の数値によって違反点数が変動し、
濃度が高ければ高いほど違反点数は高くなります。
これはあくまで取り締まりなどで酒酔いや酒気帯びが判明した場合の罰則であり、
これにスピード違反や無免許、信号無視、物損事故、死亡事故などが重なると違反点数は累計され、
免許取り消しや最大3年の失格期間などが科せられてしまいます。
「酒酔い」「酒気帯び」問わず、
基本的にお酒を飲んだら運転をしてはいけないというのが大前提です。
飲酒運転者周囲(飲酒運転ほう助者)への罰則
飲酒運転が判明した場合、または飲酒運転で違反や事故が起こってしまった場合、
ドライバーの周囲の人間も罰則を受ける可能性があります。
例えば、飲酒する可能性がある人に車を貸すなどした場合、ドライバーと同じ処罰を受けます。
また、飲酒運転をする可能性があると知りながら酒類を提供した人や、
飲酒運転であると知りながら同じ車に同乗した人に対しては「飲酒運転ほう助者」とみなされ、
運転者が酒酔い運転は3年以下の懲役又は50万円以下の罰金、
運転者が酒気帯び運転は2年以下の懲役又は30万円以下の罰金が科せられます。
後を絶たない飲酒運転による事故を減らすためには、周囲の人の協力も不可欠なのです。
助手席の人が飲酒をしていても罰金対象になるか
ドライバーの飲酒によって受ける罰則は重いものですが、
では、助手席の人がドライバーのすぐ横で飲酒をしても罰則対象にはなるのでしょうか?
結論から言うと「飲酒運転」はあくまで運転者が飲んだか飲まないかに焦点が当てられているため、
ハンドルを握らない同乗者が助手席で飲酒をしても、罰則規定には該当しません。
ただ、中にはアルコール消毒で赤くなってしまったり、
アルコールを微量に含んだお菓子を食べただけで酔ってしまうほどお酒に弱い人がいます。
そういった人たちは、助手席の人が持つお酒の匂いや呼気で、
血中アルコール濃度が上昇するのではという心配もあるでしょう。
確かにお酒の匂いで気分が悪くなってしまう事はありますが、
基本的に、呼気やお酒の匂いで酔う可能性はほとんどありえないという結果が出ていますので、
助手席の人が飲酒をしても心配はないと考えられます。
しかし、アルコールの匂いで気分が悪くなって運転に支障が出てしまてもいけません。
アルコールの匂いが本当に苦手なら、助手席での飲酒を断るのも一つの防衛手段です。