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更新日:2019.09.06 / 掲載日:2019.09.06

タクシーの運転に必要な免許の取得方法

タクシーの運転に必要な免許の取得方法

グーネット編集チーム

タクシー運転手は、乗車したお客様を安全に希望する場所まで送り届けて運賃を受け取る、「運転のプロ」の仕事です。ここでは、そんなプロのタクシーの運転手に必要な免許と、その受験資格や取得方法、試験の内容や合格率・難易度に関してまとめます。

タクシーの運転に必要な免許には何があるのか

タクシーの運転に必要な免許となると「普通免許」となりますが、普通免許には「普通一種免許」と「普通二種免許」があります。

そのうち、お客様を乗せてタクシーを運転するために必要な免許は「普通二種免許」で、お客様を乗せずにタクシーの移動をするだけであれば、「普通一種免許」だけでも可能です。

この免許の違いによる、業務内容への影響について、さらに詳しく見ていきましょう。

普通一種免許と二種免許の違いとは?

普通一種免許・普通二種免許は、ともに「普通免許」ですので、運転可能なクルマの大きさが「重量5トン未満・最大積載量3トン未満・乗車定員10人以下」なのは共通です。
しかし「普通一種免許」の場合、自家用で使うクルマしか運転できないので、この免許しかないときにタクシー会社の業務で可能なのは、回送車の運転に限ります。


一方、普通二種免許があれば、乗客を乗せて運び、対価を得る商用車の運転ができます。
すなわち、この免許を取得していれば、ドライバーの仕事ができると言うことです。

普通二種免許を持っていると、具体的には、タクシー・ハイヤー・介護タクシー・運転代行車を業務として運転できます。
商業目的での運転になりますので、一般的にこの免許の取得で「職業運転手」として認識されることが可能です。

高い運転技術はもちろん、道路上での歩行者や他の車両への気配り、万が一のアクシデント発生時の適切な対処など、同じ普通免許でも、普通一種免許よりワンランク上の技能が求められる資格と言って良いでしょう。

二種運転免許の種類

二種免許の種類は以下のようなものがあります。

・普通二種:タクシーを乗務するために必要な免許
・中型二種:29人以下のマイクロバスなど、旅客用のクルマの営業運転が可能
・大型二種:バスの運転手に必要
・大型特殊二種:特殊な大型車両の運転に必要
・牽引二種:旅客用車両を牽引する場合に必要

大型二種免許は、中型自動車と普通自動車の二種免許も兼ね、中型二種免許は普通自動車の二種免許も兼ねます。
したがって、マイクロバスの運転手、もしくはバスの運転手がタクシー運転手に転職するとき、免許はそのままで問題ありません。

タクシー運転に必要な普通二種免許の受験資格とは?

タクシー運転に必要な普通二種免許の受験資格とは?

グーネット編集チーム

普通二種免許を取得するためには、以下の要件を満たしている必要があります。

1. 満21歳以上であること
2. 普通・中型・大型・大型特殊、この中のいずれかの一種免許を持ち、運転経過期間が3年以上経っていること※免許停止期間がある場合、この期間を除いた累積の運転経過期間が3年以上必要
3. 視力が片眼0.5以上、両眼で0.8以上、深視力検査(立体感や遠近感を測る検査)2cm以下
4. 信号が識別できること
5. 補聴器を使わないで会話などが聞き取れること

普通二種免許を取得する方法・流れとは?

普通二種免許を取得するためには、技能試験と学科試験を受け、それぞれに合格後、2種の講習(応急救護処置講習・旅客者講習)を受講して初めて免許証が交付されます。
どのような取得方法があるのか見てみましょう。

教習所に通う

教習所に通ってこの免許を取得する場合は、普通一種免許取得と同じように、検定試験や卒業試験も教習所で受けます。
教習所で検定試験と卒業試験を終了して試験場で試験を受ける際には、技能試験受験は必要なく、学科試験のみの受験です。
技能試験が免除されるので比較的合格率が高く、確実性を大事にしたい方はこちらをおすすめします。

合宿免許で取得

限られた期間内に免許を取りたい場合は、合宿で取りに行くのもおすすめです。
教習所に通う場合は、シーズンによって予定通りに予約が取れないこともありますが、合宿免許ではその心配がありません。
ただし自宅からは通えませんし、合宿の間、仕事は基本できません。

試験場で一発試験

すべての勉強を独学で行い、技能試験・学科試験を試験場で受けるという方法もあります。
費用は一番安く済みますが、この方法で1度の受験で免許を取得するのは難しいかもしれません。

普通二種免許の試験の内容・合格点・合格率・難易度はどのくらい?

先述の通り、普通二種免許を取得するには、技能試験と学科試験を受ける必要があります。
ここでは、それぞれの試験で行われる内容や合格点などについて紹介します。

技能試験の内容

教習所の場内試験では、V字型の鋭角コース、方向転換か縦列駐車などが出題されます。
路上試験では、乗客のための運転の流れができているかの確認が中心です。

第一種免許と比較して、旅客の生命を預かる責任が重いと言う点で採点基準が厳しく、一種免許の技能試験は30点まで減点でも合格ですが、二種の場合、80点以上で合格です。
運転技術に関しては、経験に基づく自信があっても、普段の運転でついてしまった癖から離れ、本来の運転技術の基本ルールを改めて確認することが大切です。

学科試験は全部で95問

問題形式はマークシートであり、全部で95問です。

学科試験の内容

内訳は文章問題90問、イラスト問題5問。文章問題が1問1点、イラスト問題が1問2点の合計100点満点の試験です。
普通一種免許に比較すると応用問題が多く、難易度もやや高くなっています。また、普通二種免許と他の二種免許の試験問題は共通で、タクシー乗務希望でもバス乗務に関する問題が出題されますから、理解しておきましょう。

学科試験は、普通一種免許取得からしばらく時間が経っている方が、うっかり忘れがちな基本的な運転知識に関する再確認という意味合いを込めた内容になっています。

合格ラインは100点中90点以上

普通二種免許の学科試験は普通一種免許の学科試験と同様に90点以上が合格点数となっています。
ただし、普通一種免許に比べて、応用問題が含まれるなど内容に差があるため、普通二種免許の学科試験の方が90点以上をとるための難易度が高くなっていると考えられます。

全体の合格率は4割超え

教習所を利用した方の合格率はかなり高いようですが、一発試験の合格率は10%前後という低い数字になっています。
警察庁「運転免許統計」によると、2017年実績で、普通二種免許試験全体の合格率は、MT免許とAT限定の合計で42.1%、AT免許のみでは44.2%です。

難易度は基本重視でクリアできる

人を乗せて目的地に運ぶわけですから、当然安全面に関する知識・技術も問われます。
第一種に比較すれば難易度が高い免許ですが、基本をしっかり押さえれば、合格するのはそう難しくはないでしょう。

まとめ

仕事としてタクシーを運転するために必要な免許について、おわかりいただけたでしょうか。

タクシーの回送車を移動させるだけであれば、普通一種免許だけを取得していれば問題ありませんが、お客様を乗せてタクシーを運転するためには普通二種免許が必要になります。
この免許を取得して、初めて運転のプロとして仕事ができるようになりますから、タクシー運転手希望者であれば必須資格です。

普通一種免許と比べて、技能試験・学科試験ともに難易度があがっているため、これから普通二種免許を取得する人はしっかりと対策して挑みましょう。

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グーネットマガジン編集部

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