ドライブ
更新日:2019.09.06 / 掲載日:2019.09.06

高齢者運転マークは何歳から?取付位置や義務について

高齢者運転マークは何歳から?取付位置や義務について

グーネット編集チーム

自動車運転免許を取得して1年未満は、車両の前後に初心者マーク(初心運転者標識)を表示しなければいけないことは、みなさんもご存じかと思います。
「初心者マーク(初心運転者標識)」については、自動車運転免許を取得して1年未満の方が車両の前後に掲示しなければならないものといったことをご存じの方は多いのではないでしょうか。

では、「高齢者運転マーク(高齢者運転標識)」については、いったいどのようなものなのかご存じでしょうか。高齢者運転マークの存在は知っていても、詳しい内容は知らないという方のほうが多いのではないでしょうか。

ここでは高齢者運転マークについて、何歳から表示するのか、取付位置や義務などの詳しい内容について紹介していきます。今は必要がなくても、やがてはお世話になるかも知れない高齢者運転マーク、ぜひ参考にしてください。

高齢者運転マークの意味とは

高齢者運転マークの意味とは

グーネット編集チーム

高齢者運転マークがどんな意味をもつのかご説明します。

個人差はあっても、運転技術や視力、聴覚を含めた身体能力の衰えは、誰にでも年齢とともに訪れます。身体能力の衰えは、運転の3要素である「認知」「判断」「操作」に対して、影響がでる可能性があると考えられます。

そのため、周囲を走行するドライバーに対して、高齢者ドライバーが運転している車両であることの周知し配慮と理解を得ることを目的に作られたのが「高齢者運転マーク」です。

高齢者運転マークは何歳から適用されるのか

では、高齢者運転マークは何歳になったら適用されるのでしょうか。高齢者運転マークの表示に関しては、以下の通り定義されています。

「普通自動車対応免許を受けた者で70歳以上75歳未満のものは、加齢に伴って生ずる身体の機能の低下が自動車の運転に影響をおよぼすおそれがあるときは、内閣府令で定めるところにより普通自動車の前面および後面に内閣府令で定める様式の標識を付けて普通自動車を運転するように努めなければならない。」(道路交通法第71条の5第4項)

自動車運転免許を保持している70歳以上75歳未満の方で、加齢による身体機能の低下があり運転に影響をおよぼす場合のある方は、高齢者運転マークの表示を努めるようにと書かれています。ここでいう「努める」とは、高齢者運転マークの表示義務ではなく、表示の努力義務となっています。

また、75歳以上の高齢者ドライバーは、以下の通りです。

道路交通法「道路交通法第71条の5第3項」では75歳以上の方は高齢者運転マークの表示を義務付けていましたが、2009年の道路交通法の一部を改正する法律(平成21年法律第21号)により、75歳以上のドライバーについても努力義務とし、当面は適用しない旨、即日施行されました。

つまり、70歳以上のドライバーは高齢者運転マークの表示は努力義務ということになります。

なお、普通自動車、軽自動車に加えて、タクシーなどの営業車も対象となります。

高齢者運転マークを取り付けなかった場合には罰則はあるのか

前述の通り、2009年4月以降、高齢者運転マークの装着は70歳以上のドライバーに対して、義務ではなく努力義務とされています。そのため、70歳以上のドライバーでも、高齢者運転マークを取り付けなかった場合の罰則規定はありません。

高齢者運転マークの取付位置

高齢者運転マークの取付位置は道路交通法施行規則第9条の6(初心者運転標識等の表示)で定義されています。取付位置は車体の前後両方の、地上0.4メートル以上1.2メートル以下の見やすい位置とされていて、初心者マークとまったく同じです。

ボディタイプやボディ形状にもよりますが、全面はボンネット先端、後面はリアガラスもしくはハッチゲートなどに取り付けるのが一般的です。

高齢者運転マークはマグネットタイプや吸盤タイプがあり、装着する場所で使い分けると良いでしょう。マグネットタイプはボンネット、吸盤タイプはリアガラスの内側から装着する場合に利用されます。

マグネットタイプを使う際、前後ともに平面部分に装着するようにしましょう。特に前面は走行中の風圧で剥がれる可能性があるので、十分に注意してください。走行中に剥がれてしまうと、自身の安全運転に支障をきたすかも知れません。

高齢者運転マークのデザインが変わった理由

道路交通法で高齢者運転マークのデザインが定められていますが、2011年2月にデザインが変更されています。
しかし、以前のデザインのもみじマークも引き続き使用しても問題はありません。

以前の高齢者運転マーク(もみじマーク)は、そのデザインから「枯葉マーク」とも表現されることが多く、高齢者を差別するものという反対意見などあったことが、高齢者運転マークのデザインが変わった理由にあります。

現在の高齢者運転マークは、普及がより進むように、一般の人の意見やアンケートを実施するなど検討され採用されました。四つ葉のクローバーをイメージしたデザインと、シニア(Senior)の意味である「S」を組み合わせ、より親しみやすく洗練されたものへ変更されました。
高齢者のドライバーや一般の方から「幸せな気分で運転できそう」など、多くの支持を集めたデザインです。

高齢者運転マークを取り付けたクルマに必要な配慮・保護義務とは

高齢者ドライバーが高齢者運転マークを表示していなくても違反にはなりませんが、高齢者運転マークを取り付けている車両に対しては保護義務が設けられていることをご存じでしょうか。

対象の車両に「側方に幅寄せ」や「割り込み」が認められた場合、保護義務違反となり、該当ドライバーに対して道路交通法により反則金および行政処分の罰則規定が設けられています。

行政処分と罰則規定は次の通りです。

反則金:6,000円(普通車および二輪車)、7,000円(大型車および中型車)
違反点数:1点の加点

この罰則は、道路交通法第71号5の4の「初心運転者等保護義務違反」に規定されていて、高齢者マークや初心者マーク、身体障害者標識、視覚障害者標識、仮免許練習中の標識を装着した車両が対象となります。

上記の通り、高齢者運転マークを取り付けた高齢者ドライバーが安全に走行ができるよう、必要な配慮として危険な運転をしたドライバーに、明確な罰則規定が設けられています。そのため、高齢者運転マークの表示は義務ではありませんが、可能であれば安全のため高齢者運転マークを表示することをおすすめします。

まとめ

高齢者運転マークは、70歳以上のドライバーを対象にした標識であることは、お分かりいただけたでしょうか。
高齢者運転マークの適用に関しては、70歳以上75歳未満のドライバーは努力義務、2009年4月の道路交通法の改正により、75歳以上のドライバーも現在は努力義務となっています。

高齢者運転マークを表示した車両に対して、周囲を走行するドライバーには保護義務が生じるので、高齢者ドライバーは自身の安全を確保する上でも積極的に利用を検討してみてはいかがでしょうか。

この記事はいかがでしたか?

気に入らない気に入った

グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

img_backTop ページトップに戻る

ȥURL򥳥ԡޤ