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更新日:2024.02.07 / 掲載日:2019.10.25
坂道発進のコツとは?AT車・MT車ごとに坂道発進の手順を解説
坂道発進をする場合は、気を付けて行わないと、他の車と接触するなどの思わぬ事故につながる恐れがあります。また、坂道発進の際の操作が荒くなってしまうと、車がエンストする可能性もありますので、正しい操作方法で坂道発進を行う必要があります。
ここでは坂道発進時の注意点や、操作のコツについて見ていきましょう。
坂道発進とは?

坂道発進とは、坂道で停止状態の車が発進する際に、勾配に沿って下がってしまうことを防ぐための手法のことを言います。特にMT車を運転する際に必須となる運転技術となります。
坂道発進は、仮免許技能試験にも登場するほどの重要な運転技術の一つですが、クラッチ操作が難しく、失敗するとエンストしたり、坂道に沿って下がってしまったりする可能性もあるため、苦手意識を持つ人も多いかもしれません。
しかし、道路が渋滞した際に坂道で停車する場面や、赤信号で停車をする際に坂道で停車する場面など、坂道発進が必要となる機会も少なくありません。坂道での発進時に正しく坂道発進を行わないと、車が坂道に沿って進んでしまい、他の車と接触事故を起こしてしまう可能性があり、大変危険です。
スムーズに坂道で発進ができるように、坂道発進の運転方法について、きちんと把握しておきましょう。
坂道発進を行う際の注意点
坂道発進の際の注意点としては、上り坂では車が下に下がってしまうことが挙げられます。上り坂では車の重さに引っ張られるため、車が前に進もうとする力よりも下に下がる力の方が強く働きます。
それに対応するためにはアクセルを強く踏み込み、下がる力よりも前に進もうとする力を強くする必要があります。
しかし、アクセルを闇雲に強く踏んでしまうと急発進してしまい、前方の車に追突してしまう恐れがありますし、下り坂の場合でも急なスピードが出てしまう恐れがあるので注意が必要です。それを防ぐためにも、坂道発進をする上でのコツを身に着けることが大切です。
AT車で坂道発進する場合のコツ

AT車の坂道発進方法について解説いたします
坂道発進のコツは、AT車とMT車では違いがあります。AT車の場合はクリープ現象によって前進し続けるので、アクセルを軽く踏めば車が後退せずに坂道発進することが可能です。
しかし、急勾配の坂道はクリープ現象の力より後ろに引っ張られる力の方が強いので、この場合は、まずサイドブレーキ(ハンドブレーキ)をしっかりと引いて車が後退しないようにし、後退しないことが確認できたらアクセルを踏みます。
エンジン音が変わって車がガクンとなったら、後退する力より前進する力の方が強くなっている合図と言えますので、サイドブレーキを徐々に戻して車を前進させます。
AT車で坂道発進する際はどのギアが良い?
AT車で坂道発進する際に選択するギアは「Dレンジ」です。AT車は、ギアをDレンジに入れ、強くアクセルを踏まなければ、自動的に1速からスタートしてくれるため、スムーズに発進できます。
車種によっては「Lレンジ」などの坂道の走行に適したギアがついたマニュアルモードを搭載した車もありますが、そうした車種でも坂道発進時はDレンジに入れておけば問題ありません。むしろ、マニュアルモードを使用することで、誤って2速などのギアなどに入れてしまった場合に、スムーズに発進できなくなる可能性も出てきてしまいます。
AT車で坂道発進をする際にはマニュアルモードではなく、「Dレンジ」を使用することをおすすめします。
AT車で坂道発進した場合のエンストは、故障している可能性が高い
AT車はクラッチではなく、その多くは「トルクコンバーター」という仕組みを用いて動力を伝達するため、構造上エンストすることはありません。
そのため、もしAT車であるにも関わらず坂道発進でエンストしてしまった場合は、運転の仕方ではなく車の故障が原因である可能性が非常に高く、エンジンの不調やトランスミッション関係の故障が疑われます。
エンジンやトランスミッションは、車の走行にとって根幹をなすような重要な箇所になるため、早急にディーラーや整備工場で点検してもらうようにしましょう。
MT車で坂道発進する場合のコツ
MT車の坂道発進方法について解説いたします
MT車での坂道発進のコツは、まずAT車と同じくサイドブレーキを引いて車を固定し、平地の時より強くアクセルを踏みます。この時、クラッチペダルは踏んだまま半クラッチの位置で止めておき(半クラッチでギアをつなぐ)、サイドブレーキをゆっくり下ろして(外して)いけば完了です。
MT車では半クラッチの状態を上手く保つことが、上手に坂道発進するコツと言えます。
MT車の坂道発進でエンストしてしまう原因とは?
MT車の坂道発進でエンストしてしまう理由は、主に、クラッチの操作ミスが原因と考えられます。クラッチを繋ぐタイミングが早すぎる、もしくはエンジン回転数が低すぎるためにエンジンが負荷に負けて止まってしまいます。
MT車はAT車とは違い、機械的なトラブルが原因で坂道発進できなくなることは稀です。ゆっくりクラッチを繋ぐ、少し回転数を上げてからクラッチを繋ぐなどして対処しましょう。
MT車の坂道発進でエンストをしてしまった場合の対処方について
もしMT車の坂道発進でもしエンストしてしまった場合、焦らずにまずはサイドブレーキを引きましょう。車が勝手に後退すると危険なので、まずは車を止めることが第一です。
次にクラッチをしっかりと踏み込み、ギアをニュートラルにしてからエンジンをかけましょう。エンジンがかかったら再び1速にギアを入れ、あとは通常と同じ手順でもう一度坂道発進をしてください。
再度エンストするのが怖い場合は、先ほどより少しエンジン回転数を上げる、クラッチを更にゆっくり繋げるなどすることで、エンストしにくくなります。
まとめ
ここまで、AT車、MT車の坂道発進について解説してきました。上手に坂道発進するためのコツをまとめると、
・AT車の場合はサイドブレーキを引いてからアクセルを踏み、エンジン音が変わってからゆっくりとサイドブレーキを降ろす。その際ギアはDレンジに入れておく。
・MT車の場合は、半クラッチをうまく保つことが重要。サイドブレーキを引いてから半クラッチ状態をキープし、徐々にサイドブレーキを降ろしていくようにする。
以上が坂道発進のコツと言えます。スムーズな坂道発進を成功させることで、事故防止をはじめ、スムーズな運転にも繋がりますので、是非マスターしましょう。