ドライブ
更新日:2019.08.20 / 掲載日:2019.08.20
冬の運転で気を付けること・雪道での運転での心構えとは

グーネット編集チーム
スノーボードやスキーなどウインタースポーツの愛好者の多くは毎年、冬になり雪が降るのを心待ちにしていることでしょう。しかし、都市部の降雪は元より、降雪地帯に住んでいる人にとっても、雪道の走行は大変滑りやすく、スリップや追突事故を招く恐れもあることから、雪のない季節以上に慎重さが求められます。
ここでは、冬の運転で気を付けることや雪道を運転際の心構えについて解説します。都内都心部でも降雪は時々あるので、降雪地帯に住む方や都内都心部に住む方も参考にしてください。
冬の道や雪道では基本ゆっくりを意識して運転する
冬の道路や雪道ではスタッドレスタイヤとタイヤチェーンを用意していたとしても、ドライの夏の道路を走行するときと同じように運転してはいけません。
日中陽の当たらないカーブや凍りやすい橋の上、常に風が通り抜けるトンネルなどは特に滑りやすいため、スタッドレスタイヤとタイヤチェーンを装備しているからと過信せずに、いつもよりゆっくり丁寧な動作を意識して運転する必要があります。
MTは2速、ATはクリープ現象で発進する
雪が積もっていたり、凍結していたりする道では、発進時にアクセルを勢い良く踏み込むと、タイヤが空転してしまい、クルマが動けなくなるスタック状態になる場合があります。特に1速ギアでは駆動力(トラクション)が掛かり過ぎて空転する傾向があります。
そのため、MT(マニュアルトランスミッション)では、決してアクセルを踏み込み過ぎないように、2速発進で駆動が適度に掛かるよう、ゆっくり発進します。AT(オートマチックトランスミッション)の場合も、同様に2速発進を行い、アクセルを踏まないクリープ現象で発進するように心がけましょう。
AT車やCVT車ではスノーモードの装備されている車種もあるので、積極的に使いましょう。スノーモードはエンジン出力を制御してタイヤの空転を抑えるモードです。
カーブ・下り坂時は早くにタイヤが止まってしまいがちなのでロックを意識する
道路が凍っているカーブを走行する場合は、カーブ手前で十分にスピードを減速し、適度にトラクションを掛けながら曲がっていくことを意識しましょう。カーブ途中でブレーキを掛けると、タイヤがロックしてクルマが正常に制御できなくなる可能性があるため注意してください。
また、下り坂を走行する場合は、下り坂に差し掛かる前にスピードを減速し、エンジンブレーキとフットブレーキを併用しながら、慎重に運転しましょう。
ゆっくり走るとガソリンがなくなりやすいので、給油はこまめにしておく
雪道をゆっくり走ると安全性は高まりますが、普段より低いギアを使いゆっくり走行するため、どうしても燃費性能が落ちるのは避けられません。そのため、途中でガソリンがなくならないように、早め早めに給油を行いましょう。
また、ガソリンが空の状態と満タン状態では、車種によっては大人1人から2人分の重量差があります。当然、ガソリンによって車両重量が増すとグリップは効きやすく、雪道においてもトラクションが改善されるので、ガソリンの量を増やす頃によって得られるメリットもあります。
クルマに積もった雪は事故のもと!走る前に除去する
クルマを走らせる前には、前後左右のウインドウに積もった雪の除去は元より、屋根に積もった雪も必ず除去してください。走行中にブレーキを掛けたり、下り坂になったりすると雪がフロントガラスに落ちてきて、前が見えなく恐れがあるからです。また、クルマに積もった雪が走行中に道路に落ちると、他の車両の迷惑になるばかりか2次災害の原因にもなる可能性があるので、十分に除雪をしてから出発してください。
併せてヘッドライトに着雪があると、夜間走行やトンネル走行に支障がでるので、しっかり除雪を行ってください。降雪の中、走行している間もヘッドライトに着雪する場合もあるので、長距離走行になる場合は、適度にクルマを停車させ、除雪をしましょう。
ウインドウデフロスターやウインドウヒーター、ワイパーデアイサー、エアコンを使いながら、ウインドウに着氷しないように心がけましょう。これらを使うことにより、着氷を抑えることができます。
冬は道だけでなく視界も悪くなりがちなので注意する

グーネット編集チーム
冬の運転においては、外気温と室温の差によるウインドウの曇りや着氷による視界不良に対して安全運転の観点からも対策が必要となります。具体的な対策としては、出発前にウインドウに積もった雪を除雪することはもちろんですが、ウインドウヒーターやエアコンをうまく使い良好な視界を確保することが大切です。
雪の降り方や雪質によっては、走行中もサイドウインドウやリヤウインドウに着雪する場合もあります。そのまま運転すると視界が悪くなり非常に危険ですので、時々雪を取り去るようにしましょう。
また、吹雪などの悪天候では視界不良に加え、ホワイトアウト現象と言って、雪や雲などによって視界が白一色になり、道路と歩道の区別がつかなくなったり、対向車や先行車、起伏など、周囲のものが見えなくなったりするばかりか、方向さえも分からなくなる場合があります。先行車のテールランプや対向車のヘッドライトが直前になってはじめて見えるなど、非常に危険な状態です。
ホワイトアウト現象はもちろんですが、降雪が多く視界が確保しにくい状況では、運転を中止する判断も大事でしょう。対向車や歩行者に自車の存在を知らせるために、日中でもヘッドライトを点灯すると良いでしょう。
冬の道を運転するときは気持ちに余裕を持たせて落ち着いて運転する
冬の道を運転する際に留意すべきことをまとめてみました。冬の道を運転する際は、是非参考にしてください。
雪道での「急発進」「急ハンドル」「急ブレーキ」は厳禁
積雪がある路面やアイスバーンなどの滑りやすい路面で、急のつく運転は簡単にクルマの制御を失います。ゆっくり・じっくりを意識して、アクセルやブレーキを一気に踏み過ぎないように運転しましょう。また、エンジンブレーキをフットブレーキと併用することを意識して、タイヤがロックしないよう慎重に運転しましょう。
冬の環境下での安全装備の作動を過信しない
トラクションコントロールやABS、車線逸脱警報やレーンキーピングアシスト、レーダークルーズコントロール、プリクラッシュブレーキなど、安全装備や運転支援装置がついていても、積雪のあるような道路状況や雪が降っているなどの天候状態、気温の低下や積雪などが悪影響を与えている車両状態などによってはきちんと本来の性能が発揮されない場合があります。決して過信せず、いつも以上に車間距離を取って走行するように心がけましょう。
いつもより時間に余裕を持って出発する
雪道の走行はどうしても、スピードを落として走行するため、普段より目的地まで時間が掛かります。そのため、いつもより時間に余裕を持って出発するようにしましょう。
服装に気をつける
出発前には靴底やペダルに付いた雪を落としてください。滑って大変危険です。また、運転途中に外へ出て除雪作業をする可能性があります。そのため、服装や靴に留意し、できれば除雪用に長靴や軍手をトランクやラゲッジスペースに備えておくと便利です。
チェーンを備えておく
道路状況によってはチェーンが必要となります。用心のためにも、降雪した道路を走行する可能がある場合は、チェーンを装備しておきましょう。
良好な視界を確保する
着雪や窓の曇りに留意しながら、エアコンやウインドウヒーターを使いながら、前後左右良好な視界を確保しましょう。
雪道や凍結路を運転する際は、いつも以上に時間に余裕を持って、慎重な運転に心がけましょう。
また、事前の備えとして、本格的なウインターシーズンが到来する前にスタッドレスタイヤへ交換することや、降雪地帯に住む方やウインタースポーツを楽しむ方は必ずチェーンを用意しましょう。