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更新日:2018.12.22 / 掲載日:2018.11.21
ETC専用IC「スマートインターチェンジ」とは?SAのみの利用は可能?

2004年に一部地域で実験的な導入が始まったスマートICですが、今では全国の高速道路で本格導入されるようになりました。ETC専用ICとのことで、上手く活用すれば非常に便利な設備です。
もっとも、本格導入からまだ間もないため、よくわからない点が多々あるのも事実。そこで今回は、スマートICの概要や利用可能場所、利用上の注意点など、気になる情報をまとめました。
高速道路を便利に利用できる「スマートIC」とは
「スマートIC(スマートインターチェンジ)」とは、政府主導で設置が広がっているETC専用のインターチェンジ(IC)です。スマートICの設置目的は、「地域社会の活性化」「既設ICの円滑な交通」「ICアクセス時間改善」などがあげられます。
スマートICの種別
スマートICの種別は「SA・PA接続型」と「本線直結型」の2種類です。
「SA・PA接続型」とは、スマートICと高速道路の接続にサービスエリアやパーキングエリアを介するタイプのことです。対する「本線直結型」とは、スマートICで進入した先が直接本線に繋がっているタイプを指します。
スマートICと一般的なインターチェンジとの違い
まず1つめは、「係員がいないこと」です。スマートICの場合、係員がいない代わりに手前に通信開始装置が設置されています。
2つめは、「ゲート前で一時停止が必要な点」です。従来のICに設置されたETC用ゲートでは、一時停止をせずにそのまま進むことができます。しかしスマートICの場合はゲートの手前で一時停止後、道路側のアンテナとETCが通信をしてからでないと、ゲートが開かない仕組みとなっています。
メリットとデメリットは?スマートICを上手に利用しよう!
上手に利用すれば多くの恩恵が受けられるスマートIC。スマートICを利用する際のメリットとデメリットを知った上で、賢く利用するようにしましょう。
スマートICのメリット
スマートICには、主に以下のメリットがあります。
設置の際に既存のSA・PAを活用することができる
低コストで設置が可能
ドライバーが高速道路の乗り降りをする前にSA・PAに立ち寄ることができる
まず、高速道路が通り抜けるだけでICのない自治体の場合、その地域を通り過ぎる高速道路に設置されているSA・PAとスマートICが繋がれば、地域の活性化が期待できます。
必要な設備は、バーとアンテナ、監視カメラ、通信装置など簡易なもので済む上に、常駐の係員を必要としません。そのため、コストを低めに抑えることが可能です。
利用者の目線では、高速道路の乗り降りの前にSA・PAに立ち寄り、食事の準備や燃料補給ができる点がメリットです。
スマートICのデメリット
基本的にメリットの方が多いスマートICですが、デメリットも見られます。
スマートICは場所によって、利用可能な時間が決められていたり、通行可能車種が限定されていたりします。
スマートICの設置場所
スマートICの設置場所は、主に以下の3種類です。
SA・PAのそば(SA・PA接続型)
各地のICとICの間(本線直結型)
バスストップ(高速道路内に設置されたバス停留所の併設型)
スマートICの設置目的のひとつは、最初に紹介したとおり「地域の活性化」です。そのため、近くにICがないSA・PA、ICとICの間が長い場所に設置されている場合が多く見られます。バスストップの併設タイプは、地域活性化だけではなく、公共交通機関の利便性に繋げることで近隣の混雑緩和も期待されています。
国土交通省のHPによると、現在全国に設置されているスマートICは114か所とのことです。24時間稼働しているところもあれば、6-22時、6-15時など、時間が限られているところもあります。スマートIC開通済箇所の一覧表や準備段階の場所など詳細を知りたい場合は、国土交通省のHPをご覧ください。
SAだけ利用したいけど可能?スマートIC利用上の注意点
「遠出はしないけどSAだけ利用したい」という方もいるでしょう。「スマートICから接続できるSA・PAに行き、また同じスマートICから出る」そのような利用方法は可能なのでしょうか。結論から言うと、それはできないとされています。
最近はご当地名産品を販売する出店が並んでいたりご当地イベントが行われていたりと、地域活性化に向けて賑わいを見せるSAが増えています。近隣にガソリンスタンドがない場合の燃料補給や休憩に、ちょっと立ち寄ることができれば大変便利です。
しかし「スマートICは高速道路利用に使用するための出入口」との観点から、SA・PAだけの利用はできません。
もしスマートICから中に入って同じ出口から出ようとしても、退出はできません。その場合、設置されているインターホンで係の人を呼び出して説明をする必要があります。係員の対処方法に明確な決まりはないようです。
スマートICの本格導入が始まってから10年以上たちますが、普段高速道路を利用しない人にとってはまだまだなじみの薄いもの。しかし、今後はさらに設置数も増えていく予定なので、あたりまえの存在になるのはそう遠くはなさそうです。
近道にも便利、地域の活性化にもつながる、混雑の解消も期待できる、などスマートICを利用するメリットはたくさんあります。ぜひ積極的に活用し、そのメリットを享受しましょう。